100を超える新機能がラインナップされたShopify Editions 2023 Summerが発表になりました。早速、WEBLIFE代表の山岡がShopify Japanおよびパートナーの皆さんとアップデートの内容をディスカッションしてきました。
ShopifyのEC構築・運用支援サービス「BiNDec」を提供するWEBLIFEが新機能の中で特に注目するトピックを厳選してご紹介いたします。
「IMAGINE MY BUSINES」をビジョンに、新機能が目白押し
Shopify Editions 2023 Summerのビジョンは「IMAGINE MY BUSINES」。今までにないアイディアやテクノロジーで、ビジネスの可能性を広げる数々のアップデートが発表されました。
困った時は頼れるAIにヘルプ
昨年末頃からAI生成コンテンツの進化が世界的に話題を呼んでいますが、Shopifyでも高性能なAIを搭載した機能が続々と登場しています。
ちょっとした疑問からマーケティング施策までアシストするSideKick
新たなAI搭載機能の中で最も注目しているのが、Shopifyの管理画面に追加される「Sidekick」です。これは単純なAIチャットbotではなく、ECサイトの売上やマーケティングについて様々なデータからアドバイスをもらえる新機能です。
デモ動画では、スノーボードを販売しているマーチャントが「3月から売上が低下しているのなぜ?」とSideKickに尋ねると、「現在の北半球は夏なので、スノーボードの需要が少なく売上が低下している」と返答しています。次に「すべてセール価格にするように」と指示を入力すると、セールが実施されたECサイトのプレビューを提示してくれています。
さらにはリクエストを伝えるとページのデザインを提案してくれたり、おすすめのShopify AppをピックアップしてくれたりとECサイト制作の面でも活躍してくれます。
もちろん、機能の操作方法や、クレジットカードのテスト番号を知りたい等のちょっとした疑問にも24時間即座に答えてくれる、頼もしいアシスタントです。日本語対応も順次進められており、数ヶ月後にはリリースされるとのことでした。
ライティングやメールマーケティングも自動化
Shopifyは他にもAI技術を活用して業務効率を高める機能の開発にとても積極的です。
Shopify Magicでは、商品ページに載せる簡潔な紹介文も、ブログコンテンツの長い文章も数秒で生成することが可能です。また、カスタマーとリアルタイムにチャットできる「Shopify Inbox」の回答内容を収集・分析し、「よくある質問」を自動生成してくれます。
メールマーケティングを行いたい時にも、Shopify Magicがサポートしてくれます。メールの件名と本文を生成するだけでなく、数百万のビジネスから得たデータに基づいて、多くの人に読まれる時間帯にメールを送信するよう設定できます。
購買心理に寄り添ったシンプルでリッチな新チェックアウト
ビッグスリー(MBB=*)と呼ばれる、3つの大手戦略コンサルティング会社のうち1社の調査によると、Shopifyのチェックアウトは他の競合ECプラットフォームよりも、コンバージョン率が最大36%、平均15%上回っているという結果が出ています。
今までのShopifyのチェックアウトページでは支払い情報、配送情報、注文確定の3ページ構成で遷移するものでしたが、2023年後半からページ遷移せずに完結するワンページチェックアウトに切り替わります。
カスタマーがせっかく商品を購入する段階まで進んでも、支払い・配送情報の入力欄や加算される送料をページが切り替わるごとに提示されると、カゴ落ちにつながる可能性がどんどん高くなっていきます。
グレインフリーのスイーツを展開するStellar EatsのECサイトでは、ワンページチェックアウトに切り替えたことにより、他に施策は何もしていないにもかかわらずコンバージョン率が3.5%上昇しました。
購入確定までのチェックアウトプロセスをできるだけ短縮することは売上改善に大きく影響すると言えるでしょう。
参考:Stellar Eats Increases Conversions by 3.5% Switching to Shopify’s One-Page Checkout
CVのラストチャンス。アップセルを狙えるカスタマイズとは
