Z世代がPinterestに集まる理由とは?Shopify連携で加速する新たなショッピングジャーニー

Z世代がPinterestに集まる理由とは?Shopify連携で加速する新たなショッピングジャーニー

Pinterest(ピンタレスト)が、Z世代を中心に消費行動へ大きな影響を与える集客チャネルとして話題を呼んでいます。なぜPinterestによってブランドの認知度や購入行動が向上するのか、ECプラットフォームのShopifyのメリットとも併せて解説します。

Pinterest(ピンタレスト)とは?

Pinterestは、暮らしを豊かにするアイデアを発見し、整理するための「ビジュアル探索エンジン」です。
InstagramやXといったSNSが、過去の出来事や他者の近況を共有する場であるのに対し、Pinterestは、次に買いたい服や理想のインテリアといった具体的な目的を持って画像を検索・保存(ピン)するため、プラットフォーム全体が購買意欲の高いユーザーで構成されているのが最大の特徴です。

広告機能においても、画像から直接商品ページへ遷移できる「ショッピングアド(広告)」や、Shopifyなどの自社ECの商品データを自動で同期する「カタログ機能」など、発見から購入までをシームレスにつなぐ仕組みが組み込まれています。世界で6億1,900万人以上の月間アクティブユーザーを抱え、今やEC事業者にとって無視できない強力な集客チャネルとなっています。
ビジュアル探索エンジンのPinterest

なぜ、Pinterestで売れるECになれるのか?

Pinterestが集客チャネルとして強力な理由は、ユーザーが自分自身のために、何かを探している能動的な状態で利用しているからです。他のSNSとは一線を画す独自のプラットフォーム特性が、ブランドの発見から購買決定までを最短距離でつなぎます。

SNSではなく「ビジュアル探索エンジン」という新定義

一般的なSNSは、他者の近況や話題のトレンドといった情報の洪水の中から受動的に情報を得る、コミュニケーション主体の場です。一方で、Pinterestは自分の好きなことや挑戦したいことに集中し、能動的にアイデアを探し出す自分と向き合う場として機能しています。

何か新しいアイデアはないかという探索モードで利用されるため、ブランドが提供するビジュアルが邪魔な広告ではなく「探していた答え(=役立つ情報)」として自然に受け入れられやすい独自の土壌があります。他のプラットフォームと比較して広告への能動的注意および受動的注意は170%すぐれており、強力な集客力を生み出しているのです。(*1)
*1=Amplified Intelligence社の調査(2024年第1四半期)

検索の96%が非指名。スタートアップブランドも発見されるチャンス

Pinterestで行われる検索のうち、96%はブランド名を指定しない「非指名検索」です。(*2)ユーザーは最初から特定の有名ブランドを探しているのではなく、「北欧 インテリア 暖色」「結婚式 お呼ばれ コーデ」といった、自分の理想を表現する抽象的なキーワードから検索を開始します。

この仕組みは、ブランドを立ち上げたばかりのスタートアップにとっても大きなチャンスです。資金力や知名度に関わらず、ユーザーの好みにマッチしたビジュアルを提供できれば、大手ブランドと並んでフラットに評価・発見されるからです。独自の感性や世界観を持つブランドこそ、購買意欲の高いユーザーの検討リストに食い込みやすいプラットフォームといえます。
*2=Pinterest内部データ(グローバル、2023年6月時点)| 検索の上位1000件のうち非指名検索が占める割合を算出

複雑化するジャーニーのファーストタッチに繋がりやすい

現代の消費者のショッピングジャーニーは、AIやSNSでの認知から検索、比較サイト、実店舗、ECサイトなどを曲線的に行き来する非常に複雑なものになっています。その中でPinterestは、ユーザーが具体的な比較検討を始める前のインスピレーションを求めている非常に早い段階で接触できるのが強みです。

実際に、ブランドや製品の発見から購買までを促進する力を持っており、まだ何を買うか決まっていないユーザーの記憶に残る最初の接点となります。この段階で商品やブランドビジュアルがユーザーのボードに保存されることは、その後の検討プロセスにおいて、自社ブランドが常に選考候補に残り続けることを意味します。

Z世代を動かす購買心理は?Pinterestの3つの探索モード

デジタルネイティブであるZ世代は、SNSのアルゴリズムによる情報の押し付けや、他人の評価に疲れを感じるというSNS疲れの傾向があります。
現在、日本のPinterest月間ユーザー数は1280万人、全検索・保存におけるZ世代の割合は40%を占めており、(*3)彼らにとってPinterestは自分の理想を形にするためのポジティブな環境となっています。彼らが独自のプロセスを経て納得感のある購買へと至る、3つの探索モードを紐解きます。
*3=国内の月間利用者数 Nielsen Mobile Netview(2025年3月)、Pinterest内部データ 2023年1-12月(Z世代=16-24歳)

