コロナ禍による需要増加で自社ECを強化した猿田彦珈琲のリプレースプラン

自家焙煎のコーヒーブランドとして数多くの人々に愛されている「猿田彦珈琲」では、コロナ禍を経て自社ECの需要が高まったといいます。
ECの成長の過程で必要な業務の効率化やブランドの強化について、猿田彦珈琲 EC・アプリグループの堀 智美氏に、EC運営で心がけているポイントと今後のEC展開についてインタビューしました。

写真左=猿田彦珈琲 EC・アプリグループの堀 智美氏、右=WEBLIFE代表の山岡 義正

こだわりのコーヒーとホスピタリティを提供する猿田彦珈琲

2011年に8坪ほどの小さな店舗から創業した猿田彦珈琲は「自分がおいしいと思うコーヒーをたくさんの人に飲んでもらいたい」という思いのもとファンを増やし、現在は独自の生豆調達と自家焙煎で作るコーヒーブランドとして、2023年8月現在、国内に21店舗を構えています。

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ブランドビジョンは「たった一杯で、幸せになるコーヒー屋」

コーヒーの味へのこだわりはもちろん、お客様へのおもてなしの面においても「たった一杯で、幸せになるコーヒー屋」というビジョンを掲げ、ECでも猿田彦珈琲の店舗でコーヒーを買っていただけるような雰囲気を味わっていただけるように気をつけています。

また、猿田彦珈琲には数々のラテアートの賞を受賞しているバリスタなどポテンシャルの高いスタッフも在籍されていて、一人一人がビジョンを第一に意識しながらブランドの成長を支えています。

そういった猿田彦珈琲の魅力から縁が生まれ、現在ではコンビニや文房具メーカー、テレビドラマなど様々なコラボのお話もいただけるようになったそうです。
落ち着いた雰囲気の中でコーヒーが楽しめる猿田彦珈琲 恵比寿本店

倉庫業務と兼ねて内製のECをスタート

猿田彦珈琲では2013年に、社内で店舗業務と兼務しながらカラーミーショップによるECを内製で立ち上げました。飲食業のECは当時珍しく、手探りでのスタートでした。

コロナ禍で売上が急上昇。ECのリプレースが急務に

2020年からのコロナ禍によるショッピングモールの休業や時短営業の影響で、日本だけでなく世界的にECの需要が急増し、猿田彦珈琲でもECの売上が約3倍になったことでEC業務の負担も増加しました。
また、思い通りのWebデザインが実現できなかったり、実店舗との連携体制の課題は以前から挙がっており、もっと優れた機能を備え、効率的に運用できるECシステムへのリプレースが急務となりました。
ご自身も元々は猿田彦珈琲の常連客だったという堀氏

デザインや拡張性に優れたShopifyでECをリプレース

上記のような課題解決のため、デザイン性と拡張性の観点から世界中で170万以上のストアに使われているShopifyへリプレースすることを決定。構築・運用パートナーとしてBiNDecを選んでいただきました。

ブランドらしさを表現したデザイン

猿田彦珈琲では、商品パッケージなどのブランドのクリエイティブはすべて専任のデザイナーが担当されていますが、ECサイトのデザインではシステムの制約上、ブランド独自のカラーや世界観を表現しきれていませんでした。
Shopifyでは数多くのテーマが取り揃えられており、さらにテーマを自由にデザインをカスタマイズすることも可能です。リプレースした新しいECでは、猿田彦珈琲のデザイナーとBiNDecのクリエティブチームが綿密に擦り合わせをしながら、ブランドカラーである淡い水色を全面に打ち出しつつ、猿田彦珈琲らしいあたたかみのあるデザインを作り上げました。

猿田彦珈琲の公式ECサイト

猿田彦珈琲|生豆の調達から焙煎、抽出まで自社で行っているコーヒーブランド

ECと店舗をつなぐスマホアプリで顧客を一元管理

以前はECと実店舗では利用客の重複はほぼなかったそうですが、コロナ禍による巣篭もり需要で実店舗の利用客がECで購入することが増え、顧客情報の連携が必須になりました。
特に自宅でも挽きたてのコーヒーを楽しみたいという需要が高まり、コーヒー豆の売れ行きが大幅に増加したそうです。

そこで、ポイント制度をスマホアプリ化し、ECの購入額に応じたポイントを実店舗で利用できるシステムを導入し、顧客の購入履歴を一元管理できるようにしています。
今後は店舗からECへの送客や、OMOの施策なども進めていく予定です。

ECとコーポレートサイトを一体化

業種・業態にもよりますが、最近はコーポレートサイトとECサイトを一体化して運用している企業も多く見られます。
それぞれを分けて運用していると、気になる商品をブランド名で検索された時に、コーポレートサイトにアクセスしても購入できずECサイトへの導線から遷移してもらわなければなりません。 同一サイト内ならスムーズに商品購入ページへ辿り着き離脱を防ぐことができます。
また、同一のドメインにすることで流入の実績が分散せず、SEOの評価も向上しやすくなります。

