ECサイトにおいてストアデザインやコピーは、ブランディングのための重要な要素です。しかし、これからは、そこに「音」の要素も入ってくると考えられます。たとえばテレビCMでは、サウンドロゴと呼ばれる短いメロディがブランドの印象を強く残します。実店舗でも、商品やブランドの特性に合わせたBGMが流れ、来店客の気分をリラックスさせたり高揚させる演出がなされていることも少なくありません。
たとえば、高価格帯のアクセサリーや、香りのイメージを伝えたいアロマ系などの商材は、ECサイト上での体験設計が難しいからこそ、BGMによる演出が効果的に働く領域といえるでしょう。また、SNS広告などから訪れたユーザーの高揚感を保ち、購買行動へつなげたい場面でも、「音」の力が活きてきます。
本記事では、BGMがECサイトにもたらす心理的効果や、AIによるBGM生成の手軽さ、実際の成功事例などを通じて、「耳から始まるブランディング戦略」をわかりやすく解説します。
滞在時間を延ばし購買意欲を高めるBGM効果
音楽は、感情に直接働きかける力を持っています。そして、その効果を適切に利用することで、購買行動に影響を与えることもできるのです。このセクションでは、音楽、特にBGMがECサイトにもたらす効果についてご紹介します。
五感マーケティングとしてのBGM
小売業界の競争が激化する中で、「Connected Omni-Channel Retail Experience」(CORE=小売におけるオムニチャネル統合体験)という概念が注目されています。現代の消費者は様々なチャネルをまたいでショッピングを行いますが、チャネル間が分断されていると感じると離脱してしまいます。その予防策として考え出されました。
つまりCOREとは、複数のチャネルで得られる顧客体験に統一感を持たせ、離脱を防ぐ取り組みといえます。
たとえば実店舗で見た商品をスマホで注文して自宅に配送してもらったり、逆に、ECサイトでの注文品を店舗で受け取れるようにすることも、COREの一環です。
また、複数の感覚にまたがって得た体験は、単一の感覚によるものよりも記憶に残りやすいことから、五感に訴えるマーケティング施策はブランド記憶の強化につながり、複数チャネルで統一的な体験を提供するCOREにも有効に働きます。実際には、五感のうち触覚、嗅覚、味覚は、実店舗やポップアップストアがなければ取り入れることが難しいといえますが、視覚に訴えるECサイトのデザイン、テーマカラー、フォントなどのビジュアル要素や、聴覚に訴えるBGM、サウンドロゴなどの音の要素は、ECサイトのみでも有効です。
特にBGMは顧客の購買行動に影響を与えることがわかっており、たとえば、スーパーマーケットでゆったりしたテンポのBGMを流すと顧客の滞在時間が長くなり、購買額も増加したとの研究があります(※1)。また、別の研究では、ワインショップでクラシック音楽が流したときには高価格帯のワインが多く売れ、ポップスではそうした傾向が見られなかったという報告もありました(※2)。
テクノロジーが進化した現在では、ECサイトの顧客データやインサイトを活用して、特定の顧客層や個人の好みに合わせたBGMのパーソナライズも可能になっています。そうした観点から、BGMは「Connected Omni-Channel Retail Experience (CORE)」の一部として顧客の感覚に働きかけ、商品の売れ行きを左右する要素であるといえるのです。
※1:JSTOR「Using Background Music to Affect the Behavior of Supermarket Shoppers」より/※2: ReserchGate「The influence of background music on shopping behavior: Classical versus top-forty music in a wine store」より
BGMがECに与える効果とその実現方法は?
