EC担当者必読のChatGPTの活用術と注意事項|コピーから商品紹介文の作成法

EC担当者必読のChatGPTの活用術と注意事項|コピーから商品紹介文の作成法

さまざまな業界で利用され始めているChatGPTは、EC分野においても、売上アップのための企画からサイト分析、さらにはSEO向上のためのブログコンテンツ作成まで、多岐にわたる作業を支援することが可能なツールです。今回は、ChatGPTをECサイト運用に効果的に取り入れるための方法や注意事項について解説していきます。

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会話系生成AI、ChatGPTとは何か?

ChatGPTは、ごく簡単にいえば、人と会話(チャット)しているようなやり取りを、コンピュータなどの電子機器を使って行えるように作られた人工知能(AI)で、OpenAIによって開発され、Webアプリとモバイルアプリから利用できます。GTPとは、GenerativePretrainedTransformerの略で、「あらかじめ学習済みのトランスフォーマーという手法によって情報生成を行うシステム」というような意味です。
OpenAI|ChatGPTやDALL・E 2など、AI生成コンテンツサービスを開発、提供している

人間のようなリアルな回答をしてくれるAI

ChatGPTは大量のテキストデータを学習していて、特に、「どの単語の後に、別のどの単語が来る確率が高いか」ということを把握しています。
実は、ChatGPTの回答や応答は、質問内容に応じて、そのような確率の高い単語を並べて組み立てたテキストを返しているだけなのですが、学習量があるレベルを超えたことで、あたかも人間が答えているかのような文章の構築や、推論めいたことができるようになったのです。ただし、推論的なことが可能になった理由については、AIの研究者も、まだ解明しきれていない面があります。

月額20ドルで使えるGTP-4

無料で使えるGPT-3.5と、月額20ドルの有料プランのChatGPTPlusなどで利用できるGTP-4の差も学習量にあり、より多くのデータを学習しているGTP-4のほうが、より高度で洗練された回答や応答が行えます。
ChatGPTの回答や応答には、当然ながら感情や意思はまったく含まれていないのですが、人によっては、そういうものを持ち合わせているかのように感じるかもしれません。しかし、同じような質問を何回行っても、あるいは、修正の指示が重なるようなことがあっても、ChatGPTが飽きたり嫌になって投げ出すようなことはないので、納得がいくまでやり取りを続けることが大切です。

誤情報や機密情報を扱わないように注意

ChatGPTは、実際には学習していない事柄についても、学習した情報の組み合わせによって答えようとするため、その内容が事実ではないことがあります。このようにChatGPTが誤った情報を返す現象は、「ハルシネーション(妄想)」と呼ばれており、仕事で活用するには、ユーザーの責任において内容を精査したり、参照情報を確認することが求められます。

加えて、ユーザーが入力した情報は、ChatGPTの学習に使われることがあるため、機密事項や個人情報などを不用意に入力すべきではありません。そのため、企業によっては、ChatGPTの機能を別のアプリやサービスから利用するための仕組みであるAPIを使い、独自のAIシステムを構築しているところもあります。
そのような難点があってもChatGPTがさまざまな分野で利用されているのは、それでもメリットのほうがはるかに大きいためです。それは、今回の記事の後半をご覧になってもわかっていただけるでしょう。

Webアプリとモバイルアプリは目的によって使い分ける

ChatGPTは、もともと単体ではリアルタイムのネット検索や専門性の高い処理には対応していませんでしたが、GPT-4ではサードパーティ製のプラグインを利用することで、汎用性が高まりました。また純正プラグインともいえるAdvancedDataAnalysis機能によって、外部ファイルの分析や解析も可能となりました。
プラグインやAdvancedDataAnalysis機能は、ChatGPTのWebアプリのみの対応ですが、逆にモバイルアプリには、最近になってリアルな音声応答機能やイメージ解析機能が追加されました。目的に応じて使い分けるとよいでしょう。
加えて、2023年秋の発表で有料のPlusユーザーは、これらの機能を明示的に選択しなくても使えるようになることが明らかとなりましたが、現時点では地域によって利用できる機能が異なっていたりインターフェースも相次いで変更されています。図が実際の使用画面と異なる場合がありますが、ご了承ください。

いずれにしても、より質の高い回答を得たり高度な機能を利用するには、ChatGPTPlusを購読してのGPT-4を使う必要がありますが、とりあえずひと月購読して、その能力や効果をご自身で確認されることをお薦めします。
会話形式で質問に答えたり、データの分析を行うほか、ChatGPTの機能を拡張するプラグインもある。

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キャッチコピーからよくある質問までライティングはお任せ

EC事業者がChatGPTを利用する場合、最も手軽に効果を実感できるのは、顧客にアピールできる商品のキャッチコピーや説明文を考えてもらうことでしょう。それは、扱い商品の数が多いほど、また、その入れ替えが多いほど有効です。

