Shopify、EC-CUBE、ecforceどれが最適?!伸びる・伸びないECの境界線をリアルトーク

中〜大規模の法人ECを構築する際に導入するプラットフォームといえばShopify、EC-CUBE、ecforceを検討する方が多いでしょう。これらのECシステムには機能の拡張性や設計方法を熟知し、構築から運用まで支援する公認のパートナー企業が数多く存在します。
EC-CUBEプラチナパートナーRefine代表取締役 大塚和男氏とShopify PlusパートナーのWEBLIFE代表取締役 山岡義正が、合わせて1000以上のEC構築・運用を支援してきた経験から、売上の伸びるECの特徴や各種ECシステムのメリットとECをグロースしていく上での必要なことを本音で語ります。

写真左から、山岡(WEBLIFE)と大塚氏(Refine)

株式会社Refine 代表取締役大塚 和男氏(写真右)
2007年、株式会社Refineを設立。EC-CUBEを利用して500サイト以上のECサイトの開発と運用をサポート。リテンションマーケティングに注目し、オンラインでも「最高の顧客体験を」を軸にShopifyやecforce、EC-CUBE等のプラットフォームの枠にとらわれず、CRO対策、ユーザー行動の可視化をベースにファネル分析から施策を繰り返す少し変わったやり方が功奏する。
株式会社ウェブライフ 代表取締役 山岡 義正(写真左)
2007年、株式会社ウェブライフジャパンを設立し、EC-CUBEを利用して300社以上のECサイト運用をサポート。2017年よりShopifyを主軸に事業を拡大。Shopify Plusパートナーとなり、350以上のShopifyストアのプランニングを手がける。現在、株式会社ウェブライフ代表取締役としてShopifyを軸にしたEC構築・運用支援サービス「BiNDec」を展開。

→売上が伸びるECの本質とは?WEBLIFE×Refine共同ウェビナーに申込む

ECパートナーから見た、ECニーズの変遷

大塚氏と山岡はどちらも2007年にEC構築の受託事業をスタート。小売業界においても、まだオンラインショッピングが重要視されていなかった時代から、デジタル技術が発展し、コロナ禍を経て現在に至るまでどのように市場が変化していったのでしょうか?

EC黎明期から現在のEC構築の移り変わり

大塚氏(以下、敬称略)
創業当時は、ECを作るならフルスクラッチかASPカートの2択でした。MakeShopやカラーミーショップなどのASPカートで要件を満たせないなら、ゼロからシステムを開発していくフルスクラッチしか選択肢がなかったので、フルスクラッチでドロップシッピングのECを作ることもありました。
ただ、フルスクラッチでECを作ると、管理画面がエンジ二ア視点に寄りすぎて不親切なUIになりがちです。海外で成功しているECシステムもありましたが日本の商習慣に合わないことが課題でした。

そんな中、EC-CUBEを採用し始めたのは2008年からです。利用料のかからないオープンソースで高機能なECサイトが作れるEC-CUBEのフレームワークは画期的で、最初はパートナーも少なかったものの、その後2〜3系にバージョンアップするにつれて話題になって、制作を受託する企業も増えてきましたね。

山岡
WEBLIFEも創業時はフルスクラッチの受託スタイルでEC構築を請け負っていましたが、EC-CUBEを使った構築にシフトしてから300サイト以上のEC構築に携わりました。EC-CUBEは日本語を標準としたわかりやすい管理画面で構築できるのが魅力でした。

フルスクラッチやASPなど、各種ECシステム特徴について、詳しくは下記の記事をご覧ください。

システム保守からマーケティング施策に注力できるように

大塚
初期はEC-CUBEもまだバグも多いし、事業者側もEC運用に慣れていないケースが多かったので、ローンチ後も基本的な運用サポートやエンジニアによるシステムのサーバーの保守にコストをかけていました。マーケティングオートメーションという考え方もなかったですね。

今では事業者側もEC運用は初めてという方は少なくなっていて、オンラインビジネスにおけるリテラシーも高いので、マーケティング施策を打って売上を成長させていくというスタイルが浸透してきていると感じます。

