Shopifyアプリでポイント制度を始めよう。アプリの選び方と運用時の注意点

ポイント機能(ポイント制度)とは、支払った代金に対して一定の割合で顧客に「ポイント」を付与し、それを次回以降の支払い時に通貨と同じように使えるようにするサービスです。
ECプラットフォームのShopifyなら、アプリひとつで簡単にポイント機能を実装できます。この記事では、売上アップにつながるポイントのメリットや考え方、おすすめのアプリを紹介します。

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急成長しているポイント市場と需要の実態

日本のポイント市場は2兆5千億円規模で形成されているとされ、2026年には3兆円を超えるとの試算があります。ポイント市場の伸びの背景には、オンライン・オフラインに関わらず物理的なカードが不要になり、デジタルデバイスをつかい簡単にポイントが貯められることで利用が伸びていることもあるでしょう。
また、オフラインのポイントカードをECと統合できるお店も増えました。

急成長しているポイント市場と需要の実態

全世代が複数のポイントユーザー

現在、日本国内では楽天ポイント(1.4億人)、Pontaポイント(1.1億人)、dポイント(9800万人)、PayPayポイント(6300万人)などの会員登録者がおり、経済消費を行う年齢層のほとんどすべての人が複数のポイント会員であると考えられます。

ポイントは、企業が自由に発行する独自のお金のようなものですが、基本的には法廷通貨と交換することはできず通貨とはされていません。ポイントを多数保有したり、もらっても、税金がかかることはありません。ただし、ポイントは資産ではないとはいえ、最近では金融投資ができるなどさまざまなサービスへ広がってきています。注意すべき点として、ポイントで株などを買った場合、その株から得た利益は所得となります。

ECサイトにおけるポイント機能の活用

ECサイトでもポイントは非常によく活用されています。Amazonポイントや楽天ポイントといったモール全体のポイントは誰もが利用するほど一般的になりました。

オンラインサービスの場合は、ポイント機能はすべてデジタル化できるため、実店舗での物理的なカード発行や管理、登録の手間は軽減できるうえ、金券やギフトカードのようなツール制作コストも低く抑えられます。

顧客にとっても、ECサイトへ会員登録さえすればあとは自動的にポイントが貯まっていくので使い勝手はよいと言えます。ECではデジタルならではのメリットを活かし、スピーディーにポイント施策を実施することで、キャンペーンや集客のフックとしてポイント機能を利用できます。

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ECでポイント機能を導入するメリットと期待できる効果

ポイント会員へ登録する理由は、利用者から見れば一定の割合でポイントに還元されることで値引きなどが可能になり、ほぼお金のように使え「お得だから」ですが、販売者がポイント会員を導入する側のメリットは具体的に何でしょうか?
ECサイトがポイント機能を導入するメリットについて考えてみましょう。

リピート購入の可能性を向上させる

企業が独自発行するポイントは、その企業のECサイトでしか利用することができない独自のお金となります。そのため、ポイントが貯まれば、それを使って購入しようというモチベーションを与えられ、1度購入してそれきりになるところの顧客が、2回3回と購入する、リピート購入に繋がることが期待できます。

ただし、対応する企業が多数あるモール共通ポイントでは、必ずしも自サイトへのリピートにつながるわけではありません。モール内では、ポイント付与割合をライバル企業よりも上げるなどのキャンペーンを行い、購入インセンティブを上げる際に使われています。

そのほかのリピート購入を促す施策については下記の記事をご覧ください。

ポイントアップによる購買額の上昇が期待

ポイントアッププログラムは、購入額や訪問(利用)回数の合計などによって、ボーナスポイントが付与されるサービスです。ポイントアッププログラムには、達成のための閾値があるため、その金額に到達させようとするために購買金額が上がることが期待できます。

たとえば、「あとXX円のお買い上げでポイントアップが達成できます」などというお知らせがあると、今は買わなくてもよいものや、他で買ってもよいものも、「ポイントが貯まるから、このタイミングでまとめて購入しよう…」、となるようなパターンです。

販売促進のための施策については、下記の記事もご覧ください。

ともだち紹介による新規客獲得が期待できる

「ポイントがよく貯まる」「お買い得になる」などの理由で、ロイヤルカスタマーがともだち紹介をし、閲覧者や会員が新しく増えることが期待できます。
ともだち紹介でポイント付与をする場合も、もちろんクチコミ紹介の増加することが期待できます。これは、顕在ニーズがあっても認知が足りていない場合はぜひ活用したい施策と言えます。

