アニメキャラクターやアイドルなどを応援する、いわゆる「推し活」の市場でグッズをネット販売する割合が増えています。ネットがなぜグッズ販売に向いているのか、近年の市場動向を踏まえつつ、そのメリットや注意点を解説します。
推し活などの趣味に関するグッズのネット販売が注目される理由
生活必需品以外の、趣味や楽しみに関するグッズにおいてもネットでの販売が拡大しています。その象徴といえるのが「推し活」グッズでしょう。
「推し活」という言葉が一般的に使われるようになってきたのは、2010年代後半から2020年代初頭です。SNSの普及とともに広まり、ファン活動の一環として定着しました。並行して、推しの対象だけでなくグッズのバリエーションも増え、市場規模は約8000億円以上にも達しています。
そうした推し活グッズに象徴されるような、必需品以外のグッズ販売について、市場はどのように変化しているのでしょうか。3つのトレンドをご紹介します。
トレンド①:「流行り物に集中」から「好みが多様化」
モノが豊富になるにつれ、消費者の価値観が多様化し、それに伴って「好きなもの」「欲しいもの」についても多様化しています。
その理由としては、まず個性や独自性を重視する傾向が強まっていることが1つ。大きな流行に流されるよりも、自分の好みを追求する人が増えています。
逆に、厳しい経済環境下にあって、流行に左右されることなく、自分にとって本当に大切なものを慎重に選ぶ傾向があるとの指摘もあります。必然的に、供給側も「売れ筋」を大量に作るより、消費者の動向を見ながら商品を企画し、適切な量を生産することが求められています。
トレンド②:限定・パーソナライズへのニーズの高まり
個性や独自性を重視する”多様化”の流れがさらに先鋭化し、限定品や自分だけのオリジナルなど、希少性や独自性の高いモノを選ぶ人が増えています。そうした傾向に応えて、供給側もきめ細やかなカスタマイズや受注生産など、限定品やパーソナライズ商品への対応力が高まりつつあります。
そのための仕組みとして、Webサイト上で消費者自らニーズを細かく入力できるようにするだけでなく、それらのデータをダイレクトに商品企画につなげて活用するなど“裏側のネットワーク化”も進んでいます。
トレンド③:SNSの影響大。市場の変化スピードが高まる
インターネットと共にSNSが多くの人に活用されるように成り、各々の好みやニッチな興味・関心が簡単に共有できるようになりました。これにより多様な情報が瞬時に広まり、「ほしい!」という瞬間的なニーズも高まるようになっています。
一方で変化も激しく、短期間で飽きられる可能性もあるため、消費者の温度感を見極めながらの企画・生産やマーケティング施策が求められています。
なぜ急成長?グッズの「ネット販売」におけるメリットとは?
多様化するニーズに対応しながら、限定品やオリジナル商品などユーザーを飽きさせない商品を企画・販売し、さらにはSNSなどを起点とした瞬間的な購買意欲や変化に対応する。グッズ販売には、そうしたトレンドにしっかりと対応することが必須といえます。
そうなれば、それらの要件を満たすネット販売に注目が集まるのも必然と言えます。あらためて、グッズをネット販売する際のメリットを整理してみましょう。
メリット①:実店舗がなくても販売できる
実店舗がなくても販売ができるのが、ECサイトの大きなメリットです。コストを掛けず、「利便性」というメリットを最大限に活かすには、「購入までがスムーズ」で「決済手段が豊富」であるなど、“ちゃんとしたサイトづくり”が大切です。
特に「推し活グッズ」の購入者については、ネット利用に慣れており、アクセスできても購入しにくかったり、決済手段が限定的であると敬遠する傾向があると分析されています。
カゴ落ちを防ぐ購入フローのポイントについては下記の記事をご覧ください。
メリット②:24時間販売&大量のアクセスにも対応
ECサイトは24時間365日営業しているため、利用者はいつでも好きな時に購入できます。しかし、急なアクセスでダウンするようでは台無しです。不満をもった利用者からSNSで拡散されてしまうことも少なくなく、サイト離れやファン離れを招くことすらあります。
