国内ライブコマース成功事例5選|業種別の勝ちパターンと自社EC活用法

国内ライブコマース成功事例5選|業種別の勝ちパターンと自社EC活用法

この記事でわかること

  • ライブコマースで成果が出やすい「商品の条件」と価格帯・意思決定スピードの関係
  • アパレル・コスメ・生活雑貨の国内成功事例5選と、それぞれの成功根拠となる数値・施策
  • ライブ配信を自社ECの売上につなげるために必要なShopifyの設計

ライブコマースは、かつての試験的な新施策から、EC戦略の一部として定着しつつあります。ユニクロが2024年に年間視聴者数2,500万人を超え、ニトリがライブ強化で通販売上高の前年比16.2%増を達成するなど、継続的な取り組みが数字に表れる段階に入ってきました。自社でも活かせるかを検討している担当者に向け、国内成功事例と、ライブコマースで成果を出すために自社ECに求められる設計を解説します。

ライブコマースとは?仕組みと従来ECとの違い

ライブコマースとは、ライブ配信と自社ECサイトやSNSショッピング機能を組み合わせ、視聴者がリアルタイムで商品を購入できる販売手法です。テレビショッピングと似ていますが、決定的な違いは視聴者と配信者が双方向でコミュニケーションを取れる点にあります。
「このシャツのMサイズはありますか?」「使用感はどうですか?」という質問にその場で答えることで、ECサイト上では解消しにくかった購入前の不安を取り除くことができます。

テレビショッピングとの違い:双方向性が生む購買体験

テレビショッピングは情報を一方的に届ける媒体ですが、ライブコマースはチャットでの即時対話も可能なため、視聴者は「自分に合うかどうか」を能動的に確認しながら購買判断を下せます。

ユニクロがプロのモデルではなく店舗スタッフを起用して成果を出しているのも、視聴者が相談できる空間として機能させたことが大きな要因です。スタッフ個人にファンがつくという副次的な効果も生まれ、単なる販売促進の場ではなく顧客とブランドをつなぐ接点として定着しています。

日本のライブコマース市場の現状と2025年以降のトレンド

NTTコムリサーチの調査(※)によると、2023年時点でライブコマースの国内認知率は31.9%にとどまるものの、視聴経験者の54.8%が実際に商品を購入した経験があると回答しています。認知はまだ広がっていないものの、一度触れた人の購買率が高い構造になっています。
※NTTコムリサーチ「日本のライブコマース市場調査」(https://www.nttcoms.com/service/research/report/20230228/)

2025年以降のトレンドとして特筆すべきは、2025年6月のTikTok Shop日本上陸です。ショート動画やライブ配信からアプリ外への遷移なしに決済まで完結できる仕組みが本格化し、「SNS内完結型」と「自社EC誘導型」の二極化が進んでいます。
その中で、大手プラットフォームに依存するのではなく、自社ドメインでライブを配信してデータを資産化する動きも加速しています。TikTokやInstagramでのライブは集客力がありますが、視聴データや購買データが自社に残らないという課題があるためです。ライブ配信を起点に顧客データを自社ECに蓄積し、ファン化・リピート購買へつなげるループ設計が、中長期的なLTV向上に直結します。

ライブコマースで成果が出やすい商品の条件とは

業種を問わず成果を出しているブランドには、共通した商品の特性があります。ライブコマースで購買につながりやすいかどうかは、業種ではなく、実演で伝わる情報があるかで決まります。

実演で伝わる・迷いを即解消できる商品が向いている

ライブ配信が効果を発揮するのは、静止画や商品説明文では伝えにくい情報を動画で補完できるときです。
具体的には、素材の質感・着用したときのシルエット・調理時の音やシズル感・スキンケア商品の伸び・家具のサイズ感といった、試してみないとわからない要素が多い商品が該当します。また、「このサイズで身長165cmだとどう見えますか?」「乾燥肌でも使えますか?」のように購入前の迷いの種類が明確で、配信者が即答できる商品であることも重要な条件です。

ユニクロが骨格タイプ別のコーディネート提案を行い、ニトリが家具の実際のサイズ感を実演しているのも、テキストと画像だけでは埋められない情報ギャップを動画で補っているからです。