Shopifyはコーポレートサイトの要素も内包したECを構築することができるため、猿田彦珈琲でもECリプレースを機にコーポレートサイトと一体化し、Shopifyの管理画面上での一括管理を可能にしています。

BiNDecで構築期間3ヶ月、運用コスト改善を実現

BiNDecではShopifyのシステムに合わせて段階的に成長できるECを構築するため、独自の適応分析によって、短納期で構築でローンチできるプランをご提案しています。
猿田彦珈琲のECをリプレースする際も、以前のECの機能に縛られず、売上に効果のある機能はどれか、開発コストに見合ったものであるかをじっくりとヒアリングし、実装内容が決定してから約3ヶ月の構築期間を経てローンチしました。
17年に渡り法人ECの運用と構築をサポートしてきたWEBLIFEの山岡

商品ページの作成、更新作業は内製化

猿田彦珈琲では毎月のように期間限定のブレンドコーヒーを展開しており、季節行事や用途に合わせた新商品も企画されています。新しい商品ページもShopifyならノーコードで簡単に作成することができるので、外注コストを必要とせず社内でタイムリーに更新することができます。

ECは実店舗と比べてギフト需要が特に高いため、トップページのレイアウトでも最優先の位置に表示されています。
季節に合わせた商品が人気。夏の帰省の手土産にもちょうど良い限定ブレンドのプチギフト

事務作業をシステム化し、作業効率をUP

猿田彦珈琲のEC業務を担当しているチームは他業務と兼務されている人が多いため、できるだけ業務負担の少ない運用フローが求められます。
リプレース前はECの領収証発行は1つずつPDFで作成していたそうですが、Shopify AppのQuick Order Printerを導入し、購入者自身がマイページで発行できるようになりました。

Shopifyには他にも事務的なEC業務をシステム化できるアプリが多数そろっており、マーケティング等に人的リソースを集中させて、さらに売上を成長させることができます。
最上位プランのShopify Plusでは、チェックアウト画面のカスタマイズも可能です。カート画面でのセット商品提案など、アップセル・クロスセルのための施策を自動的に行うことができます。

より多くの人へリーチしていくための施策

広告を活用しながら効果的なターゲットを探る

現在のECの利用者は新規客が4割ほど。6割ほどのリピート客は1〜2ヶ月くらいの間隔で購入されているそうです。実店舗の客層が20〜40代くらいの男女であるのに対し、ECでは50〜60代の方が多めとなっています。

今後はもっと幅広い地域や客層へアプローチをしていくために、ターゲットごとにクリエイティブやLPを分けた広告戦略、リピーターを増やすためのサブスクリプションの強化を図っていきたいとのことでした。

スタッフをフィーチャーしたコンテンツ

また、ファンの多い実店舗のホスピタリティをWebでも表現し、猿田彦珈琲らしさのある顧客体験もこれからのECに必要になってきています。
猿田彦珈琲にはラテアートで優勝するなど高い技術を持ったスタッフが多数在籍しているので、そういったスタッフの特技をフィーチャーしたコンテンツをコラム、動画、音声などで広く展開できることが期待できます。

Shopifyが得意とする海外展開の可能性

越境ECで海外に販路を広げることにも積極的です。過去に台湾で店舗展開をしていたこともあり、特にアジア地域の方から購入の問い合わせが多いそうです。品質にこだわりぬいたクオリティの高いコーヒーブランドは海外市場でもとても魅力的な商品です。
様々な国で利用されているShopifyなら多通貨決済や海外配送に役立つ越境EC向けのアプリも豊富に揃っています。さらにShopify Plusプランであれば追加料金なしで国・地域ごとに独立したECサイトを構築できます。海外展開をする際は完全にローカライズされたECサイトのほうが信頼性が高く、シーズンや商習慣に合わせたマーケティングも可能になります。
映画のワンシーンを切り取ったような物語性のあるパッケージ

Shopify PlusパートナーによるEC構築サービスBiNDec

株式会社ウェブライフでは、Shopifyを利用したECサイト構築から運用までサポートする「BiNDec」を提供しています。
豊富な導入実績とハイレベルな技術力・知識量を認められたShopify Plusパートナーとして、中小規模から大規模のストアに向けた最適な運用戦略の提案も可能です。
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POINT

  • コロナ禍によるEC業務の負担やブランドイメージの課題解決のためShopifyへリプレースした
  • ポイントのスマホアプリによって、顧客の購入履歴を一元管理できるようになった
  • 新商品を追加したい時も外注コストを必要とせず社内でタイムリーに更新

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