AIによるECサイト分析の実践|“自社専用”EC解析GPTの作り方を丁寧に解説

AIによるECサイト分析の実践|“自社専用”EC解析GPTの作り方を丁寧に解説

「コンバージョンが伸びない」「カート離脱が減らない」「リピートが安定しない」ほとんどのEC事業者の方が、こうした課題に少なからず直面したことがあるのではないでしょうか。それらの問題は様々な要因が複雑に絡み合って起こるのですが、それだけに、どこを改善すべきかがわからない限り解決の糸口は見つかりません。
本記事では、生成AIを使って自社専用のEC解析GPT、つまり「EC事業のパフォーマンス分析のためにカスタマイズされたAI」を作り、「AIは難しそう」と思っている方でも日常的に取り組める、実用的な分析手法をご紹介します。

ECサイト分析の重要性とAIの役割

ECサイトの運営で多くの担当者が悩むのが、「アクセスはあるのに、なぜか売上につながらない」という状況です。当たり前ですが、広告などの施策でアクセス自体は増えても、コンバージョン率(CVR)が改善しなければ利益は上がりません。その原因はどこにあるのでしょうか?それは、ECサイト内部の「見えない問題点」にあります。

そのような問題点が容易に見えてこないのは、ECサイトには考慮すべき要素が多く、顧客の購買行動も複雑だからです。しかし、人力だけでは解決が難しい状況を打開するうえで、威力を発揮するものがあります。それが「AIの可視化能力と分析力」です。適切にAIを活用すれば、見落としがちな離脱ポイントやUI/UXの不備が、瞬時に洗い出されてきます。そして、改善の優先順位まで導いてくれるのです。

まずは、EC分析でつまずきやすいポイントと、AIがそれをどう補完してくれるかを整理してみましょう。

アクセスはあるのに売れない理由

多くのECサイトが抱える典型的な課題である、「アクセスは伸びているのに売上が比例しない」現象。その原因は大きく3つに分かれます。

アクセスはあるのに売れないという表層的な現象には、3つの隠れた要因がある。それらを特定し、改善案を示すのがAIの役割

アクセスはあるのに売れないという表層的な現象には、3つの隠れた要因がある。それらを特定し、改善案を示すのがAIの役割

原因①

まず、購入までの導線に「隠れた障害物」があるというケース。ここには「商品ページが読みづらい」、「画像の表示が遅い」、「カートボタンが押しにくい」、「配送料・配送日がわかりにくい」などの問題が含まれます。こうした細かなUI/UXの欠点が、ユーザーの離脱につながるのです。

原因②

次に、「何が原因か直感では判断できない」というケース。この場合には、担当者の経験や感覚だけでは原因が見えてきません。
たとえば「カートに入るのに購入されない商品」があるとしましょう。その原因が価格にあるのか、決済導線なのか、あるいは、ページの表示速度なのかは、データを子細に検討してみないことにはわからないのです。

原因③

そして、「データの量が多すぎて分析が追いつかない」というケース。LP、商品一覧、商品ページ、カート、決済画面などを分析して最適化すべきであるとわかっていても、数字を追うだけで相当な作業量となってあきらめたり、なおざりになってしまうことは少なくありません。
しかし、実はこの見えない原因を特定するという作業こそ、AIがもっとも得意とする領域なのです。

見逃しやすいサイトの盲点をAIで発見

AIは、膨大なデータやスクリーンショット(画面キャプチャ)を短時間で読み取り、問題点を論理的に整理して説明することができます。特にECサイト分析で役立つのは、人が見逃しやすい点を見つけるような作業です。
たとえば、離脱率が急に跳ね上がっているページです。AIは差が生じているデータを敏感に見つけ出してくれるので、昨日まで2%だった離脱が今日は5%になっている、といった異常値を瞬時に検出できます。

また、商品ページ内の小さなUXのズレも見逃しません。自社のECサイトの表示に慣れてしまった担当者は、「画像が暗い/大きさがバラバラ」、「レビュー表示が埋もれている」、「購入ボタンと価格が離れている」というような細部の問題になかなか気づきにくいものです。
しかし、AIならば、その構造を論理的に判断して弱点を指摘してくれます。