理想を具体化するムード・ディグ・ストック

Pinterestユーザーは、独特な検索行動を通じて自分の理想を形にしていきます。この行動はムード・ディグ・ストックという3つのモードに分類され、これらが循環することで納得感のある購買へとつながります。

ムード(Mood):言葉にできないイメージの具体化

なんとなくこんな雰囲気がいいといった、言葉で表現しにくい曖昧なイメージを固めるモードです。Pinterestの調査では、Z世代の36%がこのムードを目的として利用しており、これは他のSNS(15%)と比較して圧倒的に高い数値です。(*4)
視覚的な情報を次々と眺めることで、自分でも気づいていなかった欲しいの正体を明確にするプロセスです。

ディグ(Dig):理想の徹底的な深掘り

ムードで固まったイメージを元に、関連する画像や似たアイテムを能動的に掘り下げるモードです。「ズームイン検索」や「似ているピン」などの機能を駆使し、素材、形、コーディネート例といった細部までを徹底的にリサーチします。
自分のこだわりを追求し、理想にぴったりのこれだ!という一点を見つけ出します。

ストック(Stock):自分だけの資産として蓄積

見つけたお気に入りのピンをボードに保存し、将来のための資産として貯めておくモードです。保存されたピンを見返すことで、自分の好きなものやスタイルを再確認し、独自の審美眼を磨いていきます。
このストックは商品を買う際の判断基準となり、検討が長期にわたる場合でもブランドを忘れさせないリマインド効果を生みます。

Z世代の特徴について、詳しくは下記の記事も併せてご覧ください。


*4=株式会社バイデンハウス|Z世代とPinterestに関する定量調査より

SNS疲れから解放されたポジティブな環境

前述したとおり、Z世代はSNSのアルゴリズムによる情報の押し付けや、常に他人の反応を気にしなければならないコミュニケーションにつながり疲れを感じる傾向があります。
対してPinterestは、他人の評価を気にせず自分の好きな世界やものに没頭できるパーソナルな空間として高く評価されています。このストレスフリーな心理状態は、情報の受容性を高める重要な要素です。

動画系サービスによくある、コンテンツの閲覧を阻害する広告は、内容に関わらずブランドへの嫌悪感を引き起こすケースがありますが、Pinterest上の広告は、自分の理想を叶えるための役立つアイデアとしてポジティブに受け入れられるため、ブランドへの好意形成や購買意欲の向上につながりやすいという特徴があります。

Pinterestの曲線的な探索がショッピングトレンドにマッチ

現代のショッピングは、単にキーワードで検索して即購入するという直線的な動きから、多様な接点を経て理想を深めていく曲線的なジャーニーへと変化しています。Pinterestのプラットフォーム設計は、この現代的な探索型の消費行動に非常にマッチしています。

フロー型からストック型へのシフト

多くのSNSが、タイムライン上の投稿が次々と流れては消えていくフロー型の消費スタイルであるのに対し、Pinterestは気に入った情報をボードに保存し、何度も見返すストック型のプラットフォームです。

一度保存されたピンは、ユーザーにとっての欲しいものリストとして機能し続け、数週間から数ヶ月にわたる長期的なリマインド効果を発揮します。
実際に、Pinterestユーザーの48%が「欲しい・気になる商品を保存して、欲しいものリストとして使う」と回答しており、投稿が一時的な流行で終わらず、中長期的に購買行動へ寄与し続ける点は、EC事業者にとって大きなメリットとなります。(*5)
*5=Ipsos株式会社|Pinterestとショッピングに関する調査

検討期間が長いライフスタイル商材との親和性

アパレルやインテリア、美容、食品といった、ビジュアルの質が重視され、かつ検討期間が長いライフスタイル商材は、Pinterestと極めて相性が良いといえます。
ユーザーは単一のカテゴリーに留まらず、料理からキッチン用品へ、ヘアスタイルからファッションへといったように、インスピレーションを辿りながらカテゴリーを横断して購買意欲を広げていく傾向があります。納得いくまで調べてから購入したいという、じっくり型消費が増えている今、比較検討の早期段階でユーザーの視覚にブランドを刷り込めるPinterestは、高単価商材やこだわり商材の強力な受け皿となります。

