自社ECからShopifyに乗り換えるときのデータ移行の流れとポイントを解説

自社ECからShopifyに乗り換えるときのデータ移行の流れとポイントを解説

ECサイトは事業規模の成長やユーザーからのニーズの変化に合わせて、アップデートやリニューアルを継続していく必要があります。また、これまで利用してきたECシステムが自社の状況に合わなくなってきた場合、システムの乗り換えの検討も必要です。

データ移行やシステムの構築などに大きな手間や費用が必要になるのでは、と考える方もいらっしゃると思います。たしかに、ECシステムを別のものに乗り換えるということは相応の労力はかかりますが、乗り換えの前に考えておくポイントを抑えておくと、乗り換え時の費用や手間を減らすことが可能になります。

この記事では、近年人気のECシステム、Shopifyへの乗り換えをする際に知っておきたいことを取り上げます。
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ECシステムの乗り換えのときに考える3つのポイント

新しいECシステムに移行するとき、考えておきたいポイントは大きく分けて3つあります。

1. 自社のビジネスや顧客のニーズに合ったECシステムを選ぶ

販売している商品の特性や取り扱い点数、決済システム、集客のしやすさ、コストなど、現在抱えている課題に応じて選択する必要があります。まずは自社のビジネスでの課題をはっきりさせ、「必ずないといけない仕様」をあらかじめ想定しておくと、乗り換え先のシステムの仕様を調べる際に見るべきポイントが見えてきます。
運営のしやすさとユーザーの使いやすさの両方を満たすシステムを選択することが重要です。機能面の柔軟性が高いShopifyは、この点での優位性が高いと言えます。

Shopify(ショッピファイ)とは、月額課金で本格的なECサイトを開設・運用できるカナダ発のクラウド型ECサービスです。ネットショップ構築・運営に必要な機能が揃っているのはもちろん、シンプルでありながら高機能であることなどが評価され、日本だけではなく世界中175カ国以上で利用されているメジャーなサービスです。

2. 新システムでの運用を踏まえ、移行が必要なデータを決める

商品データ、注文データ、顧客データなど、ECシステムに登録されているさまざまなデータを、乗り換え後のシステムに適切に登録し、運用が可能な状態にする必要があります。
ECシステム(ECサービス)によってデータの扱い方が異なるため、「乗り換え後のシステムにデータの形式(フォーマット)を合わせてから移行する」ということが必要になります。この際、移行が不要になるデータや、データの変換が必要になるデータが出てくる場合があります。

3. システムを乗り換えるタイミングを決める

システムの乗り換えを行うと、操作が変わりますし、見た目もまったく同じ状態にはならず、運営側もユーザー側にも大きな影響があります。
乗り換えを行うことで新規顧客の拡大などが期待できる一方、使い慣れていたものが変わることで、既存の顧客にとっては少し戸惑うところも出てくるかもしれません。また、運営側もこれまでとは異なる管理画面となるため、不慣れな状態で最初のうちは時間がかかったり、ミスが発生したりする可能性もあります。

システム乗り換えによって既存ユーザーの満足度を下げる結果にならないよう、現在の自社ECサイトでの既存ユーザーの購入状況や、特に売上が多い時期なども考慮して、乗り換えのスケジュールや告知のタイミング・方法などを検討する必要があります。

ECシステムの乗り換え時に移行が必要なデータとは

ECシステムでもっとも重要なデータは以下の3つになりますが、この中で移行が必須のものは、「商品データ」「顧客データ」になります。

  • 商品データ:商品の名称、説明文、価格、カテゴリ、在庫数、写真など
  • 顧客データ:購入時に登録された氏名、住所、メールアドレスなど
  • 注文データ(販売履歴):どの商品がいつ、誰に、いくつ購入されたか

「注文データ」については、「すでに販売していない商品の過去の注文データ」も入っています。新システムに注文データも移行したい場合には、そういった過去のデータの精査を行う必要があり、かなり手間がかかります。もし単純に履歴として残したい目的であれば、新システムへの移行ではなく、ダウンロードしたデータをExcelなどで参照するという形にすると移行の手間が大幅に軽減できます。
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Shopifyへの移行に向けたデータ調整の流れ

Shopifyへ移行する場合、ショップのデータは、おおまかに以下の流れで登録していくことになります。

  1. 現システムからデータをダウンロードする
  2. 新システムからサンプルデータをダウンロードする
  3. 画像の登録方法について確認する
  4. データを加工し、新システムにインポート

1. 現システムから登録データをダウンロードする

ECシステムでは、こういったデータは多くの場合CSV形式(一つ一つのデータがカンマで区切られているテキストデータ。Excelで開くことができる)で出力できます。
まずは、現システムの管理画面から登録データをダウンロードし、Excelなどで開いてデータが正しく入っているかどうかを確認しておきましょう。

2. Shopifyの管理画面からサンプルデータをダウンロードする

Shopifyの管理画面からCSVのアップロードを行うことでデータを一括登録することができます。
Shopifyだけではなくどのシステムでも同様ですが、一括登録をする際のCSVデータについては、各項目をどういう順番で、どういう仕様(◯文字以内、全角半角、必須項目といったルール)で登録するかが決められています。この仕様に沿った形のCSVデータのテンプレート(雛形)を、管理画面からダウンロードすることができます。
Shopifyの商品データのCSVインポート画面。ドラッグ&ドロップでファイルを追加できる

