ECサイトで効果的なメルマガ施策!開封率・クリック率を上げるヒント

ECサイトで効果的なメルマガ施策!開封率・クリック率を上げるヒント

ECサイトでメルマガを発行したいけど、実際に運用しようとするにはハードルが高いと考えている運営者の方もいると思います。Shopifyにもメルマガを発行するための便利な機能がありますが「どのような内容にしたら良いのか」「配信の間隔は?」など具体的な部分で不明瞭な部分もあると思います。

この記事では、ECサイトにおけるメルマガの基本から、Shopifyでストア運用している方に向けて具体的な施策までご紹介。メルマガの配信に迷っているECサイト運営者の方は、ぜひ参考にしてください。

ECサイトにおけるメルマガとは?

スマホを見る人の手元の写真

メルマガはメールマガジンの略で、発行主が定期的に対象者へ送信する電子メールのことを指します。通常の電子メールと異なるのは、マガジンという名前が入っている点からわかるように、コンテンツを編纂(ヘンサン)して読者に届ける一種のメディアである点です。
そのため、発行主は個人だったり企業だったりと様々で、記述方式などに決められたフォーマットはありません。

ECサイトにおけるメルマガとしては、顧客に対して役立つコンテンツの掲載やクーポンの配布なども行えるので、メールマーケティングのツールとして活用できます。
SNSやチャットツールが全盛の今となってはメルマガと聞くと時代遅れの手法に思えるかもしれませんが、電子メールビジネスの場では日常的に使われており、消費者の多くも受信環境は整っているので成果を出すことが可能なツールです。

購入後の顧客をサポートするサンクスメール施策も効果的です。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

ECサイトでメルマガを配信するストアのメリット

クーポンやセール情報のメルマガ配信により、ストア側はどのような効果を得られるのかを知ることで、コストをかけて施策として取り組むべきか判断の基準を持つことができるでしょう。ここでは、ECサイトでメルマガを配信するストアのメリットをご紹介します。

顧客をリピーターに育成できる

ECサイトでメルマガを配信するストアのメリットとしては、既存の顧客をリピーターに育成できることです。

一度購入してくれた顧客は同系統の商品を買う可能性がありますし、消耗品であればなおさら定期的に購入される確率が高いです。
ですが、ストア側からアプローチをしなければ、顧客は別のECサイトから同系統の商品を買ってしまうかもしれません。そこでメルマガ配信を活用します。
顧客に自社のECサイトの存在を思い出させますし、そこにクーポンなどがあれば再びストアに訪れてもらうきっかけになります。

クロスセルやアップセルが狙える

顧客がメルマガを読むことで、クロスセルアップセルを狙えるメリットがあります。

例えば、メルマガに商品の詳しい使い方や応用方法や、合わせて使うと便利な商品などを掲載すれば、顧客は納得して追加商品の購入を検討でき、クロスセルを狙うことも可能でしょう。
また、新商品の発売や、定期購買などの上位プランを告知をメルマガに掲載するのも良いでしょう。とある商品の旧モデルを検討している顧客に、より良い商品を案内することでアップセルを狙えます。
定期購買の上位プランも同様で、需要にマッチした際にはプラン乗り換え検討の機会を創出できます。

このようにクロスセルやアップセルを実現できれば、顧客単価も向上します。

低コストで実施ができる

メルマガは低コストで実施できるマーケティング施策です。リスティング広告に宣伝費をかけるのもひとつですが、すでにECサイトと接点のある顧客に直接アプローチできるメルマガを使わない手はありません。

もちろん、メルマガ制作には時間や手間はある程度必要です。でも、初めからリッチな仕様にする必要はありません。文字だけで構成したテキストタイプのメルマガであれば、書き手のみの工数で完結します。
また、配信にかかるコストもそこまで高額ではありません。例えば、後述するShopifyメールであれば、毎月10,000通まで無料で配信することができます。

ECサイトで効果的なメルマガ配信施策

ECサイトでメルマガを配信するのであれば、できるだけ効率的に配信して結果を出したいところです。ここでは、ECサイトで効果的なメルマガ配信施策をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

会員のセグメントごとに内容を変えて配信する

ECサイトで効果的なメルマガを配信するなら、会員のセグメントごとに内容を変えて配信することをおすすめします。

当たり前の話ですが、仮に女性向けの新製品を取り扱うことになったとして、その情報を男性にお知らせしても結果に結びつくことは少ないでしょう。
もちろん、知り合いの女性に宣伝してもらえる可能性はゼロではありませんが、基本的には意味はないと言えます。メルマガは、配信数によって従量課金されるケースが多いので、できるだけ効率よくターゲットに向けて配信すべきです。

例えば、年齢や性別などの基本的な属性はもちろんのこと、取り扱う商品によっては居住地なども視野に入れるべきでしょう。また、過去の購入履歴など、顧客の行動パターンを元にセグメントするのも有効です。