そして、購入直前の不安材料を抽出するようなことも、AIは得意です。レビューやFAQ、問い合わせ内容から、顧客が抱える不安や不満、わかりにくい点、その他の購買障壁を洗い出し、改善ポイントとして提示できます。

このような場面でAIを活用することによって、従来の分析では見つけにくかったUI/UXの欠点が可視化され、改善の優先順位も明確になるのです。

ShopifyがAI分析に適している3つの理由

ECプラットフォームの中でも、AIを活用した分析や改善との相性が非常に良いのがShopifyです。その理由は、以下の3つに集約されます。

Shopifyがおすすめできる理由①

第一にデータ構造が標準化されているということです。というのも、Shopifyのページ構造はテーマごとに大きなルールがあり、商品データ、顧客データ、注文データ、セクションレイアウトなどがしっかり分類されています。そのため、AIが読み解きやすい形式になっているのです。

Shopifyがおすすめできる理由②

第二に分析アプリや外部AI基盤と連携しやすいことが挙げられます。Shopifyは専用アプリのエコシステムが強く、Google Analytics、PageSpeed Insights(Googleが無償提供している、Webページの表示速度を測るツール)、マーケティングツールなどとの連携がスムーズに行えるのです。

Shopifyがおすすめできる理由③

第三に、改善施策を反映しやすい、つまり、CMSとして扱いやすい点も大きなポイントです。これが意味するのは、UI/UXや表示速度の改善を行う際に、Shopifyならばテーマ編集やShopifyアプリの導入によって、ゼロから開発を行わずとも比較的簡単に反映できるということです。これによって、AIが提案した改善内容を試しやすいというメリットがあります。

Shopifyは、単に世界最大級のECプラットフォームとして生成AI機能の充実に力を入れているだけでなく、AIによる分析に適したデータ構造を持っている

Shopifyは、単に世界最大級のECプラットフォームとして生成AI機能の充実に力を入れているだけでなく、AIによる分析に適したデータ構造を持っている

Shopifyは、世界175か国以上で利用されているクラウド型のEC構築・運用プラットフォームで、個人から大企業まで対応する幅広い拡張性を持ち、あらゆる業種・業態のコマース全体を後押しするエコシステムとして世界中のビジネスを支えています。詳しくはこちらのページをご覧ください。

EC分析で必ず見るべき5つの視点

実は、ECサイトの分析には、ここに注意すると全体の問題が見えてくるという5つの共通した視点があります。Google AnalyticsやPageSpeed Insights、Shopifyのツールを使って確認できるこれらのポイントに着目すれば、改善施策の優先順位を明確化することができるのです。

EC分析では、このような5つの視点が重要だが、人には負担が多い作業も、AIならばごく短時間で問題点を見つけ出し、迅速にサイトの改修を行える

EC分析では、このような5つの視点が重要だが、人には負担が多い作業も、AIならばごく短時間で問題点を見つけ出し、迅速にサイトの改修を行える

①ページ単位の離脱ポイント

最初に注目すべきは、ページ単位の離脱ポイントです。どのページで訪問者が離脱しているかが分かれば、改善の方向性を一気に絞り込めます。

よくある離脱の例としては、「LPのファーストビューの訴求力不足で商品ページに進まない」、「商品ページの情報が足りず、カートへの移動率が低い」、「カートページで送料が明記されておらず、購入意欲が低下」、「購入ボタンがわかりにくく決済に進まない」などがあります。
そんなケースでは、Google Analyticsの「ユーザーフロー」や「ページ別ビュー」をチェックします。
さらにECサイトの購買行動に特化し分析がしやすいShopifyの「コンバージョンファネル」を利用した分析も可能です。ECサイトへの訪問者が実際に購入に至るまでの一連のステップが視覚的に示されるので詳細なデータを確認できます。

そのうえで、AIに「このファネルデータから離脱ポイントを3つ教えて」のように質問すると、離脱を防ぐための仮説も立ててくれるので、効率よく改善できます。
なお、Shopifyの分析機能はプランによって利用できるレポートの種類や深さが異なります。すべてのプランで基本的な分析ページ(売上、注文、オンラインストア訪問者データなどの主要な分析)は利用できますが、Advancedプラン以上では最も包括的なレポート機能が提供されます。ビジネスの成長段階や必要な分析の深さに応じて、適切なプランを選択することをおすすめします。

Shopifyのプランについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

②ページの表示速度

ページの表示速度も、CVRを大きく左右する要素です。特に、スマホからの閲覧が8割以上を占める現代では、ページの読み込みが1秒遅いだけでも売上に影響が出ます。

表示速度が遅いページには、「商品画像が重い」、「大量の画像読み込みがある」、「過剰なJavaScript」など構造的な問題がありますが、Googleが提供している「PageSpeed Insights」の結果をAIに貼り付ければ「改善すべき項目の優先順位」を整理してくれるため、専門知識がなくても着手しやすくなるでしょう。

GoogleのPageSpeed Insights。サイトのURLを入力すると、表示スピードを点数化してくれる。

GoogleのPageSpeed Insights。サイトのURLを入力すると、表示スピードを点数化してくれる。

③決済導線・送料・在庫ステータスの心理的ボトルネック

決済導線・送料・在庫ステータスの心理的ボトルネックにも注意してください。なぜなら、訪問者が買うかどうかを決めるのは購入直前の数秒の間であり、そのタイミングでストレスを感じさせてしまうと、高確率で離脱につながるからです。
このような心理的ボトルネックとしては、「決済までのクリックが多い」、「配送料・配送日の表記が分かりにくい」、「在庫状況が不明確」、「好みの決済方法が選べない」などがあり、これらのハードルを下げるだけでも、CVRが改善するケースは非常に多いといえます。

AIは、カート画面のスクリーンショットからでも、こうした心理的負担を読み取ることができます。画像を読み込ませて「どこが不安に見えるか教えて」などと質問することで、即効性のある改善につながるはずです。

④商品理解度(写真・説明文・比較情報)の不足

商品理解度(写真・説明文・比較情報)の不足も、ECサイトならではのポイントです。というのは、ECサイトは実店舗と異なり、人間が直接接客を行わないので、商品ページが販売員の役割を担います。そのため、写真や説明文の情報量が不足していると、訪問者は購入をためらってしまうのです。

ここでチェックすべきは、「画像の枚数、構図、サイズ、明るさ」、「材質・サイズ・メリット・デメリットの明確さ」、「利用シーンのイメージしやすさ」、「比較表・FAQ・レビューの有無」、「返品ポリシーの明瞭さ」などですが、商品ページのスクリーンショットやテキストをAIに読み込ませて「商品の魅力を伝えきれていない点」などを質問すれば、的確な回答が返ってきます。

なお、ECサイトでも実店舗の接客を再現する“Web接客”におすすめなツールが「チャネルトーク」です。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

⑤リピート導線(アカウント・定期便・CRM)の見落とし

さらに、多くのECでは売上の50%以上をリピーターが占めることも珍しくないため、リピート導線(アカウント・定期便・CRM)に見落としがないかを精査する必要があります。
よくある課題としては「自分のアカウントや購入履歴を見つけにくい」、「メール・LINEの案内が弱い」、「定期購入やまとめ買いの導線が不足している」、「レビュー投稿やポイント制度の訴求が足りていない」などが考えられます。
その課題に対しては、AIに「リピーター導線の弱点を整理して」と指示することで、データやページ構造から論理的に指摘してくれるでしょう。

ChatGPTで自社専用のEC解析GPTを作る

では、いよいよ自社専用EC解析GPTを作ってみましょう。「AIを使ってECサイトを分析する」と聞くと、難しそうなイメージを持つ方も多いかもしれません。しかし、ChatGPTでカスタマイズされたAIを作る「GPTs機能」を使えば、驚くほど簡単に作ることができるのです。
ちなみに、GPTsを使ってGPT(カスタムAI)を作るには、ChatGPT Plus以上の有料プランが必要ですが、既存のGPTを使うだけであれば無料プランでも対応できます。
もし、有料プランに登録していなくても、ここで作成したGPTは後述するリンクから試すことができますから、安心して読み進めてください。

