Shopifyの送料カスタマイズの手順|合算しない、重量・金額別の送料設定

Shopifyの送料カスタマイズの手順|合算しない、重量・金額別の送料設定

ECサイトを運営していると、送料の設定に頭を悩ませられることも多いでしょう。
全国一律送料無料にできれば顧客は喜びますが、利益率に影響してしまいます。また商品を同梱せずに送料を二重に加算してしまうなど非効率的な送料がかかると、顧客の不満が高まるでしょう。
逆に適切な送料の加算をせず、同梱できない商品を同梱する扱いで送料を請求するなど自社の利益率を損ねない正しい送料設定を行うことが肝心です。
本記事では、ECプラットフォームのShopifyの送料設定でできることや、アプリを入れて更に詳細な送料設定をする方法などをご紹介します。

Shopifyの基本的な送料設定ルール

まずはShopifyの送料設定は、どのような仕様になっているのかをおさらいしましょう。基本的な仕様を理解することで、Shopifyの送料設定で何ができて何ができないかを判断できるようになります。

Shopifyの標準機能で可能な送料設定

Shopifyでできる送料設定には以下のような設定があります。主に、配送場所か商品の種類によってわけられます。
まず、配送場所としては「都道府県別の送料設定」がスタンダードです。これに加え、実店舗がある場合は「店舗での受け取り」「店舗近隣への配送」などを選べます。また、越境ECサイト向けに「国際配送の設定」も可能です。
次に商品の種類としては、「重量別の送料設定」がスタンダードです。これに加え、「一定以上の金額を購入した場合の無料設定」「大きいサイズは冷蔵品など特定商品の送料設定」などがあります。

Shopifyの標準機能でできない送料設定

ご紹介したように、Shopifyでは基本的にほとんどの送料設定は可能です。ですが、イレギュラーな設定については後述するアプリなどを利用しないと行えません。
例えば配送場所の問題として、「東京」に送るとしても23区内に送るのか、東京都に属する離島に送るのかでは金額が異なりますが、Shopifyの基本設定ではカバーできません。
また、商品の種類としては、常温で保存できるような商品と、要冷蔵の商品を同梱する場合、最適な送料が計算されませんので、ご注意ください。

Shopifyで配送プロファイルを設定する方法

Shopifyの送料設定は、主に配送場所か商品の種類によってわけられています。配送場所による送料の違いは「基本の配送料」で対応できますが、商品の種類で送料を決める場合「カスタム配送料」で、配送プロファイルを設定する必要があります。ここでは、Shopifyで配送プロファイルを設定する方法をご紹介します。

商品の重量別に送料を設定する

まず、管理画面の左カラムから「設定」をクリックし、「配送と配達」を選びます。次に「基本の配送料」の「国内配送」をクリックし、「基本プロファイル」画面に移行します。

「基本プロファイル」画面に移行

続いて「送料を追加」をクリックすると「送料を追加」ウインドウが開かれますので、「カスタム料金の名前」と「価格」を入力した後に「条件付き価格」をクリックします。
そして「アイテムの重量に基づく」のラジオボタンをチェックし、「最小重量」「最大重量」を入力します。入力が終わったら「完了」ボタンをクリックします。

「最小重量」「最大重量」を入力

これで、「重さによる価格」の配送プロファイルが完成しました。あとは、「「最小重量」「最大重量」の条件を変えて配送プロファイルを増やしていきましょう。
なお、重量だけでなく配送地域にも設定したい場合、最初に配送エリアを設定してから、「重さによる価格」の配送プロファイルを作ってください。最後にページ上部にある「保存する」ボタンを押せば完了です。

配送エリアを設定してから、「重さによる価格」の配送プロファイルを作る

注文金額別に送料を設定する

次に注文金額をベースに配送プロファイルを設定する方法です。ここでは、「通常送料は700円、注文金額5,000円以上で送料無料」の配送プロファイルを設定しましょう。
先ほどと同様に「送料を追加」をクリックし、「送料を追加」ウインドウが開かれますので、「カスタム料金の名前」と「価格」に「0円」を入力した後に「条件付き価格」をクリックします。
そして「注文額に基づく」のラジオボタンをチェックし、送料を無料にする際の「「最低価格」を入力します。入力が終わったら「完了」ボタンをクリックします。

注文金額別に送料を設定する

これで、「送料無料」の配送プロファイルが完成しました。最後にページ上部にある「保存する」ボタンを押せば完了です。

配送プロファイルが異なる商品を同時に注文された場合に困るケースは?

