Shopifyは、世界各国の商習慣に合う機能やアプリが数多く揃っており、越境ECでのビジネス展開に最適なプラットフォームです。
Shopifyで越境ECに対応するためのサービスとして、代表的なものが「Global-e」です。本記事では、Global-eの機能やメリット、活用方法などを紹介します。
拡大する越境ECのニーズ
越境ECとは、国境を越えて商品やサービスをECサイトで販売し、異なる国々の消費者に届けるビジネスモデルです。
日本の消費者がアメリカやヨーロッパから商品を購入した場合、円安の状況が続いているため、2024年の為替レートは昨年に比べて7%高くなっています。
逆に、コロナ明けから国内のインバウンド市場が劇的に成長していることがよく話題に上がりますが、越境ECでも同様に海外の消費者が日本の製品を買い求めやすくなっています。日本の製品を売り込みやすい国・地域に向けてマーケティングしていくことで、越境ECの売上を伸ばしやすい状況であると言えるでしょう。

越境ECについて、詳しくは下記の記事をご覧ください。
越境ECをサポートするGlobal-eとは?
Global-eは、海外に商品を販売する際にハードルとなる、言語・通貨・関税・配送などを総合的にサポートしてくれるサービスです。
Shopify認定の越境EC支援サービス
Shopify公式の国際販売ツールである「Managed Markets」には、Global-eが組み込まれています。これによって、管轄当局への納税、現地通貨での決済代行、関税と輸入税の管理など、他の国や地域への販売で生じる煩雑な作業をGlobal-eに任せることができます。
ただし、Managed Marketsは現在アメリカ本土に拠点を置くマーチャントのみに提供されているため、日本のマーチャントはGlobal-eと個別に契約する必要があります。
Shopifyでの越境ECについて、詳しくは下記の資料も併せてご覧ください。
日本市場にも積極的に展開
イスラエル発のGlobal-eは、現在30以上の拠点で展開し、1000社以上が導入しています。日本法人は2021年に設立され、マルチカレンシー表示や地域ごとの税制適応、複数言語による顧客サポートを特徴としています。
海外に比べて、越境ECというと日本ではまだ身近ではなく、ある程度大手のブランドやインバウンド向けの商品特有のビジネスという印象が強いかと思います。しかし、Global-eを利用すれば小規模なスタートアップから大手企業まで、幅広い規模のビジネスが国際市場での競争力を伸ばすことができるようになります。
外国語がわからなくても、Global-eなら越境ECが運用できる
日本ではどの国に向けて商品を売るにしても、必ず言語と決済の壁があります。双方の言語や商習慣について熟知している人材がいれば安心ですが、現実的には難しいでしょう。
その他にも越境ECの運用には様々なハードルがありますが、Global-eを導入することで、解消されることやメリットを解説します。
マルチカレンシーと決済方法
ECサイトにGlobal-eを導入することで、100以上の通貨と150以上の決済方法に対応できるようになります。
Shopifyの標準決済でも主要ブランドなクレジットカードとPayPalで越境ECでの決済を可能にすることはできますが、顧客の希望する決済方法が用意されていなかった場合、約6割以上が購入せずに離脱しています。*1
世界にはローカルな決済手段がメジャーな国も多く、例えばドイツでは決済にクレジットカードを選ぶのはわずか11%で、80%以上がgirocardといったデビットカードでのキャッシュレス決済を好みます。
Global-eなら世界中のローカルな決済手段を一括で導入できるため、それぞれの国・地域の顧客が慣れ親しんだ決済手段での購入が可能となります。
*1=ジャックス・ペイメント・ソリューションズの調査より
関税と税金の管理
外国の顧客に商品を販売・発送する際、消費税はかかりませんが、一定金額以上の商品には個人輸入でも関税がかかります。税率は相手国と品目によって異なり、関税も1種類ではありません。
さらに、関税のほかにも税金が発生することもあり、例えば中国では行郵税(郵便税)や越境EC総合税、EUではVAT(付加価値税)等があります。

それらの税の計算は非常に複雑であるため、チェックアウト時に税込みでの会計ができていないと、受け取り時に顧客が別途支払うことになります。
税金の支払いについて丁寧に案内をしていても、顧客が必ず承知しているとは限らず、クレームや受取拒否といった事態なってしまうこともあります。
Global-eを導入していれば、チェックアウト画面で目的地の国の適切な関税と税金を自動計算し、購入時にまとめて支払ってもらうことができます。各国の税制に準拠した運用が可能となるため、企業は法令違反のリスクを軽減し、信頼性を高められます。
2種類から選べる国際配送
Global-eでは、スタンダード配送とエクスプレス配送の二つの主要な配送オプションを提供しています。
スタンダード配送は、できるだけコストを抑えた配送方法で、注文から到着まで数日から数週間かかる場合が多いです。エクスプレス配送は、追加の費用がかかる場合がありますが、数日以内に商品を届けることが可能です。
国際物流会社のDHLと提携しているため、配送だけでなく返品もDHLで一本化することができます。
チェックアウト画面のローカライゼーション
Global-eを導入したShopifyのECサイトは、チェックアウト画面を30以上の言語に対応させられます。決済の段階で不明な点があると、カゴ落ちにつながる可能性が高まるため、わかりやすいフローや案内を用意しておくことは必須です。
チェックアウト画面を多言語に対応させておくことで、各国の顧客に最適化されたショッピング体験を提供が可能となります。
トレンドに合わせたサービスを提供するGlobal-e
Global-eでは、各国の経済状況や税制についても高い知見を有しており、定期的に開催されるミートアップイベントなどで知ることができます。
越境EC市場1兆円越えのアメリカの関税を注視
関税率は、各国の経済情勢によって改正されていきますが、最近特に注目されているのがアメリカです。共和党のドナルド・トランプ氏が再選したことでアメリカファーストの姿勢が強まり、アメリカへの輸出品の関税が全面的に見直されています。
アメリカは日本の輸出相手国の中でもトップの20.1%を占めており、アメリカ向けの越境ECビジネスを展開している企業も多いでしょう。
Global-eでは、このような関税率の改正にもスピーディに対応できるため、マーチャントと顧客の双方においてトラブルのない取引を実現することができます。
越境ECの業務コストを改善し売上拡大へ
2025年2月のイベントでは、実際に自社ECでGlobal-eを利用しているマーチャントの中から、ビジネスシャツブランドの鎌倉シャツ、ウォッチブランドのKUOE、キャラクターグッズメーカーの株式会社グレイ・パーカー・サービスの3社が登壇し、導入後の成果ついて共有されました。
どのマーチャントも、支払いや配送作業にかかる業務コストが改善されており、複雑な関税を自動計算し商品代金と一括で支払えるようになったこと、不正注文や住所入力ミスのアラート設定による配送リスクの軽減、決済手段が拡大したことによる購入機会の増加などが具体的なメリットとして挙げられました。
Shopifyでの越境EC構築をサポートするBiNDec
EC構築・運用支援サービスのBiNDecでは、これまでにも多数の越境ECをShopifyで構築しています。
Global-eをはじめとした、越境ECをさらに成長するための様々なツールやサービスとパートナーシップを組んでおり、各国に対応したサイト設計からビジネスの規模や特性に合わせた海外向けの販売戦略まで細やかなサポートが可能です。
越境ECの構築や運用に関してお悩みの方は、気軽にお問合せください。