Shopify Plusより、あらゆるデータを元にした商取引に関する2023年の最新トレンドレポート「Commerce Trends 2023」が発表されています。
これからの消費者の購買行動やニーズに対応するためには何が重要視されており、今後どのように変化していくのか、レポート内容の中から注目ポイントをいくつかご紹介します。
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ECサイトの利益を上げるための施策と変化
2023年は世界的なインフレの懸念が強まることで消費力の低下が予想されています。そのような経済状況に備え、企業は利益を上げるため、負担となっているコストの削減や新たな成長戦略が急務となっています。
購入後の返品に関する課題と対策方法
購入後に商品が返品される割合は、実店舗で購入した場合の8〜10%に比べて、ECサイトは20〜30%とかなり高くなっており、EC事業者にとって大きな課題になっています。返品率を下げるためにどのような施策があるかをピックアップします。
ライブコマースで商品を販売する
InstagramやYouTubeなどを利用したライブ配信で商品を紹介し、ECサイトへ誘導するライブコマースはオンライン接客の手段として取り入れているブランドも増加しています。
リアルな等身のショップスタッフやインフルエンサーによるライブコマースでは、多くの商品情報の発信や、どのように使用するかリアルタイムで提案をすることが可能です。
また、視聴している顧客側からの質問など双方向のコミュニケーションで信頼性も高まるため、返品率を大幅に下げることができたという調査結果が出ています。
360度ビューの商品画像で商品について正しく伝える
ECサイトでは実物に触れることができないため、商品のスペックが正しく伝わっていないことが返品の原因になっています。詳細な商品説明や購入者のカスタマーレビューによる情報も重要ですが、360度ビューの商品画像によって実物のイメージを強化することが可能です。
Shopify ARを使用することで、3Dモデリングされた商品画像をECサイトに組み込めます。任意の角度で表示して大きさや奥行き感などがわかるため、2次元の商品画像よりもリアルに商品の特徴や魅力を理解してもらうことができます。
まだ日本ではShopify ARを利用した商品画像の活用が普及していませんが、360度ビューの商品画像作成サービスが今後増えていくにつれて、誰もが活用できる段階にくることが予想されます。
返品時に手数料を設定する
大手ファストファッションブランド「ZARA」では、2022年5月より、イギリス国内で返品する際に1.95ポンドの手数料が設けられています。日本円にして約300円ほどの金額ですが、こういった返品手数料は今後ほかのブランドにも拡大していくとも言われており、ユニクロなども同様に返品手数料がかかります。
ただし、無料で返品できないことによる購買意欲の低下や顧客離れのリスクを指摘する声も多くあります。
返品手数料の有無に関して今後どちらの方針が主流になるにしても、ブランドの信頼性を保つためには、チェックアウト前の返品ポリシーの明記と遵守が重要です。
不況に耐える顧客ロイヤルティへの長期的な投資
2022年は世界各地でコロナウイルスのパンデミックの影響に加え、ロシア・ウクライナ戦争による燃料価格の急騰、貿易の制限などによりインフレが加速し、経済がさらに低迷しました。
短期的に売上を伸ばすにはセールは一定の効果を発揮しますが、2023年も引き続き予測される不況に備えるためには、ブランドやサービスに対する信頼・愛着のある顧客(=顧客ロイヤルティ)への長期的な投資が鍵となります。
顧客ロイヤルティへ注力するメリット
2021年の消費者の支出データから、顧客ロイヤルティによって顧客の価値が22倍になるとも言われています。リピーターへの販売成功率は60〜70%という結果が出ており、新規客の5〜20%に比べて圧倒的に高く、なるべく販促のコストを抑えることができます。
また、顧客ロイヤルティ層の40%は他ブランドで安価な場合があっても愛着のあるブランドで購入するほか、60%が口コミなどでブランドの認知度を高めてくれます。
顧客ロイヤルティを強化するためにできること
多くの企業がインフレに伴って原材料が高騰し、商品代金を値上げしています。インフレ状況下においても価格を維持することは長期的な視点での顧客ロイヤルティのために有効ですが、増加した製造コストをどこで補うかが課題になります。
