Shopifyのフォーム制作を比較!標準・Liquid・アプリの最適な選び方とおすすめの選択

Shopifyのフォーム制作を比較!標準・Liquid・アプリの最適な選び方とおすすめの選択

ECサイトで顧客とのコミュニケーションを円滑にするには、使いやすい問い合わせフォームの設置が欠かせません。Shopifyでは、標準機能で簡単に問い合わせフォームを導入することが可能ですが、設置できる項目には制限があります。
本記事では、Shopifyに最適な問い合わせフォームの作成方法やポイント、作成に便利なShopifyアプリなどをわかりやすく紹介します。

ECサイトに問い合わせフォーム設置が必要な理由

Shopifyに限らず、ECサイトにとって問い合わせフォームは欠かせない存在です。利用者との信頼関係を築くための重要な接点となるからです。
ECサイトの利用者が商品や配送方法に疑問を持った際、利用規約やよくある質問(FAQ)で解決できない場合は問い合わせフォームを通じてEC事業者側とやり取りします。問い合わせフォームを通じて問い合わせをしてくる利用者は、商品の購入を真剣に検討している見込み客ですので、疑問を解決することで売上や顧客満足度の向上につながる可能性が高いでしょう。

また、問い合わせフォームは見込み客だけでなく購入済みの顧客との接点としても重要です。
実際に、購入済みの顧客から寄せられる問い合わせの中には、運営側が気づきにくいECサイトの使い方に関する疑問や不具合の報告、商品への疑問・改善点などが含まれます。問い合わせ内容を参考にECサイトや商品を改善していけば、顧客からの信頼性向上にも役立ちます。

Shopifyで問い合わせフォームを作成する3つの方法

Shopifyで構築したECサイトに問い合わせフォームを設置するには、Shopifyの標準機能を使う方法のほか、Liquidテンプレートを使う方法、Shopifyアプリを使う方法の3つがあります。ここでは、それぞれの方法について、メリットやデメリットなどをご紹介します。

Shopifyの標準機能で問い合わせフォームを作成

Shopifyでは、標準機能を利用することで無料で問い合わせフォームを設置できます。
標準機能を使うメリットとしては、特に知識などがなくても専用のテンプレート(page.contact)を利用すれば簡単に問い合わせフォームを設置できることです。また、Shopifyの問い合わせフォームには「スパムフィルター」や「hCaptcha機能」など、ECサイトの運営を妨げないためのスパム対策機能もあります。

標準機能を使うデメリットとしては、テンプレートの内容が非常にシンプルであることです。設置できるのは「名前」「メールアドレス」「メッセージ」の3項目のみに限られており、たとえば商品名や注文番号、購入日時など、問い合わせ内容に応じて詳細な情報を事前に取得したい場合には対応できません。かえって問い合わせのやりとりが煩雑になりやすく、運用上の手間が増える点は注意が必要です。

Liquidで独自の問い合わせフォームを作成

Shopifyのテンプレート言語であるLiquidを利用することで、問い合わせフォームをカスタマイズすることが可能です。
Liquidを使うメリットとしては、柔軟なカスタマイズが可能なことです。「お問い合わせの種類」などのフィールドを用意することで処理すべき優先順位を把握したり、取得したい顧客情報を記入させるフィールドを増やしたりすることもできます。

Liquidを使うデメリットとして、専門的な知識が必要になる点が挙げられます。社内に知識のある担当者がいない場合は、外部サイトを参照しながら自力で作成する必要があり、手間と時間がかかります。
また、詳しい人材が社内にいない場合は、Shopifyパートナーなど外部の専門家に依頼する方法もありますが、その場合は都度コストが発生するうえ、ちょっとした変更でも外注が必要になるケースもあり、柔軟な運用が難しくなりがちです。
さらに、社内に詳しい担当者がいたとしても、フォーム項目の変更や調整のたびにその人に依頼せざるを得ず、運用が属人的になってしまいます。更新のたびに特定の人の手を借りなければならず、結果として非効率な運用につながるでしょう。