「いつでも購入できる」という安心感、信頼感を担保するために、しっかりとセキュリティを確保し、急なアクセスにもダウンしない耐久性が求められます。
メリット③:広範な顧客層へのアプローチが可能
ECサイトは、言葉の壁はあれど世界のどこからでもアクセスが可能です。つまり、広い範囲でファンやユーザーに訴求し、購入を促すことができます。そのためにはインターネット広告のほか、SNSやユーザーのブログなど様々な施策によって、オンライン上でデジタルマーケティング活動を行うことが大切です。実際、“推し”の情報収集手段としてはSNSが筆頭にあげられており、綿密な連携が求められます。
メリット④:顧客動向を掴み、在庫管理が効率的に
ネット上での販売では、さまざまなデータが取得できます。その活用によって、顧客のニーズや嗜好などの動向を掴み、効果的な企画や販売施策が可能になります。
また、在庫管理なども効率的に行えるようになり、管理コストを削減できるだけでなく、売り切れや過剰在庫のリスクを抑えることができます。少量生産かつ変化に激しいグッズ販売サイトについては、分析ツールはもちろんAI分析や在庫管理機能などを備えておくとよいでしょう。
メリット⑤:イベントや限定品などで顧客とつながり続けられる
リアル店舗では、お店を一歩出るとユーザーとの接点が途切れがちです。しかし、ECサイトならば、メールマガジンやSNSなど様々な接点を通じて、限定品の発売やイベント紹介などの旬の話題を提供し、繋がりを続けることができます。
メールマガジンやファンクラブ機能などを使えば、「自分だけ」「ファンだけ」の魅力的な情報を提供し、特別感を創出できます。
グッズ販売のECプラットフォームにはShopifyがおすすめ
オンラインでグッズ販売をする場合、やはりプラットフォームの選定は重要です。最初はファンサイトの一部を活用していても、徐々に手間やコストが掛かったり、急激なアクセスに耐えきれずにダウンしたりといったトラブルに見舞われることも少なくありません。
事業規模の拡大を見込んで、ECサイトの機能をしっかり持ったプラットフォームで構築することをおすすめします。
ASP型のECプラットフォームであるShopifyは、必要に応じてアプリによる機能追加が容易にでき、アクセス急増に耐えられる耐久性も担保しています。中でも、エンタープライズ向けプランの「Shopify Plus」は、大規模な売買に対応するための多彩な機能拡張が可能です。
Shopifyのスペシャリストである「Shopify Plusパートナー」に依頼することでマーケティングやバックヤードの施策のアドバイスが受けられ、構築・実装もスピーディに行うことができます。
さらに外部の決済サービスの取引手数料も安価になるなど、一定以上の売上規模がある場合にはメリットも大きく、プラットフォーム選定においては見逃せないポイントです。
Shopify Plusの機能について、詳しくは下記の記事をご覧ください。
ポイント①:基本機能がすべて揃い、小さく始めて大きく育てられる
どんなECサイトも小さく始めて大きく育てるのが基本です。とはいえ、ファンサイトの一角から始めて、無料カートやASPサービスなどへと、転々とリプレースを繰り返すのはその度にコストがかかります。ましてスクラッチとなると作り直しもなかなか困難でしょう。
しかし、Shopifyなら小さく始めつつ、エンタープライズに拡大するとしても、同じプラットフォームのままで機能強化に柔軟に対応が可能です。
事業が大きくなっても慣れたプラットフォームで運営の自動化・効率化ができれば、構築費以外も人件費や教育費などを含めてコスト削減・負担の削減につながります。
ポイント②:アクセス急増に耐えられる安定性・スムーズな決済・物流連携
サイトへのアクセスに耐えられても、決済となると遅延するというサービスも少なくはありません。しかし、Shopifyなら世界中に拠点を設けて負荷分散している高性能なサーバーが採用されており、大量アクセスにも耐えられます。サーバーは常にメンテナンスされ、最新化が図られています。
