Shopifyで始めるLLMO対策とは?AIに選ばれるエージェンティックコマース時代のEC設計|イベントレポート

Shopifyで始めるLLMO対策とは?AIに選ばれるエージェンティックコマース時代のEC設計|イベントレポート

この記事でわかること

  • AI経由の来訪者は購入率が高い一方、4割近くのECサイトはAIに内容を読み取られていない
  • AIはおすすめ商品の根拠として、モールよりもブランド公式ECを最も多く引用している
  • AIツールを足すだけでは成果が限られ、データ・商品情報・購入後体験をつなぐ設計が必要

ChatGPTやGeminiで商品を探し、比べてから買う人が増えています。Shopifyのデータでは、AI検索経由のセッション数は前年比+197%と、オーガニック検索の+12%を大きく上回りました(※)。
※Shopify 2026年第2四半期コマースデータより
一方で、AIを搭載したツールやアプリをECサイトに入れてみたものの、成果につながっている実感がない、という声も聞こえてきます。

AI経由のお客様に選ばれ、買ってもらい、また戻ってきてもらうために、ECサイトの何を変えるべきなのか。その答えを、Shopify Japan、awoo、Recustomer、WEBLIFEの4社が、2026年10月5日に虎ノ門で開催した「Agentic Commerce Night」で語りました。
この記事では、当日の議論から、EC事業者がいま見直したいポイントをお届けします。

Agentic commerce night

左から、株式会社ウェブライフ 代表取締役 山岡義正、Recustomer株式会社 代表取締役COO 辻野翔大 氏、awoo株式会社 Japan Country Manager 遠藤光一 氏、Shopify Japan株式会社 石谷生剛 氏

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エージェンティックコマースとは?

エージェンティックコマースとは、AIエージェントがお客様に代わって、商品の検索・比較から購入、返品などの手続きまでを担う、新しい買い物の形です。
一方で、言葉だけが先行し、具体的に何から取り組むべきか、まだイメージしづらいという声もあります。
イベントの冒頭では、モデレーターであるWEBLIFE代表の山岡から「最近、Agentic Commerceという言葉だけが一人歩きしているように感じています。何から始めればよいのか、今日は一つでもヒントを持ち帰っていただきたい」と、今回のイベントに込めた想いが語られました。
株式会社ウェブライフ 代表取締役 山岡義正

Shopifyは、エージェンティックコマースにどう取り組んでいるのか

Shopifyは、ECサイトの商品をAIとの対話の中で見つけてもらい、購入までつなげる仕組みづくりを進めています。
Shopify Japanでパートナーサクセスマネージャーを務める石谷氏も「今日のテーマであるエージェンティックコマースは、Shopifyとしても今まさに力を入れている領域です」と語ります。

その取り組みの一つが、Shopify Japanが2026年3月に発表したAgentic Storefrontsです。ChatGPTやGeminiなどのAIチャットに、ShopifyでつくられたECサイトの商品を表示し、販売できるようにするものです。

ShopifyのAgentic Storefronts

Screenshot


※現時点では米国の購入者向けの販売が対象とされています。

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AIでの買い物は、ECサイトの入口をどう変えたのか

AIは、お客様が商品を探し、比べるための新しい入口になりました。ただし、最後に買うかどうかを決めるのは、いまもお客様自身です。

石谷氏自身は「専門性が高く、細かなスペックの比較が必要な商品や、そもそも商品名がわからないものを探す際に、AIを活用することが多い」と言います。AIは、商品名やスペックを自分で調べることが難しい場面でも、商品探しや比較をサポートする役割を担い始めています。

Shopify Japan株式会社 パートナー事業本部 パートナーサクセスマネージャー 石谷 生剛 氏

Shopify Japan株式会社 パートナー事業本部 パートナーサクセスマネージャー 石谷 生剛 氏

全国1,000人への調査でも、AIに「好みに合う商品候補を探す」ことを任せてもよい人は37.2%でしたが、「購入・決済まで自動で完了」は2.2%にとどまりました(※)。
※株式会社ネットプロテクションズのシンクタンク「NP総研」調査(調査期間:2026年6月10日〜6月12日)より

