年商1億以上のECになるには?最新のCVアップ施策|Shopifyイベントレポート

本当に効果のあるCVアップ施策をECトレンドの最新事情から読み解く

Amazon目黒本社カフェテリアにて、EC事業者の皆様に向けたリアルイベント「年商1億円を超える自社ECはやっているCV向上のための7の施策」をBiNDecとAmazon Pay主催にて開催しました。
ECサイトのコンバージョン(購入)を成長させるためにどんな施策を打つべきか?どれほどの効果があるのか?ゲストのコマースプラットフォームのShopify、ID決済サービスのAmazon Payのスペシャリスト達とディスカッションした内容をご紹介します。

登壇社の4名

写真左から、Shopify Japanシニアアカウントエグゼクティブ 香山 克彦氏、シニアパートナーシップマネージャー 田坂佳子氏、WEBLIFE 代表取締役 山岡 義正、Amazon Pay事業部 パートナーマネージャー 鈴木 喜春氏

→最適なCVアップ施策をプランニング。BiNDecがご相談を承ります。

レビューや付加価値で購入を後押しする商品ページ

ECサイトは通常、トップページにブランドのコンセプトやイメージが伝わるようデザインされていますが、すべてのカスタマーがトップページ経由でサイトに流入するわけではありません。商品名の検索結果やSNS等の広告から流入した場合は商品ページがランディングページ(LP)となり、そこで商品を購入するかどうか判断されます。

カスタマー心理に合わせた2パターンのアプローチ

最初の流入が商品ページだった場合、カスタマーがブランドを知っているか・知らないかによってアプローチすべき点が異なります。ペルソナとして設定したターゲットが商品ページに来たときに、どういう情報を見たら購入ボタンを押されるかのストーリー作りが大事であることを山岡からお話ししました。
ECサイトにアクセスしてから購入までの導線について話す山岡

ブランドをまだ知らない場合のアプローチ

カスタマーがブランドの特徴や価値を知らない場合、まずはブランドおよび商品の品質や評価、他社との差別化要素が購入意欲を上げる材料となります。
ただ商品説明に含めるだけでなく、象徴するアイコンなどを用いて瞬間的に伝わるデザインにしておくことでわかりやすくアプローチできます。新規向けの割引クーポンや特典が効果を発揮するのは、その次のステップです。

グリーンパンの商品ページ

GreenPan|購入基準となる商品の取り扱いをアイコンでわかりやすく表記

また、香山氏によると、海外では使用できるクレジットカードブランドのトラストバッジによって信頼性を得られる効果が高く、カートに入れるボタンの付近にレイアウトされていることが多いそうです。
Shopify Marketsを利用することで、海外からの訪問者にはトラストバッジを表示する、地域のシーズンに合わせた商品を打ち出す、といった出し分けも可能になります。

ブランドを既に知っている場合のアプローチ

過去に購入履歴のある場合や著名なブランドの場合、カスタマーは既にブランドの特徴や価値を理解しています。既に欲しい商品が決まっているパターンも多いため、会員向けのクーポンやポイント制度、定期購買などで購入タイミングを作ることが効果的です。

GreenPanのInstagram

GreenPanのInstagramでは、毎月16日を「エコの日」として、クーポンキャンペーンを実施


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カゴ落ちを防止し、アップセルもできるチェックアウトページ

商品を一旦カートに入れたものの、おおよそ7割は購入せずにECサイトから離脱する「カゴ落ち」になっています。カゴ落ちの原因は様々ですが、チェックアウトページの煩雑さが購入意欲を削ぐ大きな一因になっています。

CV率3.5%UP!Shopifyのワンページチェックアウト

Shopifyは、他のECプラットフォームに比べ、コンバージョン率が最大36%、平均15%上回っているという調査結果(*1)が出ています。
Shopifyのチェックアウトページはこれまで3ページを遷移しながら配送先や支払い方法を入力して購入完了する構成でしたが、今秋から日本でも1ページで入力と購入を完了できる構成に切り替わっています。シンプルでわかりやすいチェックアウトページによって、3.5%〜7%もCV率が向上した事例(*2)が田坂氏からご紹介されました。
ワンページチェックアウトへのアップデートに伴い、以下の4点が改善されています。
*1=Shopify Checkout is the best-converting in the world. Here’s why.
*2=Stellar Eats Increases Conversions by 3.5% Switching to Shopify’s One-Page Checkout
Hemlock & Oak Increases Conversions by 7% With Shopify’s One-Page Checkout

  • 表示スピードアップ
  • 最小限のクリック数で購入完了
  • 情報をオートフィルし、入力項目を削減
  • 購入者が一目で情報を確認しやすいデザイン

チェックアウトページの改善による事例について話す田坂氏

カスタマイズによるアップセル、クロスセル提案

チェックアウト中は最も購入意欲が高まっている状態のため、他アイテムとのセット提案や商品のグレードアップによってAOV(平均注文金額)を上げるチャンスです。
Shopify Plusプランを利用すれば、チェックアウト画面におすすめ商品を表示するようカスタマイズすることができます。カートに入っている商品に対応したセット提案の商品を表示させるルールは従来では複雑なコーディングによって実装していましたが、専用のShopifyアプリを利用するとノーコードで設定できるようになります。
香山氏によると、某アパレルブランドが展開するECサイトで秋冬コレクションの商品をカートに入れると、同じコレクションの別商品がランダムで表示されるようカスタマイズしたことで、実装前より10倍以上のクロスセル効果が得られたケースもあるとのことでした。
チェックアウトカスタマイズによるクロスセル効果について話す香山氏(写真右)
このほかにも、購入意欲をキープさせるためにカートに入れた商品が対象となっているタイムセールのカウントダウン、購入者によるレビュー、購入後に得られるポイント数を表示させる等、様々なShopifyアプリが揃っています。

