年商別でわかるECサイトの作り方|費用相場や乗り換え時の注意点

ECサイトは、やり方次第で規模の大きいものでもスピーディーに構築でき、コストを抑えた開設方法もあることから、実店舗に比べて始めやすいプラットフォームといえます。また現在、実店舗を運営していてさらに販路を拡大したいという場合にも、ECサイトは最適です。しかし、ECサイトを始めるには、何から手をつけたらいいのかわからない事業者もいるかもしれません。

そこで本記事では、主に法人事業者がECサイトを開設する際に知っておきたい5つの構築方法や、サービス選定のポイント、実際に構築する際の構築手順について解説します。併せて、システムを乗り換える際の注意点や、おすすめのサービスも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

ECサイトを開設する際に知っておきたい5つの構築方法

ECサイトを構築する方法

ECサイトを構築するには、「ASPカート」「オープンソース」「パッケージ」「クラウドEC」「フルスクラッチ」という5つの方法があります。

どの方法でECサイトを構築するかは、それぞれのサービスの特徴を押さえた上で、構築のための予算、ECサイトでの想定売上規模、自社のリソースなどに合わせて決定する必要があります。特に、ECサイト構築に必要となる費用は「初期導入費用」だけでなく「運用費用」もかかるため、運用開始後の資金繰りも含めて検討することが重要です。
下記は、各サービスの主な特徴をまとめた一覧表です。

ECサイト構築方法の主な特徴

構築方法
年商規模 初期費用 月額費用 拡張性   サービス例
ASPカート
~1億円(*1)  ~数万円 ~10万円 Shopify
BASE
オープンソース
1億~5億円  ~50万円 10万円~ ⚪︎ EC-CUBE
Magento Open Source
パッケージ
1億~  100万~600万円 10万円~ ⚪︎ ecbeing
コマース21
クラウドEC
1億~20億  100万~500万円 5万~30万円 ⚪︎ ebisumart
メルカート
フルスクラッチ
50億円~  数千万円~ 数十万円~ ⚪︎

*1=Shopifyでは数百億円規模も対応可能
それぞれの方法には、下記のような特徴やメリット・デメリットがあります。

ASPカート

ASPカートとは、インターネット上でECサイトを作成し、利用できるサービスのことです。用意されたテンプレートからデザインを選び、必要情報を登録するだけでECサイトが構築できるため、初心者でも安心して利用可能です。ASPカートは、年商1億円以下の事業者に適しているといわれています。

ASPカートの代表的なサービスには、BASEやSTORESなどです。Shopifyも代表的なサービスのひとつですが、年商1億円以上のストアでも展開していける拡張性を持っており、規模が拡大してもほかのサービスにリプレースすることなく、年商数百億円規模のECまで成長させていけるのが特徴です。


ASPカートには、下記のようなメリットとデメリットがあります。

ASPカートのメリット

ASPカートの最大のメリットは、プログラミングの知識がなくても、短期間で簡単にECサイトが作れること。また、無料のASPカートであれば、初期費用も固定の月額費用もかからず、販売できた分だけ手数料がかかる仕組みになっているため、費用を抑えながらECサイトを構築・運用できます。有料の場合でも、月額料金は数万円程と比較的コストがかかりません。

無料ASPカートでもデザインテンプレートは用意されていますが、有料ASPカートはデザインが豊富な上、機能の拡張性も高いことがほとんどでしょう。フルスクラッチやオープンソースなどに比べるとカスタマイズ性は低くなりますが、ある程度であれば自社に合わせたECサイトを構築できる点がメリットです。特にShopifyは、機能拡張のためのアプリが充実しており、ほかのASPカートに比べて高い拡張性があります。

ASPカートのデメリット

ASPカートの場合、ECサイトに追加したい機能があっても、その機能が提供されていなければ追加できません。提供されたサービスの範囲内で、いかに独自性のあるECサイトを構築するかといった工夫が必要です。また、フルスクラッチなどと比べて自由にシステム同士の連携ができるわけではないので、自社の基幹システムや販売システムなどとの連携ができない場合は、限定的な活用になってしまう可能性もあります。

