EC業界のエキスパートが答える、売れるECへの近道|Shopifyイベントレポート

EC事業者のリアルな課題にエキスパート達がヒントをお届け

2023年8月29日に、コマースプラットフォームを提供するShopifyと、Shopify PlusパートナーのWEBLIFE、アプリパートナーのハックルベリーが開催するリアルイベント、勝機を逃さない「売れるEC」を根本から見直すリアル相談会が行われました。急成長を遂げている食品ECの「Kuradashi」もゲストにお招きし、会場にお越しいただいたEC事業者の皆様に、ECを成長させる様々な施策や事例をお話ししました。

イベントの登壇者左から、Shopify Japan パートナーシップ兼事業開発部長 徳満泰彰氏、Kuradashi マーケティング部長 小手川大介氏、Shopify Japan シニアパートナーシップマネージャー 田坂佳子氏、ハックルベリー代表取締役社長 安藤祐輔氏、WEBLIFE代表取締役 山岡義正

→豊富なEC構築実績を持つShopify PlusパートナーのBiNDecがご相談を承ります。

ShopifyのECはなぜ売れている?ECグロースに必要な要素とは

Shopifyは世界で数百万の事業者に利用されているコマースプラットフォーム。小さな個人商店から誰もが知っている有名ブランドまで多様なビジネスに導入されています。

市場の動向に合わせられるECであることが最優先事項

日本のECサイトはカスタマイズありきのパッケージやフルスクラッチが多く、クライアント独自の要望に合わせたECを実現できるといった反面、標準にはない追加機能が欲しい場合は高額なコストや開発期間が必要になります。複雑なシステムであれば開発期間も長くなり、構築開始からローンチまでに1〜2年かかるのが一般的で、日々変化しているEC市場のトレンドから乖離してしまうリスクがあります。

山岡は、そういった現状を解決するために、カスタマイズを最小限に抑え、既存のアプリで標準にはない機能を拡張しながら、スピーディにECを構築できるShopifyを利用した短納期構築のメリットをお伝えしました。
BiNDecでは、カスタマイズ文化から脱却しながらも、しっかり売上を立てられるEC作りのために、日本の商習慣に合わせられる独自のアプリを多数開発しています。
BiNDecが推奨する短期間のEC構築のメリットを話す山岡

売上のピークで機会損失しない、強固なサーバー

Shopifyで大きく売上を上げているECサイトは、Shopifyならではの機能・メリットを最大限に活用しています。
賞味期限間近や規格外品などを理由に通常の流通ラインには乗せられない食品などに、フードロス削減と社会貢献活動画の支援いう付加価値を与えて、お得な価格で販売している「Kuradashi」も、パッケージECからShopify Plusへリプレースをしました。

リプレースの主な理由のひとつはサーバーの耐久問題だったそうです。トレンドワードであるSDGsの観点からKuradashiのビジネススタイルが話題となり、多くのメディアで紹介される度にサーバーがダウンするという課題を抱えていました。サーバーダウンによる機会損失を解決するためShopifyへのリプレースするケースは他のマーチャントでも多いそうです。
ECの成長の過程でShopifyへリプレースするメリットについて話す小手川氏

世界中の拠点で負荷分散をしているShopify Plusの高性能なサーバーは、新作商品のリリースタイミングやタイムセールなど、アクセスが集中する際も安定しており、さらに担当者と連携すればトラブルにすぐ対応できる監視体制を組んでもらうことも可能です。
フラッシュセール中もサーバーの心配は不要なので、受注商品がスムーズに配送されているかのチェックなどにコストをかけられるようになります。

幅広い製品にフレキシブルに対応でき、システム化もできる

Kuradashiは主に食品を扱うECを扱うECのため、常温・冷蔵・冷凍の三温度帯での管理と配送、複数のロケーションからの配送など食品EC特有の拡張が必要でした。
Shopifyではそういった商品ごとにバリエーションが異なる配送手段を可能にできるロジスティックの外部サービスも多数展開されています。
フルスクラッチやパッケージのようにゼロから配送システムを構築する必要がないため、Shopify向けに用意された既存のサービスを導入するだけでフレキシブルに対応ができます。