BGMは、一般企業のマーケティング施策を強化するために活用されています。特にブランドや商品のイメージを左右する動画広告のBGMは、様々な要素を考慮して決定されることが普通です。また、実店舗内でBGMを流すことは一般的であり、そのコンピレーションアルバムが商品として販売されていたりもします。
EC事業者にとってもBGMは、SNSでの広告や動画投稿、商品紹介ビデオ、ポッドキャストなど、多様なコンテンツを通じて統一的なブランドメッセージを印象付けるうえで利用されている要素です。顧客の購買行動に直接的な影響を与えるという意味では、やはりECサイト自体でBGMを活用することも効果的といえるでしょう。
実店舗にない特徴として、ECサイトには導入部となるトップページやランディングページ、商品を吟味する紹介ページ、支払いを決定するチェックアウトページなど、顧客の行動に合わせてページが遷移することが挙げられます。つまり、それぞれの場面に合わせて適切なBGMを利用すれば、購入前に購買意欲を高めたり、意思決定を早めたり、コンバージョン率を上げられる可能性があるわけです。
今では、後述する音楽生成AIを利用すれば、独自のBGMを手軽に作成できます。そのため、比較的低リスクでECサイトの差別化を図れ、さらに売上向上も期待できるBGMへの関心は、これから高まっていくと予想されますが、こうしたBGMの活用をはじめ、ECサイトで豊かな顧客体験を実現するには、柔軟性の高いプラットフォームが不可欠です。
175カ国で利用されている世界最大級のコマースプラットフォーム「Shopify(ショッピファイ)」は、まさにその代表格と言えるでしょう。ブランドの世界観を表現するためのデザイン自由度が高いことに加え、16,000以上もの豊富なShopifyアプリの中から自社に最適なものを選ぶことで、BGM再生のような機能もゼロから開発することなく簡単に導入できます。
ビジネスの規模やフェーズに応じて必要な機能だけを選んで追加できるため、成長に合わせて常に最適なコストで柔軟に拡張していける点が、世界中の多くの事業者に選ばれている理由です。
Shopifyについて詳しくはこちらのページをご覧ください。
ECでは“歌詞なし”BGMが効果的な理由
実店舗では、歌詞付きのヒット曲がBGMとして流れているケースもあります。しかし、それでは漫然と店内の雰囲気を盛り上げることはできても、売上に貢献できる戦略的なBGM利用とは言い難いでしょう。その理由は、特定のCMソングなどを除けば、ヒット曲はそれ自体が主役になってしまい、他の商品を引き立てる役目を果たすものではないからです。
加えて、ECサイトの場合、歌詞のある曲では顧客の注意が歌の内容のほうに引きつけられ、本来注目してほしい商品情報や説明から意識が逸れてしまう可能性があります。
ライブストリーミングのECに関する研究でも、質の高いサウンドエフェクトやBGMが視聴者の購買意欲に影響する(※3)と述べられていますが、この場合も、歌詞のないインストルメンタルBGMは情報伝達や商品への意識の集中を妨げず、より効果的であると考えられます。
したがって、特にECサイトで利用するBGMは歌詞のないインストルメンタルな曲が適しており、そこを起点にして、商品紹介動画やSNSへの投稿動画、ポッドキャストなどに統一的なBGMを展開していくことがサウンドブランディングに適しているといえるでしょう。
※3:ScienceDirect「The rhythm of shopping: How background music placement in live streaming commerce affects consumer purchase intention」より
ロイヤリティフリーでブランドに寄り添う生成AI BGM
サウンドブランディングに取り組む場合、ブランドイメージやECサイト内の対象ページの雰囲気、目的に合うBGMを見つけるのは、なかなか難しいものです。しかし、音楽系の生成AIサービスを利用すると、手間をかけずにイメージにぴったりのBGMを作り出すことが可能になります。
著作権フリー&カスタマイズ性が最大のメリット
音楽系の生成AIサービスを活用する最大のメリットは、ブランドイメージに合わせてカスタマイズされたBGMを低コスト、かつ、ごく短時間で作れ、ロイヤリティフリーで利用できる点です。BGMのジャンルや雰囲気などの具体的な指示をプロンプトとして与えることで、AIがそれに沿った楽曲を自動で作成してくれます。
そのような楽曲生成AIサービスの中には、スタイル、テンポ、コード進行、アレンジなどを細かく設定し、楽器の種類やボリュームも調整できるものもありますが、ECサイトのBGMを内製で用意するうえでは、そこまで細かな設定や指定は必要ありません。「こんなに手軽なBGM生成」のセクションで具体例を示しますが、必要とするBGMの種類や雰囲気を普通の言葉でプロンプトにすれば良いのです。