この点、Shopifyはサードパーティーが開発する機能拡張のためのアプリが8,000以上もあり、欲しいと思った機能を追加できることも多いため、比較的自由な機能設計が可能です。Shopifyであれば、この点をデメリットに感じることは少ないかもしれません。

ASPカートのほかのデメリットとしては、初期費用や月額費用は抑えられるものの、販売手数料がかかるサービスもあるため、想定以上に利益率が低くなってしまうことも考えられます。ASPカートを利用する場合には、初期費用や月額費用だけでなく、どのような手数料が発生するのかをあらかじめリサーチしておくことが重要です。

オープンソース

オープンソースとは、企業や個人が開発したプログラムがウェブ上で無償公開されたものです。ECサイト開設用のオープンソースも公開されており、オープンソースを利用して自社でECサイトを構築すると、初期費用を大幅に削減できます。一般的には、年商1億~5億円の事業者に向いているECサイト構築方法といわれています。
オープンソースとして代表的なものは、EC-CUBEやMagento Open Sourceなどです。

オープンソースのメリット

無償で公開されたプログラムを利用することから、自社内で構築作業を完結できれば、初期導入費用を抑えられるという点がオープンソースの大きなメリットです。ただし、サーバーも自社で用意する必要があるので、運用費用などが別途必要です。オープンソースを利用したECサイト構築を外部業者に依頼する場合は、一般的には50万円程度の費用がかかり、保守・運用も委託するのであればさらに月額数万~数十万円の費用がかかります。

オープンソースはカスタマイズ性も高く、プログラムの知識があれば自社の基幹システム・販売システムとの連携や機能拡張も自由にできるため、自社に最適なオリジナルのECサイトを構築できます。構築時にわからないことがあっても、本やウェブサイト、個人ブログなどでノウハウが公開されているため、専門家のサポートなしで解決できる場合もあるでしょう。

オープンソースのデメリット

オープンソースは、サイト構築に必要なプログラミングなどの専門知識がなければ利用できません。自社でそのような人材を用意できなければ、外部のECサイト制作業者の力を借りることも可能ですが、その場合は一定の費用がかかります。また、自社で構築した場合は、ASPカート・クラウドEC・パッケージなどのような充実したサポート体制がないため、トラブルが発生したときに迅速に対応できない可能性もあります。

最も注意すべきは、プログラムのソースコードが世界中に公開されていることから、セキュリティ面で危険にさらされやすいこと。ECサイトの運用を開始してから外部攻撃を受けると、大きな損失を受けるリスクがあります。そのためオープンソースを利用してECサイトを構築する場合には、自己責任でセキュリティ対策を万全にすることが重要です。

パッケージ

ECサイトの構築に必要な「決済機能」や「商品・在庫管理機能」といった機能がそろったシステムを、開発会社から購入してECサイトを開設する方法は、パッケージ型と呼ばれます。パッケージ化されたシステムを自社のサーバーにインストール・カスタマイズすることで、自社オリジナルのECサイトを構築することが可能です。一般的には、年商1億円以上の事業者に向いているといわれています。
ECサイト開設用のパッケージとしては、ecbeingやコマース21が代表的です。

パッケージのメリット

パッケージにはECサイトの運用に必要な機能があらかじめ網羅されているため、構築に大きな手間がかからない点がメリットです。また、自社に合わせたカスタマイズや自社基幹システムなどとの連携もできることから、柔軟にECサイトを構築できるでしょう。
また、ソースコードが公開されていないため、オープンソースに比べてセキュリティ面でも安心です。そのため、大規模なECサイトであっても、安心して構築できます。

パッケージのデメリット

パッケージは、初期費用が100万~600万円、月額費用も10万円以上かかるため、ASPカートやオープンソースに比べてコストが高い点がデメリットです。
また、最初に購入したパッケージに含まれていない機能の追加には、コストがかかります。長期間ECサイトを運用していくと、顧客ニーズの変化に対応するためのアップデートが必要になるので、一定の追加負担も覚悟しなければなりません。セキュリティ面のアップデートなども、自社の責任で対応する必要があります。