価格帯と購買意思決定スピードの関係

TikTok Shopのライブコマース運用実績では、比較的手頃な価格帯のほうが衝動買いにつながりやすいという傾向が指摘されています。視聴者が見て、欲しいと思った瞬間に買える価格帯であることがコンバージョンに影響するためです。
ただしこれは絶対条件ではありません。ニトリでは家具や電動チェアといった高単価商品も継続的にライブで取り扱っており、価格帯よりも、購入の意思決定ハードルをいかに下げるかの設計が本質といえます。
実演でサイズ感や使用感の不安を解消し、ライブ限定クーポンなどの限定性を加えることで、高単価商品でも購買行動を引き出せます。

また、中古インテリアECサイト「RESTYLE」が動画コマースサービスのFireworkを使ってShopify上でライブコマースを導入したところ、初回のライブ配信で64万円の椅子の販売に成功し、CVRが約17倍に向上したという事例(※)もあります。「高単価だからライブコマースが向かない」という思い込みは根拠に乏しく、視聴者の疑問を解消できる設計があれば高単価商品でも成果が出るケースがあります。
※Firework Japan「中古インテリアのECサイト『RESTYLE』、CVRが約17倍・平均注文単価が約1.5倍上昇」(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000093.000075453.html)

Fireworkとともに開催したイベントのレポートも公開中。ぜひ併せてご覧ください。

【アパレル編】国内ライブコマース成功事例

アパレルはライブコマースとの親和性が高い領域です。成功している事例に共通するのは、服を売る場ではなく視聴者が自分に合うものを選べる場として設計されている点です。

ミキハウス|自社ECに統合したライブショッピングでサイズ不安を解消

ミキハウスのライブコマースページ。参加方法も丁寧に解説
BiNDecがShopify構築・運用を支援している子ども服ブランドのミキハウスは、自社ECサイト上でライブショッピングを定期開催しています。
視聴中に気になる商品をその場で購入でき、スタッフへの質問もリアルタイムで行える設計になっています。子ども服はサイズ選びへの不安が購入ハードルになりやすい商材であり、その場で疑問を解消しながら購入まで完結できる自社EC統合型のライブは、SNSライブとは異なる顧客体験を提供しています。

ミキハウスが提供するショッピング体験について、こちらの記事でも詳しく紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。

ユニクロ|スタッフ起用で年間2,500万視聴。EC売上10.9%増に貢献

ユニクロのLIVE STATIONページ
ユニクロは2020年12月に「UNIQLO LIVE STATION」を開始しました。プロのモデルやインフルエンサーではなく、店舗スタッフが出演して視聴者の質問にリアルタイムで答えるスタイルを採用しています。「このセーターのMサイズはどの程度ゆったりしていますか?」「骨格ウェーブの人に似合うパンツは?」といった具体的な悩みへの対話が積み重なった結果、2024年の年間視聴者数は2,500万人を超えています(※)。
また、出演スタッフ個人へのファンが生まれるなど、ブランドの接点としても機能しています。

ファーストリテイリングの決算資料でも、2024年9月〜2025年2月の国内EC売上高が前年同期比10.9%増を達成しており、継続的なライブ配信が顧客接点の拡大に寄与していると見られます。
ユニクロが示す成功の本質は、コーディネート相談や骨格タイプ別の提案など視聴者が楽しめるコンテンツを中心に据え、購買をその自然な結果として生む構造にあるのです。
※月刊ネット販売「ユニクロのライブコマース 累計視聴者数が2500万人超」(https://nethanbai.co.jp/archives/15722)より引用

【コスメ・ヘルスケア編】国内ライブコマース成功事例

コスメ・ヘルスケア領域では、肌への効果や使用感という、試してみないとわからない要素が強く、ライブ配信による実演が購買不安の解消に直結します。一度商品の良さを体感した顧客がリピーターになりやすい商材でもあるため、ライブコマースをLTV(顧客生涯価値)向上の施策として位置づけることが有効です。

