EC市場は、日本国内においても世界においても、年々拡大しています。世界に比べてEC化率のそれほど高くない日本のEC市場は、今後も成長を続けていくことが見込まれています。しかし、日本のEC市場には物流の状況や情報セキュリティ、少子化といった課題もあります。EC市場のさらなる発展のためには、これらの課題に対応していく必要があるでしょう。
本記事では、日本のEC市場規模の推移や世界との状況の比較、今後の展望について解説します。ECでの販売戦略立案のヒントになる情報も含まれているので、ぜひ参考にしてください。
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EC市場とは、電子的な商取引が行われる市場のこと
EC市場とは、電子的な商取引全般が行われる市場のことです。
そもそも「EC」は「Electronic Commerce」の略称で、日本語に訳すと「電子商取引」となります。ECというと、インターネット通販を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実際には、一般的なインターネット通販だけでなく、「電子データ交換」を意味するEDI(Electronic Data Interchange)のようなネット回線を利用した電子取引全般が含まれます。
もっとも、ECという言葉の定義を狭く捉えて、「ECとはインターネット通販を指す言葉」とする場合もあります。「ECサイト」や「ECモール」といった場合の「EC」は、狭義のECです。
EC市場の規模をはかる際の「EC」の定義は、受発注がオンラインで行われる取引のすべてです。例えば、見積もりだけがオンラインで行われているような場合は含まれません。
ECは、取引当事者の属性に応じて下記の3種類に分けられます。
BtoC-EC
企業と消費者の間で行われるECが、BtoC-ECです。
BtoCは、企業対消費者を意味するBusiness to Consumerの頭文字を取った言葉です。代表的な例としては、メーカーやブランドの公式通販サイトを訪ねた顧客が商品を購入したり、楽天市場やAmazonなどのECモールで一般の消費者がショッピングをしたりといったケースが挙げられます。小売店を介さず直接消費者に販売するDtoC(D2C)もこちらに含まれます。
BtoB-EC
企業間で行われるECが、BtoB-ECです。
BtoBとは、Business to Businessのことで、企業対企業を意味します。例えば、オフィス向けの文房具の通販サイトや業務用食品の通販サイトなどで行われる企業間取引もBtoB-ECですし、通販サイトを介していなくても、EDIを用いて企業同士で受発注書をやりとりするような場合もBtoB-ECとなります。
CtoC-EC
消費者同士で行われるECが、CtoC-ECです。
フリマアプリなどを介して行われる個人間の取引であっても、インターネットを介して行われる取引はECに該当します。
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BtoC-EC市場規模の推移と特徴
経済産業省の「令和4年度 電子商取引に関する市場調査報告書」によると、BtoC-ECの市場規模は、2022年時点で22兆7,449億円でした。2021年の20兆6,950億円から、9.91%の増加となっています。
出典:経済産業省「令和4年度 電子商取引に関する市場調査報告書」
日本のBtoC-ECの市場規模は、これまでほぼ右肩上がりで増加していました。ただ、2020年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響によって旅行などサービス分野の売上が減少し、全体の伸び率がマイナスになりました。
2021年時点では引き続きサービス系分野は控えめな伸び率でしたが、2022年には旅行サービス、飲食サービス、チケット販売が外出需要の増加と共に大きく回復し、32.43%と増加しています。逆に、デジタル分野では最も市場規模の大きいオンラインゲームが-18.79 %と減少しており、全体的に-6.10 %という結果となりました。物販系分野・サービス系分野・デジタル系分野のそれぞれの成長率と特徴については次の項目以降で詳しく確認していきましょう。
物販系分野のBtoC-EC市場の成長率と特徴
物販系分野のECとはアパレル商品・雑貨・食品・化粧品・自動車・書籍といった「物」に関するインターネット取引のことで、この分野でのBtoC-ECの市場規模は年々増加しており、特に新型コロナウイルス感染症の流行の影響があった2020年には大きな伸びを見せています。
また、経済産業省の調査では、BtoC-EC市場の中では物販系分野のみ、実店舗の取引からECへの移行レベルを知るために「EC化率」という指標を算出しています。EC化率の数値は、「BtoC-ECの市場規模÷BtoCのすべての商取引市場規模」で計算したものです。
物販系分野のBtoC-EC市場規模とEC化率の推移は、下記のようなグラフで表されています。
