ECサイトは、時代の変化や顧客のニーズの変化、業績の拡大などさまざまな理由によってリニューアルを行います。古いECサイトをいつまでも使い続けていると、顧客が離れたり、ブランディングがうまくいかなかったりする要因になってしまいます。それだけでなく、自社の行いたいサービスを実装できないといった問題が起こることもあるため、ECサイトのリニューアルを検討している事業者も少なくないのではないでしょうか。
本記事では、ECサイトのリニューアルを検討すべきタイミングや手順、成功させるコツのほか、注意点についても詳しく解説します。ECサイトのリニューアルを成功させるために、ぜひ参考にしてください。
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ECサイトのリニューアルに適したタイミングは問題が顕在化する前
ECサイトのリニューアルは、問題が顕在化する前に行うのが基本です。
「不具合が起きたからリニューアルする」といった場当たり的な対応では、不具合を起こしたECサイトとして顧客からの信頼を失ってしまう上に、販売機会の逸失にもつながります。自社に将来起こる可能性のある不具合や問題を事前に見据え、新たな事業展開につながる前向きなリニューアルを検討してください。
ECサイトのリニューアルに適しているのは、下記のようなタイミングです。
システムの老朽化を感じたとき
ECサイトのシステムが老朽化してきた場合は、リニューアルが必要です。特に、公開されているソースコードを利用してECサイトを構築するオープンソースや、既存のプログラムを使わずにゼロからECサイトを構築するフルスクラッチといった方法で構築したECサイトの場合、サービス提供者によるアップデート提供がありません。そのため、自社の責任で適宜アップデートやリニューアルを行わなければ、セキュリティ上のリスクが高まってしまいます。
また、ASPカートなどのECサイト構築用のサービスを利用している場合も、利用期間が長くなると最初は気づかなかった管理画面の使いにくさや不満などを感じるようになることがあります。このような場合は、リニューアルを検討すべきタイミングだといえるでしょう。サービス提供者側のメンテナンスやサポートが十分でなくなった場合も同様です。
事業規模が拡大して機能・コストに不満を感じたとき
事業規模の拡大に伴ってリニューアルが必要になることもあります。事業規模の拡大に伴うリニューアルには、主に2つのパターンがあります。
1つ目は、事業規模の拡大によって、利用中のサービスには搭載されていない新たな機能が必要になるパターンです。
下記のような問題が生じた場合は、必要な機能を備えたECサイトにリニューアルしなければなりません。
◼︎事業規模拡大に伴って生じるECサイトの機能上の問題
- 商品登録点数の上限に到達した
- 商品画像の容量がオーバーした
- 会員制度を作りたいが作成する機能がない
- 越境ECを行いたいが対応できる機能がない
- 実店舗と連携したいが対応できる機能がない
また、2つ目のパターンとして、事業規模拡大に伴ってコスト面で不満が生じている場合もリニューアルが必要です。
売上に応じた販売手数料などが発生するECプラットフォームを利用している場合、販売手数料の負担割合によっては、事業規模の拡大によってコストがかさむ可能性があります。規模が大きくなると、月額の固定費用が高額でも、販売手数料などの割合が低いECプラットフォームのほうが安価で運営できるかもしれません。
UI・UXなどの観点でデザインや機能が古い、市場に合っていないとき
UI(User Interface)やUX(User eXperience)といった観点から、サイトデザインが古くなってきたり、市場に合っていなかったりする場合は、リニューアルを検討しましょう。
顧客にとって利用しにくいサイトデザインは、顧客が購入に至る割合であるCVR(Conversion Rate)の低下を招きます。「◯◯という商品が欲しいけれど、うまく検索できずにあきらめてしまった」「カゴに商品を入れたけれど決済画面までのステップが長くて面倒になってしまった」といった問題が起きればそれだけで顧客の気持ちが離れ、売上が低下してしまいます。