カスタマーの購買意欲が最も高くなる、いわゆるお財布の紐が緩むタイミングはレジでお会計をしている時だと言われています。購入するアイテムとセットで使えるものや割引されるものなどのおすすめがあると、どうせならついでに買っておこうという心理になりやすく、アップセル・クロスセルを狙えるラストチャンスなのです。
Shopify Plusプランなら、Checkout Extensibilityを使用してセット買い提案ができるチェックアウト画面のカスタマイズが可能になります。リピーター向けのロイヤルティプログラムや顧客データと紐づいたパーソナルなメッセージ通知などの拡張アプリを組み込むことで、エンゲージメントの上昇にも期待できます。
Checkout Extensibilityでチェックアウト画面をカスタマイズするには専用の編集アプリが必要となります。BiNDecでも日本のニーズに合った配送オプションやアップセル施策などが可能になる編集アプリの独自開発を進めています。
APIリミットの制限解除でヘッドレスコマースがさらに高速化
さらに、Shopify PlusではストアフロントのAPIリミットが無くなることが発表されました。ヘッドレスコマースとしてShopifyを利用しているECでは、APIの制限による遅延リスクがありましたが、制限が解除されることで、コンバージョンまでストレスのない購入体験が実現できます。
今までにないターゲット層へのリーチも手間要らずで拡大
新規客に向けたリーチの施策には、広告・SEO・コンテンツマーケティングが基本ですが、今回はさらにリーチ拡大を後押ししてくれる新機能が登場しました。
TikTokからの購入がもっとスムーズに
WebマーケティングでSNSの活用は欠かせません。特に若年層をターゲットとしているなら、10〜20代の利用者が多いTikTokでのコンテンツマーケティングは必須です。
今までは購入ボタン付きの動画広告を管理画面から配信したり、クリエイターとアフィリエイトの直契約・管理ができるTikTok Creator Marketplaceがありました。
今回のアップデートでは、TikTok内のEC機能「TikTok Shop」ShopifyのECの商品を同期し、TikTokから離脱せずに購入させることが可能になります。
ブランドと親和性の高いインフルエンサーをプロモーションに起用すれば、高い効果が期待できるでしょう。
他社の商品とのコーディネイト提案できるShopify Collective
Shopify Collectiveは、Shopifyの他社ECサイトの商品を自分のECサイトで販売代行できる、今までにない発想の新機能です。
デモ映像のように、クレンジングクリームを販売するECの商品一覧に、サプライヤーとなる他社が出品しているクレンジングブラシを追加することで、顧客はどちらの商品も同時に購入できるのです。
サプライヤーの商品が売れた際も在庫管理や配送をする必要はなく、見積もりに応じたマージンが収益になります。サプライヤー側は広告費用をかけずに、購買意欲の高いターゲットへ自社の商品をリーチできるため、双方にWin-Winのビジネススタイルといえます。
まずはアメリカのShopify Plusマーチャントのみが使用できるようですが、新たな販売チャンスの開拓にぜひとも広まってもらいたい機能です。
B2B on Shopifyの機能も使いやすくパワーアップ
卸売EC向けに開発されたB2B on Shopifyの機能も順次アップデートされています。見込み顧客向けのアカウントリクエストフォームやボリュームディスカウントの設定、商品のバリエーションが1つのセクションにまとめられた注文リストなどが登場しました。
前述のShopify Collectiveも、多くのB2B ECで活用され、新規のリテーラーと繋がるきっかけになっていくことが予想されます。
Shopify PlusパートナーによるEC構築サービスBiNDec
株式会社ウェブライフでは、Shopifyを利用したECサイト構築から運用までサポートする「BiNDec」を提供しています。
豊富な導入実績とハイレベルな技術力・知識量を認められたShopify Plusパートナーとして、中小規模から大規模のストアに向けた最適な運用戦略の提案も可能です。
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