ShopifyでECのロゴ作成するには?ブランドを印象づけるロゴの作り方と人気ツール

ShopifyでECのロゴ作成するには?ブランドを印象づけるロゴの作り方と人気ツール

街中で見慣れたロゴを見かけたとき、その企業やブランドを思い浮かべるでしょう。それと同じようにECサイトにとってロゴマークは、ブランドの顔とも言える大切な要素なのです。本記事では、ECサイトにおけるロゴマークの重要性から、作り方までまとめて紹介します。

ECサイトにロゴは必要? その3つの理由

ロゴマークは、ブランドやサービスを象徴するもので、ECサイトにおいては看板の役割を担います。また、ブランドや取り扱う製品を想起させるカラーやシンボルマークをデザインすれば、ブランドメッセージやビジネスのビジョンを明確に伝える役割も果たすでしょう。これらを踏まえた上で、ECサイトにロゴが必要な3つの理由を説明します。

ブランドの認知度を高める

ロゴマークは、ブランドやECサイトの「顔」であり、第一印象を左右する重要な要素です。サイトの訪問者は、視覚的に印象づけられるとブランド名やコンセプトを記憶しやすくなります。特に、新規にECサイトを立ち上げる段階では、まず存在を知ってもらうことが課題となります。そのため、記憶に残るロゴマークを用意することは、顧客との最初の接点を強化する効果的な手段と言えるでしょう。

競合との差別化

EC市場は競争が激しく、類似商品を扱うECサイトはいくつも存在します。その中で自社の個性や価値を明確に打ち出すには、ロゴマークの力が必要です。色や形、書体などのデザイン要素を通じて「ブランドらしさ」を視覚的に表現することができるからです。
ストーリーや世界観が重視されるブランドの場合、ロゴはブランドメッセージを直感的に伝える重要なツールにもなり得ます。競合他社との差別化を図り、顧客に選ばれる存在になるためには、商品力はもちろん、視覚的アイデンティティの構築が不可欠です。

信頼性の向上

対面でのやり取りがないECサイトでは、購入前に “このECサイトは安心して利用できるか” 不安を感じるユーザーも少なくありません。初回訪問のユーザーにとって、ロゴの印象は「ちゃんとしたお店かどうか」を判断する一つの基準となることも。考え抜かれたロゴデザインは、ブランドの信頼性を裏付けるビジュアル証明として機能することが期待できます。

ECサイトのロゴ作成に欠かせない事前準備

実際にロゴを作成する前に、どんな印象を与えるロゴにしたいのかコンセプトをまとめたり、また競合や売れているブランドのロゴを調査したりといった下準備が必要です。ロゴを作成を自社で行う場合でも、外部のデザイナーに発注する場合でも、ある程度イメージをまとめておきましょう。

ロゴの種類を知る

ロゴの種類を知る

まずは、ロゴについての基本的な知識を身につけましょう。ロゴは、ロゴタイプ(Logotype)の略称で、図案化された文字による社名や商号などのことを指します。一般的に、社名やブランド名の文字列であるロゴタイプと企業理念やブランドイメージを表す図形=シンボルの2つのパートで構成され、その両方を組み合わせたものをロゴマーク(Logomark)または単にロゴ(Logo)と呼びます。

ロゴコンセプトの明確化

ロゴ作成の第一歩は、ブランドやECサイトのコンセプトを言語化することです。誰に何を届けたいのか、どんな価値を提供するのか、どんな世界観を大切にしているのか――。これらが曖昧なままでは、ロゴに一貫性や説得力が生まれません。
ビジネス全体の方向性も同時に見直すよいタイミングです。コンセプトが明確であれば、ロゴに込めたい意味やメッセージが自然と定まり、見る人にも伝わりやすくなるでしょう。ロゴは“デザイン”であると同時に、コンセプトの視覚的な翻訳手段でもあるのです。

イメージの具体化

ロゴに込めたいストーリーや方向性が決まったら、次はそのイメージをできるだけ具体化しましょう。「柔らかくて親しみやすい」「高級感のあるシンプルさ」など、抽象的な表現でも構いませんが、参考になる色、フォント、モチーフなどを集めておくとデザイナーとの共有がスムーズになります。
ネット上でイメージに近いロゴを探したり、過去に気に入ったデザインを再確認するのもおすすめです。視覚的な参考資料を揃えることで、自分たちのイメージが客観的に見えるようになり、結果としてより的確なロゴ作成につながります。頭の中のイメージを見える形にしていく作業が、このステップです。
ギャラリーサイトなどで参考イメージを探すことができる