市場として想定している顧客層に好まれるデザインと自社のECサイトのデザインがマッチしていない場合も、顧客が離れるきっかけとなるためリニューアルが必要です。時代や市場に即したUI・UXになっていない場合は、迅速に対応しなければなりません。
ブランドイメージを刷新したいとき
ブランドイメージを刷新したい場合も、ECサイトのリニューアルが効果的です。ECサイトはインターネット上で公開されていて幅広い顧客の目にふれるため、イメージをがらりと変えたリニューアルを行えば、新たなブランドイメージを顧客に印象づけられるでしょう。
ただし、ブランドイメージの刷新は安易に何度も行うと、方針がぶれているように受け取られてしまうこともあります。しっかりと戦略を立てながら進めてください。
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ECサイトのリニューアル手順を7つのステップで解説
ECサイトのリニューアルを行う際の具体的な手順を7ステップで紹介します。どのようにリニューアルすればいいかわからないという事業者は、下記の手順に沿って進めてください。
1.プロジェクトチームの発足
最初のステップは、プロジェクトチームの発足です。事業規模にもよりますが、一般的にはECサイトのリニューアルは、大がかりなプロジェクトです。一部の担当者のみで進めてしまうと視点に偏りが出てしまう可能性もあるため、ECサイトのさまざまな業務を担当するスタッフやシステム担当者などでチームを組み、一丸となってリニューアルに取り組みましょう。
ただし、プロジェクトの人数が多くなればなるほど、意見がまとまらなくなる可能性も高まります。「いつまでに何を決め、どのようにプロジェクトを進めていくのか」をはっきりさせるとともに、「意見が割れた際はどのように対処するのか」についても事前に考えておかなければなりません。全体の調整を行うプロジェクトリーダーのほかに、決定権を持つプロジェクトの責任者を決めておくことも重要です。
2.企画書の作成
プロジェクトチームを発足したら、次にECサイトリニューアルのための企画書を作成します。「現状のECサイトに何が不足しているのか」「どのようなことができるECサイトにするのか」といった点をできるだけ具体的に洗い出していきましょう。変えるべき点と、残すべき点を明らかにしておくことで、目指すべき方向がはっきりします。
企画書には、予算とスケジュールについても記載してください。大がかりなプロジェクトでは、どうしてもコストがかさんだり、スケジュールに遅れが出てしまったりすることがあります。企画書を作成する段階で予算とスケジュールを明確にしておけば、実際にプロジェクトを進める際の指針にすることができるのです。
同時に、開発会社に依頼する際の提案依頼書であるRFP(Request For Proposal)もこの段階で作成しておきます。企画書の内容をもとに、外部の人間が見てもわかるように要望を明確にしておきましょう。なお、ASPカートなどを活用して社内でリニューアルの全業務に対応する場合は、RFPの作成は不要です。
3.構築方法の選定
企画書を作成したら、ECサイトを構築する方法を選定します。ECサイトの構築方法は、ASPカートを利用する「ASP型」、「オープンソース型」、ECサイト構築用のパッケージソフトを活用する「パッケージ型」、クラウド型のECサイト構築用サービスを活用する「クラウドEC型」、「フルスクラッチ型」の5つです。
それぞれの方法に応じて、コスト、カスタマイズ性、構築の難易度、セキュリティ性などが異なります。企画書で定めた予算とスケジュール、リニューアルしたいポイントなどの条件を満たせる方法を採用しましょう。同じ方法でも、利用するサービスによって特徴は異なるため、サービスごとに具体的に何ができるのかをしっかり確認しなければなりません。
ECサイトの構築方法や費用相場について詳しくは、下記の記事をご参照ください。
4.開発を依頼するベンダーの選定
構築方法を選択したら、開発するベンダーの選定を行います。一定以上の規模のECサイトを構築したい場合や、自社のブランドに合ったデザインや機能にするために細かくカスタマイズしたい場合は、外部の事業者を活用するのがおすすめです。