Shopifyのテンプレート言語であるLiquidについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

Shopifyアプリを活用して問い合わせフォームを作成

Shopifyアプリを利用することで、問い合わせフォームを簡単に設置できます。Shopifyのアプリストアには、ECサイトに機能を追加できるアプリが16,000種以上公開されており、その中にはフォーム機能に特化したものも多数あります。
これらのフォーム作成アプリの多くは、ドラッグ&ドロップなどの直感的な操作でフォームを設計できるのが特長です。Liquidなどの専門知識がなくても、柔軟で多機能なフォームを簡単に作成できます。

アプリ選定の落とし穴と、パートナーがいる安心感

フォーム作成アプリは種類も機能も多岐にわたるため、自社のECサイトに最適なものを選び出すのは容易ではありません。一見便利そうに見えても、実際に使ってみると「欲しい機能が足りない」「運用に合わなかった」といったケースも少なくありません。導入や設定に時間や手間がかかるため、やり直しが発生すれば、人的コストもかかり非効率になります。

そのため、自社のビジネスや運用フローを正しく理解し、適切なアプリ選定と活用方法を提案できるShopifyの構築パートナーと連携すると良いでしょう。単なるフォームの設置にとどまらず、顧客対応の質を高める設計や、CRM連携・業務フローの自動化までを見据えた導入支援を受けることで、より実用的なフォーム運用が可能になります。

手段 メリット デメリット
Shopify標準フォーム 手軽に設置可能、初期設定向き カスタマイズ性が低く、要件に合わないことも
Liquidカスタマイズ 高度なカスタマイズが可能 専門知識が必要、属人化しやすい
フォーム作成アプリ活用 高機能で誰でも使える、開発が不要 一部アプリは有料、選択肢が多く最適解の見極めが困難

Shopify標準機能を使ったフォーム作成手順

ここからは、Shopify標準機能を使ったフォーム作成手順をご紹介します。特に難しいことはないので、LiquidでのカスタマイズやShopifyアプリ導入の前に何ができるのかを試してみてもいいでしょう。

Step1:問い合わせ用のページを作成する

まず、「管理画面」の左カラムにある「オンラインストア」から「ページ」を選択します。
表示されたリストに「お問い合わせ」がなければ、「ページを追加」をクリックします。
Shopify「管理画面」の左カラムにある「オンラインストア」から「ページ」を選択
表示された「ページを追加」画面で、タイトルやコンテンツ部分にテキストを入力します。入力したタイトルはページのタイトルになります。また、返信までの時間がどれくらいかかるかなど注意事項がある場合はコンテンツに入力しておきましょう。
タイトルやコンテンツ部分に必要に応じてテキストを入力する
なお、初期設定でコンタクトページが有効になっているケースがあります。このコンタクトページをお問い合わせページとして使う場合は、この手順を省略できます。

Step2:問い合わせページをECサイトのナビゲーションに追加する

次に「管理画面」の左カラムにある「コンテンツ」から「メニュー」を選択します。

Shopify「管理画面」

メニュー画面に移動したら「メニューを作成」をクリックし、表示された「メニューを追加」画面で「名前」を入力します。
ここでは名前にお問い合わせ、リンクを「ページ」から先ほど作った「お問い合わせ」を選ぶ
続いて「メニュー項目を追加する」をクリックし、「名前」を入力し、「リンク」をプルダウンメニューから選びます。最後に「保存する」をクリックすればメニューへの追加は完了です。

Step3:受信/送信メールアドレスの確認

最後に受信や送信に使うメールアドレスを確認しておきます。「管理画面」の左カラムにある「設定」から「通知」を選択します。表示された「通知」ページの「差出人メールアドレス」にメールアドレスが入っているかを確認しましょう。