商品情報の場合は、Shopifyのインポート画面から「CSVテンプレートのサンプル」をクリックすると、項目名とサンプルデータが入ったCSVがダウンロードできます。これをExcelで開くと、内容を確認できます。顧客データも同様にサンプルのCSVデータが用意されており、ダウンロードが可能です。
Shopifyの商品データのサンプルCSVをExcelで開いた状態。1行1商品として、さまざまな情報が登録できる
サンプルデータを参考に、現在のシステムからダウンロードした現システムの情報からどの程度加工が必要かを把握しておきましょう。

3. 商品画像の登録方法について確認しておく

商品の画像データについても現システムからのダウンロードなどを行って準備をする必要があります。
画像データについては、現システムとShopifyとでデータの登録ルールが異なる場合があるので、仕様を確認します(画像の形式、枚数、大きさ、ファイルサイズなど) 。仕様が合っているかどうかを確認し、合っていないところはデータを調整します。

Shopifyの画像仕様は柔軟性が高いので、このタイミングで画像を変更するということも検討するとよいでしょう。たとえば、現システムよりも登録できる枚数が増えた、画像のファイルサイズが大きくなった、といったことがあれば、より充実した商品情報にすることができます。

4. データを加工し、Shopifyにアップロードして登録

Shopifyのフォーマットに合わせてデータの調整ができたら、管理画面でCSVデータをアップロードします。商品管理の場合は、管理画面の「商品管理」から「インポート」を選択すると一括登録ができます。

データに不備があると、処理を終了してエラーメッセージを表示します。この場合はその部分のデータを確認し修正して再度アップロードします。 ハンドル(商品を識別する固有の名前。URLとして利用される)が同一のものは、上書き保存する設定をしておけば上書き保存されます。
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Shopifyの顧客データを「タグ」でグルーピングしよう

さきほど、これまでの「注文データ」については乗り換え先のECシステムとは別で管理すると良いとお伝えしましたが、履歴をもとに何度も購入しているリピーターを把握する場合、Shopifyの「タグ」機能を使って顧客の管理をすると、その後の運用に活用できます。具体的には以下の手順になります。

  1. 現システムからダウンロードした注文データをもとに、同じ購入者のデータを抽出
  2. その購入者の顧客データにShopifyで「プレミアタグ」をつけるよう、CSVを調整
  3. 顧客データをShopifyに一括登録

顧客データにタグを設定しておくと、そのタグがついた顧客データだけを管理画面で一覧表示できるのはもちろん、メールを送ったり、特別な割引を設定したりすることが可能になります。その他、各種アプリと連携して、タグを条件としたアクションを設定することも可能です。
移行時は注文データと顧客データを見て加工をしていくことが必要ですが、移行のタイミングで顧客データにタグ設定をしておくと、その後の運用で大きな効果を発揮します。顧客データの移行のときにはタグの設計も検討するとよいでしょう。

たとえば、以下のような条件を設定してタグを設定するようにすると、そのタグに合ったアクション(メール送付など)を行うことができます。

  • 1年以内に複数回購入している
  • 定期的に毎月購入している
  • 商品別タグ(どの商品を買った顧客かを把握する)

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Shopifyへの移行には勝ちパターンがある!しっかり調べて取りかかろう

全体を通して言えるのは、「データ移行のタイミングで、データのバージョンアップをしてしまおう!」ということ。商品データ、顧客データをそのまま移行するのではなく、Shopifyの機能・仕様に合わせてよりよい形でデータを加工することが、その後の運用のしやすさや、ユーザー体験の向上につながっていきます。
乗り換えを検討する場合は、以下に取り組んでみてください。

  • 乗り換え時に「絶対実現したいこと(乗り換えの目的)」をあらかじめはっきり設定
  • 乗り換えを検討するECシステムに、設定した目的に合った機能があるかを調べる
  • 現システムからダウンロードしたデータと、乗り換え先のシステムのデータの仕様を比較する
  • 売上の推移などを見て、乗り換えのタイミングを検討しておく
  • 顧客のリピート注文の状況を整理しておく

加工には多少手間はかかりますが、移行の操作は簡単ですし、Shopifyの柔軟性も高いので、乗り換えのタイミングできちんとデータを整理しておけば、データ活用がよりやりやすくなります。

そのまま移行するのはもったいない!
せっかく移行をするのであれば、きちんと移行計画を立てて、データの設計をした上で、よりよいECシステムの乗り換えを目指してくださいね。
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BiNDecでは、Shopifyへの乗り換えのご相談も承っています

ECシステムの乗り換えは、データ移行以外にも考えるポイントが数多くあります。 失敗のない乗り換えのために、Shopifyパートナーのサポートを受けながら乗り換えることもおすすめです。
これまで数多くのShopifyへ乗り換えの実績があるBiNDecでは、乗り換え時に手間のかかるところや多くのお客様から課題として挙がるポイントについて熟知しています。データ移行にあたり、データ整理や調査の方向性についてのお悩みにも丁寧にアドバイスします。

こういったことは、プロに任せるのが一番間違いないです!Shopifyへの乗り換えを検討されている場合は、ぜひ相談してみてください。

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