「たとえば水のように日常的に購入する商品はAIに任せやすい一方、洋服や靴のように選ぶ過程そのものが買い物の楽しさにつながる商品は、必ずしもAIに置き換わるわけではないでしょう」と、Recustomer代表取締役COOの辻野氏は語ります。
このように、AIに任せやすい買い物と、人が自ら選びたい買い物には違いがあります。商品の検索や比較はAIが支援し、最終的な購入判断は人が行う。こうした役割分担が、現在の日本におけるAIを活用した購買行動の実態として見えてきます。

Recustomer株式会社 代表取締役COO 辻野翔大 氏

Recustomer株式会社 代表取締役COO 辻野翔大 氏

AI経由のお客様は、なぜ購入率が高いのか

AI経由で到達するお客様は比較検討を済ませたうえで、商品詳細ページに直接やって来ます。米国の小売サイトのデータでは、生成AI経由の訪問者は、それ以外と比べてコンバージョン率が+60%、1回の訪問あたりの購入額が+53%でした(※)。
※Adobe Analytics(米国の小売サイト・2026年7月データ)/ネットショップ担当者フォーラム(2026年8月27日)より

この数字について、石谷氏は「お客様はAIで商品の比較検討を済ませているので、購入率が高くなるのは自然なことです。もう一つの理由は訪問先にあります。ChatGPTで調べたお客様が訪れるのは、すでに商品詳細ページです。購入までの導線がかなり進んだ状態で来ているので、当然の結果だと思います」と分析します。

AI経由のお客様に合わせて、導線設計はどう変えるべきか

トップページから辿ってもらう前提を見直し、カートやチェックアウト、マイページといった購入と継続にかかわるページから導線を設計し直す必要があります。

「ChatGPTからカートへ、ChatGPTから商品詳細ページへと、お客様の導線は変わりつつあります。これまでのEC構築では、トップページや一覧ページを起点に導線を考えてきましたが、その発想を変えなければ、時間をかけてつくったページにお客様がまったく訪れないということにもなりかねません」と、山岡は会場のEC事業者に問題を投げかけました。

ECサイトは、AIにどのくらい読み取られているのか

ある調査によればECサイトの内容のうち、AIが読み取れない割合は39%にのぼります(※)。
※Adobe Analytics(米国の小売サイト・2026年7月データ)/ネットショップ担当者フォーラム(2026年8月27日)より

AIに読んでもらうために必要なことについて、awooでJapan Country Managerを務める遠藤氏は「大切なのは、AIが情報を収集する際に、情報をわかりやすく取得できる状態にしておくことです。たとえば、商品のスペックをカタログのように項目ごとに整理する。いわゆる『構造化』です。社内でAIを活用する場合も、ECサイトの情報をAIに理解してもらう場合も、基本的なアプローチは同じだと考えています」と説明します。

awoo株式会社 Japan Country Manager 遠藤光一 氏

awoo株式会社 Japan Country Manager 遠藤光一 氏

Webサイトのアコーディオンなど、クリックして初めて情報を読み込む仕組みでは、クリック操作をしないAIのクローラーが内容を取得できないことがあります。人にとっての見やすさに加え、AIが操作せずに情報を取得できる設計も大切です。

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視点① AIを導入しても成果が出にくいのはなぜか

AIが使えるデータが整っていないまま導入すると、改善が「点」にとどまってしまいます。

山岡は、Shopifyの社内で使われているAIエージェント「River」を例に挙げました。RiverはSlack上で動き、社内のさまざまなデータにつながっています。

ShopifyのRiverのデモ画像

「AIを動かすには、元となるデータにアクセスできることが前提です。そこが整っていなければ、大きな成果は得られません。データがすべてであり、まさに一丁目一番地だと考えています」と山岡は伝えます。
さらに山岡は「皆さん、契約書がどこに保管されているか、すぐに答えられますか」と会場に問いかけ、社内の情報整理の大切さを伝えました。

