Shopifyで構築したECサイトを運営していて、「商品がなかなか売れない」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。本記事では、Shopifyで構築したECサイトを運営している担当者に向けて、商品が売れない理由や課題解決に向けた方法などを解説します。
役立つ機能や成功事例も紹介するため、ぜひ参考にしてください。
Shopifyで構築したECサイトで商品が売れない主な原因
ShopifyはECサイト構築のためのECプラットフォームです。Shopifyで構築したECサイトで商品が売れない原因を探るために、考えられる主な要因を、次の「商品」「集客」「売り方」「デザイン」という観点からチェックしてみましょう。
商品に関する原因
まずは商品に関する原因です。商品に関する問題としては、商品への需要や質、価格などが挙げられます。
需要がない商品を販売している
商品があまり売れない場合、商品の需要をつかめていない可能性があります。需要がない商品を販売しても売れにくく、売上は期待できないでしょう。商品に対する需要は常に一定ではありません。消費者の価値観やトレンドなどによって、需要の高い商品は変動するため、常にどのような商品の需要が高いのかを意識することが重要です。
商品の質が良くない
そもそも、商品の質が良くない可能性もあります。商品の質が悪いとユーザーに欲しいと思ってもらえずに、売上につながりません。そのため、ユーザーが商品に対して何を求めているのかをしっかりリサーチしましょう。その上で、ユーザーが望むような質の高い商品を販売することが重要です。
商品の価格が適正でない
商品の価格も商品がなかなか売れない要因のひとつです。商品の価格が相場と比べて高すぎるなど、適正価格に設定できていない場合、ユーザーの離脱に繋がるため、商品はなかなか売れません。また、過剰に高すぎる価格に設定してしまうと、ユーザーが不信感を持ちやすくなってしまうでしょう。その結果、他の商品も売れにくくなります。
集客に関する原因
ECサイトの売上を向上させるには、集客も重要です。集客に問題があり、商品がなかなか売れないケースも多くあります。
リピーター施策が弱い
ECサイトの運営を安定させて、継続的に売上を伸ばそうと思うのなら、リピーター獲得は欠かせません。リピーターを獲得するための効果的な施策が打てていない、リピーター施策が弱い場合には、ユーザーが一度購入するだけで終わってしまい、リピーターになってもらえません。その結果、思ったように商品が売れなくなってしまいます。
SEOが不十分
SEOが不十分だと、見込み客の獲得が難しいため、売上が伸び悩むでしょう。SEOとは「検索エンジン最適化」のことで、簡単にいえば検索エンジン内でウェブサイトが上位表示されるように行うマーケティング手法です。SEOが不十分だと、検索エンジンで上位表示されずユーザーの目に触れる機会が少なくなります。
SNSを効果的に活用できていない
商品の売上を向上させるには、X(旧Twitter)などのSNS運用も非常に重要です。SNSをしっかり活用できていない場合、流入数が増えず商品が売れにくくなります。検索エンジンからの流入を見込んだSEOは効果が出るまでに時間がかかるため、SEOだけに頼りきった施策では十分な見込み顧客を獲得できないでしょう。
ウェブ広告を活用していない
ウェブ広告を活用していないケースもあります。ウェブ広告とは、Google広告などのことです。検索エンジンに自動で表示されるリスティング広告や、複数のウェブページに表示されるディスプレイ広告など多くの種類があります。広告を使えば、ターゲット層の直接アピールできるため、広告予算がある場合には積極的に活用しましょう。
商品の売り方に関する原因
商品や集客自体に問題がなくても、商品の売り方が原因となってなかなか売上が伸びないケースもあります。
商品の価値が伝わっていない
質が高く有用な商品を扱っていたとしても、商品の良さや価値が顧客に伝わらなければ意味がありません。商品紹介ページに掲載する情報量が少なすぎると、どのような商品なのかわからず価値が伝わらなくなります。ただし、情報量が多すぎてもいけません。情報量が多すぎると何が重要な情報なのかわからず、価値は伝わりにくくなるでしょう。
付加価値がない
商品を購入してもらうには、「付加価値」をつけることも重要です。例えば、送料を無料にするといった施策が挙げられます。このように、送料無料やクーポン、即日配送などの迅速な配達といった付加価値がない場合、競合と差別化できないため商品の購入につながらない可能性があります。
サイトデザインに関する原因
