ECサイトにおけるSEO対策とは?検索からの商品購入を増やし売上アップ!

何か欲しい物があるとき、みなさんならまずどうしますか? アマゾンや楽天市場といったお気に入りのショッピングサイトで商品を検索するかもしれません。しかし、おそらく多くの場合、いきなり検索サイトで欲しい物の名前を検索しているのではないでしょうか? 検索からの商品購入を増やすには、SEOが必須です。

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ECにおけるSEOとは

SEO(Search Engine Optimization: エス・イー・オー)は、Googleをはじめとするネット検索エンジンの検索結果で上位に表示されるようにサイトのコンテンツや構造を検索エンジンに対して最適化する作業です。
お取り寄せ食品を扱うECサイトであれば、例えば、「レモンケーキ お取り寄せ」と検索した時に自社の商品が上位に表示されることで、来訪者が増えます。CTR Researchの2021年のレポートでは、Googleの検索1位と2位ではクリック数は2倍違うと推定されています(seoClarity調べ)。10位と1位のクリック数は10倍以上の差になります。

現在のSEO対策は、検索エンジンがサイトの内容を収集(インデックス)し、評価しやすいようにサイトの構造を改良する「内部SEO」と、検索キーワードに関連性の高いコンテンツを作成し、ユーザーにとって質の高い内容を提供するという大きく二軸になります。本稿では、Googleをベースにそれぞれ順番に解説していきます。

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ECサイトではスマホ対策は欠かせない

ECサイトにおいてスマホサイトがどのように重要かを説明していきます。

Googleのクローラーはスマホサイトを見ている

まず、内部SEOについてですが、検索エンジンがどのようにサイト情報を収集しているかから確認しましょう。検索エンジンのクローラーは、サイトのリンクを辿って新しいページや更新されたページを常にクロールし、内容を収集しています。そして独自のアルゴリズムで内容を評価し、検索結果に反映しています。ここで重要なのは、Googleのクローラーは、PCサイトとスマホサイトがあれば、基本的にスマホサイトを見ているということです。これは、2022年にほぼ完了したMFI(モバイルファーストインデックス)対応によるものです。ただしスマホサイトが無ければ、依然としてGoogleはPCサイトをインデックスしています。

Googlebot

スマホサイトが適切に制作されているだけでなく、サイトのコーディング内容がクローラーに判別しやすくなっていることや、リンクやカテゴリー分かりやすく設定されていることも重要です。これらについては次に触れます。

EC購入者もスマホが優位に

Googleがスマホサイトで順位を決めているのには、ユーザーもスマホでの検索シーンが一般的になっており、スマホではスマホで使いやすいサイトを表示しよう、という狙いがあります。ではECの利用者はどうでしょうか? 経産省の2021年の調査では、BtoCの物販市場規模全体の13兆円2865億円において、うちスマホ経由の購入は52.2%にあたる6兆9421億円に上りました(調査書PDFの45ページ)。前年度比で11%も伸びており、今後も伸びると予想されます。

以前であれば、ECでは、スマホで気になった商品を検索し、PCで検索履歴から同じ商品を調べ直したり検討をして購入といったカスタマージャーニーが想定されていましたが、市場規模の半分以上の金額がスマホから直接決済されていることを考えると、検討から購入まで、しかも安くはない買い物もスマホで行う人が増えているということです。もう一つ、スマホでの購入にはアプリ内購入も貢献しており、慣れたアプリからそのまま決済に進む仕組みが整っていることも利用者増の要因です。

一方、BtoBではPCからの閲覧者が多い傾向と言えます。業務中にはスマホよりもPCを使うことが多いことが理由に考えられます。しかし、SEOの観点からは、スマホで検索された場合はスマホサイトが優位に表示されます。会議中や休憩時間などに調べ物をするならBtoBでもスマホになるでしょうから、BtoBだからといってスマホを無視していいわけではないのです。

サイトのスマホ対応のために知っておくべきこと

Googleに向けたスマホ対応のために気をつけておくべきこととして、まず第一にPCサイトではあって、スマホサイトには無い情報は、検索エンジンではインデックスされないということです。ですから、重要な情報はすべてスマホサイトに入れるべきですし、むしろスマホサイトに入れられない情報はPCサイトに入れないほうがいいとも言えます。

次に、画面のUI面でもスマホを主眼として、スマホサイトから設計するということです。1段構えのコンテンツの並び、スマホ特有のメニューバーや、コンテンツを読み込ませつつ最初は隠しておいて「もっと見る」ボタンをタップして表示するなど、スマホ特有の使い勝手を押さえましょう。

スマホサイトの設計

使いやすいサイトにするには、コーディングやプログラミング面で技術者としっかり連携する準備が必要です。スマホ対応では、サイトの使い勝手のほかにも読み込み速度などのサイト速度の向上が求められます。SEOにもサイトの速度は影響します。サイト品質の評価はGoogleサーチコンソールやPageSpeed Insight、ChromeのLighthouseでチェックできるので、効果検証をもとにサイト改善を行っていきましょう。