ECサイトでも同じです。商品・顧客・注文・配送のデータがばらばらのままでは、アプリを足してもAIは十分に働けません。まずEC全体をAIが活用しやすい設計にし、そのうえでアプリや外部サービスを選ぶ順番が大切です。
外部のシステムとも柔軟に連携できるShopifyを中心に、データがつながる状態をつくることが出発点になります。

Shopifyでは、ECサイトと外部システムのデータをどうつなげられるのか

ShopifyでつくられたECサイトは、Shopifyアプリを追加することで機能を拡張し、ERPや倉庫などの外部システムとデータを連携できます。

BiNDecが支援したジョンマスターオーガニックでも、ShopifyとOracle NetSuiteをiPaaSでつなぎ、注文データの連携トラブルをほぼ解消しています。
詳しくはこちらの記事で紹介していますのでぜひ併せてご覧ください。
[blogcard url="https://bindec.jp/media/555953144517/"]

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視点② AIに商品を見つけてもらうには、どこを整えるべきか

最も優先して整えたいのは、自社の公式ECサイトです。AIの回答の中で自社の商品や情報が取り上げられるように、サイトの情報を整えることをLLMO(大規模言語モデル最適化)やGEO(生成エンジン最適化)と呼びます。

LLMOについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
[blogcard url="https://bindec.jp/media/555953147001/"]

AIは、何を根拠に商品をすすめているのか

awoo社が当日紹介した調査では、AIの回答に含まれる引用元として最も多かったのは、ブランドの公式ECサイトでした。ChatGPTやGeminiなどのAIの回答に含まれる引用元のうち、ブランドの公式ECサイトが39.1%を占めていました(※)。
※awoo株式会社がawoo GEO Suiteを用いて実施した調査(「Agentic Commerce Night」登壇資料より)。対象AI:ChatGPT、Google AI Mode、AI Overviews、Gemini/質問:スキンケア・化粧水7問、アパレル・通勤オフィス系7問の計14問/計測期間:2026年6月11日〜8月16日(原則3日おき、計23日)/計測数:のべ1,143回答、引用URL 5,586本

「YouTubeはAIに引用されやすいという記事を見かけたりもしましたが、今回の調査で最も多かった引用元は、意外にもブランドの公式ECサイトでした」と遠藤氏も振り返ります。山岡も「お客様から『AI対策をしても、結局はAmazonや楽天が上位に来るのでは』と質問されることがありますが、このデータはそうではないことを示しています」と話します。

今回の調査からは、ブランドが自ら発信する情報が、AIの回答を支える重要な材料になっていることが分かります。自社ECサイトの商品ページは、お客様に直接情報を届けるだけでなく、AIを通じて商品の魅力を伝える役割も担っているといえます。
一方、公式ECサイトの情報が不足していれば、AIが参照できる自社発信の情報も限られます。お客様が自社の商品に関心を持ち、AIに質問したとしても、その特徴や強みが十分に伝わらない。そうした機会損失を防ぐためにも、公式ECサイトの情報を充実させておくことが大切です。

[weblifeeye]モール中心の販売から自社ECサイトに軸足を移したルミアグラスも、公式ECサイトの価値を実感しているブランドです。モールでは商品は売れても、どの年代のどんな人が、どれくらいの頻度でリピートしているのかがわかりませんでした。
そこでBiNDecの伴走のもとShopifyで自社ECサイトを構築し、Shopify SidekickなどのAI機能の活用にも取り組んでいます。自社のお客様を知り、自社の言葉で発信できる場を持つことは、AIに選ばれる公式ECサイトの土台にもなります。[/weblifeeye]

ルミアグラスの取り組みについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
[blogcard url="https://bindec.jp/media/555953150229/"]

公式ECサイトには、どんな情報を用意すればよいのか

お客様がAIに聞きそうな質問を想定し、その答えを商品ページやFAQ、利用ガイドに用意しておくことが基本です。

遠藤氏は「返品できることも、AIにきちんと伝えておく必要があります。お客様は実際に、そうした質問をAIにするからです」と話しています。
やみくもに記事を増やす前に、売上の大きいカテゴリから、自社のお客様が商品を選ぶときや購入を決めるときに、どのような疑問を持つかを洗い出すことが出発点です。