Pinterestのメリットを最大化するShopifyのカタログ連携

Pinterestは、公式のShopifyアプリがリリースされており、Shopifyとカタログ連携できる機能があります。自社ECサイトの商品データを直接同期することで、Pinterestからのオーガニック流入の最大化や高精度な計測をシームレスに実現できます。

商品データを連携するだけでオーガニック流入が見込める

Shopifyに登録されている商品データをPinterestに同期するだけで、価格や在庫状況が自動的に反映されるプロダクトピンが生成されます。
このプロダクトピンは、広告を出稿しなくてもユーザーの興味関心に合わせてホームフィードや検索結果に表示されるため、広告費をかけずにオーガニックなインプレッションを獲得することが可能です。

さらに、カタログデータは24時間ごとに自動更新されるため、運用の手間をかけずにプラットフォーム内でのブランド露出量(SOV)を最大化できるのがShopify連携の大きな魅力です。

Cookie規制に強いコンバージョンAPI(CAPI)

近年、サードパーティCookieの利用規制が強まる中、正確な広告計測が難しくなっています。そこで威力を発揮するのが、PinterestのコンバージョンAPI(CAPI)です。
ShopifyはCAPIとの親和性が非常に高く、サーバー間で直接データを送受信することで、ブラウザ側の制限を受けずに高精度なデータ計測を可能にします。正確な計測データが蓄積されることで、PinterestのAIによる最適化がより効果的に働き、ROAS(広告費用対効果)の15%以上の向上や、CPA(顧客獲得単価)の平均14%改善といった実務的な成果も出ています。(*6)

*6=Pinterest内部データ アルファ版の運用支出の上位を占める小売広告主11社のROAS入札と自動入札を比較(2024年7~8月)、Pinterest 内部データ、コンバージョンAPIのパフォーマンス分析(2023年1月22日~2023年1月28日)。

動画カタログアドの費用対効果は44%向上

Pinterestでは、カタログデータに動画リンクを追加することで、動画フォーマットでの広告配信が可能になります。静止画に比べて圧倒的に多くの情報を伝えられる動画は、ユーザーの購買意欲をより強力に刺激します。

実際のデータでは、動画を活用したコレクションアドは、静止画のものと比較してROAS(広告費用対効果)が44%向上するという結果が出ています。また、クリック率(oCTR)も10%向上する傾向にあり、Shopifyに登録しているリッチな商品素材をそのままPinterest広告に活用することで、運用の効率化と売上アップを同時に実現できます。(*7)

*7=Pinterest内部データ(グローバル、2023年11~12月)、米国および英国、同一のショッピングキャンペーンで、動画のみの場合と画像のみの場合を比較したアルファ版の結果に基づく。(グローバル、2023年)

Pinterestの最新ソリューションと国内ブランドの成功事例

Pinterestは常に進化を続けており、AIを活用したクリエイティブ制作や、独自のトレンド予測に基づいた広告ソリューションなど、EC事業者のパフォーマンスを最大化する機能が次々とリリースされています。これらを活用して成果を上げている国内ブランドの事例とともに、最新の活用法を紹介します。

AIがクリエイティブを自動生成・最適化する「Performance+」

「Performance+(パフォーマンスプラス)」は、AIを活用して広告運用と制作を自動化し、パフォーマンスを最大化する最新のソリューションです。
特筆すべきは、カタログ画像からAIが最適な背景を自動生成する機能です。Shopifyの商品画像を同期するだけで、AIがその商品の魅力を引き立てる背景を瞬時に作り出します。

ベータ版のテスト結果では、この機能を利用することで購入件数が平均11%増加し、広告素材の最適化を併用することでアウトバウンドクリックが平均14%増加するという高い成果が出ています。(*8)
制作工数を劇的に削減しながら、AIが最も反応の良い組み合わせを選び抜いて配信するため、リソースの限られたEC事業者にとって非常に強力な味方となります。

*8=背景を自動生成したPerformance+ クリエイティブ広告と白背景の広告を比較した、ベータ版を使用した世界70社以上の広告主に関する Pinterest内部データ(2024年6月〜8月)、複数形式のPerformance+ クリエイティブ広告とショッピング広告のみを比較した、ベータ版を使用した世界200社以上の広告主に関するPinterest内部データ(2024年6月〜8月)

トレンド予測を味方につける「トレンドバッジ」の活用術

Pinterestの最大の特徴の一つに、翌年流行するトレンドを高い精度で予測する「Pinterest Predicts」があります。過去4年間の予測的中率は80%を誇り、ユーザーが数ヶ月先に何を求めるかをデータで裏付けています。