出典:経済産業省「令和4年度 電子商取引に関する市場調査報告書
物販系分野の商材別のBtoC-EC市場規模は以下のとおり算出されています。
市場規模だけを見ると、2022年に最も規模が大きいのは「食品、飲料、酒類」です。しかし、EC化率は4.16%と、いまだごく一部にとどまっていることがわかります。一方で、「書籍、映像・音楽ソフト」については、EC化率は52.16%と半数近くがインターネットを介して取引されています。なお、これはあくまでも現物のあるソフトの取引です。音楽配信サービスなどは、デジタル系分野に分類されています。
そのほか、「生活家電、AV機器、PC・周辺機器等」「生活雑貨、家具、インテリア」「衣服・服装雑貨等」などもEC化率の高い分野です。とはいえ、2021年からの推移を見ると、すべての分類で市場規模、EC化率ともに増加しているため、現状EC化率の低い分野も今後さらに伸びていくことが予想されます。
サービス系分野のBtoC-EC市場の成長率と特徴
サービス系分野のBtoC-EC市場は、2019年まで年々増加していましたが、2020年の新型コロナウイルス感染症拡大の影響による外出自粛により、2020年に急激に落ち込んでいます。
ここでいうサービス系分野のECの対象商品・サービスには、オンラインで予約や販売が行われる旅行サービス、飲食・フードデリバリーサービス、コンサート・映画などのチケット販売、金融サービス、理美容サービスなどが含まれます。
サービス系分野のBtoC-EC市場は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によって旅行・外食の自粛が増え、コンサートなども中止が相次いだことで、2020年の市場規模は4兆5832億円で前年比マイナス36.05%となりました。2021年から2022年にかけて回復しつつありますが、2019年の市場規模である7兆1672億円には到達していません。
上記を見ると、旅行サービスやチケット販売は大幅に復調し、飲食サービスも順調に回復していることがわかります。反面、理美容サービスの伸びは2022年もゆるやかです。
また、フードデリバリーサービスは2021年に大きく増加し、2022年も引き続き拡大しています。外出自粛によって、自宅で店舗の味を楽しめるフードデリバリー需要が高まり、その後、定着しつつあると考えられます。
サービス系分野のBtoC-ECの市場規模は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を非常に大きく受けました。そのため、2021年時点ではあまり振るわない結果となっていますが、2022年の回復傾向からみて再び拡大していく可能性が高いでしょう。
デジタル系分野のBtoC-EC市場の成長率と特徴
デジタル系分野のBtoC-EC市場とは、電子書籍・雑誌や有料音楽配信、有料動画配信、オンラインゲームなどのデジタルコンテンツの取引に関する市場のことで、安定的な成長を見せていましたが、2022年にオンラインゲームが減少しています。
デジタル系分野のBtoC-EC市場規模は、物販系分野やサービス系分野に比べて金額はそれほど大きくありません。しかし、オンラインゲーム以外のカテゴリーで市場は拡大傾向にあり、特に有料音楽配信や有料動画配信、電子出版などは大きな伸びを見せています。
また、新型コロナウイルス感染症の流行の影響でライブや舞台などが中止に追い込まれる中、ライブや舞台などの動画配信サービスが行われるようになりました。無観客ライブを配信するアーティストなどが現れたほか、有観客で開催されたコンサートや舞台のライブ配信を行うケースも増加しています。
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BtoB-EC市場規模の推移と特徴
BtoB-ECの市場規模は、おおよそ拡大傾向にあるといえるでしょう。2020年には新型コロナウイルス感染症拡大の影響で市場規模が減少していますが、2021年以降は、2019年を超える市場規模となっています。
出典:経済産業省「令和4年度 電子商取引に関する市場調査報告書」
下記は、BtoB-EC市場の業種別の状況を表した一覧表です。
出典:経済産業省「令和4年度 電子商取引に関する市場調査報告書」
2020年に、ホテル利用や外食の減少などによって縮小していた、食品や産業関連機器・精密機器などの市場規模は、2021年に両方とも拡大しており、2022年も引き続き伸びています。
情報通信分野や金融分野などでは、継続的に市場規模が拡大しています。新型コロナウイルス感染症拡大の影響は残っているものの、全体的には企業間でEDIの活用が広まっていることから、BtoB-EC市場は拡大傾向にあるといえるでしょう。
EC化率については、2020年に一度減少した市場規模全体の傾向とは異なり増加の一途をたどっていて、EDIのさらなる浸透などによって今後も増加していくと考えられます。
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CtoC-EC市場規模の推移と特徴