ベンダーは、それぞれ異なる強みを持っています。実績や得意分野を確認して、自社の希望するECサイト構築に適していそうなベンダーをピックアップしてください。
候補を絞り込んだら、RFPを提示してコンペへの参加を打診します。RFPをもとにした見積の提示を依頼するだけでなく、どのような開発を行うのか、実績を含めてプレゼンしてもらうと良いでしょう。「提案がわかりやすいか」「自社の要望に沿っているか」「費用感が適切か」といった複数のポイントをチェックしてください。
自社の売上に直結するプロジェクトを任せることになるため、経営層も含めた社内検討を十分に行った上で、依頼するベンダーを決定します。
5.要件定義
依頼するベンダーが決まったら、要件定義を行います。要件定義とは、自社とベンダーのあいだで認識のすり合わせを行い、開発内容を決定するプロセスです。必要な機能を改めて洗い出し、具体的にECサイトの運用をスタートした後の業務フローとも照らし合わせながら、要件を定義します。実際に行う操作方法や表示される画面、必要な機能などを定義して、希望に沿ったシステムの構築を目指しましょう。
例えば、決済の場面を考えるだけでも、顧客がどのような操作を行い、その結果どのような画面が表示され、どのように決済が実行されるのかを細かく決めなければなりません。ほかにも、サーバーなどのインフラ環境の整備やサイトデザイン、商品検索方法、配送方法など、細部まで一つひとつ抜けがないように定めていきます。
なお、無駄な構築コストをかけないようにするためには、要件定義で自社の希望に沿った機能・仕様の詳細を実現させていくよりも、ECプラットフォームの機能に合わせて運用体制を整える意識を持つと良いでしょう。
詳細な条件を一つひとつ決めながらシステム構築をするよりは、開発にかかる時間的・金銭的コストを抑えることができ、事業拡大のための施策にコストを投入できるようになります。
6.デザイン・コーディング
要件定義を行ったら、ECサイトのデザインを作成し、それに沿ってコーディングを行います。デザインやコーディングといった作業自体はベンダーが担当しますが、希望に沿った開発が進んでいるかどうかの確認は、依頼者側が行わなければなりません。随時、進捗状況を確認しながら、問題がないかどうかチェックをしてください。
チェックを行わないままデザイン・コーディングが進んでしまうと、期待とは異なるイメージのECサイトが出来上がってしまうおそれがあります。細部まで打ち合わせをしていたとしても、実際に出来上がったデザインを見て認識のずれに気づくこともありえます。必要以上のチェックは作業を遅らせる原因になることもありますが、イメージどおりのECサイトを構築できるように、慎重に進捗を確認しながら進めましょう。
なお、ECプラットフォームのShopifyであれば、トレンド感のあるデザインテーマ(テンプレート)が用意されているため、必要な部分のみカスタマイズすることでデザインにかけるコストを削減できます。
7.リニューアルオープンに向けた準備
デザイン・コーディングが終わり、新しいECサイトの完成形が見えてきたら、リニューアルオープンに向けた準備を行います。リニューアルオープンのために必要な準備は多岐に渡り、主に下記のような作業が必要です。
◼︎ECサイトのリニューアルオープンに向けて必要となる主な準備
- 新しいECサイトの運用マニュアルの作成と確認
- 新しいECサイトのメールフォーマットの作成
- 顧客向けの利用規約の作成
- 顧客への告知方法の決定と実行
- リニューアル前のECサイトからのデータ移行方法の確認と実行
- 今後の保守に関するベンダーとの打ち合わせ
新しいECサイトのオープンのために必要なこと、リニューアル前のECサイトからの移行のために必要なこと、顧客向けに必要なことのほか、ベンダーとの間で決めておくべきこともあるため、必要な作業をリストアップして、対応していきましょう。
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ECサイトのリニューアルを成功させる9つのコツ