プロンプトはあまり凝らずにシンプルにするのがポイント

ただし、ChatGPTは、さまざまな提案をすることは得意ですが、必ずしも、そのすべての質が高いとは限りません。色々なアイデアを出させて、その中から良いものを担当者がピックアップし、必要に応じて手を加えて使うという利用法が適切です。いうなれば、優秀な、しかし、ときどき意外な間違いをするアシスタントようなものだと考えてください。

商品の説明文の自動生成を実践

ここでは一例として、まず秋冬物ファッションのアイテムを、それぞれの名称と特徴がわかるように提案してもらいます。次に、個々のアイテムの魅力を短い文で伝えるキャッチコピーを生成させ、最終的に商品ページに掲載できるような、ターゲット層に響く説明文を書かせてみました。
ChatGPTに役割を与え、秋冬の新規ファッションアイテムの名称と特徴を提案させた例。
ポイントは、最初に「あなたは、ファッションメーカーの商品開発のエキスパートです」とChatGPTに役目を与えたうえで、具体的な指示(「秋から冬にかけて」、「若い女性に人気となりそうな」)を行っている点です。
とはいえ、凝ったプロンプトに時間をかけるよりは、シンプルなプロンプトで多めに提案させたものの中から、人間が見て良いと思えるものを選んだり、修正をかけていくほうが、効率よく作業を進められるでしょう。
ChatGPTが提案した各アイテムに対して、さらにキャッチコピーを考えてもらい、やや違和感のあるキャッチに関して修正依頼を行った結果。

文調やニュアンスも簡単に修正

またChatGPTは、文章の内容を変えずに、言い回しやニュアンスを目的や相手に応じて調整するような作業も得意です。
最初に挙げてもらった各アイテムの特徴の説明は単刀直入なものだが、実際に使えるような表現に変更してもらうこともできる。
たとえば、想定される顧客の疑問や質問に対する回答を、あらかじめFAQとして用意することは、ECサイトを運用するうえで重要な要素ですが、そこでは、伝えるべきことはしっかり伝えながら、丁寧でわかりやすい表現が求められます。
もし、すでにそうしたFAQのページなどが存在する場合には、その回答をChatGPTのプロンプトフィールドにコピー&ペーストして、適切な言い回しになっているかをチェックしてもらうこともできますし、これから用意するということであれば、予想される質問自体を考えさせることも可能です。

以下は、そのような質問と回答をセットにして生成させた例ですが、業界や質問数、内容の詳しさなどをプロンプトで変更・調整することで、ECの業態に合わせたFAQを作ることができます。
ただし、回答の中身が実際の会社の業務や対応に即した正しいものであるかどうか、あるいは、誤解を招くような内容やブランドイメージに合わない表現が含まれていないかを、担当者自らがチェックし、必要に応じて修正することが必要です。それでも、数字など細かな部分の調整で済むケースが大半ではないかと思われますので、まずはFAQの想定問答集のようなものを生成させて確認してみるとよいでしょう。
顧客からのよくある質問に対する回答を自動生成させた例。ここでは、分野を指定して、よくある質問自体もChatGPTに考えてもらった。

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売上分析やグラフ化も可能

ChatGPTを活用すれば、売上データの分析やグラフ化も手軽に行うことが可能です。具体的な活用方法としては、以下のようなものが挙げられます。

たとえば、「売上推移全体の分析を行って特定の期間の販売データをグラフ化し、トレンドを把握する」「商品カテゴリー別の売上分析を行って各カテゴリーごとの売上や人気商品を分析し、戦略的な商品展開を計画する」あるいは「顧客の購入履歴や閲覧履歴分析を行って購買傾向を割り出し、次に購入する可能性の高い商品を予測してパーソナライズされたメールマーケティングの参考にする」というようなことです。

売り込み商品の企画に活用

ここでは、ファッションアイテムの年間販売数の推移を示す簡単なダミーデータを用いて、実際にChatGPTに分析させた結果を示します。
分析のためのプロンプトは、データの内訳や目的(そこから得たい分析結果)に応じて変えることになり、前述のような特定の分析(全体、商品カテゴリー別、購入履歴や閲覧履歴など)を直接指定することもできますが、ここでお見せするように「このデータを分析してください。」として大まかな分析をしてもらい、その結果を見て、新たな要望をChatGPTに伝えていく方法もあります。
10のファッションアイテムの年間販売数の推移を示すダミーデータをcsvフォーマットで保存して利用する。
いずれにしても、1度のプロンプトで結果を出す必要はなく、専門家に相談するような気持ちで、質問と回答のキャッチボールを行うとよいでしょう。
もちろん、ChatGPTによる分析結果はあくまで参考の一つとして考え、実際の業務運用に活用する際は、他のデータや情報も合わせて判断することも忘れないでください。
図の左に示したGPT-4のオプション機能は、順次、明示的に選択することなく、すべての機能を利用できるようになることが発表されている。
ChatGPTに売れ行きの良いアイテムと悪いアイテムを特定させたうえで、それらの販売数をさらに増やすためのアイデアを提案させてみると、以下の回答が得られました。グラフはChatGPTが自主的につけたもので、赤で囲ったラベルの文字化けを防ぐには日本語フォントファイルを読み込ませる方法もありますが、アイテム名を英字表記にしても構いません。
アイテムの売れ行きと販売数をさらに増やすためのアイデア
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SEO評価を上げるブログコンテンツも作成可能