ブランド力を強化してエンゲージメントを上げる

ポイント付与や各種ポイント会員限定サービスを強化することで、より頻繁に購入する会員が増え、そこから本当の意味でのロイヤルカスタマー、ブランドのファンが生まれてきます。単に値引きをするということに限らず、ポイントプログラムを上手く活用することで、ブランドのファンを増やし、顧客との強いつながりを育成することにつながります。

ロイヤルカスタマーについて、詳しくは下記の記事もご覧ください。

Shopifyにはデフォルトのポイント機能がない

2024年5月現在、Shopifyには標準のポイント機能はありません。「ディスカウント」という機能で、割引を行うことはできますがポイント機能と使い勝手が異なります。

日本のECプラットフォームでは、概ねポイント機能が最初から搭載されているため、不便だと思われるかもしれません。しかし、世界基準のECプラットフォームのShopifyでは各国の事情が異なることも考慮すると、ポイント機能は日本の商習慣にあったものを使うのが好ましく、欲しい機能のあるアプリで追加することがふさわしい使い方と言えます。
また、アプリによって機能や価格も異なりますが、実装のやりかた次第で他のECサイトへ差を付けることもできる強みともなるでしょう。

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Shopifyでおすすめのポイントアプリ紹介

Shopifyにポイント機能を搭載する場合は、Shopifyアプリを利用する方法が一般的です。
Shopifyには10,000種を超えるアプリが公開されており、目的に合わせてインストールすることで、プログラム開発を行うことなくECサイトに新しい機能を加えることができるようになっています。ここでは、おすすめのポイントアプリを紹介します。

BiNDecポイント

BiNDecポイントは、Shopify PlusパートナーのBiNDecが提供する国内向けのニーズに合わせて開発されたポイントアプリです。
アプリをインストールすれば、基本的なポイント付与の機能、マイページへのポイント表示、商品詳細画面での獲得予定ポイントの表示、決済画面でのポイント利用など、日本のECでよく利用されるポイント機能をまとめて実装できます。

BiNDecポイントでは、まず、さまざまなポイントの設定が柔軟に行えるのが特長です。たとえば、会員登録を行ったら即時にポイントを付与したり、期間限定でポイント付与率を変更するなど、集客キャンペーンや販促キャンペーンに利用するポイント設定を担当者レベルで実行できます。
BiNDecポイントの管理者画面
また、商品ごとや顧客タグごとなどにポイント付与率を変えたり、期間限定でポイント率を変えたり、管理画面から個別の顧客に対してのみポイントを付与<することも可能です。

BiNDecポイントを使えば、Shopifyのマイページ上で会員がポイントを確認できるようになり、購入時にポイントを利用できるようになるので、購買モチベーション促進にも役立てられます。導入時や不明点がある場合も、日本語でサポートが受けられるため安心です。

どこポイ

「どこポイ」は、Shopifyアプリ開発を行うリワイアが提供するアプリです。インストールすれば、ポイントの付与、ポイント利用が可能になります。
会員登録時のポイント付与のほか、商品タグごと、顧客タグごと、期間限定での付与率を個別に設定したり、会員ランクに応じて付与率を変えたりできるのも特長です。また、日本語でのサポートに対応しているため、海外アプリには不安を感じる場合も安心です。

LoyaltyLion Rewards & Referral

Shopifyをはじめ複数のECプラットフォームで展開されている会員制度導入のアプリです。英語で提供されているアプリですが、人気があり、Shopify POSにも対応、機能は限られますが無料プランもあるのが特長です。

日本のポイントに対応する機能としては、Loyalty pointsがあり、会員登録や購入ごとにポイントを付与、購入時のポイント利用などを行えます。他にも会員ランクや限定アクセス、早期アクセスなど会員特典を運用する幅広い機能が用意されています。
その他の機能について、詳しくは下記の記事も併せてご覧ください。

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Shopifyのポイントアプリ選びの注意点

Shopifyアプリは、管理者がワンクリックでインストールしすぐに利用できるものも多く、Shopifyは、ECサイトにとって、機能を追加する際にはとても便利な環境です。ただし、アプリの設計が自身のECに合っているか確認せずに値引きなどが関連する機能は利用スタートするのは危険です。
Shopifyのポイントアプリ選びに失敗しないように、注意しておきたいことを解説します。
Shopifyアプリストアには様々なポイントアプリがラインナップされている