ECサイトのリニューアルは、大がかりなプロジェクトです。成功に導くために、下記の9点のコツを踏まえて進めてください。
課題・目的・要件を明確にする
ECサイトのリニューアルを行う際は、現状の課題とリニューアルの目的、リニューアル後のビジョンを明確にしておくのが成功のコツです。
「デザインが古くなってきたからリニューアルしたい」というケースで、明確に課題や目的、要件を設定しないままリニューアルを始めてしまうと、「どこが古いと感じるのか」「どうなれば新しいのか」がはっきりしないまま新しいECサイトを構築することになります。これでは、失敗する可能性が高いと言わざるを得ません。
また、事前に改善点を明確にしていないと、リニューアルの作業中や作業後に「やっぱり◯◯も直したい」といった箇所が出てくる可能性もあります。そのような場合、そもそも追加の修正ができないケースもあり、修正ができたとしても開発の長期化やコストの増大を招きかねません。
「現状のECサイトにどのような課題があるのか」「どのような状態になればその課題が解決したといえるのか」「課題解決に何が必要なのか」をはっきりさせておきましょう。現状から変える必要のない部分がある場合は、何を変えないのかも明確にします。顧客から支持されている部分を改悪してしまわないよう、注意しなければなりません。
現場の意見を取り入れる
ECサイトのリニューアルをする際は、現場の意見を取り入れることも重要です。実際にECサイト運用を担当しているスタッフを、リニューアルプロジェクトに参加させることをおすすめします。
上層部が感じている現在のECサイトの課題と、現場の担当者が感じている課題が一致しているとは限りません。中には、現場の担当者でなければ気づけない課題もあります。また、上層部が考える課題の解決策が、現場にとってはかえって負担になってしまう可能性も考えられます。
要件定義で業務フローの確認をする際にも実際に運用を行う担当者の視点が必要となるため、実際の現場で何が行われているのかを十分に確認しながら進めてください。
UI・UXを考慮したデザインにする
UI・UXを考慮したデザインにするのも、ECサイトのリニューアルでは重要です。顧客にとって操作がしやすく、快適で、必要な情報をすぐに手に入れられるUI・UXになっているかどうかは、ECサイトの売上に直結します。UI・UXも十分に検討してリニューアルを行いましょう。
例えば、ターゲットとなる顧客層に合わせて動きの多い、デザイン性の高いECサイトを構築したケースを考えてみます。ECサイトを訪問した顧客は、スタイリッシュなデザインに魅力を感じるはずです。ところが、いざ商品を探そうとすると、トップページの写真以外の情報がなく、どんな商品なのか確認するには詳細ページに移動しなければならないのであれば、顧客は不便さを感じてしまうかもしれません。また、デザイン性を高めるために大量の画像を使用すると、読み込みが遅くなり、顧客のストレスにつながってしまう可能性もあります。
ECサイトを訪問して商品を探すときの顧客の心の動きや行動をトレースしながら、できるだけ操作しやすく、スムーズに購入できるECサイトを目指すことが重要です。
データ移行がスムーズにできるようにする
ECサイトのリニューアルにあたっては、以前のECサイトから新しいECサイトへのデータ移行がスムーズにできるようにしておく必要があります。これまでの顧客情報や購入履歴がリセットされてしまうと、顧客の不便につながり、マーケティングも行いにくくなってしまいます。また、万が一データ移行にミスがあり、一部の顧客の情報がほかの顧客に流出するような自体が起きてしまうと、重大なセキュリティ事故として顧客の信頼を失うことにもつながりかねません。正確かつスムーズなデータ移行を目指しましょう。
なお、リニューアル前のECプラットフォームに依存した会員制度やポイント制度を利用している場合は、リニューアルでECプラットフォームを変更した場合、その機能を使えなくなります。顧客は、再度の会員登録が必要になったり、ポイントを使えなくなったりするため、適切なフォローが必要です。
Shopifyでのデータ移行について詳しくは、下記の記事をご参照ください。
ほかのシステムとのデータ連携も考慮する
