人気のERP(基幹業務システム)を紹介。システム選びに失敗しない、正しい導入手順

ERPには数多くの製品があるため、どれを選べばよいか迷ってしまうケースは少なくありません。どの製品がシェアを持っているかわかりにくいところも、選びにくさを感じる理由のひとつです。
この記事では、ERPの市場規模や人気のシステムについて解説します。ERPの選び方のポイントもまとめているので、自社での導入や入れ替えを検討している担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

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業務効率UPに欠かせない、ERPシステムとは

ERPとは「Enterprise Resource Planning」の略称です。日本語では「統合基幹業務システム」と呼ばれ、企業経営に不可欠なヒト・モノ・カネといった基幹業務システムをオールインワンで提供するソリューションを指します。

ERPを活用することで、ヒト・モノ・カネの情報を一元管理しやすくなり、作業効率の向上や経営状況のタイムリーな把握が実現できます。さまざまな業界で導入が進むERPですが、扱うデータやユーザーの量が多くなる大企業では、ERPの規模も大きくなりやすい傾向です。
企業のヒト・モノ・カネの情報を一元管理できるERP

ERPの市場規模と日本の成長率

年々拡大を続けるERPの市場規模について、世界と日本の現状を紹介します。

世界の市場規模は急速に拡大

Apps Run The Worldの「Top 10 ERP Software Vendors, Market Size and Market Forecast 2021-2026」によると、ERPの世界の市場規模は、2021年に1041.27億ドル、2026年には1,122.85億ドルを突破すると予測されています。2021年から2026年までのCAGR(年平均成長率)は1.5%です。

2020年までは900億ドル台が続いていましたが、2021年はついに1,000億ドルを超えました。前年に発表された2020年から2025年にかけての予測では、1,000億ドルを超えるにはまだ時間がかかるといわれていましたが、前倒しで達成した形です。年平均成長率の数値も前年より高くなっていることから、世界規模で急速に市場が拡大していることがわかります。

日本の市場規模はコロナ禍を経て10.1%増

株式会社矢野経済研究所の「ERP市場動向に関する調査を実施(2022年)」によると、ERPの日本の市場規模は、2021年時点で1,278億円となっています。2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で導入が見送られることが多く、市場規模はほぼ横ばいの状態でしたが、2021年はその反動もあって前年比の10.1%増という大きな成長となりました。

今後も市場規模は拡大していき、2023年には1,400億円を超えると予想されています。日本国内のERPの特徴としては、電子帳簿保存法やインボイス制度など、新しく施行される法制度への対応が注目されていることが挙げられます。また、テレワークやリモートワークでの利便性が高いクラウド型やハイブリッド型の割合が増加していて、今後のERPの主流となる見通しです。

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世界、国内で人気のERP

世界全体のERPのシェアはトップ10企業が3割越え

世界のシェアはドイツの老舗企業である「SAP社」が6.5%で1位です。2位は「Intuit社」、3位は「Oracle社」、4位は「Microsoft社」、5位は「FIS Global社」と続きます。2位から5位はすべてアメリカの企業です。

2位のIntuit社は日本ではなじみが薄いですが、中小企業向けのERPを取り扱っており、インド・中国などでもシェアを拡大しています。トップ10の企業が世界市場のうち約32.9%を占めています。
SAP|世界で最もシェアを広げているドイツ企業のERP

国内企業で人気のある、国産ERP

日本で開発・提供しているERPも、多くの国内企業に導入されています。人気のERPを2つ紹介します。

大塚商会(OSK)

大塚商会のソフトウェア開発子会社であるOSKが提供する「SMILEシリーズ」は、導入シェアやサービス&サポート、満足度などで高い評価を得ています。リリースしてから約40年間、国内のニーズに合わせて機能強化を続けてきたシステムです。
パッケージシステムでありながら固有の機能開発や、業種に合わせたシステム構築が可能で、日々蓄積されるデータをリアルタイムに各種資料への反映して経営判断にも活用できます。
SMILEシリーズ|株式会社大塚商会による国内最大手のERPシリーズ

富士通

富士通では、中堅〜中小企業向けに「GLOVIA iZ」を開発・提供しています。こちらも40年以上の歴史があるシステムで、経営・会計・人事給与・就業・販売・貿易・生産の7つの基幹業務と現場業務をつなぐフロント基盤を構築します。
すべての業務を一括導入するビッグバン型か、段階的に導入していくベストプラクティス型を選べるため、課題に合わせて導入しやすく、それぞれクラウドでもオンプレミスでも利用可能です。

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ERPの3つの種類とは

ERPには「オンプレミス型」「クラウド型」「ハイブリッド型」の3種類があります。それぞれで特徴が異なるため、自社に合った方式を導入することが大切です。

オーダーの通りに構築するオンプレミス型

自社内にサーバーを設置して、システムを構築する方式です。自由度が高く、自社の業務に最適なシステムにカスタマイズできます。自社内に設置するためインターネットに接続する必要もなく、セキュリティ面を強固にできることもポイントです。