Shopify管理画面

確認後は、念のため、本当に問い合わせメールが届くかテストし、問題がなければ完了です。

Shopifyのおすすめ問い合わせフォーム作成アプリ

Shopifyの標準機能で提供されている問い合わせフォームは、シンプルで手軽に使える反面、顧客対応の要件やEC事業のビジネスモデルによっては、機能面で不足を感じることもあります。問い合わせ内容の分類、顧客情報の収集・活用など、より高度な対応が求められる場合には、フォーム作成アプリの導入が効果的です。
ここでは、Shopifyで利用できるおすすめの問い合わせフォーム作成アプリを、代表的な機能や活用シーンとあわせてご紹介します。

SmoothContact|直感的な操作でプロレベルのフォーム作成が可能

「SmoothContact」BiNDecを導入いただいているShopifyストアで利用可能
Shopifyで柔軟に作成、改善ができるお問い合わせフォームを設置したい場合、BiNDecがサービスの一環として提供している「SmoothContact」がおすすめです。
ノーコードで直感的に使えるフォーム作成アプリで、必要な項目の追加やデザイン調整も簡単。SSLやreCAPTCHA、SMTP設定など、企業での利用に求められるセキュリティ要件にも対応しています。
さらに、収集したデータは自動で集計・可視化され、Googleアナリティクス(GA4)との連携も可能。CV数や顧客の行動を可視化でき、施策の改善にも活用できます。

BiNDecでは、このSmoothContactを単なるアプリとして導入するのではなく、フォームの役割をEC全体の導線設計の一部と捉え、設計から活用、改善までを伴走支援しています。どのアプリが適しているかの選定から、成果を上げる使い方の設計・運用支援まで、一貫して対応できるのがBiNDecの強みです。

詳しくはこちらのページをご覧ください。

Dotdigital|取得した顧客情報をShopifyの顧客データと自動で同期

Dotdigitalは、メール配信やSMS、自動化施策などを包括的に支援するマーケティングオートメーション(MA)ツールで、その一機能としてフォーム作成も可能です。Dotdigital上で作成したフォームは、Shopifyのテーマエディタやテーマコードからページに埋め込んだり、ポップアップとして表示させたりできます。
フォームから送信された情報はShopifyの顧客データと自動で紐づき、そのままメールマーケティングや自動化フローに活用可能。回答数やコンバージョン率などのパフォーマンスも可視化できるため、施策の改善にも役立ちます。

Dotdigitalについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

Shopify Forms|メールアドレスを収集して関係を強化

Shopify Forms

「Shopify Forms」はShopifyが提供する公式フォーム作成アプリで、メールアドレスの収集に特化しており、ECサイトにおけるメルマガ運用の基盤づくりに最適です。
ECサイト上に簡単に設置できるポップアップやインラインフォームを通じて、訪問者のメールアドレスや名前、誕生日などをスムーズに収集。フォームのデザインもドラッグ&ドロップで直感的に編集でき、ロゴや画像を追加してECサイトの世界観に沿ったUIに仕上げることができます。
収集した顧客情報はShopifyの顧客リストに自動で蓄積・一元管理され、そのままShopifyメールや外部のメールマーケティングツールと連携することで、すぐにメルマガ配信へと活用可能です。

新商品のお知らせやキャンペーン情報を届けたいEC事業者にとって、顧客情報の獲得〜配信までをShopify上で完結できる点が大きなメリットです。また、取得した情報に基づいたセグメント配信や顧客が受信しやすいタイミングに合わせた配信など、LTV向上を目指したパーソナライゼーションにも活用できます。

formrun|ドラッグ&ドロップでフォームを作成

formrun

「formrun(フォームラン)」は、Shopifyと連携してフォームを設置できる外部サービスです。ドラッグ&ドロップで直感的にフォームを作成でき、プログラミングの知識がなくても簡単に利用できます。作成したフォームは、Shopifyのテーマエディタやテーマコードからページに埋め込むことで表示されますが、Shopifyの顧客情報とは自動的に同期されないため、顧客対応やデータ活用は別途照らし合わせる必要があります。

formrunの管理画面では、対応状況のラベル管理や担当者アイコンの表示ができるなど、チームでの顧客対応に役立つ機能が揃っています。また、Slack連携による通知機能など、社内連携にも優れています。
セキュリティ面では、SSL/TLSの暗号化通信やISO 27001(ISMS)認証を取得しており、安心して活用できるサービスです。