また、現行の著作権法では、完全にAIのみで作曲された楽曲には著作権が認められませんが、独自性の高いプロンプトの作成や生成された楽曲の選択などの作業について人間の関与が大きい場合には著作権が認められるとの判断もあります。そのため、プロンプトにブランドイメージを盛り込む工夫をしたり、複数の曲を生成して最適なものを選ぶなど、AI任せにしない姿勢も大切です。
AIによる音楽生成の最新潮流
ここで改めて、音楽系の生成AIサービスについて簡単に説明しておきましょう。これはユーザーの指示や好みに基づいて楽曲を生成するツールであり、既存の音楽を分析してパターンなどを学習し、多様なジャンルの新たな楽曲を生み出します。作曲だけでなく、作詞や歌唱までこなすことができ、プロの歌手と同等、あるいはそれ以上に感情豊かに歌い上げることも可能です。
もちろん、別に用意した歌詞を与えての曲作りもできますが、ここまで説明してきたように、ECサイトのBGMではメロディのみのインストルメンタルな曲が適しています。
実はShopifyも、EC事業者に対してSNS動画や広告、商品デモ、ポッドキャストなどのために音楽系の生成AIサービスを活用することを推奨しており、幅広いコンテンツにロイヤリティフリーの音楽を追加する手段として認めているのです。
そのページでも紹介されている代表的な音楽系の生成AIサービスには、Suno、Beatoven、Soundraw、Mubert、AIVA、Soundfulなどがあり、それぞれの特徴は以下のようなものです。
Suno
Suno(https://suno.com/)は最大200文字のプロンプトに基づいて音楽を生成します。
例えば「新しい電動歯ブラシの製品発表に関する高揚感のあるアコースティックなジングル曲」のようにトピックと希望の音楽スタイルを記述できます。
無料のBasicプランでは1日最大10曲作成してダウンロードできますが、同一のプロンプトから1回あたり2曲ずつ生成されるので、実質的には5回分の生成となります。
インストルメンタル曲の作成や独自の歌詞の入力、生成されるトラックのスタイルの参照元となる既存のオーディオもアップロード可能です。商業利用のライセンスを含む有料プランも提供しています。
Beatoven
Beatoven(https://www.beatoven.ai)は詳細なプロンプトを使用し、使用目的やジャンル、ムード、長さなどを指定できます(例:「ソーシャルメディア投稿のBGM用のチルなローファイヒップホップビート30秒」)。
1つのプロンプトに基づいて4つのバージョンのトラックを生成。テンポや楽器などの要素を調整して、生成されたAI音楽トラックを編集できます。
無料トライアルでは5曲まで作成可能ですが、ダウンロードはできません。
Soundraw
Soundraw(https://soundraw.io/ja)はWebサイトが日本語に対応しています。
シンプルなインターフェースで、メニューからトラックの長さ、テンポ、ジャンル、ムード、テーマを選択でき、TikTok広告からトレーニングビデオまで、あらゆるマーケティング資料での使用がライセンスされたロイヤリティフリーのトラックを作成可能です。
個々のセクションを削除したり、レベルを調整してトラックを編集したり、ミキサーモードでボーカル、ベース、ドラムなどの個々の楽器のレベルも調整でき、プランは商業用および個人用のライセンスを含む有料プランが提供されています。
Mubert
Mubert(https://mubert.com/)は人間のアーティストと協力して作成されたサンプルやループのライブラリを使用し、より自然なトーンとスタイルを持つトラックを生成します。
テキストから音楽を生成する機能や、アップロードされた画像に基づいて音楽を生成する機能があります。BGMの制作に特化しており、以下の4つの異なる音楽生成モードを提供します。
- トラックモード:より伝統的なインストルメンタル曲を作成
- ジングルモード:短いリフを作成
- ループモード:Instagram投稿などに向く、無限にループできる短いピースを生成
- ミックスモード:DJのように異なるトラックをブレンドした長めの曲を生成
無料プランでは月に25曲まで生成できますが、SNSや商業利用には有料プランが必要です。
AIVA
AIVA(https://www.aiva.ai/)はスタイル、テンポ、コード進行、アレンジを選択することで、インストルメンタルトラックを段階的に生成し、音楽作成プロセスを細かく調整できます。
使用するコード、配置、各コードの演奏時間をカスタマイズできまるほか、テキストから音楽を生成する機能において、作成したいトラックのムードを記述できます。ハープのメロディーをバイオリンの音に変更、といったようにトラック内の各楽器の音量と種類も調整可能です。
無料プランでは月に3曲まで生成でき、著作権所有権を含む有料のProプランも提供されています。
Soundful