導入や運用に関する日本語のサポートはあるか

Shopifyアプリを選ぶときには、導入時の設定や運用時の操作方法など、サポートの有無を確認しましょう。
また、サポート言語にも注意が必要です。高機能でも、日本語に対応していないために使いづらかったり、海外の営業時間でのサポート対応だったりすることもあります。
キャンペーン期間などにトラブルがあったとき、スムーズにサポート対応ができないアプリでは大きな機会損失や顧客離れに繋がるリスクがあります。

月額料金の費用対効果は見合っているか

アプリは、機能開発に比べれば比較的手軽に導入できますが、無料ではありません。大体のポイント系のアプリは月額で料金がかかってくるため、自分たちが利用する機能に対して見合った料金か、しっかり確認してから契約しましょう。

豊富な機能があっても使わない機能が多い場合は、割高な運用費となってしまいます。もちろん、最初は使わなくても今後利用したい機能がある場合は、将来的な拡張性も加味して決めましょう。

担当者の使い勝手はどうか

アプリの導入、運営について不安な点がないか、できる限り運用前に確認したり、デモ版などで実現したいことを確認しましょう。
また、やりたいことをするには操作が難しいなど、担当者が使いこなせないものではないかも気になるところです。本格的に導入する前に、しっかりと検証しましょう。

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ポイント制度を運用する際の注意点や気を付けることは?

運用方針を決めないポイント還元は、採算にも影響することがあります。ポイント制度を運用する上で、気を付けておきたいことを解説します。

ポイント制度を運用する際の注意点や気を付けることは?

ポイントの負債化を防ぐ利用ルールを設定する

「ポイント3倍」「期間限定でポイントを2倍に」など、ポイント商戦はよく見かけますし、何か購入する際の心理的なインセンティブになることは確かです。
しかし運営側としては、売上高を上げるためにポイントを連発すると、見た目上は売上が伸びますが、実際にはポイントとして値引きをしているため、最終的には売上が目減りする可能性があることに注意しましょう。

もちろん、発行したポイントが全額消費されるわけではありませんが、ポイントがインセンティブになって購入する顧客の多くは、ポイントを利用する意思は強いと言えます。また、期限を設けないことで、後になって高額ポイント利用が発生し、割引しなくても売れる人気商品に使われてしまうことも、もちろんあります。
ポイントの負債化といったことが起こらないように、有効期限を計画的に設定する(1年間で消える、など)、商品ごとにポイントの利用上限を決める、ポイントを優先サービスなど物品購入費以外に利用可能にするなども検討しましょう。

運用リソースに見合った分の効果を得られるように、KPIも見ていこう

ポイントアプリ選びでも触れましたが、ポイント制度や会員制度は顧客コミュニケーションやマーケティングの一環になる業務です。ただし、その運用が煩雑だったり手作業が多すぎると、運用担当者の負荷が問題になります。

無駄にならないポイント施策を行っていくためには、売上だけでなく施策個々で目的としているKPIが達成できているかをチェックしていきましょう。会員獲得施策では、ポイント獲得キャンペーンでそれ以外の期間と比較しどの程度会員が伸びたのか、またポイント倍増セールではそれ以外の施策とどの程度売上が伸び、最終的にポイントを割り引いた分の利益はどうだったか、などの数字です。

これらの検討ができるために、ある施策の運用データをポイントアプリからエクスポートして利用したり、比較検討するための機能も必要なので、確認しておきましょう。

ポイントアプリの導入から運用までサポートするBiNDec

ポイントをShopifyで運用する際、ポイントアプリの選択と設定に留まらず、ポイント機能の運用にはその設計から効果の上げ方まで多くの検討箇所があることがわかります。
これから導入を検討する担当者は、自社にはどのようなポイントの運用が向いているのか、成功しているECサイトはどんなポイントキャンペーン施策を行っているのかなど、気になることがあるくるでしょう。

BiNDecでは、日本では数少ないShopify Plusパートナーとしてのノウハウと知見を生かし、Shopifyでの中規模〜大規模EC運用の成長をお手伝いしています。また、日本の商習慣に合わせた独自開発のShopifyアプリであるBiNDecポイントも利用可能です。Shopifyのポイント機能や運用について気になる方は、お気軽にご相談ください。
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POINT

  • ポイント機能は、リピート購入や、購入額アップ、ともだち紹介などが期待できる
  • Shopifyでポイントを運用するにはアプリを通じて機能を追加することで実現できる
  • ポイント利用は商品価格を値引くことと変わりがないため、利益に影響がないように計画することが大切

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