日本でのライブコマース成功事例8選|売上に繋げる秘訣を紹介

ライブコマースとはライブ配信を利用した新しい販売手法で、売上を伸ばす施策として注目を集めています。

この記事では、ライブコマースの成功事例や、ライブコマースを導入し始める企業が増えている理由、背景などを解説します。自社でライブコマースの導入を検討している人は、ぜひ参考にしてください。

ライブコマースの概要

ライブコマースとは何か、具体的に知りたい人も多いでしょう。以下ではライブコマースとは何か、海外市場の動きと合わせて解説します。

ライブコマースとは

ライブコマースは、ECサイトとライブ配信を利用した、新しいオンライン販売の手法です。リアルタイムで商品やサービスを紹介するため、視聴者のリアルな反応を確認しながら実店舗に近い接客ができます。
視聴者は商品に関する不安や疑問についてその場で質問でき、納得した上で商品の購入が可能です。

海外のライブコマース市場の動き

ライブコマースは、中国をはじめとした海外市場においても注目を集めています。中国国内ではすでにライブコマースでの買い物が普及しており、購入率は通常のECサイトに比べ高い傾向にあります。
また、ライブコマース市場で中国に次ぐ世界2位のアメリカでは、GoogleやAmazonなどのIT企業がライブコマースサービスを開始しています。

詳細に関しては後述しますが、日本でもコロナ禍でのオンライン需要を受けて、ライブコマースを取り入れる企業が増加中です。
Amazonのライブコマース配信サービス
Amazon Live

日本でもライブコマースが注目されている背景

なぜ近年、日本でもライブコマースが注目されているのでしょうか。考えられる背景を解説します。

コロナ禍によるライフスタイルの変化

コロナ禍による外出自粛で実店舗への来店が大きく減少しました。しかしコロナ禍であっても、商品を販売したい店側とリアルタイムでコミュニケーションを取りながら楽しく買い物したい顧客のニーズは変わりません。

その点、ライブコマースなら非対面ながらも実店舗に近い感覚に近い形で買い物ができるため、店側や顧客のニーズにマッチした販売手法としてライブ配信の文化が浸透しました。

ライブ配信の盛り上がり

「販売」という形式に限らず、若い世代を中心にライブ配信が盛り上がりを見せています。現在、ライブ配信機能がついた数多くのSNSが利用されており、アカウントを介して簡単にライブ配信が可能です。
ライブ配信のトレンドに乗る形で、販売形式としてのライブコマースも注目されつつあります。

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ライブコマースのメリット・デメリット

ライブコマースには、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。それぞれについて、以下で解説します。

メリット

ライブコマースのメリットは、商品だけでなく体験も提供できる点です。
テキストや写真だけでは伝わりにくい作り手の思いを、リアルタイムで臨場感あふれる形で顧客に伝えられます。例えば、商品の素材感や角度に応じた光り方などは、動画の方が適した伝達方法といえるでしょう。

また先述の通り、商品に関する疑問点はその場で回答してもらえるため、消費者の不安をすぐに解消できる点もメリットです。店側と顧客との新しいコミュニケーションツールとして、新規顧客の獲得にも役立ちます。

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デメリット

一方、ライブコマースのデメリットは、配信者が主体となるため、配信者の言動によって商品や企業のイメージダウンに繋がる可能性がある点です。
また、インターネットをあまり利用しない層には、そもそも向かない手法です。例えば高齢者向けの商品の宣伝にライブコマースを利用しても、適切なターゲットに伝わらない可能性があります。

ライブコマースの種類

ライブコマースの種類は多種多様です。以下ではライブコマースの主な種類を解説します。

SNS型ライブコマース

SNS型ライブコマースとは、Instagram、Facebook、YouTubeなどのSNSにあるライブ配信機能を利用する形態です。利用料をかけずに、気軽にライブコマースを導入できる点がメリットです。