クラウドEC

クラウドECとは、ASPカートと同様、インターネット経由でECサイトの構築・運用ができるシステムのことです。ASPカートと異なるのは、パッケージと同様に機能追加やシステム連携などのカスタマイズ性が高いこと。そして、パッケージとは異なり、常に最新のシステムを利用できることから、セキュリティ面でも安心できるでしょう。クラウドECは、年商1億~20億円の事業者に向いています。
クラウドECの代表的なサービスは、ebisumartやメルカートなどです。

クラウドECのメリット

クラウドECのメリットは、クラウド上でカスタマイズ性が高いECサイトを構築できることです。クラウド上という特性から、自社でサーバーなどのインフラを用意する必要がなく、保守やセキュリティの運用などに自社リソースを割かずにすみます。
追加機能のリリースや各種アップデートも自動で行われ、常に最新機能を活用しながら安心してECサイトを運用できます。

クラウドECのデメリット

メリットの多いクラウドECですが、初期費用に100万~500万円、月額5万~30万円と、少なくないコストがかかることがデメリットです。場合によってはパッケージよりも高額な月額費用がかかるため、利益率の低下には注意しなければなりません。

フルスクラッチ

フルスクラッチとは、サーバー構築からデザイン、機能までをゼロから設計・開発し、自社オリジナルのECサイトを構築する方法です。最もコストがかかる方法であるため、一般的には年商50億円以上の大規模な事業者に向いています。

フルスクラッチのメリット

自社オリジナルのECサイトを開発することから、デザインや機能を自由に設計できる点が大きなメリットです。トップページや商品ページのデザイン、ユーザーレビューの仕様といったECサイトに必要な機能から、自社で導入中のシステムとの連携まで、すべてを思いどおりに作ることができます。
オンライン販売に関するデータの一元管理・分析機能を持たせることも可能でしょう。

フルスクラッチのデメリット

フルスクラッチでは、ゼロからECサイトを構築するため、莫大な費用がかかることがデメリットです。初期費用に数千万円以上かかるだけでなく、運用費用として月額数十万円程度かかります。
また、テンプレートなどがないため、一般的には半年以上の長い開発期間が必要です。できるだけ早くECサイトを立ち上げたい場合には、フルスクラッチは不向きです。

ECサイト構築の際のサービス選定のポイント

ECサイト構築の際のサービス選定のポイント

ECサイトを作るにはまず「ASPカート」「オープンソース」といった構築方法を決めた後に、どのサービスを使うかを選定する必要があります。このとき、下記4つのポイントをサービスごとに比較・検討することが重要です。

費用

ECサイトを構築するときには、初期費用だけではなく運用コストも含めて比較・検討することが重要です。というのも、月額の固定費用が無料のASPカートであっても、販売手数料や決済手数料などがかかることで、想定以上のコストが発生することもあるからです。売上が少ないときには手数料の負担は少ないですが、事業が軌道に乗れば手数料の負担は大きくなります。

「いつ」「どのような」費用がかかるのかを事前に調査し、初期構築から運用までにかかるコストを確認するといいでしょう。あらかじめコストのシミュレーションをすることで、利益率をしっかり確保しながらECサイトを運用できるはずです。
ECサイトの構築時と運用にかかる費用の相場を下記にまとめたので、参考にしてください。

ECサイトの構築方法ごとの主な費用相場

構築方法
初期費用 月額費用 販売手数料
ASPカート
~数万円 ~10万円 サービス・プランによる
オープンソース
~50万円 10万円〜 なし
パッケージ
100~600万円 10万円〜 なし
クラウドEC
100~600万円 5~30万円 サービス・プランによる
フルスクラッチ
数千万円~ 数十万円~ なし

機能

ECサイトを効率的に運用するためには、サービスを選定する段階で各サービスにどのような機能が備わっているのかを比較・検討することが重要です。

ECサイトには、カート・決済機能はもちろん、クーポン・キャンペーン機能、在庫管理機能などさまざまな機能が必要です。しかし、機能が多ければ多いほどいいというわけではありません。なぜなら、多くの機能が搭載されたサービスでECサイトを構築しても、実際に使いこなせない機能があれば、無駄なコストを負担することになりかねないからです。そのため、自社にとって必要かつ十分な機能が備わっているサービスを選ぶのがおすすめです。