手段の1つとして注目されているのが配送コストです。顧客がECサイトで購入した商品を店舗で受け取るローカルピックアップなどの送料がかからないオプションを用意することで、配送コストを抑え、かつ購入頻度や購入額を上げることができます。
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強大化するソーシャルメディアの存在感
現在、世界の人口の59.3%が何らかのSNSを利用しており、現役世代のネットユーザーの95%は毎月SNSをチェックしています。
ソーシャルコマースの売上高は飛躍的に上昇し、2025年には2兆ドルを超える見込みです。また、SNSへの広告費は2020年から2021年の間で38%以上増加し、2022年に入ってからCPM(*1)は低下したものの、未だに上昇傾向にあります。
EC事業者にとってSNSの活用は今後も必須のものであると言えます。
*1=CPMとは、Cost Per Milleの略でWeb広告が1,000回表示されるごとに発生する費用のこと。インプレッション単価と訳されます。
UGCがもたらすマーケティング効果
消費者の30%が友人や家族からのおすすめよりもインフルエンサーのおすすめが購入判断において重要であるという調査結果が出ています。
SNSおいて、インフルエンサーは多くの消費者にとって重要な情報源であることは今後も続きますが、さらに高い信頼性を得ているのが同じ一般消費者によって作成されたコンテンツの「UGC(*2)」です。
消費者行動統計の結果から、UCGはオフィシャルのコンテンツよりも約3倍、インフルエンサーのコンテンツよりも約6倍信頼性があることがわかっています。
Z世代(*3)は特にその傾向が顕著であるため、SNSマーケティングを成功させるためにUGCの存在は欠かせません。
*2=UGCとは、User Generated Contentの略で、商品やサービスの購入者が、購入品についてSNSなどに投稿したコンテンツのこと。ユーザー生成コンテンツと訳されます。
*3=Z世代とは、1990年代半ばからまたは2010年代初めごろに生まれた、デジタルネイティブの世代のことです。
SNSのコンテンツからスムーズにECへ
YouTube、Instagram、TikTokなどのメジャーなSNSには、ECサイトと連携するショッピング機能が追加されています。SNS上のコンテンツに購入ボタンを設定することで、コンバージョン率が30%近くにまで上昇した企業もあります。
また、ライブコマース市場も著しく成長しています。コロナウィルスのパンデミックによる影響もあり、中国を筆頭にアメリカ・ヨーロッパでも爆発的にシェアが広がっています。
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多様化する実店舗の在り方
ここまでEコマース市場が成長を続けていても、実店舗は重要な役割を担い続けます。日常的にオンラインに触れている時間の多いZ世代の消費者でも約半分は実店舗での購入を望んでいます。
実店舗を持つことでブランドの信頼性が増すなどの相乗効果もあり、アメリカの消費者の約4分の3は購入場所がECサイトか実店舗どちらの場合でも事前にオンラインで商品を調べています。
価値のある購買体験を提供するための実店舗
消費者が実店舗で商品を購入する理由として最も多いものが「体験を楽しむため」です。大手アパレルブランドやデパートでは、店頭で実物の商品をサンプルとして確認した後にECサイトで購入するショールーミング型の店舗も徐々に増えつつあります。
ライブチャットやバーチャルショッピングなど、価値のある購買体験を提供するために、新しいテクノロジーに対応できる実店舗のスタッフのトレーニングも求められています。
Meetz STORE|ECサイトと連携し、新宿高島屋にショールーミングストアを運営している[/caption]
Shopifyが提供している実店舗とECサイトを連携するPOSシステム「Shopify POS」も、昨年から日本で利用されるケースが増えており、今後も大幅にアップデートされることが予想されています。
オンラインとオフラインをシームレスに繋ぐことで、ブランドの特性を活かした様々な顧客満足の提供が可能となります。
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ECサイトに導入されるテクノロジーは、その時々の購買行動のトレンドに合わせて進化しています。今回ピックアップしたポイントをぜひ参考にしてみてください。
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