一方でデメリットは、直接の購入ができない点です。商品購入の際にライブ配信から一旦離れ、ECサイトに移る必要があるため、情報の聞き逃しや離脱に繋がる可能性もあります。

SaaS型ライブコマース

SaaS型ライブコマースとは、自社のECサイトにライブコマース機能を埋め込む形態です。
例えば、au PAY マーケットの「ライブTV」や「LIVE AIR」、「Live kit」、「Live Shop!」、「SHOPROOM」などがあげられます。自社のブランドや商品のファン獲得を実現できれば、LTV(顧客から生涯にわたって得られる利益)の向上に繋がります。

また、購入までの導線がスムーズなツールが多いため、CVR(目的とする成果達成)の向上が期待できます。一方でデメリットは、導入には一定の費用がかかる点です。

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ECモール型ライブコマース

ECモール型ライブコマースとは、ECモールが提供している、「Rakuten LIVE」などのライブ配信機能を使う形態です。
すでにECモール上に回遊しているユーザーがターゲットとなる視聴者になるため、スムーズにアプローチできます。ただし、運用サポートがないため、自社でデータの分析や解析、改善が必要です。

Shopifyでライブコマース連携は可能か

ECサイト開設のためのプラットフォームである「Shopify(ショッピファイ)」でもライブコマースとの連携が可能です。
例えばYouTubeショッピングとは、クリエイターがYouTube上で商品を紹介し、視聴者が購入できる機能を指します。

またTikTok連携では、購入ボタン付きのTikTok動画広告をShopifyの管理画面から、簡単に作成・出稿が可能です。Instagram連携では、投稿からECサイトに遷移して商品を購入できる、ショッピング機能があります。

ライブコマースを成功させるためのポイントと参考事例

ライブコマースを成功させるには、どのような点に配慮すればよいのでしょうか。成功させるうえで、特に大切なポイントを解説し、参考事例もご紹介します。

ライブコマースを実施する際に気をつけること

視聴者の声に耳を傾ける

ライブコマースの大きなメリットは、リアルタイムで視聴者とコミュニケーションが取れる点です。メリットを活かすには、視聴者の声に耳を傾けることが重要になります。
コメント内容を可能な限りライブ配信に反映させるようにし、画面の向こうにいる視聴者1人ひとりに心を込めて接するのはもちろん、視聴者の疑問点を真摯に解消することがリピーター獲得に繋がるポイントです。

ライブコマースのアーカイブを残す

リアルタイムでライブコマースに参加できなくても、配信に興味を持っている人はいます。ライブ配信後はアーカイブを残すようにすると、リアルタイム以外の視聴者の獲得が可能です。
また、一度ライブ配信を見た方でも、後から再びゆっくり配信を見直せます。視聴の利便性が高まり、リピーターの獲得に繋げられるでしょう。

買いたくなる仕掛け作り

商品をただライブで紹介するだけでなく、視聴者に商品を「買いたい」と思ってもらえるような、仕掛け作りも重要です。
例えば、送料無料やプレゼントの付属など、ライブコマースの視聴者限定の要素を加えると、視聴者の購買意欲を高められます。
また、「今から2時間以内」「本日中」など、販売期間に制限を設けることも、購入を促す上で効果的です。

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日本におけるライブコマースの成功事例8選

日本でも、ライブコースを使った販売手法が浸透しつつあります。以下では、日本におけるライブコマースの成功事例を解説します。

H&M

H&Mでは、キッズウェアの最新コレクションの発売を、ライブ配信しています。人気インフルエンサーが視聴者からの質問やコメントに応えながら、おすすめ商品や実際に購入した商品を紹介しています。

