決済方法でECサイトの売上が激変!Shopifyで使える決済システムを解説

Shopifyへの乗り換えを検討しているものの、海外サービスゆえに日本で主流の決済システムや商習慣に対応しているかどうか不安に思うEC担当者は多いのではないでしょうか。今回は、このような疑問に答えるべく、Shopifyの決済のフローや、ターゲット層を考慮した際の決済手段の向き不向きまで詳しく解説していきたいと思います!
標準で使えるShopifyペイメントから、日本で人気のAmazon PayやPayPal、後払いや特殊な決済方法への対応までこれさえ読めばまるっと理解できます。

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Shopifyの決済システムは使いやすい?

人気のECプラットフォームShopifyですが、まず、決済画面など海外製ゆえの使いにくさやクセがないか気になるのではないでしょうか。結論から言うと、Shopifyに標準で用意された決済システムは、簡単に導入できる上、シンプルなUIでわかりやすく、スピーディーな購入完了へと繋がる使いやすいシステムです。詳しくは「スムーズに運用できる標準搭載のShopifyペイメント」で解説します。

また、ShopifyではGoogle PayやApple Payなどにもいち早く対応しており、スマホからの購入が強化できます。
では、日本の他のECサイトや自社運営のECサイトで利用できるのでしょうか? これも、日本の決済会社と別途契約することで、キャリア決済やコンビニ払い、QR決済や後払いなどにも対応できるようになっています。日本のECで利用できる決済は概ねカバーできるので、Shopifyでは既存のEC顧客の決済要望に応えられなくなるという心配はありません

では、順を追って詳しく解説していきます。

スムーズに運用できる標準搭載のShopifyペイメント

Shopifyペイメントとは、Shopify上にストアを公開するとともにすぐに利用できる標準搭載のクレジットカード決済サービスです。ECサイトの運営時は、サイト構築後にクレジットカードなどの決済サービス代行業者との審査・契約などを経てサービス導入するため、手間も時間もかかることが多いですが、Shopifyでは、手続きなしでVISA、Master、アメックスといったクレジットカード決済の導入がすぐに可能です。

Shopifyペイメントの選択肢

Shopifyペイメントのサービス内では、最大、以下の決済がまとめて利用可能です。

  • クレジットカード- VISAカード
  • クレジットカード-Masterカード
  • クレジットカード- American Expressカード
  • クレジットカード-JCBカード(審査に時間がかかります)
  • Shop Pay
  • Apple Pay
  • Google Pay

これらから、自社で必要なものだけを選ぶことも可能です。なお、海外向けにはオランダのiDEALやベルギーのBancontactにも対応しています。

Shopifyペイメントのクレジットカード

図は、Shopifyペイメントのクレジットカード選択画面。利用開始後の画面。JCBは審査に時間がかかりますが、それ以外のカードは、設定後すぐに利用可能になっています。

Shopifyに馴染みがないと聞き慣れないShopifyペイメントですが、Shopifyを使ったECでは標準機能として使われています。Shopifyペイメントの特徴は以下です。

  • 決済代行会社による審査不要ですぐに利用可能
  • JCBを含む主要クレジットカードに対応できる
  • 入金サイクルが早く、毎週1回入金の設定が可能
  • 決済手数料は、クレジットカード決済の所定の手数料のみ(別途サービス利用料などはありません)
  • カード決済手数料は選択中プランによって異なり、上のプランになるほど手数料は下がる

毎週入金を選ぶ場合、月曜日から金曜日までのいずれかの曜日を入金日として設定でき、最短5営業日後に入金されます。例えば、金曜日に入金を設定した場合は、毎週月曜日から日曜日までの売上が、翌週の金曜日入金と考えるとわかりやすいでしょう。入金サイクルが早いことで未払金を早く回収できるのも小規模なECなどではとくにメリットがあります。

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スマホ決済をスピーディーにするApple PayとGoogle Pay