公式ECサイトに用意すべき情報は、業種によっても変わります。BiNDecが業種別に提供しているサービスでは、アパレル向けにサイズの不安を解消するサイズガイド、食品向けに原材料・アレルギーなどの安全性情報を表示する機能を備えています。

業種 想定される質問の例 公式ECサイトで整えたい情報
アパレル 自分の体型に合うサイズは? サイズガイド、スタッフの着用コーディネート、返品・交換の条件
コスメ 定期購入は途中で休める? 定期購入の割引・スキップ条件、ギフト対応
食品 アレルギーがあっても大丈夫? 原材料・アレルギー表示、配送温度帯、のし・ギフト対応

いずれも、これまで人のお客様に親切な情報として整えてきたものです。それをAIにも読み取れる形で商品ページに載せておくことが、AI時代の商品情報の整備です。

業界特化型のEC構築・運用支援サービスは、こちらで紹介しています。
[blogcard url="https://bindec.jp/service/model-apparel/"]

Shopifyでは、AIに見つけてもらう商品データをどう整えられるのか

Shopifyには、AIが読み取りやすい商品データを整えるための仕組みが標準で用意されています。主な3つを紹介します。

世界共通のカテゴリで登録できる標準商品分類

Shopifyの標準商品分類を使えば、会社ごとに呼び方が違う商品でも共通のカテゴリで扱えます。
「会社によって『化粧水』と呼んだり『トナー』と呼んだりと表現は異なりますが、世界的に見れば同じカテゴリです。用意されたカテゴリを選んで商品を登録しておけば、AIが迷わず商品を探し出せる仕組みになっています」と石谷氏は話します。

AIエージェントが読み取れるShopify Catalog

Shopify Catalogは、ShopifyでつくられたECサイトの商品のタイトルや説明、画像、価格、在庫などを集めた、構造化された商品情報です。AIプラットフォームやAIエージェントはこのカタログを使って商品を探し、理解します。要件を満たす商品は、追加の対応なしで自動的に含まれます。

Google × Shopify開発のUniversal Commerce Protocol

Universal Commerce Protocol(UCP)は、ShopifyとGoogleが開発した、AIエージェントと商取引をつなぐオープンな規格です。商品の発見から決済、注文、購入後の対応までを共通の手順で扱えるようにするもので、Etsy、Wayfair、Target、Walmartなども支援しています。

こうした仕組みを生かせるかどうかは、商品データをどう登録し、どう整えるかという設計次第です。
山岡も「商品情報に限らず、ページやブランドの情報も含めて、すべてをAIが読みやすい状態にしておくことが大切です。まずは商品から始め、最終的には会社全体の情報をAIが読みやすくしていくことが重要だと考えています」と話しました。

自社ブランドがAIにどう紹介されているかを知り、改善につなげるには|awoo

awoo社の「awoo GEO Suite」は、ChatGPTやGeminiなどのAIの回答の中で、自社ブランドがどう言及・推薦されているかを可視化・分析し、企業のGEO/LLMO推進を支援するサービスです。
メンション率、シェア・オブ・ボイス、平均掲載順位、情緒スコア、サイト引用率の5つの指標に加え、実際に生成されたAI回答を確認できます。ペルソナやカスタマージャーニーを踏まえたプロンプトを設計することで、自社が狙いたい顧客や文脈に沿った継続的なモニタリングが可能です。
さらに、分析データを提示するだけでなく、改善レポートを通じて、優先的に取り組むべき課題や具体的な改善策を提案します。

また、商品情報からAIがハッシュタグを自動生成する「awoo AI」は、関連商品や特集ページへの回遊を生み、AIにも人にも探しやすいサイトづくりを支えるサービスとして、国内170社以上のECサイトに導入されています。

awooのAIソリューション
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視点③ AI経由のお客様に買ってもらうには何が必要か