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売れるまで数多くの施策を打てる、スピードとバリエーション

高機能で見栄えもいいECを作っただけで、商品が売れるわけではありません。ECで商品を売るためには、ターゲットのニーズに合致したプロモーションやお得なキャンペーンなど数多くの施策を実施することが重要です。
小手川氏も、一つ一つの施策にPDCAを回しながら、どんな効果が出たか、どこを改善すればよいかを地道に探っていくことがECの成長に繋がっているとお話しされました。

売るためのパターンがいくつも試せるアプリゆえのメリット

Shopifyでは、公式のShopifyアプリだけではなく、外部のアプリ開発パートナー企業によりECの機能を拡張できるShopifyアプリが提供されています。標準機能にはない、新しい施策を始めたい時にもそれらのアプリを利用することによってスピーディに実現できるようになっています。
ハックルベリーでは、リピートを促すサブスクリプションアプリ、リスクの少ない広告展開ができるアプリなど販売戦略や集客・販促に関わるアプリを主に開発・提供しています。安藤氏からは、Shopifyアプリなら数十ドルから手軽に導入できるため、新しい施策を始めるハードルも下がる点をメリットとして挙げられました。

小手川氏も、Shopifyにリプレースしてから短いスパンで月に10以上の施策を打つことができ、知見を溜めるスピードも早くなったと実感されていました。
Shopifyアプリの多様さや有用性について話す安藤氏

グローバルの実績、CVアップが証明されたチェックアウト

Shopify Plusでは、アプリによってチェックアウトページに独自の編集を加えることが可能です。CV率を上げるためのアプリ活用術として、チェックアウトページでいかに遷移数を少なくして迷わないようにするかの重要性が安藤氏から挙げられました。

例えば、SNSからの流入ではトップや商品ページではなく、商品がカートに入った状態のチェックアウトページがLPになるパターンもあり得ます。チェックアウトページにおすすめ商品のセット提案やラッピングのオプション、アフターサービスの情報などがあれば、購入までの後押しになり、離脱を防ぐことにも繋がります。

ビッグスリー(MBB=*)と呼ばれる、3つの大手戦略コンサルティング会社の調査によると、Shopifyのチェックアウトは他の競合ECプラットフォームよりも、コンバージョン率が最大36%、平均15%上回っているという結果が出ています。

チェックアウトページのコンバージョン率比較

引用:Shopify Checkout is the best-converting in the world. Here’s why.
*=McKinsey&Company、Bain&Company、Boston Consulting Groupの3社

国内トップのShopifyアプリ事業者だから言える、賢いアプリの選び方

Shopifyアプリは、Shopifyアプリストア内で用途を検索して、自社のECに必要なアプリを探すことができますが、数あるアプリの中で最適なアプリを探すことはなかなか難しいことです。
そこで徳満氏は、アプリのレビュー数が選定の基準となるとお話しされました。たくさんの人に使われ、信頼性のあるアプリには多くのレビューが付けられています。

また、多数のEC構築実績があるパートナー企業には、この施策をやりたいならこのアプリが最適だ、という見識も豊富にあるため、アプリ選びに迷ったらパートナー企業に相談してみるということも手段の一つです。
安藤氏からは、機能・値段・サポート体制の3つを基準として、特にやりたい施策の条件を満たしている機能であるか、要望にあわせて改善されるサポート体制であるかを重視するべきとお話しされました。Shopifyは年2回、100以上もの新機能や拡張機能が追加されるため、アプリもそれに合わせてアップデートされなければ、急に使えなくなってしまうという事態になりかねません。そういった視点からも、多くのアプリを検証し、おすすめを選定しているパートナー企業は頼もしい存在です。
参加者からの質問に様々な視点から回答する4名

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お客様のココロをつかむ、買いたくなるショッピング体験

モノを売るには、ECでもリアル店舗でも「買いたくなる価値を持った商品」であることが大前提です。年商20億円を突破したKuradashiを参考に、他にはない価値のある商品とはどういったものかを探ります。さらに、ECだから実現するエンゲージメントを高める仕組みもご紹介します。

