ECサイトの需要は、一般消費者向けのBtoC事業だけでなく、小売店などに商品を卸すBtoB事業でも進んでいます。小〜中規模の卸売業者でも、ECシステムのShopifyを利用することでBtoBの仕様で構築したECサイトでの取引が実現できます。
Shopify構築・運用支援サービスのBiNDecにて、取引先向けにECサイトを運用しているワイン卸売業のAGRIの事例をご紹介します。
AGRI(アグリ)は、エネルギー機器や食料品、住宅設備、薬品など多岐にわたって事業を展開している総合総社のカメイ株式会社を親会社とし、ワインの輸入・卸売販売を行っています。
顧客はデパートやリカーショップなどの小売店や、飲食店やホテルといったサービス業です。定番の銘柄のほか、他社では扱っていない珍しい銘柄もあり、モルドバ産ワインの国内流通は45%のシェアを握っています。
→ビジネスに合わせて最適なBtoBのECをプランニング。BiNDecがご相談を承ります。
BtoBのビジネスモデルとは
BtoB(=B2B)は、Business to Business」の略で、製造業者が一般消費者ではなくサプライヤー、小売業者などに商品を販売する、企業間で行われるビジネスのことです。
一般消費者に対して商品を販売するBtoC(=Business to Consumer)に比べて、取引される商品数が多いため、市場規模も大きくなります。
日本国内でもBtoB市場のEC化が徐々に進み、2021年の市場規模は、372兆7,073億円(前年比11.3%増)となっています。
※経済産業省 令和3年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査) 報告書
個別の販売価格に対応するBtoBのEC
BtoB向けECとBtoC向けECの大きな違いは、顧客ごとに販売価格が異なる点です。注文の頻度や条件によって、契約内容に則した個別の商品価格で販売できなければなりません。
AGRIでは、取引には個別の営業担当者を介して行われています。顧客によって変動する価格にフレキシブルに対応するため、ECサイトにはオンラインの決済機能をつけず、振込のみの対応にしてあります。
Shopify Appの「B2B Wholesale Club」を利用することで、ログインした顧客に対応して商品価格を表示させることも可能です。
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ECの活用によって受注業務を効率化
以前は営業担当者がFAXや電話などで直接対応していた注文業務を、ECシステムが担うことで業務効率化が進み、他業務の時間を多く取れるようになりました。
ECで注文する顧客は紙の商品カタログを必要としないため、カタログ制作のコストも減り、新作商品もいち早く掲載できます。
また、24時間いつでも注文できることも夜間に営業している顧客にとってメリットとなっています。顧客はマイページで過去の注文履歴を確認できるため、追加で仕入れたい商品がある時にも迷わず発注できます。
内製化できるShopifyで低コスト運用を実現
Shopifyは、ECサイトの管理画面からHTMLコードを記述する必要なく、商品の登録や更新、在庫調整などができます。通常のEC運用業務では、Web専門知識がない企業でも内製化できるようになっています。
世界的にシェアが広いECシステムでもあるので、AGRIでは、越境ECの可能性も視野に入れてShopifyが導入されています。
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BtoBのECサイトにおすすめのShopify App
Shopifyでは通常の機能に加えて、あらゆるEC業務をサポートする8,000以上のアプリでの機能を拡張することができます。BiNDecでは、機能性やセキュリティなどを考慮した上で選定したShopify Appにて、最適なECサイトを構築しています。
AGRIのECサイトで導入しているShopify App
Wishlist Plus
Wishlist Plusは、商品のお気に入りリストを作成できるアプリです。後ほど再チェックしたい商品や繰り返し購入したい商品をお気に入りリストに追加し、マイページからリストを確認できます。
作成したお気に入りリストから、商品ページを通過せずにワンクリックでカートに追加できるほか、リストの内容を第3者にメールで共有することも可能です。
Shopify Flow
Shopifyが公式アプリとして提供しているShopify Flowは、様々なEC業務を自動化してくれます。
複数回注文した顧客に対してクーポンを付与する、在庫数が少なくなった時に通知する、レビュー内容によって個別の案内を行うなど、100種類を超えるテンプレートのほか、独自のワークフローを作成することもできるので、少人数でも充実した顧客対応を実現できます。
Matrixify
Matrixifyは、ECサイトの商品情報や在庫状況、顧客情報、注文・支払い情報、またはメタフィールドなどの様々なデータをCSVファイルやExcel、Google Spread sheetsなどのテンプレートでインポート/エクスポートすることができるアプリです。
情報の一括更新や外部決済の詳細確認など多くのシーンで活用できるため、EC業務の手間と時間を大幅に削減することが可能です。
アプリの詳しい内容はこちらの記事でもご紹介しているので、参考にしてください。
卸売向けの仕様にできるB2B Wholesale Club
卸売ECの機能に特化したB2B Wholesale ClubというShopify Appもあります。
B2B Wholesale Clubでは、顧客アカウントに固有もしくはグループ化したタグを割り当てて、タグに対応した割引率を各商品ごとに設定して表示させることができます。
また、一定の注文数量に対して自動でディスカウントしたい場合、バックエンドロジックを編集できるShopify Functionsというオフィシャルの機能でも可能ですが、B2B Wholesale Clubを導入しておくと複雑なコードを扱わずに設定できます。
Shopify PlusならBtoB向けの専用機能も搭載
大規模EC向けのプランであるShopify Plusでは、卸売向けに特化した「B2B on Shopify」の機能も利用できます。
BtoB on Shopifyの特徴として、BtoBとBtoCを1つのサイトで運用できる点があります。一般消費者が閲覧・購入できるECに取引先のアカウントでログインすることで、商品ページに卸売価格を表示させることや特定の割引を反映させることが可能です。
決済条件の設定や管理画面での支払期日の確認など卸売に必要な基本機能が備わっているほか、グローバルなERPプロバイダーであるNetSuite、Acumatica、Brightpearlの基幹システムとの連携する際に、コストのかかる独自開発の必要がありません。
ShopifyはBtoB分野の新規機能開発に力を入れているので、比較的規模の大きい事業のBtoBならShopify PlusでのEC構築がおすすめです。
BtoBのEC構築、運用を支援するBiNDec
株式会社ウェブライフでは、Shopifyを利用したECサイト構築から運用までサポートする「BiNDec」を提供しています。
今回ご紹介したAGRIの他にも規模や業種を問わずBtoB向けのECサイトを構築しており、Shopify公認の構築パートナー企業でも最上位のShopify Plusパートナーとなっています。
EC構築後の運用サポートも行っておりますので、ぜひお気軽にお問合せください。
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