通常のクレジットカード決済に加え、ShopifyペイメントはApple PayとGoogle Payがあることについても確認しておきましょう。Apple PayもGoogle Payも、基本はクレジットカード決済になります。ただし、交通系やプリペイドカードの利用も可能です。

Apple Payとは

Apple Payは、iPhoneをはじめアップル製のデバイスに登録済みのクレジットカードやプリペイドタイプの電子決済サービスを利用して支払を行えるサービス総称です。SUICAなどのIC交通カードの利用には欠かせないため、iPhone所有者の多くが登録済みと考えられます。一方で、Macでも利用可能ですがSafariブラウザが必要などシーンが限定されるため、主にモバイルでの利用が中心と言えます。

Google Payとは

Google Payは、Apple PayのAndroid版と言えるようなサービスです。Google Payをスマホで使う際は、PayWaveなどのタッチ決済に対応していないクレジットカード決済は対応していない点がApple Payとの違いのようですが、Shopify上では、Googleウォレットに登録済みの決済方法のほとんどを選べるようになっています。なお、Google PayはGoogleウォレットとして2023年3月に刷新が発表されたばかりになこと、また使用するAndroid端末によって使用できるサービスが異なってしまうなど、サポート体制にばらつきがあることには注意すべきでしょう。

Apple Pay、Google Payを利用可能に設定することで、スマホユーザーの利便性を向上させることができます。スマホ決済利用者は今後さらに増えると予想できることから、若年から中年層がターゲットであれば、お勧めできる決済です。Apple PayとGoogle Pay自体を採用することで追加の手数料が発生することはありませんし、次に紹介する「エクスプレスチェックアウト」に対応していることもポイントです。

Shop Payは、Shopify オリジナルの決済サービス&アプリ

Shop Payは、Shopifyペイメントの中に用意された、Shopifyが独自に提供するクレジットカードの決済システムとアプリの複合サービスです。Shopifyの購入画面に現れる「エクスプレスチェックアウト」に対応しており、採用すれば、一番大きなボタンとして表示されるのが特徴です。

デフォルトではShop Payのボタンは強調される

上の図は、Shop payのボタンが強調され、別の支払方法はリンクで省略された購入ボタンの画面です。

Shop Payは、1度ShopPayにメールアドレスと携帯電話番号、住所氏名、クリジットカード情報を入力すれば、以降メールアドレスを入力すると、SMSで届く確認番号を入力するだけで決済手続きが完了できるというとてもスピーディーで便利な決済サービスです。このように、毎回住所や名前などを確認せずに済むのもエクスプレスチェックアウトの特徴です。

Shop Payアカウントを持っている人は、メールアドレスの入力だけで他のShopifyを使ったショップからもすぐに購入ができるため、オンラインショッピングを頻繁に使う顧客層にとっては利便性が高いサービスです。しかし、現状の日本のEC利用全体を考えれば、Shop Pay決済を一押しにしてよいかは悩ましいかもしれません。スマホやアプリ利用が多い流行にも敏感なターゲット層であればお薦めですが、少しユーザーレベルを低く設定したい、知名度の面からまだ早いと考える場合は、Shop Payをオフにすれば、通常のクレジットカード決済だけを表示することもできます。

なお、これ以外にも、「別の決済方法」として、「Amazon Pay」と「PayPal」もすぐに利用可能になっています。これらの決済を利用するには、PayPalのビジネスアカウントや、Amazon PayアカウントとShopifyと接続する設定を行います。

Shopifyの決済設定画面
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Shopifyペイメントを使った場合の決済フローを紹介

ここでは、導入前はイメージが掴みづらいため、Shopifyペイメントを使った一般的なクレジットカードの購入フローをご紹介します。ほかにもShopifyペイメントを使ったサイトを体験してみたい場合は、グリーンパンのストアが参考になります。

