[5分でわかる]D2Cを成功へ導くおすすめ書籍6冊、読むべきポイント 

[5分でわかる]D2Cを成功へ導くおすすめ書籍6冊、読むべきポイント 

メーカーやブランドが、卸業者や販売店を介さず直接顧客へ販売するD2C(Direct to Consumer)というマーケティング手法が注目されています。あらゆるコマースがグローバル化するなかで、これからの生き残りや成長を考えるうえで重要な視点です。しかしD2Cとは具体的に従来のコマースと何が異なるのでしょう?

そこでこの記事では、D2Cについて理解するために役立つ本、そしてD2Cプラットフォームとして世界中で支持されているShopifyの活用に役立つ本も紹介していきます。

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D2Cとはそもそも何かを知りたい人のための本

D2CとはDirect to Consumerの略称で、仲介業者や小売店などを介さずに事業者(メーカーやサービス提供会社)が直接顧客に販売を行うこと。……といった解説は、ネット検索すればあちこちで読めるかと思います。ただ、なぜD2Cがここまで重要なのか、そもそもうちの会社でD2Cって可能なのか…などが知りたいなら、手にとってみたいのが『D2C 「世界観」と「テクノロジー」で勝つブランド戦略』(佐々木康裕 著,2020,ニューズピックス)です。

『D2C 「世界観」と「テクノロジー」で勝つブランド戦略』の目次

  • 1 章 D2C が生んだパラダイムシフト
  • 2 章 「機能」ではなく「世界観」を売る
  • 3 章 「他人」ではなく「友人」に売る
  • 4 章 D2Cの戦略論
  • 5 章 D2Cを立ち上げる(スタートアップ、大手ブランド、大手小売)
  • 6 章 D2Cの先にあるもの

D2C 「世界観」と「テクノロジー」で勝つブランド戦略

D2Cの原理原則をロジカルに解説

まず、本書の取り上げているD2Cとは、単純に直販を指すのではなく、2000年代後半からアメリカで勃興してきたミレニアル世代向けに、ブランドのフィロソフィー(世界観)と、テック活用(データドリブンなマーケティング)を重視して成功してきた「D2Cスタートアップ」と呼ばれる新興企業がメインとなります。

D2Cスタートアップは、既存の不便で貧困な購買体験に対し、共感できる新しい世界観と利便性を提案して急速に売上を伸ばしていきました。VCがこぞって資金投入するなど一部はユニコーンと呼ばれる規模にまで伸びていきます。
そのような急成長を遂げるブランドの作られ方や、これからの購買の中心となるミレニアル世代に支持されるデジタルネイティブに向けた売り方などを、まずは1章から3章までで理解することができます。販売チャネル、ターゲット、提供価値など従来型とD2C型の違いを1つずつとりあげ、解説していきます。

本書で著者が繰り返し述べていますが、D2Cの本質は、中抜き排除やオンライン販売によるコストダウンではありません。まず直接データが取れること、そして社内には多数のデータサイエンティストを抱え、データドリブンなマーケティングを行っているということがひとつ。また、「世界観を売る」と書かれているように、「もの」を売るよりはライフスタイルの提案を売っている、ということも大きなポイントです。

日本でもすでに多くのD2C成功企業がありますが、本書でも登場する、まさに「暮らし方」を提案するクラシコムの「北欧、暮らしの道具店」のようないつのまにか大きく成長した新興ブランドには多くの人に共感できる世界観や新しい提案があり、グロース市場へ上場するなどの急成長を遂げています。そして、第4章ではこのようなブランドのビジネスモデルについて詳しく解説されています。

D2Cビジネスの土台づくりに必要なポイント

ここまででは、本書はスタートアップをやってみたい起業家向けで、従来のメーカーやサービス会社がD2C化を目指している場合は、立ち位置が違うと感じるかもしれません。そこで5章では、スタートアップの立ち上げに必要なもののほか、大手ブランドや販売小売がD2C化していく際のポイントについても紹介されています。