ファンケル|ライブ視聴者の購入金額は非視聴者比15%高く、LTVで差がつく

FANCLのライブコマースページ
ファンケルは2020年7月にライブコマース「FANCL LIVE SHOPPING」を開始しました。開始当初はコロナ禍で実店舗が閉鎖されるなか、顧客と直接コミュニケーションを取るオンラインの場として立ち上げた経緯があります。
企画・出演・運営をすべて自社スタッフが担い、商品の開発経緯・成分の詳細・専門スタッフによる使い方アドバイスを配信内容の柱に据えています。コンバージョンを直接的な目的にするのではなく、「商品への理解と共感を届けること」を優先した設計です。

この積み重ねの結果、サービス開始から2024年時点で総視聴者数は210万人を突破しています。より重要な指標として、ライブコマースを視聴した顧客の年間購入金額が、非視聴者と比較して約15%高い(※)ことが自社調査で確認されています。
ライブを見た顧客ほど商品への理解が深まり、継続購入につながっているということです。
3年間で計145回の配信を継続してきたことも、成果につながった要因といえます。ライブコマースは単発の施策では効果が出にくく、視聴者との関係性が積み重なることで購買行動に変化が生まれます。ファンケルの事例はその典型といえます。
※ファンケル「ライブ配信で、お客様と楽しさを共有したい」(https://www.fancl.jp/five-visions/communication_04.html)、17LIVE株式会社プレスリリース(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000453.000030133.html)より引用

【生活雑貨・インテリア編】国内ライブコマース成功事例

生活雑貨・インテリアは、実際のサイズ感や空間での見え方が購入判断に大きく影響する商材です。「自分の部屋に置いたらどう見えるか」という疑問に、ライブ配信が応えられます。

ニトリ|ライブ強化で通販売上16.2%増。アーカイブ活用がEC全体を底上げ

NITORIのライブコマースぺージ
ニトリは「ニトリLIVE」を定期配信として運営しており、2024年度上半期(4〜9月)は配信回数を前年同期の57回から99回(前年比73.7%増)に拡大しました。それに伴いライブコマース視聴者数も前年同期の202万人から393万人へと約2倍に伸長しています。
同社の第2四半期決算資料では「ニトリLIVEで収録された動画をECサイトにも掲載し商品紹介動画として活用する取り組みを開始した結果、ECサイトからの発生売上高が継続して前年を上回っている」と明記されており、この期間の通販事業売上高は前年同期比16.2%増の461億円を達成しています(※)。

ニトリの事例で特に注目すべきは「アーカイブの活用」です。生配信が終わった後、その録画を自社ECサイトの商品ページに埋め込み、閲覧者への商品説明動画として継続的に活用しています。一度配信したら終わりではなく、アーカイブが商品ページの説明コンテンツとして機能し続けることで、ライブを見ていなかったユーザーにも購買の後押しができる仕組みです。
1回の配信をコンテンツ資産として複数の形式・チャネルで活かす設計が、EC全体の底上げに貢献しています。
※ニトリホールディングス「2025年3月期 第2四半期決算説明資料」(2024年11月6日) より

事例から読み解く|ライブコマース成功の共通パターン

5つの事例を振り返ると、成果を出しているブランドには共通する設計思想が見えてきます。

「ライブ×アーカイブ」で一回の配信が長期的な資産になる

ユニクロ・ニトリ・ファンケルはいずれも、生配信の後にアーカイブを残し、SNSへの二次展開や商品ページへの埋め込みを行っています。
ライブコマースで成果を出しているブランドは、「ライブ中に売り切る」発想から「アーカイブで売り続ける」設計に転換しています。1回の配信リソースを複数の接点で活用することで、配信コストに対するリターンが大きくなるのです。

BiNDecが動画コマースサービスのFireworkとイベントで登壇した際にも、自社ドメイン上でライブを配信してデータを自社ECに蓄積することの重要性が共有されました。
TikTokやInstagramでのライブは集客力がありますが、視聴データや購買データが自社に残らないという課題があります。自社ECでライブデータを蓄積しCRM施策に活かす設計が、中長期的なLTV向上につながります。

スタッフ起用が信頼を生む。インフルエンサー依存との違い

事例で紹介した各社では、インフルエンサーではなく自社スタッフが配信を担っています。インフルエンサー起用は即時のリーチ拡大には有効ですが、「その人だから似合う」「本当に使っているのか」という視聴者の疑念が生まれやすい面もあります。
商品知識の豊富な自社スタッフが視聴者の質問に誠実に答えることで、ブランドそのものへの信頼が高まりリピート購買につながりやすい構造が生まれます。