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安心感UP!シェアの広いID決済サービスで購入ハードルを下げる

Amazon Payは、Amazonアカウントに登録されている配送先やお支払い情報を利用して決済いただけるサービスです。初めて利用するECサイトでも改めて個人情報やクレジットカード情報を入力する必要がないため、手軽で安心感がありCV率を大きく向上させます。

どのターゲットにも幅広く利用されているAmazon.co.jp

ECサイトで導入する決済サービスを選ぶ際は、ターゲット層のライフスタイルに合わせて利用率が高いサービスを用意しておくのが定石ですが、Amazon.co.jpの利用者はすべての年齢層で均衡しており、モバイル利用者は性別もほぼ半々です。
毎月5000万人以上がAmazon.co.jpを利用しているため、自社ECのカスタマーもAmazonアカウントを保持している可能性は非常に高いでしょう。
Amazon Payのメリットについて話す鈴木氏
自社ECにAmazon Payを導入することによって、カスタマーにとっては情報入力の手間なく、安全でスピーディに決済完了するメリット、EC事業者にとっては新規獲得しやすく、CV率を高めて、既にAmazon.co.jpで決済されている情報のため不正取引対策にもなるメリットがあります。

「Amazon Payが使える」ことを認知させる仕掛け

Amazon Payで決済可能であることをカスタマーが認知すれば購入ハードルを下げることができます。その手段として、鈴木氏はAmazon Payの公式バナーをトップページや商品ページに組み込むことをおすすめされています。
Amazon Payの提供しているバナー
また、Shopifyでは商品ページからカートに追加することなく、そのままAmazon Payで購入できる動的チェックアウトボタンも追加することができます。

リピーターを育てる顧客分析と販売戦略

過去に購入履歴のあるカスタマーをいかにリピート購入に繋げるかの施策のために、行動データを分析することが効果的なキャンペーンを打ったり、商品を企画するヒントになります。

リピート購入の動きを読むコホート分析

Shopifyのストア分析機能では、リピーター向けのコホート分析ができます。この機能では、自社ECの年間・月間の購入者数に対して、1〜12ヶ月後の間にどのくらいの人がリピート購入しているかが表示されます。
リピート率が高い月にどんな商品を打ち出していたのか、どんなキャンペーンを行なっていたのか掘り下げることでリピーターに効果のある施策がわかります。

さらに、ベンチマークすべき同業他社ECの平均的なリピート率も確認できるので、自社のデータと比較して分析することが可能です。
コホート分析のShopifyの管理画面の例

また買いたくなる心理状態をつくる施策

山岡から、実際にリピート購入に効果を出している事例として、前回の購入からの経過時間をセグメントし、一定期間が過ぎたカスタマーにはクーポン配布やプロモーションをする施策が挙げられました。
他にも、季節をテーマにした期間限定の商品を企画したり、開封率の高い注文・発送確認メールに関連商品を掲載するなどの事例があります。

猿田彦珈琲

猿田彦珈琲|季節にマッチしたテーマのブレンドコーヒーを毎月発売している

BiNDecの導入によって店舗とECを連携し、リピーターを増やしている猿田彦珈琲のOMO施策について、詳しくは以下の記事をご覧ください。


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年商1億に成長するための事業計画

今回のイベントでは、CV率アップに関する様々な施策のアイディアや事例が紹介されましたが、年商1億円を目標とした場合、売上目標のKPIを短期間で区切って、施策のPDCAを回していくことが重要です。

さらに、専門知識のあるパートナー企業との連携も欠かせません。たとえば、物流・カスタマーサポートを専門業者へのアウトソースすることによってEC業務の負担を軽減し、本来の売上成長の施策に集中することができます。
また、Shopify PlusプランのECの年商規模の目安は1億円ほどですが、利用しているマーチャントの8割は構築・運用を支援するパートナーがついているそうです。
ShopifyはマーチャントのEC事業を成長させる独自のパートナープログラム制度を展開しており、公認企業にはShopifyパートナー、Shopifyエキスパート、さらに最上位のShopify Plusパートナーがあります。
ディスカッションの後は、来場者とカジュアルに意見交換

ShopifyのEC構築・運用支援サービス「BiNDec」を提供しているWEBLIFEは、豊富な導入実績とハイレベルな技術力・知識量を認められたShopify Plusパートナーです。
ビジネスの特徴に合わせて、最適なCV率アップ施策をプランニングいたしますので、ShopifyでのEC構築や運用に関してお悩みの方は、気軽にお問合せください。

POINT

  • 入り口となる商品ページでは、初回購入かリピート購入かで仕掛けや施策をアレンジする
  • チェックアウト画面ではシームレスな決済サービスの選択とアップセルの施策も忘れずに
  • 売上規模の大きいShopify Plusの利用者の8割は経験豊富な構築パートナーと運用している

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