また、ECサイトの運用が長期間にわたることを想定して、将来、顧客ニーズやトレンドに合わせて機能追加やデザイン変更が必要になった際にどの程度の手間とコストがかかるのかも確認しなければなりません。必要に応じて柔軟に機能・デザインの変更ができないと、サービスを移管しなければならなくなる可能性もあります。継続的にECサイトを運用するために、臨機応変な対応が可能かを事前にチェックしておくと安心です。

セキュリティ対策

近年、サイバー攻撃によって個人情報やクレジットカード情報が漏洩する事件が多発しています。個人情報が漏洩すると、顧客に被害があるだけでなく、信用を失いECサイトの運営ができなくなるおそれがあります。そのためECサイトの運用では、いかにセキュリティ対策を徹底できるかが重要です。

情報処理技術者試験などを主催する独立行政法人情報処理推進機構は、企業がECサイトを立ち上げる際にセキュリティ対策として取り組むべき事項やセキュリティ要件を記載した「ECサイト構築・運用セキュリティガイドライン」を発表しています。
ガイドラインを参考にしつつ、検討中のサービスのセキュリティ要件が十分かをチェックすることをおすすめします。もし、利用するサービスのセキュリティが不十分な場合には、自社でどのような対策ができるのか、またその費用はいくらなのかを確認しましょう。

サポート体制

ECサイトは作って終わりというわけではありません。むしろ、開設してから顧客との関係が始まるので、いかにトラブルを最小限に抑えてスムーズに運用できるかが重要です。そのため、導入後もサポート体制が継続して提供されるかどうかは重要なサービス選定のポイントのひとつです。

ECサイトの構築から時間が経つと、社会環境が変化し、新しい環境にシステムを順応させなければならなくなることがあります。例えば、現在のウェブサイトは、スマートフォンでも見やすいようなサイトの表示方法にすることは必須です。ブラウザのバージョンアップによって、ECサイトが正しく表示できなくなることもあり、最悪の場合、ECサイト自体へのアクセスができなくなるという事態も起こりえるのです。
ASPカートやクラウドECを利用する場合は、サービス提供会社が常に最新の環境に合わせてECサイトのバージョンアップをするので大きな問題はありません。しかし、オープンソースやパッケージ、フルスクラッチでECサイトを構築する場合には、環境の変化に対応できる体制を万全に整えておく必要があります。

システムを自社で開発し、保守・運用も自社で行う場合には、すぐにトラブルに対応できる体制が確保できるのか、ノウハウを適切に引き継いでいけるかが重要です。ECサイトの開発や保守を他社に依頼する場合には、トラブルがあったときにどのくらい迅速に対応してもらえるのか、費用はどのくらいかかるのかを確認して、サービスの比較・検討をしてください。

ECサイトの構築手順

ECサイトの構築手順

実際にECサイトを構築する際の手順は、どの方法を選ぶかによって異なります。「ASPカートで自社が構築する場合」「オープンソースで自社が構築する場合」「パッケージなどで開発業者に依頼して構築する場合」の3パターンの構築手順を見ていきましょう。

自社で構築する場合:ASPカート

ASPカートでECサイトを構築する場合、一般的には下記の6つの手順で進めます。ASPカートは手軽にサイト構築できる点も魅力なので、場合によっては作り始めたその日にサイトを公開することも可能ですが、事業規模の大きいサイトを構築する場合は時間がかかる可能性があります。

1. ASPカートサービスへの登録

最初のステップは、ASPカートサービスへの「メールアドレス」「パスワード」「ストア名」といったアカウント情報の登録です。どのような情報を登録するかがあらかじめ決まっていれば、数分で完了します。

2. サイトデザインの決定

アカウント情報の登録が済んだら、管理画面からサイトのデザインを選択します。ASPカートサービスでは、デザインテンプレートが用意されていることが多いため、ブランドイメージ・顧客層・トレンドなどに合わせたデザインを選択してください。Shopifyなど、デザインテンプレートによって機能が異なるケースもあるため、場合によっては最適なデザイン・機能を選択するために専門的な知識や技術が必要かもしれません。
有料のASPカートでは、デザインテンプレートを編集できる場合もあります。ただしこの場合、HTMLやCSSといったコーディングの知識が必要です。