この予測データを広告に活用できるのが「トレンドバッジ」です。特定のトレンドキーワードに関連する広告にPinterest公認のバッジを付与することで、ユーザーに対してブランドの登場感と信頼性を強力にアピールできます。
トレンドを先取りし、ユーザーがまさに探し始めているタイミングで公式なレコメンドとして自社商品を提示できるため、高い興味関心の醸成とクリック率の向上が期待できます。

トレンドバッジを利用した米国・英国のキャンペーンは、バッジを利用していない場合に比べて、コンバージョン率が2.4倍向上、CPAが37%改善したという成果も上がっています。(*9)
2026年のトレンドをまとめたPinterest Predicts
*9=Pinterest内部データ バッジ付きピンのインプレッションが100%のキャンペーンとバッジ付きピンのインプレッションが0%のキャンペーンを比較(2022年)

【OSAJI事例】広告っぽさのないアプローチで新規流入と高いROASを実現

自社にクリエイティブデザイナーを抱え、独自性の高いブランドイメージを大切にしているコスメブランドのOSAJI(オサジは、広告色を強く出さずに新しい顧客層を開拓できる媒体を探していました。
そこで、新しいアイデアやビジュアルの発見を求めるユーザーが集まるPinterestの「オーディエンス・インサイト」を活用し、美容カテゴリーに興味があるユーザーが他に調べているトラベル、エンタメ、インテリア、アート・デザインといった周辺カテゴリーのキーワードをターゲットに設定したことで、美容の枠を超えた広範なリーチを試みました。

デザインを重視したクリエイティブと、Pinterest独自のターゲット設計を掛け合わせた結果、広告であることを感じさせない自然な形でブランドを認知させることに成功し、ROAS(広告費用対効果)平均478%という高い数値を叩き出しただけでなく、新規流入率11%(GA4計測)を記録するなど、ブランド価値を守りながら確かな成果を収めた好例となりました。(*10)
OSAJIのPinterestページ
*10=Pinterestの成功事例ページより引用

【Petit Bateau事例】緻密なターゲット設計で、低コストでの見込み客獲得に成功

120年の歴史を持つフランスの子供服ブランドPetit Bateau(プチバトー)は、Pinterestでクリスマスシーズンの新作コレクションやギフトセットのパフォーマンスキャンペーンを展開しました。
Petit Bateauは、クリスマス直前にベビー服や子供服を検討している親世代に対し、動画ピンと画像ピンを組み合わせた2段階のキャンペーンを実施。検索数の多いインタレスト(興味関心)から抽出したキーワードリストを活用し、購買意欲の高い層へピンポイントでアプローチしました。

この戦略の結果、わずか3週間で300万人のユニークリーチを記録。さらに、ターゲットオーディエンスの購入意向が31%上昇、キャンペーン想起率も35%向上するという驚異的な成果を上げました。
特筆すべきは、増分見込み顧客1人あたりの獲得費用をわずか2ユーロ(約320円)に抑えられた点です。(*11)Pinterestのアイデアに満ちた環境を活かすことで、ブランド認知の拡大と購買意欲の向上を同時に実現した成功事例となりました。
Petit BateauのPinterestページ
*11=Pinterestの成功事例ページより引用

Pinterestを活用したShopifyのEC構築ならBiNDecへ

消費者のショッピングジャーニーが複雑化する中、検索する前にインスピレーションでブランドに出会うビジュアル検索の重要性はかつてないほど高まっています。特に、Z世代が多く利用するPinterestは、ブランドの知名度に左右されず、ユーザーの理想にマッチした商品がフラットに発見されるチャンスに満ちたチャネルです。

しかし、そのポテンシャルを最大限に引き出すためには、Shopifyカタログの正確な連携やコンバージョンAPI(CAPI)の実装といった技術的な基盤に加え、ムード・ディグ・ストックといった独自の購買心理を捉えたクリエイティブ戦略や運用設計が欠かせません。
Shopify構築・運用支援サービスのBiNDecでは、最新のPinterestのソリューションを活用できるECの構築が可能です。AIを活用した最新広告の最適化も一気通貫でサポートし、複雑なジャーニーの中で選ばれるブランドへの成長を加速させます。
新たな集客チャネルとしてPinterestの導入を検討されている方、現在の広告パフォーマンスに課題を感じている方は、ぜひBiNDecへご相談ください。

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POINT

  • Pinterestは「ビジュアル探索」の場として、Z世代を中心に購買意欲を促進させやすい
  • SNS疲れや、ストック型へ変化した最近のショッピングトレンドにPinterestがマッチしている
  • Shopifyとカタログ連携すれば、広告なしでもターゲット層に商品が認知されやすい

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