Shopifyの送料設定は、初期設定では「金額ベース」か「重量ベース」でしか設定できません。そのため、「金額ベース」と「重量ベース」の配送プロファイルが混在した場合、想像とは異なる送料が計算されかねません。また、同じ「金額ベース」でも、配送プロファイルが異なる商品を同時に注文された場合も同様です。
ここでは、以下の配送プロファイルで同時注文された場合の送料がどのように処理されるのかをご紹介します。

配送プロファイル 送料 送料計算の条件 ベース
通常商品 300円 3,000円以上で送料無料 金額ベース
特殊商品 600円 5,000円以上で送料無料 金額ベース
大型商品 1,000円 商品1点につき送料1,000円 重量ベース

ケース1.同梱できない大型商品の送料だけが適用されてしまう

通常商品(金額ベース)と大型商品(重量ベース)を同時に注文された場合、大型商品の送料だけが適用されてしまうケースがあります。
例えば、通常商品は単品で300円の送料がかかりますが、3,000円以上では送料が無料になります。そのため、通常商品と大型商品と同時に注文した場合、通常商品ぶんの送料は無料となり、大型商品の1,000円だけが適用されてしまうのです。通常商品と大型商品は同梱できないケースだと、本来想定していた送料の計算とは異なる結果になってしまうのです。

ケース2.商品1点ごとに送料が計算されない

Shopifyの送料設定では、同じ配送プロファイルの商品を複数個注文された場合、送料は一個口として計算します。そのため、商品1点につき送料1,000円を貰いたい大型商品でも、商品1点ごとに送料を計算してもらえません。

この場合、個別に配送プロファイルを設定することで対応しているECサイトの運営者もいるでしょう。
ですが、この場合大型商品の配送プロファイルにある「重さ」を設定し、重量別に送料を段階的に設定すれば、同じ配送プロファイルでも商品1点あたりの送料で計算できます。
例えば、Aという商品に「5Kg」を設定し、重量別の配送料金を「1~5Kg」「6~10Kg」と段階的に加算していけば良いのです。なお、この「5Kg」は送料設定のための数値で、実際の重量と異なってかまいません。

ケース3.送料無料の条件が異なる場合のトラブル

同じ金額ベースの商品でも、通常商品と特殊商品が混在した場合、想定しない送料の計算になる場合があります。
例えば、通常商品を1,200円と特殊商品を2,400円購入すると、合計は3,600円になります。この場合、通常商品は3,000円以上で送料が無料になるため、特殊商品の送料である600円だけが適用されます。
また、通常商品を1,200円と特殊商品を2,400円×2を購入すると、合計は6,000円になります。この場合、通常商品と特殊商品のいずれも単独では送料無料条件を満たしていませんが、合計額では条件を満たしているため送料は無料です。
一見、合計額がクリアするのであれば問題なさそうに思えますし、実際に問題ないケースもあるでしょう。ですが、もし特殊商品が要冷凍であれば、個別配送になるため、送料分をECサイト側で負担する結果になりかねません。

ケース3.送料無料の条件が異なる場合のトラブル

詳細な送料設定が可能なおすすめアプリ

前述したように、Shopifyのデフォルト機能では、詳細な送料設定はできません。そこで、特殊商品と通常商品を分けるなど複雑な配送条件や送料設定をするためには、アプリの導入が必要になります。ここでは、詳細な送料設定が可能なおすすめアプリをご紹介しましょう。

Advanced Shipping Rules

Advanced Shipping Rulesは、Shopifyで複雑な送料設定を行えるアプリです。以下に、本アプリの特徴を列記します。

商品特性でグループ化し、それぞれに異なる送料を設定可能 常温で配送可能な商品とクール便が必要な商品で異なる送料を適用できます。
地域別の配送設定が可能 都道府県、市区町村、郵便番号など、細かな地域単位で送料を設定できます。これにより、離島など特定の地域への追加料金の設定が容易になります。
条件を付けて送料計算が可能 商品の価格や重量、数量などの条件を設定しておけば、送料を自動計算できます。また、商品の合計金額などで、送料無料のような設定も可能です。

料金は月額9ドルから99ドルまでの4種類で、プランに応じて機能が制限されます。7日間の無料トライアルもあるので、実際に利用してみて導入を判断することもできます。

Parcelify: Shipping Rates

Parcelify: Shipping Ratesも、Shopifyで複雑な送料設定をするための人気アプリです。以下に、本アプリの特徴を列記します。

商品に特定のタグを付けることで異なる送料を設定可能 クール便が必要な商品に「冷蔵」というタグを付けるだけで、配送プロファイルを作成しなくても、異なる送料を適用できます。
郵便番号で配送設定が可能 郵便番号を使い、地域単位の送料を設定できます。離島も郵便番号で特定できるため、配送先に応じた料金設定ができます。
条件を付けて送料を設定可能 商品の価格や重量、数量などの条件に応じて、送料を設定できます。また、送料無料のような設定も可能です。

料金は月額19.99ドルから99ドルまでの4種類です。14日間の無料トライアルもあるので、実際に利用してから導入を判断しましょう。

高度な送料設定のEC設計、構築ならBiNDecへ

ご紹介したように、Shopifyの送料設定は、配送プロファイルを工夫したり、アプリを使ったりすることで、より柔軟に対応可能です。複雑な送料設定や最適なアプリの導入には、Shopifyのパートナー企業に委託することもおすすめです。

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POINT

  • Shopifyの送料設定には、地域別や重量別、店舗受取、〇〇円以上の購入で無料などがある
  • 配送プロファイルが異なる商品の同時購入時に、想定しない送料にならないように注意する
  • アプリを使うことで特定地域や、配送プロファイルが異なる場合でも個別に送料設定できる