よくあるEC運営のトラブルとは?回避策とスムーズに顧客対応する方法

ECサイトにはフェイス・トゥ・フェイスの接客や手で触れられるディスプレイが存在しないので、顧客の購買体験をつねに改善することが大切になります。購入者から、リピーター、そしてファンへまで育っていってもらうために大切なのは、ECサイトでの体験を良いものにすること。その大前提に、トラブルなく快適に購入から受け取りまでができることでもあります。
今回は、EC運営時に起こりがちなトラブルに対処する方法を解説します。D2Cやスタートアップ時のEC担当者必読です。

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クレジットカードや決済時トラブルへの対処

EC利用者にとってもっともストレスとなるトラブルは、「すぐに購入したいのに買えない」「買いづらい」サイトです。サイトの決済フローを使いやすく設計する、ターゲット顧客にとって便利な決済手段を豊富に揃えておくことが望ましいです。

しかし、いざチェックアウトしようとしたら「カードが使えないとエラーが出て止まる」「決済途中で止まってしまう」「クレジットカードが無効とされる」といったトラブルはそのまま離脱やクレームに繋がります。どう対処すればいいでしょうか。

クレジットカードの入力ミスをスムーズに訂正

まず一定数は、クレジットカード番号を入力間違え、カードの有効期限切れしている可能性があります。また、セキュリティコードの間違えやコードがわからなかったりするトラブルもあります。

クレジットカード入力画面でストレスなく修正を促すUI(Shopify)

購入者の入力ミスを的確に修正してもらい、すぐに購入に進める決済UIが準備されていることが必要です。

クレジットカード情報送信時の遅延、フリーズを回避

決済ボタンを押したあとのサイトのフリーズや、結果が出るまでの遅延は、購入者を非常に不安にさせます。ECサイト側で決済に時間がかかってしまう主な原因は、サイトへの負荷集中、クレジットカード決済のセキュリティチェック、決済サーバー自体の性能などです。安全性が高くても、反応が遅くなることで購入者の使い勝手を下げてしまうこともあります。

繁忙期や特定の決済によらず常に遅い傾向であれば、別の決済サービスへの乗り換えを検討すべきです。なお、セールや製品発売日、予約販売などでサイトへのアクセスが増えることでサイトが重くなったりダウンするようなことがあれば、ECサイトの運用ツールや決済サービスをより安定した環境へ移行する必要があります。

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クレジットカードの承認エラーは実態を把握

クレジットカードの承認エラーが起こることもあり得ます。デビットカードであれば残高不足、クレジットカードであれば限度額オーバーが考えられます。また、不正利用の疑いがあれば、承認が得られない場合もあります。また、決済中に3Dセキュアが利用される場合にそのパスワードがわからない購入者もいるかもしれません。

こういったトラブルは、必ずしもECサイトの責任ではなく、また対処しようがない場合もあります。ただし、顧客からの問い合わせには対応できるように、知識と応答体制は整えておきましょう。そのために、自社から決済エラー内容がどんなものか把握できるよう決済会社との連携も必要です。

Webサーバーの負荷によるアクセスエラーは分散か見直しを

自社で構築運用しているサーバー、ホスティングサーバーなどで集中アクセスを想定していない環境では、大きな広告を同時配信した、テレビに出た、新商品を発売したなどのタイミングでアクセスエラーが発生してしまう場合があります。

どの程度の負荷耐性が必要かなどは、サイト運用技術者にも予見できない部分はありますし、従来のように物理的にサーバーを調達して運営する場合はスケーラビリティの確保が難しいため、ホスティングやクラウドサーバーでの運用が必要となります。世界的なECカートシステム「Shopify」のようなクラウド基盤のプラットフォームでは、世界中数で200万近くのECビジネスが運営されています。1分間に1万件の注文をさばける性能のShopifyサーバーなら、全世界で440万以上のサイトを支え、国際的セキュリティ基準のSOCを取得した環境で、負荷分散を気にすることなく、定額で運用できるため安心です。

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商品の手配ミスなど、配送トラブルのよくある内容と対処方法