ChatGPTの活用によって、SEO評価をあげるための対策を行うこともできます。具体的な活用方法としては、人気のキーワードを元にブログのトピックを決定したり、実際にトレンド情報や関連知識を網羅したブログ記事のベースを生成させたり、ECサイト自体のSEO監査(SEOaudit)などを行うことが可能です。

SpeedySEOMarketingを活用

ここでは、WebサイトのSEO要素を解析するSEO監査(SEOaudit)を行うQuickSEOと、SEOを意識したブログ記事やソーシャルポストを生成できるSpeedySEOMarketingを利用してみました。
SpeedySEOMarketing”は、SEOを意識したブログ記事やソーシャルポストの生成用で、QuickSEOは、WebサイトのSEO要素を解析するSEO監査(SEOaudit)を行うためのもの。

特に、ブログ記事の生成は、コンテンツマーケティングの観点から見ると、そのままでは内容がストレート過ぎる印象があるため、さらにChatGPTに要望を伝えたり、担当者自らが手を加えて、自社のブランドイメージやマーケティング手法に沿ったものにする必要があります。それでも、継続的なポストが重要なブログ記事やSNS投稿の元になるトピックや文章を限りなく提供してくれるChatGPTは、有効なサポートツールになってくれるでしょう。
なお、SEO対策には継続的な取り組みが必要であり、ChatGPTによるコンテンツ生成なども利用しつつ、定期的な内容の更新や最新のSEO情報の収集も行うことが大切です。

メディアのURLを指定し、記事生成を実践

BiNDecのサイトのURLを指定して、SEOを意識したブログ記事を生成させてみると、まずサイト内容の分析が行われ、それを元にブログ記事が提案されました。生成された文章は、箇条書きで商品(サービス)を推しすぎている傾向が見られます。
BiNDecのサイトのURLを指定した、SEOを意識したブログ記事
そこで、コンテンツマーケティングの観点から、読者が知りたいトレンド情報を充実させて商品(サービス)への言及を減らすように指示したところ、よりブログ記事に適した内容となったので、これを元にタイトルの提案もさせてみました。
トレンド情報を充実させるように修正し、タイトルも提案させた
その他のECサイト向けのSEO対策は下記の記事をご覧ください。

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Shopifyにも搭載されている生成AI機能

商品説明やタイトル提案、売上分析、カスタマーサポートの自動応答、顧客からのレビュー要約機能などの生成AI機能は、ECプラットフォームであるShopifyでも提供が始まっています。しかし、将来的にはすべての機能が日本でも利用可能になると考えられるものの、現時点では英語でのサポートが中心だったり、日本向けには展開されていないサービスもある状況です。
そのため、今からChatGPTを使って、そうした作業を効率化しておくことは、実際にShopify上で生成AIサービスがフルに展開されたときの準備にもなります。また、Shopifyが提供する生成AI機能のほうが利用者にとっては統合的に利用できて便利な一方、ChatGPTのほうがより包括的で自由度の高い応用が可能です。
したがって、これからも両者それぞれのメリットは残りますので、個々の特性を見極めて使い分けを図っていくことが、EC事業の成長につながるでしょう。
Shopifyの提供するAI機能について、詳しくは下記の記事をご覧ください。


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まとめ

このようにChatGPTを活用することで、ECサイトの運用をより効率的かつ効果的に行えるようになります。しかし、ChatGPTの力を最大限に引き出すためには、ここで挙げたように適切な方法や注意点もありますので、それらのこともしっかり把握し、頼れるパートナーとして育てていくことが大切です。
世界シェアNo.1のECシステムのShopifyも力を入れている生成AI機能と、ChatGPTのような外部の生成AIサービスを組み合わせて利用することで、EC事業の運用とビジネスの拡大が、これまでになく効率化されていくことは間違いありません。

株式会社ウェブライフでは、Shopifyを利用したECサイト構築から運用までサポートする「BiNDec」を提供しており、最新のAI機能も利用しながら、ビジネスに最適な運用戦略をご提案しています。EC構築や運用に関してお悩みの方は、気軽にお問合せください。

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POINT

  • ChatGPTはWebアプリとモバイルアプリで使える機能がそれぞれ異なる
  • 凝ったプロンプト作成に時間をかけるようりも、シンプルなものをいくつも試して修正していくほうが効率的
  • Shopifyが提供するAI機能とChatGPTは、個々の特性を見極めて使い分けを図っていく

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