メルマガのタイトルに顧客に刺さるキラーワードを入れよう

スマートフォンを見る女性の写真

メルマガのタイトルに顧客に刺さるキラーワードを入れることも大切です。電子メールの件名部分に当たるのが、メルマガのタイトルです。
つまり、通知やメーラーなどで最初に目にするのがメルマガのタイトルになりますので、顧客が「開封したい!」と思うキラーワードがなければ、そのまま削除されてしまうかも知れません。そうなれば、クーポンなど顧客にもメリットがあるメルマガでも、何の意味も無くなってしまいます。

万人受けするキラーワードが効果的な場合もあれば、前述したセグメント別に刺さるキラーワードが適切な場合もあります。例えば、万人受けの例としては「1時間だけの50%オフタイムセール実施中」など限定感やお得感がわかりやすいものです。
また、顧客データを利用して、パーソナライズしたタイトルで配信するのも有効なキラーワードになります。例えば「6月生まれの〇〇様にバースデークーポンをプレゼント」などです。

ほかにも、キラーワードとは少しことなりますが、文字だけでなく「★」や「【】」などの記号をタイトルに入れることで、重要な文字を強調したり、ほかの電子メールよりも目立たせたりする施策もあります。
ただし、読ませたいキラーワードや記号を入れすぎてタイトルが長くなると、逆に理解できずに読む気がなくなってしまうケースもあるので、ご注意ください。

AIを使用して作業を効率化

メルマガのタイトルや本文も、配信本数が多くなればなるほど思考や原稿制作に時間がかかってしまうことでしょう。そんな時にはAIの力を借りるのも1つの手です。

世界的なエンタープライズ企業のECサイト構築にも多く利用されている、コマースプラットフォームShopifyも生成AIの活用には積極的に取り組んでいて、ShopifyMagicという名称の下、EC事業者が効率よく事業を運営できるような仕組みを整えています

ShopifyMagicは、後述するShopifyメールを使用する際にキャンペーンタイプや商品に関するキーワードなどメールの概要を入力すると、効果的なタイトルを自動生成してくれます。「説得力のある」や「遊び心がある」「エキスパート」など語調も選択できるので、ブランドや商品の雰囲気に合わせたテイストでの作成が可能です。

Shopifyメールの件名を提案するShopify magic

詳しくはこちらの記事で解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください。

顧客の行動を調べてPDCAサイクルを回す

メルマガを出した結果、何となく先週よりも売上げが伸びた……と喜んでいてはいけません。実際にメルマガを出したことで、どのように顧客が行動し、結果に結びついたのかを調査しなければ、次のメルマガ配信に活かすことはできません

そこで、到達率、開封率、クリック率を調査し、セグメントは間違っていないか、キラーワードは効果的だったのかなどを確認しましょう。
そして問題があれば、それを改善した上でメルマガを配信し、また結果を調査するのです。このように顧客の行動を調べてPDCAサイクルを回すことで、より確度の高いメルマガを配信できるようになるのです。

メルマガ配信サービスやMAツールを利用する

ECサイトで効果的なメルマガを配信するための施策は、配信する顧客が増えると手動で管理し続けるのは困難です。
効率的かつ安全に配信するためにメール配信ツールを活用していきましょう。サービスの内容や料金設定などは企業によって異なるため、料金形態やどのようなセグメントができるのかなど、自社のメルマガに必要な条件と照らし合わせて検討してください。

なお、Shopifyで構築したストアであればShopifyメールというアプリを利用することができます。
Shopifyメールでは、顧客データの条件に合わせたセグメントを行って配信することもできますし、簡単にデザイン性のあるメルマガの作成が可能です。
また料金も格安で、毎月10,000通までは無料で送信ができるほか、それ以降も送信数に応じて増額するだけで使用可能です。例えば、メールの送信件数が10,000通を超えた場合、プラス1,000通増加するごとに、1米ドルで配信できます。Shopifyメールの利用条件は以下のとおりです。

<Shopifyメールの利用条件>

  • Shopifyでオンラインストアを所有
  • オンラインストアの販売チャネルを所有
  • Shopifyのベーシックプラン、プレミアムプラン、Shopify Plusプランのいずれかを契約
  • 決済サービスを設定

詳しくはShopify公式サイトをご覧ください。

MAツールの導入

また、PDCAサイクルを回すなど、より高度なメルマガ施策を実施するのであれば、MAツールの利用も視野に入れましょう。
クリエイティブのパターンを試すA/Bテストや、配信パターンを複数用意し読者の反応を確認するスプリットテストなどを行い、レポートと分析ツールでメールマーケティングに必要なデータを導き出すことができるため、より効果的なメールマーケティングの施策にチャレンジできるようになります。

例えば、世界的で4500社以上に導入されているMAツール「Dotdigital」なら、様々なチャネルで収集したデータを一元管理し、属性や行動、嗜好でセグメントしたメルマガ送信リストの作成も簡単に実現。配信結果の分析やステップメールでの顧客育成を可能にします。
BiNDecではDotdigitalの導入支援も行っています。日本初のイベントレポート記事もありますのでぜひご覧ください。