1)カートの画面です。商品を確認し、[ご購入手続きへ]をクリックして進みます。

カートの画面

2)登録用の顧客のeメールアドレス、配送先住所、氏名、クーポンなどの入力画面に入力し、[配送方法選択へ進む]をクリックします。この時、情報をECサイトへ保存するかどうかはユーザーが決められます。

連絡先の入力画面

3)配送方法と料金の項目が適宜、選択された状態で[お支払いへ進む]をクリックして進みます。

配送方法画面

4)画面の下に支払方法が追加表示されます。ここでは[クレジットカード]を選択し、カード情報を入力して[今すぐ支払う]をクリックして進みます。

支払画面

5)決済が完了すると、購入終了画面になり、確認番号が表示されるとともに登録したeメールアドレスにも購入控えの情報が送られます。シンプルで購入しやすい流れになっています。

購入完了画面

以上で購入のフローは完了です。

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ターゲット別に知っておきたい!売上に繋がる決済の選択肢

決済方法はずらりと並んでいれば商品が売れるというわけでもありません。シンプルな画面で必要な決済があればよいだけなのですが、ECで中心となるターゲット層によって異なります。決済方法について改めて見直してみましょう。

QR決済やPaidyなど日本で人気の決済を追加できる?

PayPay、あと払いPaidyやatone、キャリア決済やコンビニ決済などの決済はShopifyには標準では用意されていません。これらの標準以外の決済サービスを導入するには、「決済」の設定で「決済を追加」ボタンから検索して機能を有効にすることができます(別途契約などが必要な場合があります)。ただし、設定については技術者による確認が必要なので、必要な情報を確認・準備したのちに行ってください。

設定画面の[決済]から決済方法を追加する画面を表示している

現在、これらの追加サービスでは、日本の決済代行会社であるSBペイメント、GMO Payment、GMOイプシロンが提供しています。

海外からの利用者、ヘビーユーザーで利用者の多いPayPal

PayPalは、海外ではオンライン決済で非常によく選ばれる決済方法です。オンラインでの個人間送金に20年以上前から使われていることもあり、すっかり定番化しています。初めて購入するショップなど、クレジットカード番号や住所をショップ側へ登録・保存したくない(あるいは登録が面倒)と思う際など、PayPalを経由することが好まれます。PayPalは、ビジネスアカウントを作成すればすぐに世界中から金銭の受け取りが可能になること、Shopifyでは組み込みもスムーズなので、海外ユーザーやオンラインショッピングのヘビーユーザーなども対象にするならお薦めです

日本で人気なAmazon Pay、PayPayの共通点は?

Amazon Payは女性向けのECで導入すると購入者が増えたということが聞かれましたが、女性に限らず、新規に購入するECサイトでは個人情報入力が面倒です。入力を省きながら安全に決済できる手段として「Amazon Payがあるならそれで」と選ばれる率は非常に高い決済です。ゲストとして購入してもらい、そのあとに自社ECの会員として獲得できるというメリットもあります。

Amazon Payは、Shopifyのエクスプレスチェックアウトとして利用できる

Amazon Payは、Shopifyのエクスプレスチェックアウトとして利用できる

ソフトバンクが主導するPayPay決済も、人気のポイントは、やはり「すでに使っているから」です。2022年度はPayPayカードと連結の取扱高が10.2兆円、PayPay単体でも7.9兆円に達するほど成長しました。利用者増加にともない、オンラインでもPayPay払いが増えているようです。また、PayPay残高払いはクレジットカードが不要なため、クレジットカード所持率の低い若年層や、オンラインショッピングの経験が少ない人によく使われます。PayPayのオンライン決済は、10代男性を中心に伸びているというデータもあり、コンビニ決済、キャリア決済の代替となっているようです。ターゲット顧客層が若いECサイトほど検討する価値があるでしょう。