今から作ろうとするGPTは、Google Analyticsの基本データや、Shopifyの注文データのファイル、ECサイトの商品ページやカート画面などのスクリーンショットを読み込ませることで、離脱ポイントの特定やUI/UXの問題発見、競合比較など、まるで社内にデータアナリストを雇ったかのように分析を進められるというものです。

AIの専門知識不要で作れる専用GPT

まずは、ChatGPTの管理画面でGPTを作成するところから始めます。なお、GPTの作成はChatGPTのスマホアプリ版ではなくWeb版から行う必要がありますので、注意してください。

操作手順

1.ChatGPT画面で「調べる」を選ぶ

ChatGPT画面の左のカラム内の「GPT」の中の「調べる」を選びます。

2.画面右上の「+作成する」を選ぶ

GTPの作成は、まずGPTセクションの「調べる」を選び、「+作成する」ボタンをクリックするところから始まる


GTPの作成は、まずGPTセクションの「調べる」を選び、「+作成する」ボタンをクリックするところから始まる


画面右上の「+作成する」を選びます。すると、「新しいGPT」の「下書き」ページが表示されます。これが、GPTの作成画面です。ちなみに、作成したGPTは、「マイGPT」から閲覧が可能です。

3.ChatGPTからの質問を日本語に変える

必要に応じて、やり取りを日本語で行うように依頼し、GPTにわかりやすい名前を付ける

必要に応じて、やり取りを日本語で行うように依頼し、GPTにわかりやすい名前を付ける


ChatGPTからの質問が英語になっているので、画面下のプロンプトのフィールドに「やり取りは日本語でお願いします」と入力して日本語に変えておきましょう。

4.GPTの名前を設定する

GPTの名前を提案されるので、適宜、わかりやすいもの(ここでは「EC解析GPT」)に変更してください。

5.GPTのアイコンを設定する

このGPTのアイコンが自動生成されるので、そのままにするか、プロンプトで指示を与えるか、あるいは「+」ボタンから画像をアップロードして、好みのものに変更します。

6.EC解析GPTの「基本説明」の入力

アイコンを決めて、このGPTの基本的な役割をプロンプトによって与えたところ

アイコンを決めて、このGPTの基本的な役割をプロンプトによって与えたところ


次に、このGPTが「何をするAIなのか」を決めていきます。ここでは、「Google Analyticsの基本データやShopifyの注文データのファイル、ECサイトのスクリーンショットを読み込んで分析する」としました。
このような説明(役割の境界線)を与えることによって、GPTは安定した分析レポートを返すようになります。

EC分析の指示フォーマットをプリセットする

これだけでも、それなりの分析レポートを返してくれますが、GPTの強みを最大化するには、あらかじめ「こういう聞き方をすることで正確な分析が返ってくる」というテンプレートを与えておくことが効果的です。
ここでは、以下のようなテンプレートを設定しましたが、必要に応じて独自のものを増やしてください。

これらの分析レポート用のテンプレートを与えることで、安定的な回答を得やすくなる

これらの分析レポート用のテンプレートを与えることで、安定的な回答を得やすくなる

ファネル分析の
テンプレートプロンプト
ファネルデータを読み込み、離脱率が高いステップを3つ挙げ、それぞれの原因仮説と改善案を教えてください。
商品ページチェックの
テンプレートプロンプト
商品の画像・説明文・レビューを確認し、購入を妨げる要因を箇条書きで整理してください。
競合比較の
テンプレートプロンプト
競合のECサイトと自社のECサイトを、以下の観点で比較してください:ファーストビュー / カート導線 / 商品情報量 / UXの違い

さらに、GPTの編集モードを「作成する」から「構成」に変えて、画面を下にスクロールし、推奨モデルを「GPT-5.1(または現時点の最新モデル)」としてください。
そして、「機能」の「コードインタープリターとデータ分析」にチェックを入れます(このチェックがないと、データを読み込んでくれません)。

さらに、編集モードを「作成する」から「構成」に変え、AIの推奨モデルを選んで、「コードインタープリターとデータ分析」にチェックを入れる。そして、プレビューの「+」ボタンでデータファイルを読み込み、次のテスト的な分析に移る

