Shopify製ECで日本語の領収書を出す方法|知っておくべき基礎知識とおすすめアプリ3選

Shopify製ECで日本語の領収書を出す方法|知っておくべき基礎知識とおすすめアプリ3選

ECサイトを運営していると、購入されたお客様から領収書の発行を求められることがあります。直接代金のやり取りをした購入者から領収書を請求された場合、受領した側に領収書発行義務があります。すぐにでも発行したいところですが、Shopifyには領収書作成機能が組み込まれていません。そこで、Shopifyで作成したECサイトで領収書を発行する方法に加え、領収書の基礎知識とよくある質問を併せて解説します。

ECサイトで領収書の発行は必要?

領収書の発行イメージ画像

領収書とは、商品やサービスを提供した側が、その対価として金銭を受け取ったことを証明するための書類です。一方、支払い者側にとっては、金銭を支払ったことの証拠になります。そのため、領収書を発行することで二重請求や過払いを防ぐことにもつながります。
このように、金銭授受があった双方にとって重要な書類である領収書は、必ず発行しなければならないものではありませんが、支払い者から要求された場合、受領した側には領収書を発行する義務があります(民法486条)。

では、ECサイトでの取引でも領収書の発行は必要なのでしょうか?気になるところですよね。実は、領収書の発行は、クレジットカード会社など決済会社が行うのが原則です。従って、クレジットカードや配送会社の代金引換サービスなど直接現金の受け渡しが発生しないECサイトの場合、仮に利用者から領収書を請求されても領収書の発行義務はありません(下記の表を参照)。
とはいえ、顧客からの依頼を断る選択は、ブランドへの信頼性を損ねる可能性があります。ECサイトとしては、領収書の発行を顧客サービスの1つとして捉えるとよいでしょう。ただし、後述する領収書の二重発行を防ぐための措置は必ず講じるようにしましょう。

決済方法 領収書発行義務が生じる事業者 領収書となるもの
クレジットカード カード会社 利用明細書
コンビニ決済 代金を受領した店舗 コンビニで発行された領収書またはレシート
代金引換 運送会社 配送業者が発行する代引金額領収書
銀行振込 ECサイト 原則的としてECサイト運営者が発行する領収書(振込明細書を領収書の代わりとして使用可能)

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Shopifyで領収書を発行する3つの方法

本記事の冒頭で触れたように、領収書の発行はShopifyのデフォルト機能に含まれていません。で作成したECサイトで領収書を発行できるようにするには、大きく分けて次の3つの方法があります。

明細書発行機能のコード編集する

Shopifyには、領収書の発行機能はないものの、明細書発行機能が標準で組み込まれています。この明細書のテンプレートをカスタマイズすることで領収書の発行が可能になります。ただし、明細書のテンプレートをカスタマイズするには、HTMLやLiquid言語によるコード編集が必要となるため、ハードルは高いと言えます。

明細書をカスタマイズするには、管理画面から「設定」→「配送と配達」に進み、「明細表のテンプレート」をクリック

ShopifyのLiquidについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

帳票作成・出力アプリを利用する

Shopifyで機能を拡張するときのファーストチョイスは、やはりアプリでしょう。Shopify公式からも「Shopify Order Printer」が公開されていますが、日本語化やレイアウトのカスタマイズにはコードでの編集が必要になります。
ノーコードで領収書を発行したい場合は、あらかじめ日本語や日本の税制(軽減税率やインボイス等)に対応したアプリを選ぶとよいでしょう。また、アプリによっては、購入者による領収書のダウンロードが可能なものもあります。アプリを選ぶ際には、こうしたアプリ独自の拡張機能もチェックしましょう。

外部のサービス/システムを利用する

Shopifyを使った自社ECサイトのほかにAmazonや楽天市場など複数のECサイトを展開している場合、それらを一括管理する外部の受注管理システム(OMS)の利用を検討しているかもしれません。こうしたOMSサービスでは多くの場合、各種帳票の発行にも対応していますが、当然ながらサービスの導入・運用には費用がかかります。あくまでもメインの受注管理機能が不可欠で、そのための予算が確保できることが前提の選択肢と言えます。

OMS(注文管理システム)とは?詳しくはこちらの記事をご覧ください。

Shopifyで領収書を作成するおすすめのアプリ

Shopifyアプリストアで「領収書」や「帳票」などのキーワードを検索すると、領収書だけでなく請求書や納品書などビジネスに必要な帳票を発行するアプリが数多くヒットします。ここでは、Shopifyで作成したECサイトで領収書発行を実現する3つのアプリを紹介します。

Shopify Order Printer

Shopify Order Printer

Shopify Order Printerは、Shopifyが提供する公式の帳票出力アプリです。このアプリでは、注文明細書のほか請求書、納品書、領収書、発送ラベルなどの出力が可能です。繰り返しになりますが、Shopify Order Printerのデフォルトテンプレートは英語で作成されているため、日本語化するにはコードを編集してカスタマイズするか、インターネット上で配布・販売されている日本仕様に作成されたテンプレートを使用する必要があります。

旧バージョンからテンプレートをインポートする

Shopify Order Printerは、旧「Order Printer」の後継アプリで、Shopify Editions Summer 2024のアップデートに完全対応しています。このアップデートに伴い、旧Order Printerは移行期間を過ぎると利用できなくなります。また、旧Order Printerで使用していたテンプレートは最新のShopify Order Printerにインポート可能ですが、テンプレートの内容によってはLiquid変数が変更になっている場合があるので注意が必要です。