なお、サーチコンソールの[エクスペリエンス]→[ウェブに関する主な指標]では低速なサイトを改善するためのレポートが表示されますが、2023年後半から2024年にかけて、[エクスペリエンス]以下のレポートは大幅に刷新が予定されているので今後の動きに注視しましょう。
PageSpeed Insigtを使った判定画面

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SEOには、綿密なカテゴリ設定が効果的

ECサイトの内部対策では、カテゴリページの見直しが有効です。検索サイトで入力されるクエリでは、最初から正式な商品名や型番を入力する人も居ますが、それは購入のための調査がだいぶん進んでいる人やその商品そのものについて知りたい人になります。

もっと漠然と買いたいものを探している人は概して、「ケーキ」や「扇風機」「ショートパンツ」など、商品カテゴリーを入力するでしょう。そのため、ECサイトのカテゴリページは、検索サイトからのランディングページとなりやすいのです。

キーワードをカテゴリページに配置できるサイト構造にする

例えば、「イージーパンツ」で検索してみると、検索結果の上位4件は、アパレルサイトの絞り込みページやサブカテゴリーページにリンクしました。
Googleで「イージーパンツ」を検索結果

このため、商品名だけでSEOをしようとせず、商品カテゴリやサブカテゴリを調べてキーワードとして抽出し、サブカテゴリーページを設計するなどが有効です。
カテゴリ階層図

カテゴリの設計は、いわばサイトのディレクトリ構造のようなものです。サブカテゴリを上手に設けることで、トップページからの遷移やカテゴリの選び直しもスムーズになりますし、パンくずリストを用いることで回遊性とSEO対策に役立つメッシュリンクも同時に実現可能になります。

またカテゴリページの下方には、ランディングしてみたものの求めるイメージと違ったり、カテゴリページでは商品を選びきれないユーザー向けに、記事コンテンツや関連するカテゴリを提案することで、離脱を防ぐことにも役立ちます。

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キーワード設計とランディングの最適化

上記にも述べたように、ウェブ検索をした結果からランディングした際には、ユーザーの検索意図と合致していなければ、そこですぐに離脱が発生します。そこでユーザーを呼び込むためのキーワード調査と、そのキーワードに対応するランディングページの最適化が大切になってきます。

キーワードの抽出方法

ECを利用したいユーザーが、商品名や商品カテゴリを用いるのはもちろんですが、それらのキーワードを反映した商品ページを作るだけで、数あるECサイトの中で、SEO上位を獲得していくのは難しいと言えます。そこで重要となるのが、「ケーキ お取り寄せ 保存期間」など、複合語を使った複合キーワードや、検索数が少なくともクリック確度を挙げるスモールキーワードの利用です。これらは「ケーキ」や「お取り寄せ」といったビッグキーワードでは上位を狙えないため検索数やクリック数は劣りますが、自社の商品に合致していれば、購入率が高くなる重要なキーワードです。

複合キーワードやスモールキーワードを考えるには、まずはキーワードツールを使用した調査で人気のキーワードを実際に見てみることが大切です。誰も検索していないキーワードに対策するのは時間ももったいないです。そこで、UbersuggestやSEMrush、Keyword Toolといったツールを使い、調べたいキーワードを入力して想定される検索ボリュームや関連するキーワードを調査しましょう。最近のSEOキーワードツールは有料化されており気軽に利用しづらいかもしれませんが、一定期間はしっかりと調べるために導入を検討してみるとよいでしょう。1つの商材でも一般名詞は複数あり、「日除け」が「サンシェード」だったり「オーニング」「遮光」など別の言葉で検索されていることもあります。
SEMrushでキーワード調査している画面
ほかにも、食べ物であれば、商品名ではなく、ブランド名のほか、「しっとり」「サクサク」などの触感、「甘くない」「糖分控えめ」などの好みや目的が含まれるケースもよく見られます。人気のキーワードを見つけたら、自社の製品名ではなく商品の特徴を活かした商品概要を執筆することも、必要になってきます。

キーワードとランディングを一致させる

キーワードとランディングの内容を一致させることはSEOの効果を高めるために必要です。基本的には、上述したカテゴリによるサイトの構造をしっかりと立てることが重要です。この際、ブランド名や地域、シリーズ名などがよく検索されている場合は、「モレスキン」×「1日1ページ手帳」のように、2つのカテゴリをかけ合わせた「クロスカテゴリ」をランディングで用意するとユーザーの利便性が高まりSEOにも役立ちます。

ページのオリジナル性を高める工夫

他社でも販売されている商材を販売している場合は、EC購入先競合もSEO競合も多くなります。そこでページのオリジナル性を高めるのに導入されていることが多いのが、レビューを掲載したり、利用者からのサイズフィット感などを掲載することです。