購入後の不安を取り除き、買わない理由をなくすことが必要です。

なぜ「買わない理由」に目を向けるべきなのか

コンバージョン率が2%なら、残りの98%の中には、買いたいのに不安があって買えなかった人が含まれています。
「買う理由は、AIも後押ししてくれますし、サイトの中でもタイムセールやクーポンで用意されています。一方で、買わない理由をなくす視点も重要です。コンバージョン率が2%なら、98%の人は購入していません。その中には、買いたくても買えなかった人もいるはずです」と辻野氏は語ります。

洋服なら、サイズが合わなかったらどうしよう、という不安がその代表です。返品が無料なら「もっとオンラインで買う」と答えた消費者は78%にのぼり、Recustomer社の導入ブランドでは、返品・交換を経験した顧客のLTVが未経験の顧客の1.95倍でした(※)。返品は損失ではなく、次の購入につながる接点です。
※Klarna「Rethinking Returns」2019(n=2,000)/Recustomer導入ブランド約1,790万注文の購買データより

返品の不安をなくし、購入の後押しをするには|Recustomer

「Recustomer」は、予約購入やお試し購入といった購入前の安心づくりから、返品・交換・キャンセル、配送追跡といった購入後の手続きまでを、ひとつの仕組みで支える購入体験プラットフォームです。500を超えるブランドに導入されています。
返品・交換の受付から集荷手配までを自動化できるため、CSの運用負荷を抑えながら、お客様にとっても手間の少ない購入後体験をつくれます。蓄積した返品理由のデータは、商品ページの改善や次の施策の根拠としても生かせます。

なかでも注目したいのが、購入時の返品送料オプションです。購入者が数百円のオプションを選ぶと返送料はRecustomer社が負担するため、EC事業者は持ち出しなく「返品送料無料」を打ち出せます。サイズやイメージ違いへの不安を、買う瞬間に取り除ける仕組みです。

Recustomerのサービス

購入後の領域で、AIはどう活用されていくのか

返品や交換のような手続きは、AIに任せやすく、活用が早く広がると考えられる領域です。
「返品の手続きには、買い物のような楽しさはありません。たとえばChatGPTに『先日すすめられた商品を買ったが、サイズが合わなかった』と伝えると『返品しますか』と提案され、その後のやりとりもすべてAIの画面上で完結する。こうした使い方は十分に想像できます」と辻野氏は話します。

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AI活用は、どこから始めればよいのか

まずはプラットフォームに備わったAI機能から使い始め、自社の業務にAIを組み込むときはAIに任せる役割を絞ることが、無理なく安全に進める近道です。

Shopifyでは、AIをECサイト運営にどう活かせるのか

Shopifyでは、ストアを動かすAI、AIに選ばれる仕組み、AIによる接客の3つの方向からAI機能の提供を進めています。

ストアを動かすAI|管理画面のAIアシスタント「Sidekick」

石谷氏は1つ目について「ECサイトの構築を手伝うAIもあれば、『今のカート離脱率はこのくらいだが、どうすれば改善できるか』といった相談に乗ってくれるAI機能もあります」と説明しました。

その代表が、管理画面に搭載されたAIアシスタント「Sidekick」です。日常の言葉で話しかけるだけで、データの分析や注文の管理、商品の編集、商品説明の作成などを手伝ってくれます。2025年4月には日本語にも対応しました。

Sidekickは、経営者やマネージャの右腕として積極的にECビジネスを補佐する役割を果たす

Sidekickは、経営者やマネージャの右腕として積極的にECビジネスを補佐する役割を果たす

AIに選ばれる仕組み|標準商品分類・Shopify Catalog・UCP

2つ目は、視点②で紹介した、AIが読み取りやすい商品データを整える仕組みです。

AIによる接客|来店したお客様への対応

3つ目について、石谷氏は「売上を伸ばす観点でも、カスタマーサポートなどの人的なコストを下げる観点でも、AIはかなり役立つと思います」と話しました。

ただし、ShopifyのAI機能には、言語や地域によって提供状況が異なるものもあります。自社のECサイトで今使える機能を見極めることも、AI活用を進めるうえで欠かせません。