競合調査

ロゴを作る際に、同業や同じターゲット層を持つ競合のロゴを調査することも重要です。たとえば、人気ブランドや競合のECサイトがどのようなロゴを使っているのかを知ることで、市場全体のトーンや流行を把握できます。
逆に、自分たちが作ろうとしているロゴと酷似したデザインが存在しないかどうかを確認する「類似チェック」も欠かせません。特に商標登録を考えている場合、類似ロゴはトラブルのもとになることも。ECを展開する以上、ブランドとしての独自性と法的リスク回避の両面を意識して、事前の競合調査は丁寧に行いましょう。

ECサイト向けのロゴの作り方

準備が整ったら、自社ECサイトのロゴ作りに取り掛かります。ロゴを作る方法は、大きく分けて2つ。プロのデザイナーに外注するか、自分(または社内)で作成するかと言うことになります。この2つの選択肢に生成AIを加えた3つの方法について見ていきましょう。

プロのデザイナー/デザイン事務所に制作を依頼する

ロゴにオリジナリティや完成度を求めるなら、プロのデザイナーやデザイン事務所への依頼が最も確実な方法です。デザインに関する専門知識を備えているので、ブランドのコンセプトや世界観を丁寧にヒアリングし、ECサイトに使用するという用途を理解した上で、利便性やクオリティの高いロゴを提案してもらうことができます。
知り合いに信頼できるデザイナーがいない場合は、クラウドソーシングを活用する方法もあります。複数のデザイナーから提案を募るコンペ形式を選べば、自分たちに合ったテイストのロゴを選ぶこともできます。コストはかかりますが、ブランディングの土台を固めたい場合には有効な投資と言えます。

ロゴ作成ツールを使用して内部で作成する

コストを抑えてスピーディにロゴを作りたい場合は、ロゴ作成ツールを活用する方法があります。「Canva」や「Zoviz」などのオンラインアプリやロゴメーカーを使えば、テンプレートをベースに誰でも簡単にデザインを組み立てることが可能です。
また、Shopifyには専用のロゴメーカーが用意されており、ブランド名や業種、ロゴのスタイルなどを入力するだけで複数の候補を自動生成してくれます。スタートアップなど事業の初期段階に適した手段と言えますが、ほかのブランドと似た印象になるリスクもあるため、カラーやフォント、シンボルの選定には独自性を意識して取り組みましょう。

生成AIを活用する

近年は、「Looka」や「LogoAI」といったAIによるロゴジェネレーターも多く公開されていますが、ChatGPTなど画像生成に対応しているAIサービスなら、自分でプロンプトを入力してロゴを作成することも可能です。
プロンプトの例としては、「ナチュラルで信頼感のあるD2Cスキンケアブランド」や「ミニマルで高級感のあるアパレルロゴ」など、ブランドの性格やターゲットを具体的に記述するのがポイントです。ただし、この方法もどこかで見たようなデザインになる可能性があるため、最終的にはカスタマイズや類似チェックを行い、オリジナリティを確保する必要があります。

Shopifyロゴメーカーでロゴを作ってみよう

コストと時間を節約したい、まずは自分たちでロゴを作ってみたい。そんなときにおすすめしたいのが、オンラインのロゴメーカーです。
ECプラットフォームShopifyでは、無料で利用できる「Shopifyロゴメーカー(旧名称:Hatchful)」を提供しています。このShopifyロゴメーカーを使って、自社ECサイトのロゴを作成してみましょう。

Shopifyロゴメーカーとは?

Shopifyロゴメーカーは、13000種類を超える豊富なテンプレートから、入力した情報を元に最適なロゴデザインを提示してくれます。もちろん、業種や希望のデザインスタイルに合わせて簡単なカスタマイズも可能です。
また、作成したロゴは高解像度のPNGファイルでダウンロードできるので、ECサイトはもちろん広告やSNSのプロフィール画像としても利用可能です。なお、ユーザー登録は不要ですが、ダウンロードにはメールアドレスの登録が必要です。