メルマガを配信する時の注意点

ご紹介したように、ECサイトでメルマガを配信することは、様々なメリットがあります。しかし、必ずしもメリットばかりではありません。配信の方法を間違えれば、リピーターだった顧客が離れていくこともあり得ます。ここでは、メルマガを配信する時の注意点をご紹介しましょう。

セキュリティ対策をする

自社で準備したメルマガ自体に問題はなくても、悪意のある第三者にサーバーなどが乗っ取られてしまい、大切な顧客へウイルス感染したメールを送信されるかもしれません。
自社のセキュリティ対策を万全にし、メルマガを配信しても問題がないように準備しましょう。また、メルマガ配信サービスを利用する場合も、証明書機能が付いたサービスを選ぶなど、セキュリティ性能は意識するだけではなく必須条件として確認するようにしましょう。

EC担当者がチェックすべき脆弱性についてはこちらの記事をご覧ください。

いつでもメルマガを配信停止できるようにする

ECサイトの運営者としては顧客にとってメリットがある内容のメルマガを配信しているつもりでも、受信側の状況によってはスパムのように感じる方もいます。
ですから、いつでもメルマガを配信停止できるように、メルマガ内に配信停止を行うリンク先を掲示するなどしておくべきです。

中にはメルマガを解除されないために、配信停止プロセスを複雑にしたり、わかりにくくしたりする企業もありますが、配信数がいくら多くても読んでもらえないのであれば結局は開封率の低下の要因になります。
配信数ごとの料金形態のメール配信サービスを利用しているのなら、なおさらもったいないです。

なお、メルマガは、特定電子メール法の対象になっているため、配信するには顧客から事前に同意を得る必要があります。
ですので、会員登録時やチェックアウト画面などでメルマガ配信許諾に関するチェックボックスを用意するなどもしておきましょう。

誤配信をした後の対応に注意する

予定しているセグメントと別のセグメントへ配信を行ってしまったり、配信停止を希望しているユーザーに対しても送信してしまったり、また、添付したリンクやクーポンに誤りがあったりなどの誤配信にも気をつけなければいけません。

万が一誤配信してしまった場合は、迅速に顧客への対応を行うべきです。どのような事情があろうとも、顧客には関係ありませんので、誤配信をした後にさらに顧客とトラブルが発生しないように、対応に気を付けましょう。

Google Workspace使用時は配信上限数に注意する

一般的な個人用のGmailではなく、企業向けのGoogle Workspaceからメルマガを配信するケースもあるでしょう。
この場合、Google Workspaceの配信上限数に注意しなければなりません。主なGoogle Workspaceの配信上限数としては、以下の通りです。

<Google Workspaceの配信上限数の例>

  • 1日あたりのメール数:2,000 通
  • メール 1 通あたりの宛先数;メール 1 通あたり2,000 件(外部の宛先の場合は 500 件)
  • 1日あたりの外部の宛先数:3,000 件
  • 詳しくはGoogle公式サイトをご覧ください。

    最適なメルマガ配信頻度や配信時間にする

    最適な配信頻度にすることも、メルマガを配信する際に注意すべき点です。どれだけ役立つコンテンツを掲載したメルマガであっても、例えば1時間おきに届いたら顧客はげんなりしてクレーム対象になるでしょう。逆に、1年に1度しか届かないメルマガであれば「こんなメルマガ登録した?」と忘れ去られているかもしれません。

    メルマガの最適な配信頻度がどれくらいかというのは、ターゲットによって変わってくるので一概には言えません。そこで、配信頻度の異なる2つのグループを用意し、実際に送信してみて反応の良いグループの配信時間を選択するのもいいでしょう。

    また、セグメント別に配信時間に注意することも大切です。例えば会社員相手であれば、出勤や退勤、昼休みなどが、メルマガを見て貰いやすい時間帯でしょう。また、同じビジネスパーソンでも、個人事業主などでは条件は変わります。ですから、最適なセグメントを組んで、見て貰いやすい配信時間を設定しましょう。

    メルマガを配信するなら万全の体制を整えよう

    ECサイトの顧客へメルマガを配信することで、様々なメリットがあることがおわかりいただけたでしょうか。ですが、ただ配信するだけでなく顧客のセグメント化や配信結果の検証など、手間と時間がかかることも事実です。
    また、セキュリティに関しても、きちんとした対応をしなければ大切な顧客を失うことにもなりかねません。メルマガを配信するなら、これらのメリットとデメリットを比較検討した上で、配信を決めるといいでしょう。

    BiNDecでは、Shopifyでの最適なメールマーケティングによる売上向上ノウハウを基に、数多くのECの運用支援をしています。メール配信や、セグメントを効率化できるMAツールの導入もサポートしておりますので、お気軽にBiNDecにご相談ください。
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    POINT

    • 顧客ロイヤルティの向上の施策として、メルマガ配信は効果的である
    • メルマガは配信するだけで終わらせるのではなく、結果を元にPDCAを回すことも重要
    • 顧客の個人情報を保管するメルマガの配信システムでは強固なセキュリティ対策が必要不可欠