ECは、顧客の望む商品を正確に届けて当たり前の評価、送付内容に間違いや遅延があると、ECサイトの評価はすぐにマイナスとなってしまいます。

商品送付の手違い、発送遅延が起こる原因

ECサイトを始めたばかりの企業や小売業、D2Cにチャレンジすることになったメーカーなどでは、老舗や大企業であっても、ECの経験が少なく、かつ専業スタッフを置かずに「最初は社内の手でがんばろう」と場当たり的にスタートするケースが非常に多いようです。こういった際は、ノウハウやマンパワーの欠如などが原因で、注文確認、梱包時の内容確認がおろそかになりがちです。また、発送時に必要な伝票の処理、貼り付けなども手作業が多いことで、内容違い、送付先違い(誤配)などが起こります

こういったミスに加え、専業スタッフや補充スタッフが置けないことで繁忙期をきっかけに発送日が遅延していくリスクもあり、さらに「いつ発送されるのか」といった問い合わせに答えられない・問い合わせに答える手間でさらに発送が遅れていくという負のスパイラルに陥ることもあります。

「発送に経費をかけたくないから」「在庫が社内にあるから」などの理由で社内作業を選ぶケースは多いですが、クレームや遅配が発生する状況であれば、考え直しが必要です。ミスを減らす方法としては、発送伝票の自動発行、通知の自動送信が可能なシステムを入れるなどのオートメーションを検討したり、商品の梱包から先を配送会社に依頼する、商品の管理からまとめて倉庫に依頼するなど外部のサービスへ委託する方法があります。

いずれにしても、デジタル管理が前提です。ECシステムに対応することが効率化のため重要なので、選定はしっかり行いましょう。

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配送トラブルは無駄な問い合わせ対応を増やす

EC商品の配送トラブル

配送トラブルの「いつ届くかわからない」「商品が壊れていた、粗く扱われた」なども、また問い合わせを増やす問題となります。コロナ禍以降「置き配」も一般的になり、個人客の受け取り方のニーズは多様化しています。再配達のストレスを回避するとともに、商品が雑に扱われる、高価な商品が壊れるといったことがないよう、購入者の期待に応える配送を目指しましょう。

商品の受け取りをスムーズにし、配送に関する問い合わせを減らすには、商品の配送状況をトラッキング可能にすることです。例えばアマゾンを利用すると受け取り時間、置き場所などを指定した上、受注、発送、置き配完了などの通知をメールで受け取れます。配送に時間がかかったとしても「現在商品を準備しています」「○○の配送センターに入荷しました」などの情報がわかると、購入者は安心します

SMSやメール、LINEなどで逐一状況がわかるシステムや配送会社を利用するにはベストですが、利用できない場合でも、予定発送日を守る・メールで通知する、などは最低限のサービスとして提供したいものです。

注文のステータス例。プログレスバーが表示されて、商品が準備されている様子がわかるApple Storeのステータスアップデート

Shopifyのアプリには、注文ステータスをより手厚くトラッキング可能にするアプリなどもある

上記は、Shopifyのアプリ、StatusPro

一方、商品の破損などのクレームへの対応には気を遣います。一般に、この手のトラブルは、配送段階で壊れたのか、もともと壊れていたのかなどの判断には時間がかかるため、購入者にとってもEC担当者にとっても、非常にストレスになります。どのような対応を取るかは、社内で対応マニュアルなどを制作し、速やかに購入者のニーズに対応できるように準備します。

また、配送事故が起こった時は、配送会社とのコミュニケーションも必要です。営業担当者などに、商品の壊れが発生したことを相談し、梱包の仕方に問題がないかなど相談にのってもらうことで、その後に同じ問題が起きたときに対応を一緒に考えることもできるでしょう。営業担当者に相談できないなど、信頼できない点があれば、送料が高くなるとしても、他社に乗り換えることも検討しましょう。

商品の返品・回収への対応策

誤配、商品間違いや返品の対応には、商品を送り戻していただくか、回収する必要があります。

  • どうやって回収/返品するか
  • どこへ回収するのか
  • だれか検品するのか
  • 交換商品の発送タイミングはいつか

など、多数の決め事があります。一般的なアパレルECでは「未使用であること」「交換商品在庫があること」などが交換・返品条件となるなど、確認作業が煩雑になっています。リアル店舗にも商品があるといった場合にオンライン販売と在庫が共通化されていなければ交換もできないといったトラブルもあります。