+αの価値観を生み出すKuradashiの1.5次流通

Kuradashiの商品が売れている理由は、廃棄するしかない状況の商品を販売し廃棄コストをかけることなく、さらに利益にできるメーカーのメリット、通常価格よりもお得に商品を購入できるカスタマーのメリット、フードロスが削減でき、社会貢献活動の支援にもつなげることができる社会へのメリットの三方よしのビジネスモデルにあります。
Kuradashiではこれを、新品が通常のルートで売買される1次流通、一度消費者が使用した中古品が売買される2次流通の間をとって、1.5次流通と呼んでいます。
商品ページには「なぜ出品されているのか」の理由を掲載し、消費者も安心して購入することができるようになっています。
出品理由や支援先が選べるKuradashiの商品ページ

リピーターを育てる顧客ロイヤルティのアイディア

Kuradashiでは、商品代金の一部をNPO法人や公益社団法人、災害の支援基金などに寄付されますが、購入者自らが支援先を選べるようになっています。会員マイページで過去の購入履歴と共に支援先の履歴もチェックでき、フードロスを削減したことによる社会貢献度などが数字で表示されるようになっています。

ただ欲しいものを買っただけではない他にはない満足感を得られる仕組みによって、リピーターを増やし、ブランドへのエンゲージメントが向上するショッピング体験を作り出しています。
山岡からも、会員登録してくれた顧客に対して、いかにOne to Oneでコミュニケーションをとることができるかのプログラム作りの重要性を強調しています。

認知が低いブランドでも始められるSNSでの集客

まだ認知度のないスモールスタートのビジネスでは、あまり贅沢な施策を実施することは難しいでしょう。
そういった場合の集客方法として、まずは少額の予算でもInstagram広告をA/Bテストで実施して、分析しながらLPを改善、成果の出たものを広告の額をあげるといった方法を山岡は提案しています。
売り込みたい商材を絞り、広告のターゲット、文言、クリエイティブなどアプローチの精度をあげていくことがいずれ大きく売り上げるためのきっかけに繋がっていきます。

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どう活かすかが勝負、EC運用におけるAI活用

ChatGPTやMidjourneyなど、テキストや画像を自動生成するAIが昨年末から世界的なトレンドとなっていますが、Shopifyでも事業者がコマースを効率的に展開するためのAI機能を提供しています。ECにおけるAI活用について考察されました。

自動生成でEC業務をアシストするShopify Magic

Shopifyでは、先日の新機能発表でAIによるコマースアシスタント「Sidekick」がお披露目されました。今までもShopifyのECサイトをモール化したスマホアプリで商品を提案してくれるコンシェルジュのようなAI、商品説明文やDMのタイトルを自動生成してくれるAIがありましたが、Sidekickは、ECの売上分析からデザイン提案まで様々なEC運用をアシストしてくれるAIです。
Shopifyの特性や新機能を紹介する田坂氏

リソースの選択と集中に期待。AI活用の将来像

小手川氏は、これからの施策としてKuradashiのファンを増やし、意見を取り入れながらブランド成長を促進するため、アンバサダーを起用したマーケティングを強化していきたいそうです。必ずしも人的リソースを必要としない作業をAIが肩代わりしてくれることで、そういったマーケティングを強化する業務に注力できるようになることに期待されていました。

山岡は、これからのEC運用において、AIをうまく活用しながらも、人ならではのアイディアや知見を合わせて戦略を立てていくことが成長へつながると考えています。AIと人が共に進化しながらECのあり方を高めていける将来になることを予想しています。
参加者と交流する懇親会も実施され、ECの課題の相談や意見交換が行われた

ShopifyのECサイトを構築・運用をトータルサポートするBiNDec

WEBLIFEでは、Shopifyを利用したECサイト構築から運用までサポートする「BiNDec」を提供しています。
豊富な導入実績とハイレベルな技術力・知識量を認められたShopify Plusパートナーとして、越境ECに対応した構築・運用プランのご提案も可能です。ぜひお気軽にお問合せください。
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POINT

  • Shopifyへリプレースする理由として、サーバーの堅牢性が多く挙げられている
  • Shopifyアプリによって多くの施策をスピーディに打つことができ、売上成長につながっている
  • One to Oneでコミュニケーションをとる会員プログラムがリピーターを育て、商品に付加価値を与える

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