Soundful(https://soundful.com)はBGMの作成に特化しており、選択されたジャンル、スタイル、テンポ、特定のキーに基づいて新しい音楽トラックを構築できます。カスタマイズ可能なドラムと楽器のループに重点を置いているのも特徴です。
コンテンツに雰囲気を与えるための、AI生成によるアンビエントサウンドとサウンドエフェクトも提供しています。
無料のStandardプランでは無制限に音楽を生成できますが、MP3ダウンロードは月に1回のみ。有料プランでも、生成結果を自由に使うには曲を購入する必要があります。
こんなに手軽なBGM生成
それでは、実際に無料プランでも1日5回(10曲)の生成ができるSunoを使って、BGMを作ってみましょう。Sunoにはスマホアプリもあり、Webサービスは英語のインターフェースですが、スマホアプリでは日本語も使えるので、ここでもスマホアプリで生成しています。
なお、無料プランでは商業利用はできないため、実際にECサイトなどでBGMとして利用する際には有料プランに加入することが必要です。最小の有料プランでも月額10ドルで毎月250回=500曲まで生成できますし、年契約をすると月額8ドルになるので、特に法人利用であればそれほど負担にはならないでしょう。
以下は、化粧品のECストアで、朝、昼、晩の時間帯にそれぞれ流すことを想定したBGMを生成するためのプロンプトです。ちなみに、曲のタイトルとイラストは、AIがプロンプトから受ける印象を元に自動生成したものになります。
朝|清潔感と静けさを感じさせるBGM
朝の光が差し込むコスメショップの雰囲気に合う、やさしく穏やかなピアノとアコースティックギターのインストゥルメンタル。爽やかで清潔感があり、1日のスタートにぴったりな音楽
狙い:
来訪者にリラックスと安心感を与え、ブランドのナチュラルさや清涼感を強調します。
このプロンプトを使って生成された2曲のBGMは、以下のリンクから聴くことができます。
朝の光
昼|心地よく軽快で、滞在を促すBGM
明るく洗練されたコスメショップに流れる、軽快なテンポのチル系インストゥルメンタル。ソフトなビートとエレクトロサウンドで、自然と気分が上がる昼下がりの雰囲気を演出
狙い:
昼のショッピングタイムを楽しい時間として印象づけ、滞在時間を延ばします。
同様に、このプロンプトによる2曲のBGMへのリンクは、以下になります。
昼下がりの魔法
夜|高級感と落ち着きを感じさせるBGM
夜の落ち着いたコスメショップに合う、スローでラグジュアリーなジャズ風インストゥルメンタル。低音のピアノと滑らかなサックスで、大人っぽく洗練された雰囲気を演出
狙い:
購買意欲の高い時間帯に、特別感とプレミアムなブランド印象を与えます。
同じく、このプロンプトによる2曲のBGMへのリンクは、以下になります。
夜の香り
生成結果がブランドイメージや目的に合わなければ、そのままのプロンプト、もしくはさらに指示を加えたプロンプトを使って再生成を行います。そして、合うものがあれば各曲の右端にある「…」からメニューを呼び出してダウンロードしてください。
スマホアプリからもダウンロード可能ですが、MP3形式に限られるとともに保存先がクラウドストレージになるので、直接コンピュータ内に保存したい場合には、コンピュータのブラウザからSunoにアクセスして、同じ「…」メニューを開きます。こちらはMP3形式とWAV形式での保存が可能なので、後で編集を加えるなどするために高音質なデータが必要な場合にはWAV形式を選びますが、ECサイトのBGMとしてはMP3形式でも十分です。
商業利用における注意点
AIによって生成された音楽を商業目的で利用する際には、プラン選択に注意してください。多くのAI音楽生成ツールは無料プランを提供していますが、商用利用には有料プランへのアップグレードが必要となります。たとえば、MubertのCreatorプランはソーシャルメディアでの利用を許可していますが、ECサイトや広告などの商用利用にはProプラン以上が必要です。
そのため、AI生成音楽を利用する際には、必ず各サービスのライセンス契約を確認し、商業利用が許可されているか、どのような条件が付随しているかを把握することが重要です。
サウンドブランディングによる差別化事例
このセクションでは、サウンドブランディングによって競合との差別化を図るための基本的な考え方と、実際の事例を紹介します。
時間帯や顧客の購買目的に合うBGMで購買単価アップ
ECサイトにおける適切なBGMは、顧客が快適に感じ、ショッピング体験そのものを楽しむための魅力的な雰囲気を作り出します。そして、ゆったりとしたBGMによって顧客にリラックスした買い物を促したり、速いビートのBGMで購買への切迫感を高めたりできるのです。
この心理的な影響を適切に活用すると、商品や時間帯、顧客の購買目的に合わせたBGM戦略が可能となり、結果的に購買単価の向上が期待されます。
たとえば、年末商戦でデパートなどがクリスマスソングを流して、それに見合う飾り付けを店内に施すように、ECサイトもシーズンに応じてUIデザインやBGMを変えることで、訪れる顧客の気分を盛り上げ、購入体験を向上させることが可能です。
