SKUでECサイトの在庫管理を円滑に。コードの設定方法と気をつけたいこと

SKU(エス・ケー・ユー)は一般にはなじみの薄い言葉ですが、ECサイトで在庫管理を担当する方には、大切な管理手段のひとつです。小規模なECサイトなどでは必要不可欠というほどでもありませんので、使ったことがないという担当者もいるでしょう。
この記事では、ECサイトの在庫管理に役立つSKUについて、メリットや設定すべきケース、注意点などをご紹介します。

SKUとは在庫管理の最小の単位

SKUとは、「Stock Keeping Unit」の頭文字を取った略称で、在庫管理を行う際の最小単位になります。最小識別単位とも言いますので、両方の呼び方を覚えておきましょう。
最小の識別単位ですから、例えば顧客に1個で販売するチョコレートが10個入った箱があった場合、SKUとしては10とカウントするのです。

SKUとSKUコードの違い

SKUは商品の最小単位を表していますが、あくまでこれは在庫数のカウント方式でしかありません。ですから、実際に使う際には、商品ごとにSKUコードを割り振る必要があります。SKUコードの決め方にルールはありませんが、基本的には、商品カテゴリやブランド、シーズン、分量、サイズ、色などで区別して設定します。
例えば、先ほどのチョコレートの例でいえば、A社のホワイトチョコ、200グラム入りであれば、A-CHO-200といった感じです。このSKUコードにより、在庫数を正確に管理できるようになります。
なお、本記事ではSKUとSKUコードを区別して記載しておりますが、SKUコードをSKUと呼ぶケースもあります。その辺り明確な区別をしていないケースもありますので、ご注意ください。

SKUコードと品番はどう違うのか?

SKUコードは自社内で割り振った商品ナンバーとも言えます。そのため、商品の品番(型番)と混同するかもしれません。
ですが、先ほどのチョコレートいえば、CHO80381という品番の商品は、1個でも10個入りのBOXでもCHO80381になります。ですが、SKUコードの場合、A-CHO-200はチョコレート1個だけを指すことになり、10個ならA-CHO-200が10個あることになります。

SKUを最小単位として在庫管理をすべき理由

SKUを最小単位として在庫管理をすべき理由としては、在庫を把握して管理するためと、発送の際に確実に商品を特定するためです。
前述したチョコレートの例でわかるように、品番では商品の特定はできても、正確な在庫数はわかりません。また、発送の際も、チョコレートを1つ送ればいいのか、10個入りのBOXを送ればいいのか、わからないでしょう。特にアパレル系の商品を取り扱っている場合、同一の商品名で色やサイズなどが異なる商品も多いため、SKUコードを最小単位として在庫管理をしないと、在庫の有無がわかりにくくなるのです。

SKUを最小単位として在庫管理をすべき理由

SKUコードを設定するメリット

では、SKUを最小単位とし、商品にSKUコードを振り分けることで、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、SKUコードを設定するメリットをご紹介します。

在庫管理の効率化

SKUコードを設定するメリットとして、在庫管理の効率化が挙げられます。メーカーが用意した品番でも在庫管理は可能です。ですが、色やサイズなどの違いや、正確な個数などが把握しにくいケースもあります。
そこで、自社でわかりやすいように文字列のフォーマットをルール化したSKUコードを利用すれば、AというメーカーのBタイプのTシャツで、黄色のLサイズの在庫がいくつなのかまで把握できます。

販売データの分析

SKUコードを設定すれば、販売データの分析にも役立ちます。例えば、先のチョコレートに100グラム、200グラム、300グラムの商品があった場合、どの分量のチョコレートが一番売れたのかを判断することができます。また、アパレルの場合で言えば、AというブランドではMサイズ以下の商品が売れるという販売データがわかるかもしれないのです。
このように、販売データを分析できれば、発注作業の効率化や今後の商品企画にも繋がるでしょう。

販売データの分析

ECプラットフォームのShopifyでは、ストア分析機能でSKU別売上レポートを出すことができます。ストア分析機能について、詳しくは下記の記事をご覧ください。

顧客マーケティングの改善

販売データの分析ができれば、顧客マーケティングも改善できます。SKUコードに色やサイズなどを認識できる文字列のフォーマットで入れておけば、購入履歴から顧客の趣向がわかるので、それに合わせて顧客ごとに関連性の高い商品のレコメンドやニュースをDMなどで発信することができます。
自分の趣向にマッチしたお知らせは顧客満足度を向上しCV率も上がりやすいので、SKUコードのフォーマットのルールを決める際には意識しておきましょう。