ソリューションの例としては、配送会社が回収と交換をまとめて行う(場合によっては返金も行う)回収サービスを利用することで、何度もやりとりをする手間を省くことができます。また、商品発送時にQR コードを配布しており、そこから返品が注文できる、あるいはオンラインサイトから即時返品・交換ができるサービスを導入するケースもあります。アマゾンでも導入されているので利用したことがある人もいらっしゃるでしょう。QRコードを使った返品は、配送伝票の作成なども不要で、好きな時間帯に配送会社やコンビニから返送できるため、購入者への負担が軽減できます。

購入したECサイトで即時返品・交換が申し込めるシューズストアの例。新しい商品が届く際に手元の商品が回収となる(ON)

著者の経験では、配送ミスによる誤配商品は回収しない(返金のみで商品回収しない)といった効率優先のストアもあります。EC販売数が増えれば返品や交換は一定数増えていくはずなので、対応方法を整備していく必要があるでしょう。

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価格設定やキャンペーン施策におけるの人的ミスへの対応

数年に一度は、広告に1桁安い金額を出してしまったなど、高額商品が人的ミスで激安販売されるような事故がSNSで話題になります。もちろん、話題が大きくなったとしても品切れや販売不成立(確認メールで販売が成立しなければ、購入できません)などですぐに収束することが多いですが、こういったトラブルはできれば発生させたくないものです。

デジタルマーケティングといっても、確認をするには人間です。ミスを事前に防ぐには、出稿前に関係部署、上長、制作会社責任者など、複数の目で出稿内容を確認した上でないと公開できない承認制などの「しくみ」づくりを行います。また、クレーム対応と同様に、マーケティングチームでの公開ミス・内容訂正・一般閲覧者からの問い合わせに対応するためのチェック・修正体制も整えましょう。

なお、EC販売ではオンライン決済と同時に確認メールが来て販売が成立するストアも多いですが、人間が確認した上で、改めて注文確認メールを送付するまで受注が完了しない、とすることでトラブルを未然に防止する、という手もあります。

なぜトラブルが起こるのか…未然防止のために

ECサイトの運営では課題となりやすいトラブルや対応について取り上げました。

どんなトラブルも、ゼロにはできなくとも防止策をはかり発生数を減らすことは可能です。ここではいくつかの方向性を示します。

  • 人的対応、属人的な知識を無くし対応方法を共有する。たとえばトラブル時対応マニュアルを作る。問題発生時連絡ルートを制作して周知する
  • 単純作業などのマニュアル作業を減らす。伝票は自動印字、メールは自動送信、倉庫とデータ連動するなど自動化、DXを行う
  • 配送会社、倉庫などとコミュニケーションを図り、ベストソリューションを取り入れる。営業担当者などの提案も時には聞き、自社の状況が古くないか、解決策が出ていないかなど情報収集を図る
  • ECシステムを変更する。決済画面の変更、サーバーサイドの問題やUIの改善など、大規模な改修をしなければ改善できない問題があれば、サイト事態の乗り換えを検討する

様々なトラブルを回避するうえで、ECシステム、決済システムを最新のシステムへ乗り換えるのは一つのソリューションです。

Shopifyなら使いやすいUI、最新機能を利用可能に

ECシステムを乗り換えるなら、クラウド基盤のECプラットフォームでアクセス集中しても負荷に強く、かつ最新のUIやセキュリティ機能を備えたECサイトを構築できるShopifyがおすすめです。

Shopifyでは決済時のスムーズな決済画面にはじまり、クレジットカードのセキュリティチェック、注文トラッキング、伝票の自動印字、倉庫とのデータ連携など、さまざまなECのための機能がすぐに利用、もしくはアプリ追加で可能になります。

小規模企業でのスモールスタートにも対応するShopifyですが、基幹システム連動や倉庫連動などには、専門知識と経験が必要になってきます。ECプラットフォームの導入や移行でお悩みの際は、BiNDecにお気軽にご相談ください。
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POINT

  • マンパワーに依存したECの運用は人的ミスが起きがち。自動化によって削減しよう
  • ECサイトの技術面でのトラブルが社内で手に余るようなら専門業者への委託も検討する
  • トラブルは起こる前提に、顧客対応のマニュアルやリカバリーのルートなどを整備する

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