また、ライブ配信はアーカイブ視聴できるため、生配信を見逃してしまった方や、再度動画を視聴したい方などもチェック可能です。

MARK STYLER

MARK STYLERは、自社で運営するECサイトでライブ配信をしています。

本サイトの特徴は、動画の冒頭で出演者の身長が紹介される点です。また、視聴者は出演者の身長から、紹介される服のサイズ感を把握できます。

スタッフと画面を通して気軽にやり取りできるため、アパレルスタッフのファン作りのきっかけにもなっています。

資生堂

コロナ禍でコスメ販売のあり方が変化するなか、資生堂ではライブコマースによって、非接触型の購買ニーズの獲得に成功しています。
美容の専門家による美容法の紹介や、視聴者の悩みに対するリアルタイムな回答などを取り入れ、幅広い女性の支持を得ました。また、ライブ配信の視聴特典をつけ購買意欲の促進も図っています。
資生堂が行っているライブコマース
資生堂 ライブ配信一覧

ABC-MART

ABC-MARTは、ライブコマースを用いて、実店舗からNIKEの人気アパレル・シューズを紹介しています。ライブ配信では人気インフルエンサーが出演し、視聴者のコメントに応えながら、自由にアドリブを交えて商品紹介を行っています。
動画の画面上には「さわれる商品情報」が表示され、その場で商品情報を確認できます。

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ペルノ・リカール・ジャパン

ペルノ・リカール・ジャパンのライブコマースでは、公式ワインアンバサダーが生配信でワインの楽しみ方や、ワインに合う食事などについて紹介しています。
配信中に画面上に表示されたYouTubeのアイコンをタップすると、食事の作り方が紹介された動画も視聴可能です。コメント欄では質問や相談ができ、ワインアンバサダーとの交流も楽しめます。

カインズ

カインズでは、期間限定のデザイン商品を集めたキャンペーン「カインズデザイン展」をWebと連動させて実施しました。
このイベントでは、バス・ランドリー、リビング、キッチン用品について、動画内で実際の使い方を見せながらライブ配信が行われました。
また、ライブ配信中にコメントされた、視聴者の髪質の悩みに合わせて、ヘアケア用品も取り上げられました。

ワッツ

ワッツでは100円ショップの運営を手掛けており、オンラインショップの人気商品やSDGs商品をライブ配信で紹介しました。ライブ配信では、商品在庫の店舗検索用のアイコンを画面上に表示し、気になった商品を近くの店舗で購入しやすいよう、導線を工夫している点が特徴的です。
また、配信中にコメントやいいねなど、視聴者のアクションに応じたコミュニケーションも取れます。

コジマ

ペットショップを経営するコジマでは、ペットのしつけ方法やお悩み解決のライブ配信を行っています。ライブ配信ではカリスマドッグトレーナーが出演し、視聴者からコメントへの返答や悩み解決に繋がるアドバイスや、おすすめのしつけグッズの紹介などを行いました。
配信画面で、ペットショップが開催する「しつけ教室」も予約できることから、購買促進と店舗送客に繋がっています。

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Shopifyでライブコマースしたい場合はぜひ相談を

近年、日本でもライブコマースを利用した販売手法が浸透しつつあります。ライブコマースを成功させるためには、視聴者とのリアルタイムのコミュニケーションを真摯に行い、顧客が買いたくなる仕掛け作りをすることなどが重要です。

BiNDecはEC事業の成長を促す法人向けのサービスです。世界中から高い人気を誇るShopifyからShopify Plusパートナーに認証されており、D2C戦略に強いECの構築・運用をトータルサポートします。

ライブコマースの流行を示唆するように、アメリカで先立って開始されていましたが2021年より日本においても、ShopifyとTikTokの提携が開始されています。

WEBLIFEでは、ライブコマースの視聴者をECでの購入に繋げる仕組みづくりなど、集客・マーケティングの面でもご支援していますので、ぜひ気軽にお問合せください。
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POINT

  • ライブコマースのメリットは商品訴求と体験の提供。実店舗のような接客が可能
  • インフルエンサーの活用や視聴者との対話を大切に購入促進の仕掛けを
  • ShopifyならTikTokと提携も。購入ボタン付きの動画広告を管理画面から設置

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