配信で終わらせない。自社ECへの購買導線設計が成否を分ける

ライブコマースで成果が出にくいケースに多いのは、配信の質にばかり注力して自社ECへの購買導線が設計されていないパターンです。
視聴者が「欲しい」と思った瞬間にカートに入れられるUI/UX、ライブ限定クーポンの発行、在庫の即時反映、フラッシュセール時のサーバー安定性など、ECサイト側の設計がライブの成果を左右します。
ミキハウスがShopify Plusに移行した理由の一つはサーバー耐久性にあったように、ライブコマースはECインフラの強さが前提となる施策です。

ライブコマースで成果を出すために自社ECに必要な機能

ライブコマースで購買につなげるには、配信の質と同じくらいECサイト側の設計が重要です。
視聴者が「欲しい」と感じた瞬間にカートへ入れられるか、期間限定施策がスムーズに動くか、品切れ時に購入希望者をフォローできるか。こうした対応が整っていないと、配信で高まった購買意欲を取りこぼすことになります。

Shopifyが選ばれる理由と、ECプラットフォーム選定の考え方

ライブコマースを含むEC施策を本格化するにあたって、ECプラットフォームの選定は重要な判断です。Shopifyは世界170カ国以上で利用されているECプラットフォームで、国内でも企業向けECの構築基盤として広く採用されています。16,000以上のアプリを持ち、自社開発することなく必要な機能を柔軟に拡張できる点も特徴です。
チェックアウトのCV率は競合比最大36%高く、フラッシュセールや期間限定販売の自動制御、在庫のリアルタイム反映など、ライブで高まった購買意欲を取りこぼさずに受け止める機能を標準で備えています。

ただし、Shopifyはできることの幅が広い分、自社の業種・商材・運用体制に合わせた設計には一定の知見が必要です。
適切なアプリの選定や連携設計を誤ると、ランニングコストが膨らんだり、必要な機能が使いこなせないままになるケースもあります。こうした理由から、Shopifyの構築・運用はパートナー企業に相談しながら進めることがおすすめです。

BiNDecのShopify支援と業種別EC設計のポイント

BiNDec

BiNDecは、Shopifyから国内最上位の認定を受けたShopify Platinumパートナーです。400ストア以上の構築・運用支援を通じて蓄積した業種別のノウハウをもとに、ライブコマースで生まれた購買需要を自社ECで確実に受け止める設計もご提案可能です。

BiNDecのサービスには、独自開発の30種以上のShopifyアプリがあります。「タイマー表示」「カートボタンの期間表示制御」は期間限定販売を自動化して準備工数を削減し、「購入制限」はフラッシュセール時の転売防止や購入数の上限設定に対応します。「再入荷通知」はライブで紹介した品切れ商品への購入希望者を自動フォローします。

ライブコマースの成果をEC全体の成長につなげるには|BiNDecへの相談

ここまで紹介した5社の事例に共通するのは、ライブコマースを単発の販促イベントではなく顧客との関係性を積み上げる場として設計したことです。
ユニクロの2,500万視聴、ニトリの通販売上16.2%増、ファンケルのLTV15%向上は、いずれも継続的な配信と自社ECとの連携があってこそ実現しています。視聴者が「欲しい」と感じた瞬間にストレスなく購入できるチェックアウト、配信後のアーカイブを活用した商品ページの強化、視聴者データを活用したリピート施策の構築が、売上の差を生みます。

BiNDecは業種別におすすめの設計プランをご用意

BiNDecアパレル

そして、業種ごとにECに求められる設計は異なります。
BiNDecは、400ストア以上のEC構築実績を持つShopify Platinumパートナーとして、ECの立ち上げから運用・販促・業務連携まで包括的に支援しています。BiNDecアパレル・BiNDecコスメ・BiNDecフードとして業種特有の課題を解説できる設計プランをご提供しています。ライブコマースを起点に、チェックアウト最適化・LTV向上・業務自動化まで含めた全体設計をBiNDecにご相談ください。

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