これによってまず、購入検討者にとって参考になるコンテンツになりますし、一方でコンテンツはオリジナル性が高まるのでページの差別化が可能になり、SEOの効果が上がります。SNSでシェアを可能にするなどにより、さらにクチコミ効果を高めることも期待できます。レビューを書くのは一般の購入者になりますが、購入後にレビューを記入で電子クーポンをプレゼントするなど、書き込みの促進も含めて対策していくことがいいでしょう。

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ニーズに特化したコンテンツや記事でSEOを高める

キーワード対策だけがSEOではありません。ユーザーの求める疑問やニーズを解消するコンテンツを用意することがSEOに役立ちますし、結果、商品への誘導、購入を促していくことになります。

効果的なコンテンツマーケティングの事例

ECサイトであっても記事や特集ページは作成することがお勧めです。記事であれば、「季節特集」「悩み別」「選び方」「今年のトレンド」「実際に使ってみた」「上手な使い方」など、必ず作っておきたいテーマが多数存在します。それぞれのキーワードを推測・検証した上で記事に落とし込んでいきましょう。

悩み別であれば、「二の腕が気になる人が細見えするトップスは?」など、悩みを解消する記事テーマが考えられるでしょう。

一方「お正月」や「入学祝い」など、毎年発生する定番のテーマは一度公開したら削除せず、毎年その年に合わせた更新を、年度名を入れたタイトルに変更して公開を続けます、同じURLで運用し続けることでSEOにも強くなると期待できます。

ほかにも、社内制作をするだけでなく、プロの批評家やレビュアー、ライター、インフルエンサーに商品を使って貰い評価してもらうレビュー系のコンテンツもおすすめです。外部リンクとしてブログに掲載してもらえばSEO外部対策になりますし、自社のプラットフォームで記名記事を書いてもらえば、専門家による情報としてSEO評価を高めることができます。その際は執筆者のプロフィールや公式サイトへのリンク(相互リンク)も入れるようにしましょう。なお、2023年10月1日よりステマ規制が始まりますので、商品やギャラを提供して依頼する場合は依頼の関係性表示(PRなど)を忘れないように気をつけましょう!

以下に、コンテンツマーケティングを取り入れたECサイトの事例を2つ紹介します。どちらもBiNDecがサイト制作・運用サポートを行っているECサイトとなっています。

ブログ記事による集客の事例

ECショップ、KINTOのコンテンツページ

KINTOのJOURNALページでは、取り扱い製品の成り立ちや取材に留まらず、想定購買者に広く読まれる記事を提供しています。

動画による集客の事例

「○○したい」「○○の使い方」といった検索結果には、動画が上位に出現します。とくに自社製品の使い方については、動画コンテンツを作成し、YouTubeへアップし自社サイトにも埋め込み掲載することはSEOに有効です。併せてYouTube内でも検索されることになるので、リンクや概要情報も充実させておきましょう。

john mastersの事例

ジョンマスターズオーガニックのBEAUTIPSは、動画で製品の使い方を伝えるコンテンツを多く発信しています。YouTube動画をまとめてサイトページに見やすくレイアウトしています。

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Shopifyを使う場合のSEOの注意点

以上、ECに必須のSEO対策について説明していきましたが、世界100万以上のショップで利用されているECプラットフォームのShopifyは、SEOの面ではどうでしょうか。基本的なページのタイトルタグ、メタディスクリプションの個別設定は可能ですし、カテゴリの作成や、Sitemap.xmlの自動作成にも対応しており、SEO的にも優れたツールです。

ただし注意したいのは、上記でも記載した「パンくず」リストは、サイトテンプレートによっては搭載されていないことがあり、その場合はアプリで対応することが必要です。同様に、robots.txtやリダイレクト、絞り込み検索・並べ替えなども、使えない場合はアプリの追加が必要となってきます。

その一方で、レビューやランキングといった、実装が難しそうな機能もアプリを使えば手軽に導入可能です。

Product Reviews

Product Reviewsは、レビューを掲載するアプリです。5つ星のスター設定と、コメントを商品詳細ページへ追加できるようになります。
Product Reviewのサンプル画面

Shopifyの導入に迷ったらBiNDecへご相談ください

このようにSEOに優れた機能を備えるShopifyでも、テンプレートもアプリの選択によっては機能が足りなかったり、またどのようにサイト設計すればよいかなどが難しい場合もあります。
BiNDecでは、人気のコマースプラットフォームShopifyをEC構築に採用し、売上を伸ばすための施策提案や、または古いECカートから乗り換えてShopifyにECサイトを刷新したいなどのお悩みにお応えしています。課題をお持ちの企業担当者の方は、ぜにBiNDecにご相談ください。
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POINT

  • ECサイトのSEOもスマホサイトをベースに対策するとよい
  • 購入者が検索しそうなキーワードを商品カテゴリページに配置するサイト構造がおすすめ
  • コンテンツマーケティングではプロに記事や動画の制作を依頼し専門性を高めるのも有用

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