ECサイトと基幹システムや会計システム、販売管理システムなどとのデータ連携が必要な場合は、連携方法について事前に確認しておくことが重要です。
また、現状ではデータ連携を行っていない場合でも、リニューアル後のECサイトとそのほかの業務システムを連携させることで業務効率化につながる可能性があります。例えば、ECサイトで注文が入った際に自動でその仕訳が入力されるシステムを使えば、それだけ経理担当者の負担が軽減します。リニューアルの際に、自社が利用しているシステムと連携する機能が追加できないかを検討してみるのがおすすめです。
基幹システムについて詳しくは、下記の記事をご参照ください。
コンテンツマーケティングのための機能も盛り込む
ECサイトのリニューアルの際に、コンテンツマーケティングのための機能を盛り込めるようにしておくと、集客につなげやすくなります。
顧客層が興味を持ちそうな内容のコンテンツを充実させてECサイトに掲載すれば、その内容を調べている顧客層を自然とECサイトに呼び込むことが可能です。ターゲットの分析とそれに応じたコンテンツの作成、検索結果で上位に表示させるためのSEOなどを行うことで、ECサイト自体を集客に活用できます。
ECサイトにおけるSEOについて詳しくは、下記の記事をご参照ください。
顧客や取引先への事前告知を行う
顧客や取引先には、顧客の離脱やトラブルの発生を防ぐために、ECサイトのリニューアルを事前告知しておきましょう。
リニューアルの告知が不足していると、以前からECサイトを訪問していた顧客が、変化に戸惑って離脱してしまう可能性があります。
また、ECサイトのリニューアルによって業務フローが変化することで、仕入先や配送業者などの取引先の業務にも影響が出る場合があります。事前の告知が不十分だと、リニューアル時にトラブルが起こりかねません。事前にどのような影響が生じそうかを調べて、取引先に対してECサイトをリニューアルすることと生じる影響について説明しておいたほうがスムーズです。
リニューアル後は成果のモニタリングを行う
ECサイトのリニューアル後は、成果のモニタリングをすることも重要です。リニューアルによって以前のECサイトが抱えていた問題が解決され、成果を上げられているかどうかを確認してください。
そのためには、ECサイトに成果をモニタリングできる仕組みを導入しなければなりません。顧客の流入経路や流入数、CVR、注文数、売上高などを自動で集計して推移を確認できるシステムを作りましょう。
同時に、アンケートなどで実際に新しいECサイトを利用した顧客の声を確認することも大切です。アンケート回答者に特典を付与するリニューアルキャンペーンなどを行って、顧客に対して、操作性、使いやすさ、見やすさ、デザインなどが好ましいかどうかを確認します。
このような取り組みは、リニューアル直後だけでなく、定期的に行うのがおすすめです。数字で見える成果と顧客の声を知ることで、経営判断に役立ちます。
Shopifyでの成果のモニタリング方法について詳しくは、下記の記事をご参照ください。
将来的な事業拡大も見据える
ECサイトのリニューアルでは、将来の事業拡大を見据えながら構築することをおすすめします。ECサイトの大規模なリニューアルは、多くの手間とコストがかかる作業です。リニューアルが成功して事業規模が拡大したり、新たな事業展開を模索したりする際に、ECプラットフォームのリプレースを伴うリニューアルをしなければならない事態に陥らないように、リプレースの必要がない構築方法やECプラットフォームを選択しておくことも大切です。
ECプラットフォームでは、事業規模に応じた複数のプランが用意されている場合があります。そのようなECプラットフォームであれば、プラン変更だけで事業拡大に対応することも可能です。事業が成長する前から大規模ECサイト向けのECプラットフォームを利用するとコストがかさみますが、プランを選択できるECプラットフォームなら、常に過不足のないサービスを利用できます。
そのほか、会員制度の導入や実店舗展開、越境EC、チャットサービスの導入、決済手段の拡充など、事業拡大に応じて利用したい機能が増えていく可能性もあります。将来を見越して、必要な機能を追加していけるECプラットフォームを選びましょう。