Shopifyの新しいデザイン基盤のHorizonによって、これまでにないデザインの自由度と表現力を得たEC事業者にとっては、今後、そのようなECサイト運営が常識化していくかもしれません。
Horizonについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
AI生成BGMによるブランド体験の最適化
音楽系の生成AIサービスを活用することで、EC事業者はこれまで専門知識や外注コストが障壁となっていた「プロ品質のBGM制作」を、手軽かつ経済的に実現できるようになりました。これらのサービスでは、ジャンル・テンポ・ムードなどを選ぶだけで、ブランドの雰囲気に合ったオリジナル音源を短時間で生成でき、しかもロイヤリティの心配が少ないのが大きな利点です。
結果として、ECサイト内で顧客にとっての「音による記憶」が形成され、視覚中心のショッピング体験に深みを加えることができます。
ここで論じてきたように、BGMは単なる音楽的な装飾ではなく、滞在時間の延長や購買意欲の向上などの明確な行動変容を促すための新たなマーケティング施策です。生成AIの活用によって、これまではやや敷居の高かったサウンドブランディングが、企業規模を問わずEC事業者にとっての現実的な選択肢となってきたのです。
顧客体験が向上したオンデマンドプリントショップやスパ
実際に、BGMを導入したECサイトからは、顧客がリラックスして購買意欲が高まり、売上や収益性の向上に寄与しているとの声が聞かれます。
たとえば、オンデマンドプリントで様々なグッズを作れるECサイトがBGMを導入したところ、顧客のショッピング体験が大きく変革されたことが報告されました。このECサイトでは、「心地よいBGMで訪問者を楽しませることで、サイトでの滞在時間が増加しただけでなく、より魅力的で楽しい雰囲気を作り出すことができた」とのことで、顧客エンゲージメントと満足度が著しく向上したことを実感したそうです。
また、スパのような業種では、実店舗においてもBGMが顧客をリラックスさせて快適な体験をもたらすうえで不可欠な要素ですが、ECサイトでも同様の雰囲気を作り出して顧客の滞在意欲を高めるためにBGMを取り入れたところがありました。
これらは、音楽系の生成AIが現在のように発達する前のBGM導入事例ですが、AI生成のBGMであれば、さらにブランドの世界観に合致した環境を作り出して、顧客体験に統一感をもたらすことができるといえるでしょう。
ShopifyならBGMも簡単導入!おすすめアプリを紹介
では、ECサイトに対して手軽にBGMの再生機能を組み込むことができるShopifyアプリをご紹介しましょう。
RT: Background Music Player

RT: Background Music Playerは、ECサイトにBGMを簡単、かつ、完全無料で導入できるShopifyアプリです。操作性とカスタマイズ性のバランスに優れており、インストール後すぐに利用を開始できるほか、BGMのループ再生や音量調整、特定のページごとの再生設定など、多彩な機能を備えています。
また、再生ボタンの位置やデザインも細かく設定できるため、ブランドの世界観にマッチした画面デザインが可能です。
無料で利用できることもあり、初めてBGMを導入するEC事業者にも扱いやすく、サウンドブランディングに効果的なツールといえるでしょう。
MX: Background Music Player

MX: Background Music Playerは、月額2.99ドル(年契約では30%割引)の低価格で利用でき、複数曲の切り替えなどの機能が充実しているShopifyアプリです。デザインテンプレートも複数用意されており、ブランドイメージに合ったプレイヤー外観のカスタマイズも可能です。
音楽による雰囲気作りだけでなく、ストーリーテリングや季節ごとの演出など、より戦略的なBGM活用ができ、ブランドの世界観を大切にしたいファッション、アート、ライフスタイル系ストアに適したアプリといえます。
今すぐ始められるサウンドブランディング
BGMを利用したサウンドブランディングはShopifyアプリを使ってすぐに始められますが、分野的にはまだ新しく、今後の広がりが期待される領域です。また、BGMを単体で利用するわけではなく、購入履歴に基づいたレコメンドなど、購買意欲を高める他の手段と組み合わせることで相乗効果が発揮される施策といえます。
このように総合的な視点からECサイトを訪れる人の顧客体験、滞在時間、コンバージョン率などを効果的に改善したいと考えるEC事業者の方は、Shopify PremierパートナーのBiNDecにご相談ください。400を超えるEC構築の経験から貴社のビジネスに最適なECサイトのあり方をご提案します。
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