商品を売るためには、サイトデザインも重要です。下記では、サイトデザインに関する問題を紹介します。
購入までの導線が複雑
サイトデザインは、ユーザーにとって使いやすいかどうかが重要です。商品の質や集客、売り方に問題がないのに商品が売れない場合、サイト設計を見直しましょう。購入ボタンがわかりにくいなど、ユーザーが購入までスムーズに行えるような導線設計をしていない場合、購入するのが面倒になってしまい途中で離脱してしまう可能性が高くなります。
情報量が多く見づらい
サイトデザインの情報量が多すぎても、顧客は離脱しやすくなります。情報量が多いと、何を販売しているサイトなのか、どのように探したらよいのかなどがわかりにくくなり、使い勝手が悪くなります。そのため、サイトデザインはできるだけシンプルにまとめて、顧客が必要な情報を見つけやすいように設計するとよいでしょう。
Shopifyで構築したECサイトで商品を売るための方法
商品が思ったように売れない場合には、上記で紹介した課題を解決することが重要です。下記では課題の解決方法を紹介します。
1.ECサイト全体の方向性・商品を見直す
まずは、ECサイトの根幹となる方向性やコンセプト、商品などを見直しましょう。コンセプトや方向性を明確にすることで、ECサイトのイメージが具体的になり、ターゲット層に訴求しやすいサイトになります。この際、自社がユーザーに提供できる価値は何なのかを改めて考え、コンセプトに落とし込むことが重要です。
BiNDecにて、Shopifyで構築したタオル美術館のECサイトでは、好きなモチーフや文字を刺繍で商品に入れられる付加価値を商品ページでプレビュー可能。ECサイトならではの顧客体験を提供しています。
2.ウェブ広告を活用する
ウェブ広告には、検索エンジンの結果に連動した広告が表示される「リスティング広告」や、ウェブサイトなどの広告枠に動画や画像を表示する「ディスプレイ広告」、SNS上で配信する「SNS広告」、インフルエンサーなどに商品紹介をしてもらう「アフィリエイト広告」、商品を動画で紹介する「動画広告」など、さまざまな種類があります。
商材やターゲット層によって適した広告手法は変わりますが、一般的に、ECサイトの広告で効果が出やすいのは、Google、Facebook、Instagram、Yahoo!への広告出稿です。費用対効果を検証した上で、自社に合った広告手法を検討しましょう。
3.SNSを活用する
SNSの自社アカウントを活用した集客は、コストを抑えてターゲット層に直接アプローチしやすい方法です。SNSで広告を配信する「SNS広告」とは異なり、自社アカウントを運用することで、顧客に親しみを持ってもらいやすくなるという効果が期待できます。
Facebook、Instagram、X(旧Twitter)など、ターゲットとなる顧客層と親和性の高いサービスでアカウントを作成し、商品の使い方や新商品の情報などを含め、ターゲット層が興味を持ちそうな情報を投稿してください。投稿がターゲット層の間で拡散されれば大きな売上につながる可能性があります。顧客と日常的な接点を作れるため、運用次第では大きな効果を期待できます。
SNSマーケティングの具体的な事例は以下の記事をご覧ください。
潜在層の共感を得やすいインフルエンサーマーケティング
そのほか、SNSのフォロワー数が多いインフルエンサーに協力依頼する方法も有効です。ステルスマーケティングは禁止されていますが、PRであることを明らかにして発信してもらうのであれば問題ありません。ターゲット層の多くが好感を抱いているインフルエンサーを選ぶことが大切です。
調理器具メーカーのグリーンパンは、BiNDecによるEC運用コンサルティングのもと、Instagramを活用したキャンペーンやユーザーとのコミュニケーションで売上を向上させています。
4.SEOを実施する
SEOを実施することで、自社の商品やサービスに関連するキーワードを検索したターゲット層からの流入が見込めます。
SEOはECサイトが検索エンジンで上位表示されるようにする施策全般を指し、その実施には検索エンジンの仕組みや対策に対する専門知識が必要です。検索エンジンの表示順位の決定方法は随時変更されているため、場当たり的な対策ではなく、長期的に上位を獲得できる施策を行わなければなりません。社内での対応が難しい場合は、外部業者への委託も検討してください。
また、SEOで結果を出すためには顧客の検索ニーズに応えられる記事を数多く制作する必要があることから、時間もかかります。即効性の高い集客方法を並行して実施するのがおすすめです。
ECのSEOについて、詳しくは以下の記事をご覧ください。
5.メルマガ配信を行う