CtoC-ECの市場規模は、2020年が2兆2,121億円であったのに対し、2021年は2兆3,630億円と、6.8%の伸びを見せています。
CtoCのECとは、主にフリマアプリとネットオークションでの個人間取引です。
ネットオークションは20数年前から行われているサービスですが、フリマアプリは登場が2012年頃と、10年ほどしか経過していないサービスです。しかし、近年のCtoC-EC市場の伸びには、フリマアプリ市場の拡大が大きく貢献しています。
2020年の新型コロナウイルス感染症拡大によって、自宅内の不用品を整理するユーザーが多く発生したほか、一部商品の品不足などが発生し、フリマアプリを利用して中古品を売買する事例も見られました。
中古品の売買を消費者同士が行うCtoC-ECは、同じく中古商品を扱うBtoCの中古販売業や、新品を扱うBtoCの物品販売業と競争関係にあるともいえます。一方で「フリマアプリなどで中古商品を購入したユーザーがそのブランドのファンになり、新品を購入するようになった」といったケースも少なからずあるでしょう。
また、同じ中古市場でも、店舗で購入する場合と一般消費者から購入する場合では、ユーザーが重視するポイントが異なる可能性があります。CtoC取引では、手軽さや安価さなどが重視される一方、BtoC取引では比較的高額なやりとりが行われることも多く、「本物のブランドか否か」「状態を正確に記載されているか」といった信頼性が重視されると考えられます。
近年では、中古販売業者と新品を販売する業者が連携し、ユーザーの購入データなどを販売戦略に活かす動きもあるようです。中古販売業者、新品販売業者、消費者、それぞれの立場を相互補完できる関係と捉える視点も重要になっていきそうです。
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世界のBtoC-EC市場規模と日本の状況の比較
世界のBtoC-ECの市場規模に対し、日本が占める割合は2022年時点では、ごく限定的でEC化率もそれほど高くありません。世界のBtoC-ECの市場規模と国別の傾向は、下記のような状況です。
世界のBtoC-EC市場の状況と今後の予測
2022年時点のBtoC-EC市場規模は、全世界で5.44兆USドル、EC化率は19.3%でした。ただし、旅行サービスやチケット、フードデリバリーなどは含まれません。
出典:経済産業省「令和4年度 電子商取引に関する市場調査報告書」
世界のEC市場にも、新型コロナウイルス感染症拡大は大きな影響を及ぼしました。世界中の人々が外出を控え、EC需要が拡大したことから、2022年も大きな伸びが見られます。今後もこの傾向は続くと予測されており、2026年にはEC化率が23.3%に到達するという予測です。
日本の物販系分野のEC化率は2022年時点で9.13%ですから、世界の統計である19.3%とは大きな開きがあります。しかし、日本のEC市場も年々拡大していることから、今後、大きく伸びる可能性を秘めているといえるでしょう。
世界各国のBtoC-EC市場シェア率
国別のBtoC-EC市場のシェアでは、中国が50.4%と半数以上を占めており、日本が占める割合は3.1%です。
出典:経済産業省「令和4年度 電子商取引に関する市場調査報告書」
ただし、上位を占める中国と米国は、そもそもターゲットとなる人口が日本よりも多い国であるため、市場規模もその分大きくなっているともいえます。
一方で、上記のデータは、EC事業者が越境ECを行う上で、事業展開する国・地域を検討する際には役立つでしょう。EC市場規模の大きい中国やアメリカに販路を拡大することで、売上を大きく伸ばせる可能性があります。
越境ECの市場規模
世界の越境EC市場規模は、2021年時点で推計7,850億ドルです。
越境ECとは、海外向けのECを指す言葉で、今後BtoC-EC市場全体の成長規模を上回る大きな広がりを見せると予測されています。物流レベルの向上、越境ECの認知度の向上といった要因に加え、より多くの商品から希望に合うものを選びたいという消費者のニーズと、販路拡大を目指す事業者の希望が合致しているためです。
日本・アメリカ・中国の越境ECの状況は、下記のような図で表されます。
出典:経済産業省「令和4年度 電子商取引に関する市場調査報告書」
日本の越境ECでは、購入額よりも販売額のほうが多くなっています。現状、日本では、消費者が越境ECで海外製品を購入したいというニーズはそれほど高くない一方で、日本製品の海外需要は一定数あると考えられるでしょう。
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今後の国内BtoC-EC市場で対応が必要になる課題
国内BtoC-EC市場は、今後も拡大していくと予測されていますが、課題がないわけではありません。下記のような要素に対応していくことが、BtoC-EC市場に参加する事業者にとって重要になると考えられています。
実店舗の役割の変化