3. 決済方法の設定

デザインが決まったら、決済方法を設定します。消費者がECサイトの利便性を判断する基準のひとつに、「決済方法の豊富さ」も含まれているため、クレジットカードはもちろん、自社の顧客層が利用しそうな決済方法を取り入れるのがおすすめです。
通常は、決済方法によって一定の決済手数料を負担しなければなりません。そのため、決済手数料が利益率にどのくらい影響を与えるかシミュレーションをした上で、決済方法を設定してください。

4. 物流・配送に関する設定

ECサイトでは、商品が売れたら指定された住所に配送する必要があるため、商品を保管する倉庫に関する情報や、配送会社・配送料などの情報も設定しなければなりません。ある程度の出荷量ならば、物流や配送についてはシステムと連携したほうが良いケースが多く、あらかじめ想定しておくといいでしょう。

5. 商品登録

ECサイトで欠かせない設定項目が、商品の登録です。商品の画像や価格、アピールポイントといった情報のほか、在庫情報なども登録します。ここで登録された商品の情報を見て、消費者は購入するかどうかを決定するため、読みやすくわかりやすい商品名にして、商品の魅力が伝わる画像を選ぶことが重要です。
扱う商品の種類や量が膨大になると、商品情報や在庫情報の登録にも時間がかかるかもしれません。また、運用開始後の商品情報・在庫情報の管理についても、煩雑になる場合は、管理を容易にするためのツール導入やASPカートでの機能拡張を検討する必要が出てくるでしょう。

6. テスト

すべての設定が完了したら「テスト注文」をして、システムに不具合がないか確認します。本番の運用で、「うまく画面が遷移しない」「決済ができない」といったトラブルがあると、クレームにつながるおそれがあります。特に、決済関連はトラブルになりやすいため、入念に確認しなければなりません。

7. 機能拡張の検討

Shopifyのように、アプリなどによる機能拡張が可能なASPカートでは、テスト後や運用開始後に不足していると感じた機能を追加することができます。必要な機能を過不足なく備えたECサイトを実現するためには、アプリなどでどのように機能拡張できるかに関する一定の知識が必要になります。場合によっては、外部業者のECサイトの構築・運用支援サービスを活用するのもひとつの方法です。

自社で構築する場合:オープンソース

オープンソースを利用して自社でECサイトを構築する場合は、下記の4つの手順で進めるのが一般的です。コストをかけずにカスタマイズ性の高いサイト構築ができる反面、プログラミングの知識がある人材がいなければ対応できないので、十分な知識を持った人材を確保してサイト構築を進めてください。

1. サーバーの手配

オープンソースでECサイトを構築する場合には、自社でサーバーを用意しなければなりません。すでに利用できるサーバーがあればそれを利用しても問題ありませんが、多くの場合、新たに手配する必要があるでしょう。初期投資を抑えるためにレンタルサーバーを活用するのは有効な方法ですが、安定的なサイト運用が重要になるため、専用サーバーなどの高品質なサーバーをレンタルする場合は月額数万円の利用料が必要になることもあります。

2. オープンソースをダウンロード

サーバーが手配できたら、オープンソースの公式サイトからソフトウェアをダウンロードします。ソフトウェアによって追加できるプラグインの種類や、情報収集先となるコミュニティの数・規模が異なるため、自社の状況に合ったソフトウェアを選んでください。

3. サーバーにインストール・基本設定

ソフトウェアをダウンロードしたら、サーバーにインストールします。その後、URLやデータベースなどの基本設定を行います。

4. デザイン・各種機能の設定、商品登録

基本的な設定の後は、ECサイトの内容を作り込んでいきましょう。デザインテンプレートは用意されていますが、自社のブランドや商品に合わせた調整は必須です。テンプレートの編集のためには、HTMLやCSSといったコーディングの知識が欠かせません。
また、決済関連の設定も自社で行うことになるため、作業が完了したらテストを入念に行う必要があります。