一度商品を購入してくれた人や会員登録をしてくれた人などにメルマガ配信を行うことで、自社の商品・サービスに興味があるターゲットに効率良く情報を届けられます。新商品情報やセール情報、メルマガ限定クーポンなど、顧客にとってもメリットのあるメルマガを配信すれば、集客を見込みやすくなるでしょう。
ただし、「メルマガ配信を希望していないのに送られてきた」と顧客に思われてしまうと逆効果になりかねません。メールマガジンの配信を希望するかどうかをわかりやすく提示し、希望した顧客に対して、適切な頻度と魅力的な内容で配信を行うことが重要です。
6.顧客に合わせたメールマーケティングを行う
顧客の状況に応じて異なるメールを送信するメールマーケティングによって、顧客との関係性を強めることが可能になります。
会員登録や商品購入、資料のダウンロードなど、顧客が自社ECサイトに対して起こしたアクションや、そのアクションを起こした後の一定期間の経過などに応じて適切な内容のメールを送るステップメールを送信し、次のステップや再購入を促すのがおすすめです。
「1ヵ月以内に商品を購入した人」「特定のブランドの商品を購入したことがある人」など、顧客の属性に応じて分類したグループごとに異なる内容のメールを配信する、セグメントメールも効果的です。顧客が必要な情報や商品を適切に紹介できれば、購入につながりやすいでしょう。
7.ポイント・クーポンなどの特典を付与する
ポイントやクーポンなど、顧客にとってメリットのある特典を付与することで、会員登録やリピート購入を促しやすくなります。会員登録、誕生日、周年記念セールなど、タイミングに応じた特典を付与して、顧客離れを防いでください。
そのほかの顧客向けの特典としては、会員だけのシークレットセールや複数買い割引、定期購入割引などが考えられます。商材に合った方法を検討することが重要です。
8.高評価の口コミやレビューを表示する
ECサイト上に高評価の口コミやレビューが複数表示されていれば、初めて商品やサービスを購入する場合でも、安心して利用しやすくなります。口コミやレビューに応じて特典を付与するなどの工夫をして、実際の使用感や利用者の感想を伝えましょう。
Shopifyでは、アプリを活用することで簡単にECサイトへレビュー表示させることが可能です。商品ページやトップページなどにレビューを表示させて、ほかの購入者がどのような使い方をしているのか、どのような点に魅力を感じているのかをアピールしてください。
9.カゴ落ち対策をする
商品の売上を向上させるには、カゴ落ち対策も欠かせません。カゴ落ちとは、カートに入れたまま購入されていない商品のことです。カゴ落ち対策としては、カートに商品があることを知らせるポップアップの表示やフォローアップメールの送信などが挙げられます。また、顧客にとって利便性の高い決済手段を増やすことで、カゴ落ち対策になるケースもあります。
加えて、決済情報や配送先の入力画面(チェックアウト画面)で顧客を手間取らせないことも大切です。ストレスなく入力できるよう、郵便番号による住所の自動入力機能などを取り入れてください。Shopifyでは、住所の自動入力機能が管理画面から簡単に設定できるため、なるべく機能を有効にしておくことをおすすめします。
また、Shopifyの最上位プランのShopify Plusではチェックアウト画面の編集が可能で、口コミやおすすめ商品、会員登録をしている顧客の累積ポイントの表示といった、顧客にとってメリットのある情報を表示させることもできます。
10.ユーザー視点のECサイトを構築する
サイトデザインの見直しも行いましょう。ECサイトは、ユーザーにとって使いやすいこと、見やすいことが重要です。そのため、トップページは情報量を抑えてシンプルにし、最適なボタン配置やレイアウトにするなど、ユーザー視点に立ってサイトを構築します。商品検索のしやすさや購入までの導線をシンプルにすることも大切です。
また、商品紹介ページには顧客が求める情報を漏れなく記載しておかなければなりません。商品画像を充実させ、さまざまな角度や細部の情報を提供してください。アパレル商品であれば、モデルによる着用イメージの提示だけでなく、モデルの体型がわかる身長や着用サイズなどの情報も記載しておくことをおすすめします。さまざまな体型のモデルに商品を着てもらって、スタイルが良く見えるサイズや着用感を案内するなど、商品の魅力を伝えつつ購入時の不安を払拭する工夫が重要です。
11. 同梱物を工夫する
同梱物を工夫して、顧客満足度の向上や次の購入の促進を目指す方法も効果的です。