さらに、編集モードを「作成する」から「構成」に変え、AIの推奨モデルを選んで、「コードインタープリターとデータ分析」にチェックを入れる。そして、プレビューの「+」ボタンでデータファイルを読み込み、次のテスト的な分析に移る

読み込ませるデータを用意してテスト

一通りの設定が終わったので、ダミーデータでテストしてみます。

テスト方法は、画面右側のプレビューの下端にあるフィールドの「+」ボタンでデータファイルを読み込み、「このShopifyデータを使って改善提案をしてください。」のようにプロンプトで指示します。
こちらに、ごく簡単なGoogle Analyticsの基本データとShopifyの注文データ(500件分)を用意したので必要な場合はご利用ください。

改善レポートのテンプレートを組み込む

ECサイトの分析は「今日の分析がうまくできても、来週は別の内容が気になる」ことも多いものです。そのため、分析の品質を安定させるには、GPTに以下のような改善レポートの形式を覚えさせることが非常に効果的です。

EC改善レポートのテンプレート

  1. 今日の主な気づき
  2. 離脱ポイント TOP3
  3. 商品ページの改善案
  4. 競合との差分
  5. 来週のアクション案(Impact × Effort)

このテンプレートをGPTの「指示」欄に入れておくことにより、「改善レポートを作成して」と依頼したときに、整ったレポート形式でアウトプットされるようになります。

一通りの設定が終わり、動作テストに問題がなければ、右上の「作成する」ボタンをクリックして作成し、指示に従ってリンクをコピーしたり、GPTのページを表示して利用を開始してください。

改善レポートのテンプレートを「指示」欄に追加したら、「作成する」ボタンをクリックして完成となる

改善レポートのテンプレートを「指示」欄に追加したら、「作成する」ボタンをクリックして完成となる

なお、自分で作ったGPTの場合には、作成後も画面上のGPT名(この場合には、「EC解析GPT 5.1」)からメニューを開いて「GPTを編集する」を選ぶことで、編集画面に戻って修正などを加えることが可能です。

EC解析GPTでECサイトを分析させてみた

では、作成したEC解析GPTで、いくつかの分析をしてみます。このGPTは様々なデータを読み込めますが、ECの分析に最適なものは次の3種類になります。
ChatGPTの無料プランの方や、とりあえず、こちらで作成したものを使ってみたいという方は、こちらのリンクから利用してみてください。

EC解析GPTで利用できる各チャネルのデータ

①Google Analyticsから利用できる主なデータ

  • チャネル別トラフィック(流入元の比較)
  • ファネルデータ(LP→商品ページ→カート→決済)
  • 商品別パフォーマンス(閲覧数、カート率、CVR など)

②Shopifyの注文データ

管理画面 →「注文」または「レポート」 → 「エクスポート(CSV)」から取得できるデータ

Shopifyのダミーデータを指定して分析させてみる

Shopifyのダミーデータを指定して分析させてみる

③サイト画面のスクリーンショット

AIは画像認識も得意なので、以下のようなスクリーンショットをGPTに渡すことで、UI/UX上の問題点を抽出できます。

  • LP(ファーストビュー)
  • 商品一覧
  • 商品詳細ページ
  • カート・決済画面

これらのデータを「+」ボタンでGPTにアップロードし、知りたい情報の指示を出します。
たとえば、「このファネルの離脱が大きいステップを教えて」、「この商品ページのスクリーンショットから改善ポイントを抽出して」、「このチャネル別データから、CVRが低い原因を説明して」などのように、気になるポイントを伝えることで、AIが「導線のどこに問題があるのか」を即座に整理してくれます。

GPTがアップロードされたファイルを確認して、分析の方針を説明してくれる

GPTがアップロードされたファイルを確認して、分析の方針を説明してくれる

ユーザーに確認をとりながら、分析のための準備が進められていく

ユーザーに確認をとりながら、分析のための準備が進められていく

最終的に、このように細かな分析結果や改善提案が得られた

最終的に、このように細かな分析結果や改善提案が得られた

AIが読み解く強みと弱み

自分で利用する際には、より具体的な指示をプロンプトで与えて実践しましょう。

このようなダミーのランディングページのスクリーンショットを作り、分析させてみた

このようなダミーのランディングページのスクリーンショットを作り、分析させてみた

ファネル分析のプロンプト例と結果

王道の「ファネル分析」から試してみましょう。ファネルは「EC改善の地図」ともいえる重要指標です。EC解析GPTにファネルデータを読み込ませると、下記のようなボトルネックを抽出してくれます。