顧客一人ひとりに最適化したマーケティングの手法について、詳しくは下記の記事をご覧ください。

個別のSKUコードを設定すべきケース

SKUコードの決め方にはルールがありません。そのため、どのようなルールにするのかを、社内で自由裁量で決めることができます。基本的には、商品カテゴリやブランド、シーズン、分量、サイズ、色などが異なる場合に設定しますが、それ以外にも別のSKUコードを設定した方がいいケースがあります。ここでは個別にSKUコードを設定するべきケースの代表例をご紹介しましょう。

料金が異なるケース

セールやキャンペーンなどで商品の料金を変更する場合、異なるSKUコードを設定してください。別のSKUコードにすることで、料金を下げた時にはどれくらい売れたのかなど、売上管理だけでなく今後のマーケティングデータとしてしても使えるようになります。

商品のセット販売を行うケース

単品の商品と複数個セットした商品を同時に販売する場合、単品に割り振っていたSKUコードを再利用せず、新しいSKUコードを設定しましょう。もし、単品販売時のSKUコードを再利用した場合、その商品が単品なのか複数個セットされた商品なのかわかりません。例えば、先ほどのチョコレートの例でいえば、1個なのか、10個入りのBOXなのかわからなくなるということです。

商品のパッケージが異なるケース

中身が同一の商品でも、商品パッケージが異なるケースもありますので、この場合は異なるSKUコードを設定すべきです。例えば、人気アニメやコミックスとのコラボ商品などの場合は、商品そのものよりも「パッケージをコンプリートした」などの理由で購入している場合もあります。その場合、購入者にとってはコラボではないパッケージの商品は「注文した商品と異なる」という認識になりますので、異なるSKUコードで管理する必要があるのです。
なお、パッケージがリニューアルされた場合は、同じSKUコードでもかまいませんが、古いパッケージよりも新しいパッケージを先に出荷してしまうケースもありますので、注意してください。

SKUコードを設定する際の注意点

実際にSKUコードを設定する場合は、文字列のフォーマットを決めて割り振るほうが安全です。自由裁量で決められるとはいえ、規則性もなく適当に決めていては、スタッフ全員が理解できない恐れもあります。ここでは、SKUフォーマットのガイドラインづくりをする際に参考になる注意点を紹介します。

SKUコードを設定する際の注意点

読みやすさと覚えやすさを考慮する

SKUコードは、商品がどのようなものかを判別できるように、アルファベットと数字を組み合わせて設定しましょう。数字だけで設定した場合、どのような商品か想像がつきません。そこで、ブランドや商品カテゴリ、サイズ、色などを数字やアルファベットで表し、個別のSKUコードを設定しましょう。わかりやすいSKUコードを設定できれば、スタッフが迅速に識別できます。

重複して設定しない

当然のことですが、SKUのコードを重複して設定してはいけません。例えばボトムのパンツと下着のパンツをどちらも「PAN」という略称を使ってしまい、同じSKUのコードを設定しまう可能性もあります。
別の商品とSKUが重複しないよう、新しいSKUを作成する場合は過去のものを参照しておくようにしましょう。

一貫性を保つ(桁数を同じにする)

前述したルールを守るだけでなく、アルファベットは大文字か小文字のどちらかに統一したり、全体の桁数を統一したりするなど一貫性を持たせると安心です。もちろん、一部の商品にだけSKUコードを割り振るのではなく、全商品に割り振りましょう。

「0」から始めてはいけない

絶対してはいけないということではありませんが、システムによっては先頭の「0」を省略してしまう仕様もあります。この場合、正しいSKUのコードがわからなくなりますので、リスクを回避する意味でも「0」から始めないようにしましょう。

Shopifyで使える「SKUフォーマット」という便利機能を活用しよう

ご紹介したように、SKUを商品単位として扱う場合、どのようなSKUコードにするかなど、頭を悩ませる設定もあります。
ECプラットフォームのShopifyでは、このSKUコードの割り振りのサポートとして、「SKUフォーマット」という機能がデフォルトで搭載されています。この機能を使えば、簡単にSKUコードを作ることができるので、とても便利です。もちろん、用意されたSKUフォーマット以外のフォーマットを使用したい場合は、文字や長さなどの変更も可能です。

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POINT

  • SKUコードは在庫管理の効率化、販売データの分析、顧客管理の改善のメリットがある
  • 料金やパッケージが異なる、商品のセット販売の場合は個別のSKUコードを設定する
  • SKUコードには、読みやすさと覚えやすさを考慮し、一貫性を保つことなどがある

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