例えば、感謝状やお手紙を同梱すれば、顧客に「丁寧な企業だ」という印象を持ってもらいやすくなるでしょう。そのほか、LINE公式アカウントやSNSの案内、ほかのおすすめ商品の紹介、次回利用できるクーポンなどを同封することで、次の購入を促しやすくなります。
12. 商品の魅力を伝えるLPを制作する
LP(ランディングページ)とは、商品に関する検索結果やウェブ広告などをクリックした顧客が最初に訪問するページです。ECサイトにおいては、主に商品の購入に特化した縦長のページを指し、1ページの中だけで商品の魅力が伝わり、購入に至るように作成されます。
商材の魅力を伝えることに特化したLPには、それ以外の情報がほとんど入りません。商品に集中した情報を見てもらうことで、購入につながりやすくなります。広告などから直接商品の詳細な情報が得られるLPにアクセスしてもらうことで、顧客の離脱を防ぐ効果も期待できます。
13. ストア分析機能を有効に活用する
Shopifyのストア分析機能を活用することで、顧客がどのような経緯で購入に至っているのかといったマーケティング分析が可能です。どのような経路でECサイトに訪問したのかを調べる集客分析や、ECサイト内で検索されている単語を調べる行動分析などをチェックしましょう。顧客の行動を把握、分析することで、新商品の開発や広告運用の方針決定などに役立てられます。
Shopifyストア分析は、Shopifyのすべてのプランで利用できます。ただし、スターターやベーシックでは、売上レポートやお客様レポートは利用できず、スタンダードでもカスタムレポートは利用できません。すべての分析機能を活用したい場合は、プレミアムまたはShopify Plusを選んでください。
Shopifyのプランの選び方は以下の記事をご覧ください。
14.サポート体制を充実させる
サポート体制をしっかりと整えることも重要です。サポートとしては、チャットボットやFAQページなどの導入が有効でしょう。チャットボットは24時間いつでも質問できるため、ユーザーにとっては安心感があります。疑問や不安を解消できるサポートが充実させ、ユーザーに寄り添ったECサイト作りをしましょう。
john masters organicsでは、BiNDecにて構築したShopifyのECサイトにて、お問い合わせに24時間対応できるチャットボットを導入しています。
商品が売れないときに再確認したいShopifyの使える機能
商品が思ったように売れない場合には、Shopifyの機能をきちんと使いこなせているか、機能について理解できているかなどの視点でサイトを改善することも大切です。Shopifyには下記のような機能が搭載されています。
- 商品管理機能:SEO商品タグやサブスクリプション(定期購入)、商品構成機能など
- 分析機能:商品レポート機能やアナリティクス連携機能など
- フロント機能:商品ページやブログ機能、レスポンシブや豊富なテーマなど
また、Shopifyには基本的な機能だけではなく、8,000を超えるShopifyAppもあります。売上サポートや販売促進といった拡張機能が豊富なため、自社のECサイトに合った機能を選びましょう。BiNDecでは数あるShopifyアプリの中から最適なものをプランニングして導入をサポートするサービスも提供しています。
Shopifyを活用したEC運用の成功事例
子供服を取り扱っているミキハウスでは、EC売上の拡大を目指してShopifyを導入し、公式サイトとECサイトを統合しました。BiNDecと連携し、配送先のマッピングデータをもとにしたマーケティングを実施することで、効率的な集客などが可能となりECサイトの売上向上につながっています。
ミキハウスのEC施策について、詳しくは下記の記事をご覧ください。
Shopifyで構築したECサイトで商品が売れないときは専門家に相談するのもあり
ShopifyでECサイトを構築しても、商品がなかなか売れないときは、プロの視点を取り入れながらECサイトの構築や運用をすることもおすすめです。費用相場は依頼内容によって異なりますが、スモールスタートの場合には30万~100万円ほどの費用がかかります。費用はかかってしまいますが、今まで気づけなかった課題や問題点に気づける可能性もあり、効率的にサイト改善が行えます。
ECサイトの構築から運用までのトータルサポートを依頼したい場合には、多くの実績があるBiNDecがおすすめです。
豊富な導入実績とハイレベルな技術力・知識量を認められたShopify Plusパートナーとして、最適な運用戦略を提案することもできます。
ShopifyでのEC構築や運用に関してお悩みの方は、お気軽にお問合せください。
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