このfunnel.csvを読み込んで、離脱が大きいステップのTOP3と理由を教えてください。
GPTが返す典型的なアウトプット
  • 商品ページ → カートの離脱が高い(50%)→ 商品情報の不足、比較情報の欠如などの仮説
  • カート → 決済開始での離脱(58%)→ 送料不透明、決済導線の複雑さなどの仮説
  • LP → 商品一覧での離脱(45%)→ ファーストビューの訴求が弱い可能性

商品ページ分析のプロンプト例と結果

次に、商品ページ分析を試してみます。商品ページは、売上に直結する最重要ページですが、AIは、1枚のスクリーンショットからでも「画像の構図」、「文字レイアウト」、「情報量」、「視線導線」などを総合的に評価して、驚くほど細かくUI/UXの問題点を抽出してくれます。

この商品ページのスクリーンショットから、購入を妨げている要因を5つ挙げてください。
GPTが指摘する典型的なポイント
  • メイン画像が小さく、商品の質感が伝わりにくい
  • 価格と購入ボタンが視線導線上にない
  • レビューの位置が下すぎて信頼性が伝わらない
  • サイズ表が隠れていて、比較しにくい
  • 推奨利用シーンが伝わらず、顧客が具体的に想像できない

カート・決済導線分析のプロンプト例と結果

さらに、カート・決済導線の改善提案も行ってみましょう。カート→決済 の流れはCVRに直結するため、分析する価値が大きい領域です。スクリーンショットと簡単な指示だけでも、細かな改善ポイントが抽出されます。

このカート画面のスクリーンショットから、離脱につながりそうな要因を3つ教えてください。
GPTが拾い上げる典型的な弱点
  • カート時点で配送料が見えない
  • 決済ボタンが画面下部に埋もれている
  • 商品サムネイルが小さく、選択ミスが不安になる
  • 不要な入力項目が多い

UI/UXの比較

ECサイト解析GPTは、自社のUI/UXの分析だけでなく、競合サイトの分析にも使えます。もちろん、詳細な数値データなどの取得はできませんが、対象となるECサイトのスクリーンショットをアップロードして、以下のような依頼をすることが可能です。

ファーストビュー分析のプロンプト例とアウトプット

自社と競合A社のファーストビューを比較して、強みと弱みを整理してください。
GPTのアウトプット例
  • 競合は訴求メッセージが明確
  • 自社は画像品質が高くブランド性が強い
  • 競合はレビュー表示が豊富
  • 自社はカート導線がシンプルで離脱が少なそう

AIが示す「自社が勝てるポイント」

単なる指摘ではなく、以下のようにImpact × Effort(効果 × 工数)の視点で改善案を並べ替えさせることで、自ずから「自社が勝てるポイント」が見えてきます

優先順位の与え方の例

  • ★★★★★ ファーストビューの訴求改善(効果大/工数小)
  • ★★★★☆ レビュー導線の強化(効果中/工数中)
  • ★★★☆☆ カート画面のレイアウト修正(効果大/工数大)
先ほどと同様に、細かな指摘と改善案が示された

先ほどと同様に、細かな指摘と改善案が示された

「改善の取捨選択」はEC担当者が最も苦労するところですが、AIに分析させることで、「どこを最初に直せばよいか」が明確になり、会議や施策の意思決定を早めたり、改善のための投資対効果を高めることができるのです。

AIでEC改善が常時回り続ける時代へ

ここまで見てきたように、AIはECサイトの「分析」と「改善提案」を、人間よりも速く、かつ網羅的に行うことができます。そして、今後は、さらに一歩進んで、AIが自動でデータを監視し、毎日レポートを作り、改善案を考え続ける時代がやってくるでしょう。