既存のブランドやEC運営者にとっては、第4章は実践にも生かせるノウハウになるでしょう。特に「世界観を売る」「ものを売らない店舗」などのD2Cの戦略は、フワっとしていてどのように実践するものが一見つかみづらいものです。しかし本書によれば、世界観を共有するためのストーリーづくり(コンテンツの長期的・大量な制作)が必要であること、またストーリーを作るためには、必ずしも自社で内製するわけでなく、代理店やPR会社を活用していることなどがわかります。
さらに、LTVの長期化においては、D2Cではファネルではなく円形のループ型のカスタマージャーニーサイクルを回すなどの提案も重要な点だと思います。このサイクルはブランドのファンである顧客がSNSなどの周囲にシェアすることで回すため、ブランドはその後押しがしやすい環境作りに努めるべきなのです。

顧客との接点がデジタル化し、ファーストパーティデータでの運用が基本となる今後は、あらゆる業態でD2C化は避けられません。その際、顧客との関わり方が根本的に異なるD2Cの考え方を理解しておくために、重要な一冊と言えるでしょう。

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OMOの本質を踏まえることでECとオフラインの考え方がわかる

アフターデジタル 2 UXと自由』(藤井保文 著, 2020年, 日経BP)は、2019年に発売され日本にOMOという言葉を紹介した『アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る』(2019年,日経BP)の続編です。

『アフターデジタル 2 UXと自由』の目次

  • [まえがき] アフターデジタル社会を作る、UXとDXの旗手へ
  • 第1章 世界中で進むアフターデジタル化
  • 第2章 アフターデジタル型産業構造の生き抜き方
  • 第3章 誤解だらけのアフターデジタル
  • 第4章 UXインテリジェンス 今私たちが持つべき精神とケイパビリティ
  • 第5章 日本企業への処方箋 あるべきOMOとUXインテリジェンス

アフターデジタル 2 UXと自由

日本の商習慣に馴染むOMOのポイント

OMOは、Online merges with Offline=オンラインがオフラインを統合するといった意味で、いつでもスマホでオンラインと繋がっている時代では、オフラインもオンラインに統合されていく、といった概念です。顧客は常にスマホで注文や購入ができオフラインであるタイミングがないため、オフラインとオンラインを柔軟に行き来(店舗でもスマホで購入、閲覧など)するカスタマージャーニーへの発想転換が必要です。その観点からビジネスを改善していくことの重要性が、スマホアプリで激変した中国の最先端事例とともに解説されているのが前書でした。

本書はその続編ですが、序章と1章を読むと前書の概要がわかり、続く章ではD2Cと非常に似た概念であるアフターデジタルの考え方が、具体例を盛り込みながら解説されていきます。とくに本書のほうがおすすめなのは、日本とは環境が異なる中国の事例を丸呑みさせるような内容ではなく、日本の事情に合わせて勘所をかみ砕いて解説してくれているからです。

ブランド価値に基づいたユーザー体験の重要さ

また、タイトルにもUX(User Experienceユーザー体験)とあるように、本書の主要メッセージは「UX改善」です。OMOによってすべてがデジタル化可能になり、顧客の行動データを自社で取得し活用することは重要ですが、そのデータを「もっとたくさん物を売ろう」という売り手の利のみを考えた販売促進目的に使うことは、ビジネスを失敗させる(ユーザーが離れる)と警鐘を鳴らします。
そうではなく、データ分析から「もっとユーザーの利便性が上げられるようにサービスを良くしよう(=ユーザー体験を改善しよう)」と取り組むことがアフターデジタルにおいては重要だからです。

