ベトナムと日本のタッグで実現、Shopifyアプリを短期創出する開発のキーワード

ベトナムと日本のタッグで実現、Shopifyアプリを短期創出する開発のキーワード

若く優秀なエンジニアが多いベトナムという環境の魅力

人口の52%が30歳以下であるベトナムは、急速な変化が求められるIT業界において大きなアドバンテージとなっています。実際ほとんどのプログラマーはZ世代とミレニアル世代に属しているといい、ベトナム政府による税制の優遇措置などの支援もあり、日本のIT産業でもオフショア開発に最適な場所として近年注目されています。

Shopify構築運用サービスを提供するWEBLIFEでは、2022年より本格的にベトナムとのグローバルな開発体制を開始し、現在では開発全体の31%がベトナムチームで構成されています。数多くのShopifyアプリを短期間で創出できている要因の一つでもあるチームビルディングについて開発メンバーにインタビューしました。

ストア構築についてのインタビュー第2弾は以下よりご覧ください。

WEBLIFE Vietnamのある通りには市役所のある行政センターやフォーの人気店舗があるダナンの中心地

1年で26ものアプリ開発を支えたベトナムチームの存在

今回インタビューを受けた2名のシニアエンジニアはどちらもダナン工科大学出身で、豊富なエンジニア経験を持っています。
ダナン工科大学はベトナムで最も重要な技術系大学の一つで、情報技術、機械工学、化学工学、電気工学など多岐にわたる学部において実践的な研究に注力しているため、多くの優秀なエンジニアを輩出しています。
どのようなエンジニア経験を経て、2人はWEBLIFEへジョインしたのでしょうか?

ハイスキームなエンジニアが集うベトナムメンバーの経歴

WEBLIFEが提供するShopifyアプリ「BiNDecアプリ」全般の開発のバックエンドエンジニアとして携わっているメンバーの経歴から聞かせてください。

ギア:
ダナン工科大学でITを専攻し学生時代からインターンとして実務経験を積み、フロントエンドからバックエンドまでフルスタックエンジニアとして活動し、WEBLIFEへ所属する前は主に日系企業のアウトソーシング業務に携わっていました。
現在では主に、BiNDecアプリ開発のなかにおいて、Checkout Extensibilityを用いたShopifyアプリの要件定義、実装までを担当しています。

トゥアン:
同じくダナン工科大学出身で、入学した当初は建築を専攻していましたがあるきっかけでIT分野へと専攻を変更しました。
従業員のシステム管理に関するテーマの卒業論文を書いたことを縁にその会社へ入社し、エンジニアとしてのキャリアがスタートし10年が経ちます。IT開発アウトソーシングとプロダクト開発での経験を積んだのち、WEBLIFEの事業成長へ貢献をしたいと半年ほど前に入社しました。現在はフォームサービスであるSmoothContactの開発を担当しています。
ベトナムチームのトゥアンさん(左)とギアさん(右)。日本チームと日々連携しながらBiNDecアプリの開発を進める。

26ものShopifyアプリを1年2ヶ月という開発期間でリリース。BiNDecアプリには、販売促進、UI/UX設計、顧客管理、業務効率化の4つの観点で、収益性や拡張性を備えたECを構築から運用までトータルサポートするアプリが揃っています。


日本からオーダーするのではなく共同開発を重点にチームを構築

ベトナムチームは優秀なエンジニアが多く在籍しリモートワーク環境が整っているとはいえ、言語の壁や海外ゆえの制約やギャップはどうしても伴います。
日本とベトナムの国民性は、真面目で責任感が強いという点で似ていると言われますが、どのような工夫でチームの強化を図っているのでしょうか?

BiNDecの開発チームをまとめるWEBLIFE CTOの赤羽

短期間でアプリを数多く開発するためのチーム編成

赤羽:
この開発体制になり2年が経ちますが、日本とベトナムの違いは大きく感じていません。というより、違いが出ないようにマネジメントを心がけています。管理方法を日本とベトナムで変えてしまうと複雑度が上がってしまいます。業務を進める中で、同じマネジメント手法でいける感覚を得られたためその方針を採用しました。

日本とベトナムの時差は2時間と影響も少なく、タスクベースで日本とベトナムを連携していけているのは助かっています。
またチームを効率的に動かしたかったので、アプリごとに担当をつけるのではなく、一つのアプリをあえて皆で開発するスキームにしています。助け合えるのが大きなメリットで、アプリの数を短期間で多くを開発するためにこのようなチーム編成にしました。同時に、属人化を防ぐための工夫も行なっています。

赤羽:
チームで一つのアプリを開発するには技術構成を統一する必要があります。
Shopifyは数多くのAPIは公開されていてドキュメントはそれなりに豊富なのですが、実際の動作検証は必要です。そのため数多くのアプリを並行して開発するために社内のナレッジ強化は不可欠でした。
販売促進、UI/UX設計、顧客管理、業務効率化の4つの観点から収益性や拡張性を備えたアプリを開発

競合のShopifyベンダーが世界中にいるなかでのグローバル体制の強み

赤羽:
世界各国において、開発言語や開発手法は基本的に同じであると考えています。
外形的にはベトナムを含む海外のShopifyアプリベンダーは構築スピードが速いなどの特長があります。そうした特性を活かしつつ、機能性や設計の面で日本の細やかなユーザーファーストの観点を加えることで、相乗効果を得られることはメリットだと思います。

エンジニアから見たShopifyの優れた部分とアプリ開発のやりがい

Shopifyというグローバルプラットフォームであることでの成長スピードは、エンジニアから見てどんな魅力がありますか?