山岡
SNSなども普及してきて、マーケティングで売上を向上させることができてくると、ECはシンプルに商品を購入できれば良いという考え方が増えてきたと思います。
シンプルなECであれば、Shopifyならテーマ(デザインテンプレート)を調整して必要なアプリを設定して業務フローをチェックすれば最短でECを構築することができます。ツールの操作を覚えれば運用は内製化できるので、パートナー企業はローンチ後、いかにグロースできるECを作れるかというノウハウが必要になってきています。
パートナー企業に求められるノウハウについて話す山岡

→売上が伸びるECの本質とは?WEBLIFE×Refine共同ウェビナーに申込む

Shopify?EC-CUBE?ec-force?選ぶべきECシステムの判断軸

EC市場における事業者と購入客のニーズが変化していく中で、まずは自社のビジネスに最適なECシステムを選ぶことが最重要です。構築パートナー目線から、各種システムのメリットや向き・不向きはどういったものがあるのでしょうか?

スピーディな構築と安定した運用でトレンドに強いShopify

山岡
Shopifyへのリプレースの理由として実は多いのがサーバーの耐久性ですね。ある程度の売り上げ規模となってくると、せっかくキャンペーンを企画して広告費をかけて集客しても、アクセスが集中してサーバーダウンしてしまっては大きな機会損失になります。
自分もEC-CUBEをやっていた頃はフラッシュセールのたびにサーバーの負荷が課題になっていましたが、Shopifyでは1秒間に1万件以上の注文を同時処理できるほどの耐久性があるのでまず心配が要りません。さらにサーバーの維持費がかからないのも大きなメリットです。

大塚
アイドルのグッズを販売するECで、ツアーグッズが販売開始になると一気にトラフィックが集中するので Shopifyでリプレースしたことがあります。EC-CUBEではアクセスが集中する時は有人対応できる体制など色々と準備しなければならないので、インフラの強さで言えばShopifyですね。

EC-CUBEからShopifyへのリプレース手順について、詳しくは下記の記事をご覧ください。


山岡
ただ、Shopifyのサーバーは問題なくても、使っているアプリがダウンすることがあるんです。集中的な負荷を想定していないものや、海外製のアプリだとディベロッパーとのやりとりにタイムラグがあって、サポートが十分に連携できなかったりするので、きちんとセキュリティチェックして信頼できるアプリを選ぶ必要があります。
そうした課題もあり、アプリを自社開発して、セキュリティ面も含めてコントロールできるような仕組みにしたかったんです。
現在、BiNDecでは販売促進、UI/UX設計、顧客管理、業務効率化を目的とした26アプリを提供していて、今後もトレンドを先読みしてアップデートや新規開発を続けていきます。

1つのECのためだけに作ったカスタムアプリだと保守にかかるコストがネックですが、多くの人が使う汎用的なアプリならその分だけ保守性が高まります。
そういったアプリを活用することでECの構築時間やコストを短縮できるのもShopifyの強みですね。BiNDecでは事業者側の準備が整い次第、まずは90日間での構築を目標にECをローンチするプランを提案しています。

→【動画付き】Shopifyで実現する 90日EC構築プランとは」の資料をダウンロードする
Shopify
Shopifyの機能やプランについて、詳しくは下記の記事をご覧ください。

複雑な要件も妥協せず対応できる、自由度の高いEC-CUBE

大塚
EC-CUBEで構築する場合、平均しておおよそ8〜10ヶ月くらいはかかります。ただ、バックエンドのコアな部分もカスタマイズできるので、技術的な制限がなく要件を実現できるのが特徴です。
Shopifyではシステムの内部に関わる部分は制限があるため、それに従って運用を合わせていく必要がありますが、ビジネスモデル的にどうしても妥協できない場合はEC-CUBEが向いていると思います。

Refineでは基幹システムや外部サービスとの連携でも固有の細かい要望を実現するなど、難しい案件にも柔軟に対応してきたので7年連続でEC-CUBEのプラチナパートナーとして認定されています。
EC-CUBE

LPで一点集中。単品リピートに最適なec-force

大塚
Refineはecforceの公認パートナーとして、EC構築やユーザー行動分析マーケティングを支援しています。広告や自然検索に特化しているので、LP(ランディングページ)から単品リピートを狙うビジネスモデルならecforceがおすすめですね。
EC-CUBEだとサブスクリプションのシステムをゼロから開発することになりますし、Shopifyもサブスクリプションアプリの機能は充実してきていますが、国内のターゲット層が買いやすいよう決済手段を増やそうとするとまた別のサービスを導入する必要があります。

ecforceはLP重視で構築コストを抑えながらも、特定の条件でノベルティをつける、期間をフレキシブルに調整するなどの細かいルールに対応したサブスクリプションサービスを実施できます。3温度帯にも標準対応しているので、食品系のサブスクリプションは特に強いと思います。
ecforce
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売上が伸びるECに共通する、本質的な課題解決力

それぞれのシステムで数多くのECを構築してきた立場から、売上が伸びているECに共通していることや、事業者によくある課題とはどんなものでしょうか?