つまりアフターデジタルのDXは、効率化やデータドリブンマーケティングだけでなく、ユーザー体験の向上がより大きな目標におかれます。結局は「またここで買いたい(来たい)」と思わせるような体験の提供、ブランドがこれまでも大事にしてきた価値を定義し直し、デジタルやオフラインを通じて提供し続けることとも言え、テクニックだけ話ではないということがわかります。

事例付きでわかりやすいOMOとUX

また、4章で解説される「自由」は、ユーザーが「(企業に)データを取られる不自由さ」というイメージを払しょくする意識の転換です。企業がデータによってUXを還元することで、ユーザーに信頼され、そのサービスを選択する「自由」を創出することが必要だということです。日本にはさまざまなサービス、創意工夫のある世界観をもっているブランドやサービスがあり、これらの企業やブランドがユーザーから選ばれるためにも、ユーザー体験を向上させることが重要だと言えます。

5章では日本企業で実践されたUX向上事例で、アマゾンの置き配、ヤマト運輸のフルフィルメント、メルカリのメルカリ教室、丸井の売らない店舗などが紹介。メーカーでありながら上位レイヤーのサービサー(サービス提供社)としての事業に力をいれて成功しているサントリーの取り組みなども解説されています。
とかく難しくとらわれがちなOMOやUXといったものが具体例や失敗例などあげながらわかりやすく解説され読みやすく、自社ECの立ち上げやD2Cへの取り組みに欠かせない考え方を身に着けられる入門にも最適に一冊です。

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D2Cをこれからやりたい企業での全体像の捉え方

D2C THE MODEL EC/D2Cビジネスに再現性をもたらす体系的メソッド』(花岡宏明 著,飯尾元 著, 2023,クロスメディア・パブリッシング)は、「売り方が上手い」一部の事業者だけが成功するD2Cを脱却して、より多くの事業者がビジネスを成功させるための与件を集めた、自社の提唱する「D2C THE MODEL」というビジネスフレームワークを徹底解説した書籍です。

『D2C THE MODEL EC』の目次

  • 第1章:D2Cとは
  • 第2章:D2C THE MODEL
  • 第3章:業界/商流/事業運営体制
  • 第4章:事業戦略
  • 第5章:事業ローンチ
  • 第6章:プロダクトとマーチャンダイジング
  • 第7章:マーケティングとチャネル
  • 第8章:CRMとLTV
  • 第9章:システムとデータ

D2C THE MODEL EC/D2Cビジネスに再現性をもたらす体系的メソッド

D2Cビジネスを成長させる3つの軸のフレームワーク

本書は、ECプラットフォームのecforceを運営する著者らが提唱しているD2Cのフレームワークの解説本です。2章まではD2Cとフレームワークの紹介で、3章以降がフレームワークの個別解説になっています。豊富な図版が掲載されている本書ですが、この肝となるモデル図は残念ながら現在ネット上で公開されておらず、書籍内のみでお披露目されているため、本記事でも引用できませんが、どのような内容が示されているモデルなのか軸に、本の紹介をしてみましょう。

まず、モデルのメイン軸は「ブランド戦略」「業界と商流」「運用体制」という3つのD2C戦略です。これら3つの軸と並行し、「ローンチプロセス(ブランド戦略に対応)」、「システム(業界と商流に対応)」、「データ(運用体制に対応)」という与件を対応させています。

そして、この戦略に対応する具体的なビジネス(D2C THE MODELの本体)は、「プロダクト/マーチャンダイジング」→「マーケティング」→「チャネル」→「CRM/LTV」という4つのプロセスです。戦略や与件と対応すると、以下のような流れになります。

戦略:ブランド戦略→業界と商流→運用体制
与件:ローンチプロセス→システム→データ
プロセス:プロダクト/マーチャンダイジング→マーケティング→チャネル→CRM/LTV