業者が構築する場合:ASP・オープンソース・パッケージ・クラウドEC・フルスクラッチ

フルスクラッチでは外部業者にECサイト構築を依頼することになりますが、自社でECサイトを開設できるASPカートなどでも、大規模で複雑な機能設計が必要になるECサイトを構築する場合は、外部業者の力を借りたほうが効率的なケースが多いといえます。
業者にECサイト構築を依頼する場合には、自社の意向を的確に伝えることが重要です。そのため、要件定義では必要な機能だけではなく、ECサイトのコンセプトや売上目標、商品の特徴、ターゲット層などを業者と共有する必要があります。
また、ASPカートを使って自社でスピーディーに構築する場合とは違い、1〜2年の長い時間をかけてECサイトを構築することがほとんどです。業者が構築する場合は、一般的に下記5つの手順で進めます。

1. 要件定義

最初の段階では、社内のプロジェクトメンバーで、要件定義をまとめなければなりません。要件定義とは、「どのようなECサイトにしたいか」を具体的にまとめることで、要件定義書に、予算やECサイトのコンセプト・目的、ターゲット層、掲載する商品、必要な機能、売上目標などを記載します。
なお、後から必要な機能があれば追加できますが、要件定義の段階で含まれていなかった機能の追加は別途費用が必要になることもあります。ですから、業者を選定する前に要件定義書を準備し、必要な情報を漏れなくまとめることが重要です。

2. 業者選定

要件定義書を作成した後か、少なくとも要件の大枠(必要な機能など)を決めたら、業者を選定します。複数社に要件定義書や要件の大枠を提示し、ECサイト制作案の提案を依頼しましょう。各社の案がそろったら、提案内容や費用を比較・検討してください。
また、業者によって得意・不得意の分野があるため、選定の際には実績をもとに判断すると安心です。

3. サイト設計

依頼する業者が決まったら、要件定義書をもとに詳細な要望を業者に伝え、業者がサイトの設計案を作成します。
主に画面や機能の設計をしますが、さまざまな細かい部分の確認を求められます。サイト設計で決定したことがそのままECサイトとして実装されるため、安易に確認を済ませてはなりません。

4. 開発作業

サイト設計をもとに、業者が開発・サイト構築作業を行います。スケジュールに遅れがないか、問題はないかなど適宜確認すると安心です。

5. テスト・運用開始

最終段階として、本番運用前にテストを実施します。テストでは、実際に利用者が買い物かごに商品を入れて決済するまでの工程で不具合がないかを確認します。1人では見落としてしまうこともあるため、複数の社員でテストを実施するといいでしょう。

ECサイトのシステムを乗り換える際の注意点

ECサイトのシステムを乗り換える際の注意点

すでに運用しているECサイトを新しいシステムに乗り換える場合には、下記の3つポイントに注意しなければなりません。場合によっては収益減につながるおそれがあるため、しっかり確認して対策してください。

顧客がブラウザに保存しているID・パスワードの設定が消える

ECサイトの顧客は、パソコンやスマートフォンにID・パスワードを覚えさせ、ログイン情報を自動入力していることがほとんどです。しかし、ECサイトのシステムが変わると、今まで端末に記憶させていたID・パスワードが無効になります。というのも、パスワードの文字列は暗号化されているため、閲覧も移行もできないことが多いからです。

そのため、新システムに移行したら、顧客に一斉メールを配信し、再度ID・パスワードを設定してもらう必要があります。顧客によっては、手間がかかることからID・パスワードを再設定せず、そのままECサイトから離脱する可能性があるため、ECサイトを運営する事業者は大きな注意を払わなければなりません。
離脱を防ぐためには、「新ECサイトでのID・パスワードの再設定と再ログインをすると◯%オフ」といったキャンペーンなどを検討するのがおすすめです。

検索エンジンからの評価が下がる可能性がある

ECサイトの集客には、Googleなどの検索エンジンでの検索結果から自社サイトに流入させる方法があります。この流入を自然流入といい、広告コストがかからないことがメリットです。自然流入を増やすためには、SEO(検索エンジン最適化)を行い、検索エンジンからの高い評価を得て検索結果の上位に表示させる必要があります。

ECサイトを新システムに移行してURLが変わると、今までの自社サイトへの評価がリセットされ、検索結果で上位表示されなくなってしまいます。つまり、今まで自然流入していた利用者が大幅に減ってしまうおそれがあるのです。