問い合わせフォームを作成する際の注意点

問い合わせフォームを作成する場合、いくつか注意点があります。実際に運用する前に、問題がないかを確認しましょう。

問い合わせフォームが正しく機能しているか確認する

まずは基本的な注意点ですが、問い合わせフォームが正しく動作しているかどうかを必ず確認しましょう。特にアプリやLiquidを利用した場合は、実際にテストしてきちんと送受信できるかを確認してください。パソコンだけでなく、タブレットやスマホ、ブラウザやOS別でも、正しく機能するかを確認することも必要です。

入力項目を精査する

問い合わせフォームから顧客の情報を得ることもできますが、入力項目が多ければ「カゴ落ち」と同様に途中で入力を止めてしまう利用者がいるかもしれません。
本当に必要な情報だけを必須項目(名前、メールアドレス、メッセージなど)に設定し、それ以外は任意で入力できるようにしましょう。また、全角半角などの条件があるのであれば、顧客が入力内容を迷わないように事前に枠内に指定を提示しましょう。入力ミスがあった場合も、該当項目に赤い枠で表示するなど、具体的なエラーメッセージを出してください。

完了画面を確認する

完了画面の確認も、問い合わせフォームを作成する際に注意すべきポイントのひとつです。フォームの利用者に対し、「お問い合わせありがとうございます、担当者より3営業日以内にご連絡いたします」などのメッセージを表示すれば、顧客が正しく送信できたことを確認できて安心できます。
また、完了画面だけでなく、自動返信などで利用者に受付完了メールを送信できると良いでしょう。

プライバシーポリシーへのリンク設置

送信前に利用者がECサイトのプライバシーポリシーを確認できるよう、ページへのリンクや同意のチェックボックスを設置しましょう。
顧客から個人情報を収集する場合は、プライバシーポリシーを明確に表示し、同意を取得することが重要です。法令への対応としてはもちろん、利用者に安心して情報を入力してもらうためにも欠かせない要素です。

成果につながるフォーム運用には、戦略的な設計と継続的な改善が不可欠

ここまで紹介したように、Shopifyには標準機能で問い合わせフォームを設置する方法があり、まず手軽に始めるには十分です。また、Liquidを使えばより柔軟なカスタマイズも可能ですが、専門知識が必要で属人化しやすく、更新のたびに工数がかかるなど運用面での課題もあります。

その点、フォーム作成アプリを活用すれば、ノーコードで自由に設計でき、セキュリティ対策やデータの可視化も可能。コンバージョン最適化にも対応できます。中でも「SmoothContact」は、集計データの可視化など、マーケティング・業務改善を見据えた機能性を備えたアプリとしておすすめです。
そして、こうしたフォーム活用を「導入して終わり」にせず、成果につながる設計や運用の改善まで継続的に支援できるのが、Shopify PremierパートナーであるBiNDecの強みです。
単なるフォームの設置にとどまらず、Shopifyを活用したEC全体の再設計やリプレースの中で、顧客接点としてのフォーム設計や導線改善までを一貫して支援しています。
「問い合わせが埋もれている」「フォームまわりが使いにくい」などのお悩みがある方は、EC全体の課題整理からお手伝いできます。
ぜひBiNDecにご相談ください。

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POINT

  • Shopifyの標準機能、Liquidでのカスタマイズ、アプリ活用の3つの手段で問い合わせフォームが作れる
  • 標準機能からカスタマイズしたい場合はアプリの活用がおすすめ
  • Shopifyパートナーのサポートでお問い合わせフォームのスムーズな導入が実現する