この4つのプロセスがD2Cビジネスの具体的な実行活動になるため、それぞれについて、以下に詳しくみていきましょう。

プロセスの第1段階「プロダクト/マーチャンダイジング」:商品企画と販売計画

「プロダクト/マーチャンダイジング」は、いわば商品企画と販売促進の段階です。さまざまな観点から「なぜD2Cという、普段使っていないルートから商品が購入されるのか」を徹底的に考えることで内容が固まっていきます。D2Cは、「良いものを安く」では決してマスマーケティングには勝てないということから、どのように勝ちパターンを考えるか解説されています。

プロセスの第2、3段階「マーケティング」と「チャネル」:CPAとコンバージョン

ECにおける集客・販路拡大の段階です。「マーケティング」は顧客獲得プロセスです。CPA(Cost per Acquisition)をいかに下げながら来訪者を増やすか、「チャネル」は来訪者からコンバージョン率(購入率)をいかに上げていくかに取り組むプロセスです。

このプロセスでの施策はEC担当者にとってはすでに馴染み深い、「ウェブ広告」「検索対策」「クチコミ」「サイト改善」「ポップアップ出店」などがあたりますが、ポイントは「認知」と「販路」の両方を大きく広げるというマス志向ではないことです。D2Cは、既存ビジネスがEC化したのとは異なり、ターゲット層にダイレクトに結びついて一気に購入者にしてLTVのライフサイクルに取り込むことがセオリーとされています(①惹きつける②背中を押す③逃さないのセオリー。その最たる例はテレフォン・ショッピングのような「今すぐ購入」)。

プロセスの第4段階「CRM/LTV」:LTVにもコスト感覚

そして最後は「CRM/LTV」は顧客1人あたりの購買単価と回数を上げていくLTV向上プロセスです。具体的な施策には「新製品開発」や「オファー」、「PR」、「イベント」、「ロイヤルティ施策」などがあげられます。CRM施策にかかるコストが事業者で欠落しがちということが注意喚起されており、LTV向上も算出式を使ってコスト管理をすることや長期購買に欠かせない施策対策について解説しています。

このような4つのプロセスの循環でD2Cが長期に成功していくという非常によくまとまった体系が解説されている一冊だと思います。ただし、独自モデルの解説だけあって、すぐにぱっと理解できるとはいい難いです。
なお、9章は、施策やCRM運用に欠かせないシステムとデータ運用についての解説として、統合コマースプラットフォームが推奨されています(ある程度、ecforceを想定しているでしょう)。

本書は、ecforceの正攻法とノウハウを詰め込んであり、「これからD2Cをやってみたい」企業担当者がビジネスの組み立て方や実務の内容、予算はどう考えておくかわからない場合などにおすすめできる一冊だと思います。

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アフターコロナを焦点に、著名な実務者のインタビューも掲載

D2C After 2020 日本ブランドの未来』(株式会社フラクタ,2020,宣伝会議)は、D2Cブランドビジネスを紐ときつつ、コロナ需要によって様々な変化が生じた日本におけるECブランディングについて解説している一冊です。

『D2C After 2020 日本ブランドの未来』の目次

  • 第1章: DtoCがもたらした新たなビジネスの可能性
  • 第2章:なぜ、顧客とブランドは本質的につながる可能性があるのか
  • 第3章: OMOにはDtoC的ブランディングの「実装」が鍵となる
  • 第4章:変わる消費行動の中でブランドが生き残るために
  • 第5章: DtoC After2020

D2C After 2020 日本ブランドの未来

ECのエキスパートが語るD2Cの本質

本書は、ビジネスモデルとしてのD2Cの解説、そのためのブランディングの新しい考え方、OMOの実装、D2Cに深い造詣をもつ著名な実務人のインタビューを収録しています。
1章と2章は、D2Cビジネスの解説です。事例を交えながらD2Cの本質とはどんなものかを解説しています。このあたりは、『D2C 「世界観」と「テクノロジー」で勝つブランド戦略』と共通した知識と言えますが、D2Cスタートアップという尖った海外のイメージから日本向けに咀嚼され、「ブランドビジネスの構築」として解説されており、わかりやすいと感じる読者の方も多いと思います。
健康志向が手軽に実現できる完全栄養食をうたった「ベースフード」や、スーツの「ファブリックトウキョウ」などの日本の事例も紹介されています。他の本にない特徴は、有識者6人へのインタビューです。