物流においてもWMSやOMSと連携することでスピーディな配送を実現することができます。「ほしい」と思ってからすぐに購入・決済・お届けを実現することが求められる「グッズ販売サイト」において、重要ポイントと言えるでしょう。
ECと物流倉庫との連携について、詳しくは下記の記事をご覧下さい。
ポイント③:SNSや広告と連携する機能が豊富で、新しい顧客にも訴求
グッズ販売において、広告やSNSとの連携は特に重要であることは紹介しました。ShopifyにはSNSや広告との連携が密にできるアプリが揃っています。さらに経験豊富なShopify Plusパートナーに依頼することでプロモーションやマーケティングなど戦略も含めたコンサルティングが受けられるのも大きな強みといえます。
ポイント④:顧客を熟知する分析ツールで、的確に施策や商品開発に活かせる
変化が激しいとされるグッズ販売のトレンドに対応していくためには、顧客ニーズを分析し、商品開発やマーケティング施策に活かしていくことが重要です。
エンタープライズプランのShopify Plusなら、Shopifyのデータを探索・視覚化・分析するツール「Shopify QL Notebooks」が標準で搭載されており、注文、商品、在庫などの指標やデータをもとに迅速な意思決定を行なっていくことができます。
ポイント⑤:限定公開機能やメルマガなどの自動化機能で、顧客との関係性を醸成
初回購入だけでなく、リピーターを確保するには、商品だけでなく、サイトとしての魅力を高めることが欠かせません。広告やSNSなどからの流入を待つだけでなく、キャンペーンやメルマガなど既存顧客へのプッシュ施策も重要になります。
Shopify Plusなら、Launch Padなどのスケジューリングツールを活用して、キャンペーンや新商品・限定商品のリリース、フラッシュセールなどを自動化することができます。
【導入事例】プロのクリエイターによるグッズ販売サイト「MUUU」
YouTubeの人気クリエイターやインフルエンサーの公式グッズを販売するオンラインストア「MUUU」では、2021年2月よりECシステムをShopify Plusにリプレースしています。
もともとはフルスクラッチでサイトを制作していましたが、改善のたびに多大なコストと工数が必要となり、大きな課題となっていました。また、クリエイターが動画やSNSでグッズを紹介するとトラフィックが瞬間的に増え、何度もサイトダウンを起こしていました。
スピーディな更新を目指してフルスクラッチからShopify Plusへリプレース
そこで、Shopifyの構築・運用サービスBiNDecによってリプレースを実施しました。運営コストの大幅削減に成功すると同時に、瞬間的なアクセス急増に耐える安定性を確保することができました。
さらに、かつて開発に時間や手間がかかっていたファンクラブ会員・イベント来場者の限定設定もスピーディに実装でき、他にも様々な新規機能を早ければ1週間ほどで追加するなど、安定性を保ちながらサイトの改善・運営を実現させています。
Shopifyでのグッズ販売サイトの開設・リプレースは、実績あるパートナーへ
グッズ販売に欠かせない多彩な性能・機能を備えたECプラットフォームのShopify。さらにShopify Plusは、Shopifyの通常プランにはない多彩な機能が利用でき、アクセス集中時にも耐える強固な環境が提供されます。さらにSNSなどを含めて戦略的なマーケティング施策も求められるため、経験豊富なShopify Plus パートナーによる戦略サポートまで含めたコンサルが受けられるのは、大きなメリットと言えるでしょう。
Shopify Plus パートナーである株式会社ウェブライフでは、Shopifyを利用したECサイト構築から運用まで全方位をサポートする「BiNDec」を提供しています。事例で紹介したMUUUも含め、グッズ販売についても中小規模からエンタープライズまで豊富な導入実績を誇ります。運用戦略の提案も実施しておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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