ギア:
Shopifyは既に完成されたECプラットフォームを提供しているため、オンプレ型と違いマーチャントから見ても初期構築と運用の投資額を抑えられるので、さまざまな施策を試しやすいでしょう。エンジニアから見ても、機能モジュールを追加しそれらを組み合わせて構築することでアップグレードが容易になるという利点があります。

世界最先端のECプラットフォームの可能性を広げる喜びと挑戦

ギア:
制約のある環境の中でどうチャレンジするかというのもエンジニアから見て面白い点で、Shopifyが標準で提供する機能では満たせない部分をどう作るか、Shopifyの可能性をどう広げられるのか模索することが誇りですね。

トゥアン:
Shopifyは開発者に対してドキュメントの提供があるためそこに基づいて開発していけるのがよいところです。グローバルのシェアがあり、かつ最新のECプラットフォームでもあるのでチャレンジ精神が注がれますし、さらに勉強したくなります。

赤羽:
国内のプラットフォームと対比してみても、コアな機能のAPI連携が豊富でそれらが使いやすいのは歴然としています。その中で自ら試す必要はありますが、それがShopifyの柔軟性や拡張性の高さにつながっているといえます。

そしてShopifyの魅力はエコシステム的なものの面白さです。EC事業を支援するためのパートナープログラム、アプリ、サービスで構成される包括的なネットワークです。
とくに開発ベンダー同士のコミュニティ作りもうまく、グローバルなイベントも多くあり情報交換ができるので刺激になりますね。


アジア圏でトップクラスのShopifyパートナーが集う「Da Nang Shopify Mastermind 2023」にWEBLIFEも参加しました。

WEBLIFEならではの技術力の高さとは

WEBLIFEは国内で数少ないShopify Plusパートナーとして、Partner of the Yearという年次表彰に2度選出いただき、ストア構築支援だけでなくアプリ開発、EC事業拡大のコンサルティングまでトータルで提供しているのが他のパートナーとの差別化になっています。高度なShopifyストアの構築を可能にしている技術力について聞かせてください。

エンジニアはコードを書くだけでなくサービス価値を生み出す存在に

赤羽:
日本とベトナム両チームにおいて、アプリの背後にいるマーチャントやECの購入者であるエンドユーザーにとって使いやすいものを作るというのを大切にしています。

自分自身の中でエンジニアの定義が、コードを書くだけでなく、プロダクトを設計しサービスの価値を生み出すものだと考えているので、一人一人のエンジニアが取り組む作業においても、常にその視点を重視したアプローチを模索しています。
まず初めにざっくりとした設計を描き、その後それらのパーツをユーザー目線でみたときにどうUI/UXを工夫するかで、「使われるアプリ」を提供することを目指していきたいです。

ギア:
同じく自分も、皆に使われる成功するアプリを作るには、いかにエンドユーザーを意識できるかだと考えています。
エンジニア目線だけでは不十分なので、ユーザーの視点を取り入れることが必要です。コードを書く際にも常にこの視点を活用しています。

トゥアン:
プロトタイプを作りその後のユーザビリティテストを通じて、ユーザーとして直感的に操作できるアプリを目指したいですね。実際にどう使われるかを試すことで、見た瞬間にわかりやすく、調べることなく使いやすいアプリが実現すると思います。
WEBLIFE Vietnamの開発メンバー。オフィスビルの外にて撮影

今後、手がけたいアプリやサービスとは。将来に向けた新たな挑戦やビジョン

AIをつかったアプリ開発、アプリの分野(効率化を図るもの、ストアの販売促進を狙うものなど)現在みなさんの中で思い描いているものを聞かせてください。

赤羽:
ShopifyでECを運用していくにあたり、アプリによって効率化や自動化が進むものをより充実させていきたいです。
バックヤード周りの業務だけでなく、マーケティング施策を自動化するアプリなど、売上向上に貢献できるようなアプリケーションの企画、実装をまさに進めています。

ギア:
AIの発展と成功は、エンジニアの仕事の品質と速さの向上をもたらし、知識の吸収や研究のスピードをさらに加速させます。僕たちはこの進展にあわせて以下のミッションに掲げています。

  1. 既存のAIリソースを最大活用し、プロンプトエンジニアリング分野を強化する
  2. プロセスを最適化するため、多くのステップを自動化する
  3. AIなどの最先端の技術をアプリに活用する
  4. 新しいテクノロジーを日々学習しアップデートする
  5. 更新や変更をしやすくするため機能をモジュール化する
  6. Shopifyなどのプラットフォームに依存しない優れた機能を開発する

トゥアン:
Magento, WooCommerceなどの有名なECプラットフォームを超えたいですね。コストを節約しながら、現在限られている設定をさらに自由に広げたいです。
また有料のプラグインを使わず自社用のプラグインを早く開発し、自社アプリに対応する環境を整えていきたいですね。今ある制約を解放し、より柔軟でコスト効率の高いソリューションを実現していきたいです。

独自のShopifyアプリでECの成長と拡張を実現するBiNDec

WEBLIFEでは、数多くのストア構築実績から必要とされるShopifyの拡張アプリを多数用意し、ビジネスの課題に合わせたECサイトを構築・運用支援するサービス「BiNDec」を提供しています。
豊富な導入実績とハイレベルな技術力・知識量を認められたShopify Plusパートナーとして、中小規模から大規模のストアに向けた最適な運用戦略の提案も可能です。
ShopifyでのEC構築や運用に関してお悩みの方は、気軽にお問合せください。

POINT

  • 優れたエンジニアが多く集まるベトナムと2年前からBiNDecアプリの開発チームを結成
  • 数多くのアプリを並行して開発するためにShopify APIの共有と社内のナレッジ強化
  • エンジニアから見たShopifyの魅力はパートナー、アプリ、サービスで構成される包括的なエコシステム