そのため、ECサイトを乗り換えるときには、移行後も同じURLを利用するのがおすすめです。しかし、システムによっては、今まで利用していたURLを利用できない場合もあります。この場合は、元のECサイトの全ページから新ECサイトにリダイレクト(新URLに自動遷移させる)をすると、評価を引き継ぐことが可能です。また、サイト内のページ数が多い場合には、アクセス数の多いページから優先的にリダイレクト設定するといいでしょう。

トラブルに備えて元に戻せるようにしておく

新システムに移行後に、「ページが表示されない」「エラーが表示される」といったトラブルが起きてしまうこともあります。特に、外部システムと複雑に連携しているサイトや大規模なサイトでは、予期せぬトラブルが起きる可能性も高くなります。もし、原因の究明に時間がかかり、長期間システムが停止してしまうと、莫大な損失につながりかねません。

そのため、ECサイトのリニューアル後には、トラブル発生時にすぐに元のシステムに復旧できる体制を整えておくことが重要です。また、事前にトラブルが発生したときの手順を決めておき、シミュレーションしておくのも効果的です。

ECサイトのプラットフォームはShopifyがおすすめ

ECサイトを構築する方法には、上記で紹介したようなさまざまな方法があります。その中でも特に、ASPカートのサービスのひとつであるShopifyは、下記の3つのような特徴があるため、多くの事業者におすすめです。
Shopify|世界で注目されているECシステム構築プラットフォーム

コストを抑えながら幅広い機能拡張が可能

初期費用はかからず、ひと月あたりの費用も年払いを選択すれば25ドルからと、比較的低コストでECサイトの運営を始められます。
プログラムの知識がないサイト運営初心者でもわかりやすいインターフェースでありながら、アプリによる幅広い機能の拡張も可能で、将来的にECサイトで機能強化したいときに簡単に対応できるのが特徴です。プログラミングの知識があれば、コード編集によってカスタマイズできる部分もあるため、コストを抑えながらも自社の希望を実現しやすいサービスといえるでしょう。

小規模事業者から大企業まで対応可能

Shopifyは個人ビジネスから大企業まで、幅広く利用できるASPカートサービスです。ECサイト開設用のプランは、月額25ドル(年払いの場合)の負担で始められる「ベーシック」から、2,000ドル以上の月額費用がかかるものの大規模なECサイト向けの充実した機能とサポートが利用できる「Shopify Plus」まで、企業規模に応じたさまざまな選択肢が用意されています。
小規模で事業をスタートして、売上規模が大きくなってからも同じプラットフォームを利用し続けられるのは、大きなメリットでしょう。

豊富なデザインからブランドの世界観を表現可能

Shopifyでは、2023年6月現在で140種類以上のおしゃれなテンプレートが用意されており、ECサイト上でのブランドイメージを統一できます。
より高度な機能やデザイン性を備えたECサイトを開設したい場合は、Shopifyが公認したパートナーである、Shopifyパートナーにサポートを依頼することも可能です。

ShopifyでのECサイト構築に悩む場合は、専門業者に相談しよう

ECサイトは、構築しやすく使いやすいサービスを利用するのがおすすめです。しかし、拡張性が高いことや万全なサポート体制が整っていることも、ECサイトを運用する上では欠かせません。
Shopifyであれば、開設後にアプリを追加することで簡単に機能を付与でき、デザインテンプレートも豊富で、運用サポートも充実しているため、さまざまな事業者の希望に沿ったECサイトを構築しやすいでしょう。

プログラミングの知識がなくても活用しやすいShopifyですが、Shopifyパートナーを活用すれば、より高度な機能を備えたECサイトを構築することも可能です。
ShopifyのECサイト構築・運用支援サービスであるBiNDecを提供しているWEBLIFEは、Shopify公認パートナーの中でも最上位のShopify Plus Partnersで、豊富な実績とノウハウをもとに理想のECサイト構築をサポートします。ShopifyでのECサイト構築に興味がある場合は、ぜひご相談ください。
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POINT

  • ECサイト構築には、ASPカート、オープンソース、パッケージ、クラウドEC、フルスクラッチの5つがある
  • 選ぶ際は初期費用だけでなく運用コストやセキュリティ面なども総合的に判断する
  • ShopifyはECの成長に合わせてプランが選べ、乗り換えせずにスケールアップできるのが魅力

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