課題に合わせて適切な事業計画の必要性

山岡
基本的なことなんですが、売れているECは事業計画がしっかりと組まれています。施策に戦略がないと、必要な機能を追求する時間が足りなかったり、反対に無駄が生じてしまうこともあります。やりたいことを実現するために、まずは計画的な運用プランが欠かせません。

大塚
事業戦略がそもそも適切でないと、中長期的に取り組むべき施策なのに、成果が出る前に辞めてしまうこともありますよね。課題ごとに短期的に考えるべきか、中長期的に考えるべきか、しっかり区別することが大事だと思います。
そして適切な事業計画を作る手助けがパートナーの役目。事業者は商品販売のプロ、パートナーは業務効率改善や売上アップ施策のプロとして伴走できるスタイルが理想です。
事業計画の考え方について話す大塚氏

経営層と現場の温度差を解消して前に進むサポート

大塚
経営層と現場の店舗スタッフで施策に対する温度差があり、成果が上がらないケースがあります。少人数で回しているところだと、施策を実施するリソースが取れず現状維持が優先されがちで、もったいないな、と思いますね。

山岡
それで言うと、ECと実店舗で対立関係になっていることもよくある課題です。顧客側からすれば同じ商品・同じブランドなのに、双方が分断されていると結果的に売上向上に繋がりません。

そういった場合は、ECと店舗の関係性や評価軸について大幅な改革をする必要があります。実際にEC構築で携わった企業では、決裁者とリレーションを取りながら、時にはトップダウンでルールを見直してもらうこともあります。そのように体制の見直しからOMOに取り組めたことによって売上や顧客ロイヤルティのアップに成功された例もありました。

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売れるECを作るためのパートナーの役割、ビジョン

最後に、お二人が考えるEC構築・運用のパートナーとしての役割やこれからのビジョンはどんなものを考えていますか?

大塚
困った時や何かを相談したい時に、真っ先に頼られるような存在でありたいと思っています。トレンドに合わせることは大事ですが、それだけを最優先するのではなく、その会社に合ったやり方を提案していくことを重視しています。
例えば、ショットで大きく予算をとってECを構築するだけという関わり方よりも、長いスパンでECの構築から運用までをサポートして成長させていくほうが面白みがありますね。

山岡
僕も大塚さんと同意見です。できれば10年くらい関わりたいかな。
ビジョンとしては、属人的にならずに会社全体として頼られるような体制作りを意識しています。ECのマーケットの変化は早いだけにトレンドの把握はもちろんですが、個々の事業に対しても同じ目線で課題解決に向きあって考えていけるパートナーでありたいですね。
長く頼られる存在がパートナーとしての理想

売上が伸びるECの本質をさらに深掘り。トップパートナーによるウェビナー開催

今回の対談では、今までのEC構築歴から市場のトレンド変化、各ECシステムの特徴、どのような課題が売上の障壁となるかを語っていただきました。

さらに2024年5月30日(木)13:00から、さらに実践的な課題や運用施策の内容に迫る、WEBLIFE×Refineの共同ウェビナーを開催します。本対談では語りきれなかった、ECを成長させる上で欠かせないマーケティング、顧客育成など、ここでしか聞けないパートナー目線のトピックを盛りだくさんでお届けします。

売上や運用に課題を抱えるEC事業者の皆様は必見の内容となっておりますので、ぜひご参加ください。


開催日時:2024年5月30日(木)13:00〜14:00
参加費:無料
※先着100名様まで
ウェビナーに申込む

POINT

  • ECシステムが安定してきてからは、マーケティングで売り上げを伸ばすノウハウが重要になってきた
  • Shopifyは実装スピードとサーバー耐久、EC-CUBEはカスタマイズの自由度、ecforceは単品リピートがそれぞれの強み
  • 構築パートナーは業務効率化や収益化のプロとして、事業計画や施策提案をサポートする立場

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