菅原健一さん:日本でD2Cを行う事業者が知っておきたい考え方を広く解説しています。SPA(製造小売業)にさらにメディアを統合したのがD2Cの本質であるといった重要な視点も示しています。

川添隆さん:ECエバンジェリストの視点から、アフターコロナで大きく変わったECの動向を踏まえ、EC事業者にとって変わることと変わらないことを分析しています。

石川森生さん:ディノス・セシールのCECO(チーフeコマースオフィサー)が、オンラインだけに置き換えることができない自社のブランド価値を俯瞰する必要性などについて語っています。

鈴木健さん:ニューバランスジャパンマーケティング部ディレクターとして、オンライン時代の新しいブランド価値について解説しています。

黒沢友貴さん:マーケターのオンラインの学習コミュニティ「マーケティングトレース」の可能性や、ブランディングやマーケティングに関する情報収集について解説しています。

長瀬次英さん:アフターコロナ時代に、どのようにブランドやオフラインでもっていた価値をオンラインに実装するかなどについて解説しています。

顧客体験で目指すべきシンボリック・エクスペリエンス

本書の最終章ではフラクタの独自の提案として、これからのブランドは「シンボリック・エクスペリエンス——ブランドにとって象徴的な体験」といえるような顧客体験を提供できることが必要だと述べています。このシンボリック・エクスペリエンスを構築するためのツールが「エモーショナルエンジン」とフラクタが名付けているもので、体験や感情を重視し、時には五感を刺激する体験設計も取り入れた、独自スタイルのカスタマージャーニーになっています。ここではD2Cのブランディングにおける顧客体験の考え方を学ぶことができます。

本書は2020年のコロナ期における転換を中心に据えた構成となっていますが、D2Cにおけるブランディングについて考えるうえでおすすめの一冊です。

Shopifyの活用方法や便利なアプリがわかる

Shopify運用大全最先端ECサイトを成功に導く81の活用法』(河野 貴伸(著),南茂 理恵(著),井澤 孝宏(著),三浦 卓也(著),黒瀬 淳一(著),安藤 祐輔(著),森田 泰則 (著),2021,インプレス)は、D2Cで最もよく利用されているECプラットフォームのShopifyを使いECを起ち上げる個人から企業担当者、Web制作・開発者に向けた、Shopifyを使いこなすためのノウハウが集められた一冊です。

『Shopify運用大全最先端ECサイトを成功に導く81の活用法』の目次

  • Chapter 1 最先端ECを実現するShopify とは?
  • Chapter 2 ECビジネスで活用するための基礎知識
  • Chapter 3 フロントとバックオフィスの必須知識
  • Chapter 4 “ひとり運営”のための効率化大全
  • Chapter 5 グロースハックでさらなる高みを目指す
  • Chapter 6 Shopifyエキスパートとの協業
  • Chapter 7 最上位プランShopify Plusの活用

Shopify運用大全最先端ECサイトを成功に導く81の活用法

ShopifyのEC運用担当者が知りたいお役立ちノウハウが満載

Shopifyは、個人で運営するショップから月商数億円を超える企業ECまで幅広い層で利用できるのが特徴です。本書は主に企業担当者やサイト制作会社などECを運営していく人を対象に、Shopifyの活用方法や便利なアプリ、さらに高みを目指すためのグロースハックや上位版のShopify Plus、そしてエキスパートとの協業などについて解説しています。