“バイト代が出たら払い”の後払い決済Paidy、atone

Paidyやatoneといった「後払い」サービスも増えています。現状ではPaidyの利用者数が多いです。後払いとはいえ、通常は一括払いなのでバイト代や給料が入ったら払う「つけ」感覚のサービスですが、最近では数回の分割払いも使える場合があります。ローンを組むのと異なり、電話番号とスマホアプリだけですぐに契約完了するため、手持ちのお金を心配することなく欲しい商品を購入できることが人気の理由です。若年層を中心に少し高額の商品の決済時に用意されていると購買の背中を押す効果があると言えるでしょう。リボ払いやキャッシングと異なり、分割支払いの手数料は販売元が負担し、利子がつかないこともポイントです。

予約購入できれば、欲しい時のモチベーションもアップする

人気のブランド商品などや在庫が切れやすい商品など、発売日前に予約購入が必要となる商品もあります。予約購入時に決済されればそのまま支払った金額が利用代金として精算されますが、日本の企業では発送日に決済をするため、クレジットカードの与信枠がいっぱいになってユーザーがカードを利用できなくなってしまうというケースもあります。買いたいときに買えて、顧客の負担にならない決済方法が望まれます。

Shopifyでの対応方法としては、予約注文オプションを使用して、ShopifyペイメントかPayPalを使用している場合に予約注文を受注することができます。この場合の商品発送までの期間は30日間以内に行う必要があります。

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特殊な決済があればKOMOJUで探す

KOMOJUは決済代行会社の名前です。Shopifyにも以前から対応している老舗のサービスで、日本国内の様々な決済方式に留まらず、中国のAliPayや銀聯(ユニオンペイ)、韓国・ヨーロッパ向けのサービスにまで対応しています。越境ECやKOMOJUでしか対応していないサービスを採用したい場合など、注目してみましょう。

Shopifyで使える決済サービスの種類と手数料については、以下の記事にもまとめてありますので、ぜひご覧下さい。

まとめ:数が多ければいい訳じゃない! 購入の背中を押す決済方法の選び方

ECサイトの販売製品、顧客層によって求められる決済サービスは異なります

例えば、商品の価格は数千円で、ちょっと欲しいけれど、そのために住所から何から登録するのが面倒くさい…といったことになりがちな少額のファッション商品や雑貨などは、Amazon PayやPayPalなどクリックですぐに買える決済方法があると背中が押されやすいと言えるでしょう。一方で、ブランド商品や数万円などの高額製品では、後払いや予約購入など、手持ちがなくても買える選択肢があることは、購入したい人の背中を押してくれるでしょう。

クレジットカード利用ができなかったり、自分のカードがない層にとっては、コンビニ払いやキャリア決済、代引きは便利な決済方法です。ですが、実はコンビニ払いやキャリア決済などは下火になりつつあり、PayPayや後払いなどに利用が移行してきていることも推測できます。

その一方で、テクノロジーの進化に追いつけない高年齢層の顧客が多い場合、手数料がかかっても代引き決済などを用意することは欠かせない場合もあります。

このようにあるべき決済方法はしっかり揃えながらも、利用者数をみて使われないものは、削ったほうが運営も購入画面もシンプルになります。決済時のフローはシンプルでステップが短いほうが、脱落が防ぎやすいことにもありますし、オペレーションコストも下がります。

Shopifyへの乗り換えを行う場合は、以前のサービスを漠然とそのまま使うより、自社の顧客層や実際の要望などを踏まえ、採用する決済をあらためて見直してみましょう。

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200社を超えるShopifyサイトを立ち上げてきたBiNDecでは、Shopifyへの移行に関するご相談や、決済のサービスの選定、テストから導入までしっかりサポートします。Shopifyへの移行や決済の導入に不安があれば、お気軽にお問い合わせ下さい。

POINT

  • Shopifyは基本機能としてクレジットカード決済がすぐに使えるShopifyペイメントが用意されている
  • Shopifyは日本の決済代行システムなど多数の決済サービスが利用できるようになっている
  • 決済手段はECサイトのターゲット層を考慮して必要十分な種類を揃えるべき

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