Shopify Order Printer

Shopify Order Printerアプリ→「テンプレート」画面を開き、画面上部の[インポート]ボタンをクリック。次に、表示されたダイアログの内容を確認して「インポート」をクリック。


旧バージョンのOrder Printerで使用していたテンプレートが追加された。

旧Order Printer(レガシー)の使い方はこちらを参照してください。

Quick Order Printer かんたん帳票出力

Quick Order Printer かんたん帳票出力

Quick Order Printerは、領収書だけでなく納品書、請求書、見積書などに対応し、複数の帳票を一括で作成・出力できる日本語ネイティブのアプリです。また、帳票出力のほか、クロネコヤマトB2クラウド、佐川急便e飛伝Ⅲ、日本郵便クリックポストに対応した出荷伝票出力用のデータも用意されおり、国内で運営するECサイトにとっては便利なアプリと言えます。

帳票の種類ごとに複数のテンプレートを容易。表示する項目の追加も可能。

BiNDec|帳票出力

BiNDec|帳票出力

BiNDec利用者向けにWEBLIFEが開発・提供する帳票出力アプリです。もちろん、日本語や日本の税制に完全対応しています。領収書、納品書、請求書、見積書などの各種帳票を必要な数だけ追加・作成できます。また、注文履歴からお客様による領収書の出力にも対応していますが、発行に制限を設けることで領収書の不正使用を防ぐことも可能です。

表示項目の追加やインボイス対応、顧客側による領収書の出力制限などが「文書設定」画面でまとめて行える。

BiNDecアプリについて、詳しくはこちらのページをご覧ください。

Shopifyで領収書を発行する際のよくある質問

前述の通り、領収書は決済会社が発行することが原則であるため、ほとんどの場合EC事業者に領収書の発行義務はありません。そうは言っても、顧客から領収書の希望があれば顧客サービスとして発行するほうが望ましいでしょう。そこで、ECサイトが領収書を発行する場合に注意したい点をQ&A形式で説明します。

ECサイトから領収書を出すと二重発行になってしまう?

例えば、クレジットカードで支払いをした場合、カード会社が発行する利用明細書が領収書の代わりになります。その上でECサイトから領収書を発行してしまうと二重発行にならないか心配になりますよね。対策としては、ECサイトで発行する領収書の但し書きなどに、「クレジットカード払い」など決済手段がわかるような記載をするのが一般的です。

なお、クレジットカード払いは、信用取引によって商品を引き渡すものであり、金銭取引の事実はないとされます。そのため、ECサイト側が発行する領収書は法的には正式な証明書類に該当しません※。
※:クレジット販売の場合の領収書|国税庁

5万円以上受領した場合収入印紙は必要?

通常5万円を超える取引の領収書には、収入印紙が必要です。ただし、次の場合には収入印紙は不要とされています。

1.PDFなど電子データとして発行した領収書

PDFなど電子化した領収書は、紙の文書交付にはならないと解釈されるため、課税文書には当たらず印紙税は課税されません。ただし、ECサイト側が作成した電子データを印刷した場合は収入印紙が必要となります。

2.クレジットカード決済の場合

クレジットカード決済については、上記の理由(信用取引であり、金銭取引ではないため)と同じです。

領収書にインボイス登録番号の記載は必要?

ECサイトの運営者が適格請求書発行事業者である場合、領収書やレシートを適格簡易請求書として扱うことができます。領収書を適格簡易請求書として発行する場合は、発行事業者の登録番号及び下記の項目の記載が必要になります。

適格簡易請求書に必要な記載項目は次の通りです。

  • 適格請求書発行事業者の氏名または名称、及び登録番号
  • 取引年月日
  • 取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
  • 税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜または税込)
  • 税率ごとに区分した消費税等(または適用税率)

インボイス制度の概要|国税局を参考

Shopifyをもっと使いこなせる、EC担当者必見の売上向上施策はこちらの資料をご覧ください。

領収書の発行機能の実装ならShopify Plusパートナーに相談を

ここまで見てきたように、Shopifyのデフォルト機能だけでは領収書の発行はできません。また、インボイス制度の導入に伴い、インボイス登録事業者が領収書を適格簡易請求書として発行する場合、領収書の記載事項が一定の要件を満たしている必要があります。領収書など取引に関わる帳票の作成に少しでも不安がある場合は、Shopify公認パートナーの活用をおすすめします。

ECサイトの構築と運用をトータルサポートする「BiNDec」はShopify公認パートナーの中でも最上位ランクの「Shopify Plusパートナー」であり、「Partner of the Year」に選ばれた実績もあります。
実際どの方法で取り入れるべきなのか、Shopifyアプリならどれを選ぶべきか、領収書の発行にお悩みの場合は、お気軽にBiNDecにご相談ください。
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POINT

  • Shopifyで作成したECサイトで領収書を発行するにはアプリを使うのがおすすめ
  • 領収書は原則決済事業者が発行するものだが、顧客サービスとしては備えておきたい機能
  • 領収書を適格簡易請求書として発行する場合はインボイス対応項目を追加すること

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