Shopify活用というとShopifyの画面上で行う設定やアプリの選定などばかりと思うかもしれませんが、本書の場合はECサイトの売上アップに向けた考え方や、EC運用で欠かせないバックオフィスやカスタマーサポートなどの業務連携、デジタルマーケティングの手法などについてもよく解説されており、D2C運営者向けに幅広く役立つ活用ブックになっています。

また、課金が必要となってくるアプリや、Shopify Plusなどについて契約前にどういった活用が可能か確認できます。巻末では、D2CブランドでShopifyを利用している土屋鞄製造所のインタビューも掲載されています。

本書は、すでにShopifyは触ったことがあるけれどもっと本格的に使いこなしたい人、企業としてShopifyに乗り換えるかどうか考えている人、EC事業者や運営者でもっとShopifyで売上を伸ばしたい人などにおすすめの一冊です。

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ストアカスタマイズやShopifyアプリ制作を行いたい開発者向けに

エンジニアのためのShopify開発バイブル』(フィードフォースグループ(著),加藤 英也(著),小飼 慎一(著),佐藤 亮介 (著),大道 翔太 (著), 長岡 正樹 (著),2022,マイナビ出版)は、D2Cで最もよく利用されているECプラットフォーム、Shopifyの開発者向け書籍です。

『エンジニアのためのShopify開発バイブル』の目次

  • Chapter 1 Shopifyの基礎知識
  • Chapter 2 開発を始める前に
  • Chapter 3 Shopifyのデータ構造
  • Chapter 4 テーマのカスタマイズ
  • Chapter 5 テーマカスタマイズの具体例
  • Chapter 6 カスタムストアフロント
  • Chapter 7 実環境でのカスタムストアフロント
  • Chapter 8 アプリ開発
  • Chapter 9 アプリを作成する
  • Appendix Shopifyの開発に役立つヒント

エンジニアのためのShopify開発バイブル

デザインカスタマイズの基本ナレッジを網羅

Chapter 1〜3まではShopifyでの開発経験が浅い読者向けの基本を伝える導入部です。アプリやAPIの仕様解説となっているので、開発を始めてみてからよくわからないことがあったときの参照としても役立ちそうです。

Chapter 4〜5は、ECサイトのフロント部となるテーマのカスタマイズ解説です。Shopifyではテーマが豊富に提供され、有料テーマも利用できるプラットフォームですが、企業では自社向けのテーマカスタマイズや開発が必要な場合も多くなっています。本書では基礎的なカスタマイズの知識がまとめられています。
CSSなどを使った個別のデザインを細かく解説するのでなく、テーマの構造やカスタマイズの概要を理解できるように解説されています。Chapter 5はハンズオン形式になっているので流れがわかりやすいでしょう。

さらに高度なヘッドレスコマースやアプリ開発もカバー

Chapter 6〜7はカスタムストアフロントです。カスタムストアフロントとはヘッドレスコマースを実現するためのShopifyの機能です。Storefront APIなどを使い、カスタムストアフロントを構築する具体的な流れが解説されています。

Chapter 8~9は、Shopifyアプリ開発です。通常、EC事業者はアプリは、多数のアプリを利用する立場が一般的ですが、ここでは開発者向けに一歩上のアプリを作成して公開するまで手順や、Shopify CLIを解説しています。
最後の付録は技術面で起こりやすいトラブルについてサポートしています。

本書で一番厚く扱っているのはアプリ開発情報かと思います。この手の内容がまとめられた本は類書がないため、開発をはじめてみたい人にとってよい参考書となるでしょう。

D2CのEC運用の課題はBiNDecへ

今回紹介した書籍の内容を通して、企業でD2Cにチャレンジする魅力を理解できると同時に、そこで必要となる多様な業務の幅広いスキルと技術についてもあらためて知る事になるでしょう。

D2Cを成功に導くために自社に現在欠けている人材やスキルが見えているなら、外部協力会社へも検討してみることをおすすめします。Shopifyを使ったD2C企業を数多く成功に導いた技術力を持つBiNDecにぜひご相談ください。
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