ただし、自社でサーバーを構築するための初期費用がかかり、定期的なメンテナンスには専門的なスキルを持った人材が必要です。災害時には利用できなくなったり、復旧に時間がかかったりするリスクに加えて、テレワークでの利便性はクラウド型に劣ります。

手軽でリモートに強いクラウド型

クラウド上に構築されたシステムへアクセスしてERPを利用します。自社でサーバーを所有したり、ソフトウェアをインストールしたりする必要がなく、定期的なメンテナンスも不要です。インターネット環境があれば場所を選ばず利用でき、多様な働き方にも対応しやすいため、導入する企業が年々増加しています。

ただし、すでに用意されたシステムを活用することになるため、自由度やカスタマイズ性はオンプレミス型の方が優れています。

セキュリティも安心なハイブリッド型

オンプレミス型とクラウド型を組み合わせたERP環境を構築する方式です。ハイブリッド型は、オンプレミス型とクラウド型、それぞれのデメリットを抑えることを目的に誕生しました。

ハイブリッド型の事例としては「機密情報の保管はオンプレミス型」「機密性の高くない情報の保管はクラウド型」を活用することで、セキュリティリスクを軽減したものなどがあります。

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導入前にチェックしたい、ERPの選び方

ここからは、ERPの選び方について5つのポイントを紹介します。

目的に合うか

機能が豊富なERPでも、自社の目的に合わないシステムを選択すると高い効果は見込めません。ERPを導入する前に、自社の課題や求める機能を明確にすることが重要です。まずは、必要な機能をリストアップし、優先順位付けすることで目的を達成できるシステムが選びやすくなります。

操作が容易か

導入したERPの操作が複雑で使いにくいと現場に浸透せず、期待した効果が望めません。導入前にはデモやトレーニングの期間を設け、操作が容易で業務の負担にならないかを確認しましょう。また、導入後の立ち上げがスムーズにできるよう、社内研修の実施やマニュアルの作成を行うのもおすすめです。

カスタマイズできるか

ERPの多くは、さまざまな業種で対応できるよう、基本的な機能が網羅的に搭載されています。そのため、業種ごとの特殊な状況に対応するには、カスタマイズが必要になるケースがあります。用途が限られる場合は、会計業務、販売管理、人事・給与領域など、特定の職種に特化したものを選定することで、コストを抑えることも可能です。

費用と機能のバランスがよいか

ERPには、機能が豊富で料金が高額なものから、機能が少なく料金を抑えたものまで幅広いラインナップがあります。機能が多いほど料金が高くなるものの、自社に不要な機能が付属しているケースも少なくありません。導入にあたっては、求める機能について明確にし、費用と機能のバランスのよいシステムを選定できるようにしましょう。

サポート体制が整っているか

ERPを利用しているなかで、疑問点が出てきたり、トラブルが発生したりするケースがあります。素早く対処してもらえる環境が整っていないと、業務再開に時間がかかる可能性があるため、サポート体制のチェックも重要です。ERPは長期的に運用するケースが多いため、信頼できる業者を選定しましょう。

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ERP導入の際に気をつけたいこと

ERPは、正しい手順で導入することが大切です。まずは、導入の目的を明確にして、抱える課題や必要な機能をリストアップします。次に、業務やシステムで求める機能を満たす業者を選び、スケジュールを調整します。業者選びでは、取引のある会社に相談したり、パンフレットを取り寄せたりして、複数社を比較・検討しましょう。

業者が決まったら、要件に基づいて設計・開発を進め、導入前のトレーニングや研修を実施してERPの運用をスタートさせます。ECシステムと連携する場合は、ファイル形式やデータ項目の内容、各項目の文字列・桁数のルール、連携方法のルールなどを取り決めておくとスムーズです。

また、事前に連携テストを実施することも欠かせません。不具合が発生した際の切り分け方法や責任の所在などを明確にしておくと、素早い対処が可能となります。

まとめ

ERPを導入する企業は国内外問わず増加傾向にあり、今後も市場規模のさらなる拡大が期待されています。「オンプレミス型」「クラウド型」「ハイブリッド型」といった種類に加えて、事業規模や業種に応じたさまざまなERPがリリースされているため、自社が求めているものはどのようなERPなのかを見極めることが重要です。

ERPとECサイトの連携を検討している場合は、BiNDecにお任せください。顧客管理、在庫管理、売上管理など「ヒト・モノ・カネ」の情報を一元管理することで、業務効率アップやリソースの削減を実現します。
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POINT

  • ERPによって、ヒト・モノ・カネの情報を一元管理できるようになる
  • ERPは「オンプレミス型」「クラウド型」「ハイブリッド型」の3種類がある
  • 目的にあった機能を備え、操作も容易に扱えるERPを選ぶ

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