このような、与えられたタスクを自律的に行うAIを「AIエージェント」と呼び、これから様々な分野での活躍が期待されています。EC事業者にとっても、AIエージェントは高い専門性を持つ担当者が1人増えることに近いインパクトがありますが、最後に、近い将来のECサイト運営がどのように変化するかを垣間見ておきましょう。

毎日の自動レポートをAIが生成

ECサイト運営では、毎日の数字チェックが欠かせません。広告のパフォーマンスからファネル、商品別の数字など、すべてのデータを見てまとめる作業は大変ですが、こうしたレポートは、AIエージェントによって毎日自動的に作られるようになるでしょう。

そして、人間のECサイト運営担当者がやるべき仕事は、気になる数字があれば深掘りを指示したり、提案された改善案の中から実際に実行する施策を選ぶ…といった「意思決定」をくだすことがメインになっていくものと考えられます

ABテスト案をAIが提案する未来

ECサイトのパフォーマンス改善には、地道な努力が求められます。たとえば、ボタンは何色が良いのか、ファーストビューの順番を変えるべきか、といった小さな判断の積み重ねです。AIエージェントは、こうしたことも自動で提案してくるようになります。

たとえば、「ファーストビューのテキストA/B案」、「ポップアップ表示タイミングの改善案」、「商品説明文の別バージョン」、「レビュー導線を強化する配置案」、「カート画面の迷いポイントの改善アイデア」など。これらは今でも、逐次、AIに指示を与えれば回答が得られますが、「提案 → 検証」のサイクルを自動で回せるようになることで、改善スピードは大幅に高まるでしょう。

AIエージェントに最適化されるShopify

Shopify公式サイト
そして、先ほど紹介したShopifyには、AIが提案した改善案を、すぐに実装して試せる環境が整っています。ShopifyがAIエージェントとの相性がよい理由としては、以下のような点が挙げられます。

APIやデータ構造が整っている

まず、APIやデータ構造が整っていることによって、売上・顧客・商品情報などをAIが読み取りやすい形で扱うことが可能です。また、更新が反映されやすいCMS構造のため、テーマ編集やアプリ導入も含めてAIの提案をそのまま試すことができます。
さらに、「BiNDec」のようなShopify認定パートナーが提供するサービスを活用することで、Shopifyの力を最大限に引き出す構築・設計・最適化を行い、「AI活用の土台づくり」や中長期的なECサイト運用の安定化を実現することが可能です。
スピーディな成長を実現する、BiNDecの導入フロー

これまでのように、担当者が毎日数字を追い、仮説を立てるのに時間がかかり、施策が後回しになりがちだった時代から、AIが毎朝レポートを提出して複数の改善案を瞬時に用意し、担当者が「意思決定」と「実装」に集中でき、改善サイクルが高速化する時代への移行が始まりつつあります。
かつての在庫管理から受注、発送業務の自動化が、ECサイト運営における最初の自動化の波だったとすれば、これは、まさに第二の波の到来です。そして、AIエージェントとの相性の良さによって、Shopifyは今後さらにその存在感を高めていくことでしょう。

BiNDecについて詳しくはこちらの資料をご覧ください。

データ × AI × Shopifyの力を最大化させるEC構築

AIを活用したEC分析は、専門的な知識がなくても、今日から自社で始められます。しかし、こうした「自社専用のEC解析AI」を中長期でしっかり運用していくには、Shopifyの強みを生かして、AIが理解しやすいデータ基盤の基本を固め、ビジネスの成長に応じて拡張していくことが重要になります。
「AIでEC改善を加速したい」、「自社のデータ環境を整えたい」といった要望をお持ちでしたら、ぜひBiNDecにご相談ください。豊富な実績をもとに、あなたのブランドの成長に最適な「AI活用の土台づくり」をご提案します。

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POINT

  • アクセスはあるのに売れない原因をAIが可視化。UI/UXの不備や離脱点を瞬時に発見する
  • ChatGPTで自社専用の解析AIを簡単作成。データや画像から具体的な改善案を提案する
  • Shopifyはデータ構造がAI分析に最適。AIエージェント活用で改善サイクルが高速化する

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