その中で注目したいAIチャットサービスに「チャネルトーク」があります。チャネルトークは問合せを減らすことを目的にせず、対話を通じて顧客満足度を高めることを出発点に設計されています。
こちらの記事で詳しく紹介していますので、併せてご覧ください。
[blogcard url="https://bindec.jp/media/555953150269/"]

AIを安全に使うには、どう設計すればよいのか

AIに任せる役割を絞り、人の判断が必要な場面では通知を出す設計にすることが、安全を保つ方法の一つです。

山岡はイベントの冒頭から「企業でAI活用が途中で止まってしまう理由の一つは、セキュリティの問題です。個人がClaude Codeなどを使えば多くのことができてしまいますが、会社の規模にかかわらず、それを個人に依存してよいのかという課題があります。何でもできてしまうことが、今はかえって怖いと感じています」と、AI活用のリスクにも触れていました。

そこでウェブライフが開発を進めているのが、役割を絞ったAIエージェントです。
「たとえば、商品のささげ(撮影・採寸・原稿作成)だけを担うAIです。裏側ではClaudeやCodexが動いていますが、私たちの仕組みを通すことで、それ以外の作業はできないようにしています。ほかにも、受注を監視してギフトラッピングの対応だけを行うAIや、分析だけを担うAIがあります」と山岡は紹介します。

BiNDecの「相談するAI」から「自走するAI」へ変える設計

「AIをMCPなどで裏側からそのままつなぐと、顧客データが流出したり、サイトが意図せず編集されたりするおそれがあります。私たちは、人の判断が必要な場面では通知を出しつつ、それぞれのエージェントにはごく限られた作業だけを任せるようにしています。そのほうが、AIの時代においては、安全な状態を保てるAIを数多く活用できると考えています」と山岡は話しました。

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AI時代に選ばれるECサイトには、何が必要なのか

データ、商品情報、購入後の安心という3つの視点を、ひとつの全体設計としてつなぐことが必要です。イベント全体を通じて見えてきたのは、AI時代のECサイトに必要な次の3つの条件でした。

  • AIが働けるように、商品・顧客・注文・配送のデータがつながっているか
  • AIに見つけてもらえるように、公式ECサイトの商品情報が整っているか
  • 最後に買ってもらえるように、購入後の安心が伝わっているか

返品条件はAIに読まれる商品情報の一部であり、返品理由のデータは商品ページの改善に生かせるように、3つは互いにつながっています。どれか一つだけを整えても、成果にはつながりにくいのです。
Shopify、awoo社、Recustomer社の仕組みを、自社の商材や体制に合わせて、どこから、どの順番で組み合わせるか。AI時代のECサイトに求められているのは、最新のツールを一つ入れることではなく、この全体設計です。

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エージェンティックコマース対応のECサイト構築はどこに相談すればよいのか

データ、商品情報、購入後の体験をまとめて設計できるShopifyパートナーに相談するのが近道です。どこから手をつけるべきかを、社内だけで判断するのは簡単ではありません。

BiNDecは、Shopifyを中心に、EC全体の設計から構築・運用までを支援するサービスです。運営するウェブライフは、Shopifyパートナー制度で国内最上位のShopify Platinumパートナーに認定されており、400ストア以上の構築実績があります。

BiNDecでは、まずデータがつながる基盤を設計し、そのうえで自社に合ったアプリや外部サービスを組み合わせます。今回共に登壇したawoo社やRecustomer社の専門サービスも、課題に合わせて導入を検討できます。AIの活用も、データや権限、業務を整えながら、任せる範囲を少しずつ広げていきます。

その最初の一歩として実施しているのが「EC診断」です。現状のデータや業務を整理し、AI時代に向けてどこから見直すべきか、Shopifyへのリプレースが必要かどうかを一緒に洗い出します。
こちらのオンライン相談窓口から、ぜひお気軽にご相談ください。

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