Shopifyロゴメーカーの使い方

それでは、Shopifyロゴメーカーを使って実際にロゴを作ってみましょう。まずはShopifyロゴメーカーにアクセスします。

1.ECサイト/ブランド名を入力する

ECサイト/ブランド名を入力する

Shopifyロゴメーカーの画面で、ロゴにしたいECサイトまたはブランド名を入力して、「デザインを開始」をクリックします。

2.業種のカテゴリを選ぶ

業種のカテゴリを選ぶ

ECサイトやブランドに当てはまる業種を選択肢から選び、「続行」をクリックします。

3.ロゴスタイルを選択する

ロゴスタイルを選択する

選択した業種で人気のスタイルの一覧が表示されるので、最も希望に近いものを選択します。

4.フォントやカラーをカスタマイズする

ロゴに使用するフォントの種類や、カラーパレットから色の組み合わせを選択します。

5.ロゴを確定して送付先を入力する

ロゴが完成したら、「確定する」をクリックし、通知先のメールアドレスを入力して「ロゴを送信する」をクリックします。

ロゴを確定して送付先を入力する

6.ロゴをダウンロードする

入力したメールアドレス宛に、Shopifyからメールが届きます。このメールには、ロゴをダウンロードするリンクが記載されているので、これをクリックすると、ロゴデータのファイルがダウンロードされます。
ダウンロードされたZIPファイルを展開すると、ロゴファイル一式が確認できる。

ShopifyのECサイトにロゴを設定する

続いて、ダウンロードしたロゴファイルを使ってShopifyのECサイトに設定する手順を紹介します。

Shopifyで使えるロゴサイズ

Shopifyで使用するロゴファイルについて、フォーマットおよびサイズが次の要件を満たしていることが必要です。

  ファイルフォーマット サイズ
デフォルトのロゴ PNGまたはJPEG 最小幅が512ピクセル以上
正方形のロゴ PNGまたはJPEG 512×512ピクセル以上

ロゴを設定する手順

Shopifyサイトにロゴを反映させるには、大きく分けて2つの工程があります。1つは、ファイルをアップロードすること。これは、管理画面の「設定」で行います。もう1つは、テーマのカスタマイズ画面でロゴファイルを適用することです。それぞれの手順を簡単に説明します。

Shopifyにロゴファイルを追加する

管理画面から「設定」→「一般設定」に移動します。
管理画面から「設定」→「一般設定」に移動し、「ブランドアセット」の「管理する」をクリック。
続いて「ブランドアセット」セクションで「管理する」をクリックし、「ロゴ」セクションで画像からブランドロゴを追加します。このとき、デフォルトロゴとSNSなどで使用可能な正方形ロゴをそれぞれ追加できます。
「ロゴ」セクションで「デフォルトロゴを追加する」をクリックし、ロゴファイルをアップロードする。

テーマにロゴを適用する

管理画面で「オンラインストア」→「テーマ」の画面を表示し、「カスタマイズ」をクリックします。続いて、「テーマ設定」の「ロゴ」セクションで「選択」をクリックし、先ほどアップロードしたファイルを選択します。
管理画面から「オンラインストア」→「テーマ」→「カスタマイズ」をクリック。「テーマ設定」の「ロゴ」セクションで「選択」をクリックし、ロゴファイルを指定する。
このとき、ファビコン用の画像を設定することもできます。最後に、「保存する」をクリックすると、サイトにロゴが反映されます。
ファイルを選択すると、右側のプレビュー画面にロゴが反映される。 ファイルを選択すると、右側のプレビュー画面にロゴが反映される。

人気のロゴ作成ツール/ジェネレーター

Web上には、豊富なテンプレートや高度なカスタマイズ機能を備えたグラフィックツールや、AIを使ったロゴジェネレーターが公開されていますが、英語に特化したものが少なくありません。そこで、ここでは日本語対応のロゴ作成ツールやAIジェネレーターをいくつかピックアウトしてみました。

Canva

Canva
オンラインデザインツールで人気の「Canva」には、ロゴ作成に特化したロゴメーカーの機能があります。Canvaのロゴメーカーでは、プロがデザインした数千種類のロゴテンプレートが無料で利用できるほか、王道からユニークなものまで、さまざまなフォントを組み合わせることも可能です。そのため、日本語のロゴタイプにこだわったロゴを作りたい人にオススメです。