Shopifyであれば、標準機能に加えてサードパーティが開発した機能拡張用アプリを活用できるため、新たな機能開発をしなくても簡単に必要な機能を追加することが可能です。
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ECサイトをリニューアルする場合の注意点
ECサイトのリニューアルにあたって、見落としがちな注意点を紹介します。リニューアルを成功させるために、下記の2点に留意してください。
リニューアルするだけで売上やKPIが改善するわけではない
ECサイトのリニューアルは、顧客満足度の向上やデザイン性の向上、機能の充実などのために行われますが、リニューアルをしたからといってそれだけで売上やKPIが改善するとは限りません。リニューアルをしたことで検索順位が下がってしまい、かえってECサイトへの訪問者数が減ってしまうこともあるのです。
こうした事態を防ぐためには、「ドメインを変えない」「リダイレクトを利用する」「商品ページのURLも合わせて移行する」といった工夫が必要です。既存顧客への告知だけでなく、システム的な対策も実行しておきましょう。
Shopifyにリプレースした場合のリダイレクトの設定方法について詳しくは、下記の記事をご参照ください。
リニューアル後は顧客からのアクセスや問い合わせが増える
ECサイトのリニューアル後は、「どのような点が変わったのか」と考える顧客などが増え、ECサイトの訪問者が普段より増加する可能性がある点にも注意が必要です。リニューアルキャンペーンやセールなどを行う場合はなおさらその可能性は高まり、さらに、注文方法や操作方法などが変わっていればその問い合わせも増えます。
顧客がストレスを感じないように、アクセスの増加に耐えられるサーバーを用意するといった対策をとる必要があります。注文や問い合わせが重なった場合も、顧客を待たせることなくスムーズに対応できる体制を整えなければなりません。
同時に、商品の検索から決済までの購入フローや操作方法について、顧客が迷わずに済むよう丁寧な案内を行うことも重要です。わざわざ問い合わせをしなくても必要な情報にアクセスできるようにしておきましょう。
文字だけの簡素なQ&Aではわかりにくかったり、調べるのが面倒に感じられたりすることもあります。リニューアルのお知らせの際に画像で操作方法を説明するなど、顧客に負担をかけない案内が求められます。
目的や課題を明確にして、ECサイトのリニューアルを成功させよう
ECサイトをリニューアルする際は、目的を明確にすることが大切です。現在のECサイトの何が問題でリニューアルを行うのかをはっきりさせてリニューアルを進めてください。ECプラットフォームをリプレースしてリニューアルすることは、事業課題に合わせて仕組みや環境を変える良い機会になります。複数の選択肢を比較して、自社の希望を叶えられる方法を選びましょう。
目先のコストや手軽さだけを重視してECプラットフォームを選んでしまうと、将来、リプレースを伴うリニューアルが必要になる可能性もあります。リプレースには多大な工数とコストがかかる上に、必ずしも成功するとは限りません。事業規模の拡大や外部システムとの連携に柔軟に対応できるECプラットフォームを選んで、将来に備えてください。
事業規模に応じたプランを選択できるShopifyは、中小規模から大規模まで、幅広い事業者におすすめのECプラットフォームです。機能拡張用のアプリやAPI連携で、外部システムとのデータ連携も簡単に行えます。コンテンツマーケティング用のブログ作成機能もあるため、ターゲットとなる顧客層にとって魅力的なECサイトを構築することが可能です。
Shopifyについて詳しくは、下記の記事をご参照ください。
WEBLIFEのBiNDecは、ShopifyでのECサイト構築や運用方法に関する豊富な実績をもとに、課題解決と売上向上につながるECサイト構築を支援しております。興味がある場合は、ぜひお気軽にご相談ください。
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