Zoviz

Zoviz
Zoviz」は、AIを使用してビジネスにマッチしたカスタムロゴを作成するツールです。ロゴの作成自体は無料でできますが、ダウンロードする際に料金を支払う買取り型となっています。1度買い取ったものは、再編集も可能です。また、フルブランドキットを選択した場合、基本のロゴ作成に加え、名刺(ショップカード)やレターヘッド、SNSのプロフィールなどのテンプレートも利用できるようになります。

Wixロゴメーカー

Wixは、Webサイト作成ツールを提供するクラウドベースのWebホスティングプラットフォームと知られています。そのWixも、無料で利用可能なAIロゴメーカーを公開しています。シンボルや色、パターンを自由にカスタマイズできるほか、英文・和文フォントを備えたライブラリーから好きなフォントが選べます。こちらもロゴの作成は無料ですが、高解像度ファイルをダウンロードする際に、料金が発生します。

ECサイトのロゴ作成時の注意点

ECサイトのロゴ作りを始める前に、いくつか注意したいポイントを挙げておきたいと思います。

ガイドラインの確認

ロゴ作成にあたって、ECプラットフォームが定めるガイドラインを事前に確認しておきましょう。たとえば、ロゴ画像の推奨サイズや使用可能なファイル形式(PNG、JPEGなど)、背景透過の有無などは、テーマやテンプレートによって制約がある場合があります。
また、レスポンシブ対応を考えると、横長・正方形など複数のバリエーションを用意しておくと安心です。ロゴのデザインが完成しても、表示される環境に合っていなければ意味がありません。制作前に掲載先の要件を把握しておくことは、実装段階でのトラブル回避につながります。

独自性の担保

前述の「競合調査」のところでも触れましたが、人気ブランドのロゴに酷似していたり、既存のロゴを想起させるようなデザインだったりすると、ブランドイメージに響くだけでなく、場合によっては著作権や商標権の侵害といったトラブルに発展しかねません。
そのためにも、類似チェックは必要です。また、既存のフォントを使用したロゴを商標登録する場合も、事前にフォントの利用規約を確認しましょう。

デザインの汎用性

ロゴはECサイトだけでなく、SNSのプロフィール画像やノベルティグッズ、ショップカードなど、あらゆるシーンで使われます。そのため、どの媒体でも視認性が高く、印象に残るデザインであることが重要です。例えばSNSでは小さなアイコン表示になるため、細かすぎるディテールや小さすぎる文字の使用は避け、シンプルで強いシルエットが理想です。
また、印刷用途を想定する場合、カラーモードはRGBではなくCMYKでデータを書き出すこと、解像度を十分に確保することも重要です。デジタルとリアルの両方で活用する前提で、汎用性の高いロゴデザインを目指しましょう。

越境ECを目指す場合

海外展開を視野に入れる場合、グローバルで通用するロゴのデザインを意識する必要があります。たとえば、言語に依存しないシンボルマークやアイコン要素を取り入れると、文化や言語が異なるユーザーにも印象が伝わりやすくなります。
一方で、あえて漢字やひらがなを使ったロゴタイプも、海外市場では“ジャパンブランド”としての個性や希少性をアピールする手段になります。ただし、その場合でも発音しづらい言葉やネガティブな意味合いを持たないかは事前のチェックが必要です。

ロゴはサイトを映す鏡

ECサイトにとってロゴは、ブランドの理念やECサイトの思いを視覚的に表現するVI(Visual Identity)であり、単なる看板以上の存在です。
そのデザインを考えるとき、どんなECサイトにしたいのか、ブランドイメージをどのように捉えてほしいのか、もう一度基本に立ち返って考えるよい機会になるでしょう。そうして完成したロゴマークを基に、理想のECサイトを構築していきましょう。

ShopifyのEC構築・運用支援サービスのBiNDecでは、ブランドイメージの訴求はもちろん、UI/UXを考慮した成果の高いECサイトのデザインを提案しているほか、既存のデザインをShopifyで再現するカスタマイズも可能です。
Shopify Premierパートナーとして、新規立ち上げはもちろん、リプレースやマーケティング支援まで、豊富な実績にもとづく支援を行っています。ShopifyでのEC構築や運用に関してお悩みの方は、気軽にお問合せください。

BiNDecのオンライン相談に申込む

POINT

  • ロゴ作成ツールやAIジェネレーターでもロゴは作れる
  • ロゴデザインの独自性を担保するため類似チェックは必須
  • ロゴはブランドの理念やECサイトの思いを表現するビジュアルアイデンティティ