EC市場の拡大に伴って変化しつつあるのが、実店舗の持つ役割です。従来、EC市場はオンライン、実店舗はオフラインで、販売チャネルこそ異なるものの「商品の売買」という同じ役割を持つのが一般的でした。しかし近年では、実店舗に下記のような役割を持たせるブランドが出てきています。
ショールーミング化
ショールーミングとは、実店舗では商品の確認にとどめ、実際の注文はECサイトから行うという購買行動です。事業者側もそのような顧客の行動に合わせて、実店舗に用意されたタブレットなどからその場で注文をすると、後日商品が配送されるシステムなどを用意するケースが出てきています。「実物を見て検討したい」「商品を持ち帰るのは面倒」という顧客と、「在庫をかかえず省スペースで運営したい」「店頭を訪れた顧客のデータが欲しい」という事業者の双方のニーズを満たすことから、徐々に広まりつつあります。
店舗受け取り
店舗受け取りとは、ECサイトで購入した商品を店舗で受け取れるサービスです。ECサイトには、「送料がかかる」「商品の受け取りのために在宅していなければならない」といった問題もあります。これを解消できるのが、店舗受け取りです。事業者側にも、「顧客と対面で商品を渡して関係性を築ける」「注文された商品とは別の新商品などの案内機会が得られる」といったメリットがあります。
オンライン接客
オンライン接客とは、実店舗にいるスタッフがオンライン上で顧客に接客を行い、商品のPRやアドバイスを行うサービスです。「商品自体はECサイトで購入予定だが、アドバイスは欲しい」といったニーズに応える販売手法です。アパレルや化粧品分野で広がっている方法ですが、家具や家電といったそのほかの分野にも広がりを見せています。
今後、実店舗では、対面での接客だけでなく、オンライン接客にも対応できるようになっていく必要があるでしょう。場合によっては、実店舗を縮小させ、オンライン接客専用のスペースを導入したほうが効率化できるケースも出てくるかもしれません。
DtoCの成長
DtoCは、元々アパレルメーカーや化粧品メーカーで活用されていた販売手法ですが、近年では食品メーカーや日用品メーカーなど、さまざまな分野に拡大しています。
DtoCとは、Direct to Consumerの頭文字を取った言葉で、商品を製造しているメーカーが直接消費者と取引を行うビジネスモデルです。
EC市場におけるDtoCは、ECモールではなく自社のECサイトで販売が行われるものを指しますが、ECモール・ECサイトの双方にメリット・デメリットがあるため、バランスを取って両者を併用するメーカーも少なくありません。
ECサイトには「顧客との直接的な関係を築きやすい」「自社ブランドのイメージを押し出しやすい」というメリットがありますが、反面、集客に注力して一定の知名度を獲得しないと売上につながりにくいというデメリットがあります。一方、ECモールは集客力に優れますが、コストが高く、顧客と個別の関係性を築きにくい販売手法です。メリットとデメリットを理解した上で、ブランドやターゲット層も念頭に、それぞれを戦略的に活用していく必要性があるでしょう。
自社に適した手法でECを活用していくことで、DtoC-EC市場はさらに拡大していくと予測されます。
サブスクリプションモデルの拡大
経済産業省の「令和4年度 電子商取引に関する市場調査報告書」によると、2022年のBtoC市場では、サブスクリプション型のサービスが広く採用されていたということです。
サブスクリプションモデルとは、月々の定額制で商品を利用できるサービスです。動画・音楽配信、食品・化粧品などの定期購入などがよく見られます。
同じ商品を定期的に送るサービスだけでなく、個人の好みや特徴に合わせてプロが選んだ化粧品や衣類が定期的に届くサービスなど、「楽しさ」を加えたサービスも登場しています。
今後も、サブスクリプションモデルは拡大していくでしょう。
物流の状況
BtoC-EC市場の拡大とともに、宅配便の取り扱い個数も年々増加しています。下記は、大手宅配便事業者3社の宅配便取扱個数を表すグラフです。
出典:経済産業省「令和4年度 電子商取引に関する市場調査報告書」
この調査で集計されている数値のほかに、ECモールでは大手3社以外の配送業者に配送を委託しているケースもあるので、宅配個数の伸びは上記を上回っている可能性もあります。
しかし、物流業界はドライバー不足や燃料費の高騰といった課題も多く抱えています。配送費も年々値上がり傾向にあり、EC市場全体の成長に水を差す要因になりかねません。そのため、ECサイトによっては、店舗受け取りの拡充や自社配送によって送料を抑える取り組みなども行われています。
また、物流業界側も、物流ロボットの導入やドローン配送、共同配送、置き配・宅配ロッカーの拡充といった対策により、物流の効率化を図ろうとしています。
情報セキュリティ対策の重要性
消費者が安心してECサイトを利用するために必須なのが、万全なセキュリティ対策です。住所・氏名・電話番号・生年月日・クレジットカード情報などを入力することが多いECには、非常に高いレベルのセキュリティが求められます。
同時に、セキュリティレベルが高く、安心して利用できることを消費者に周知することも大切です。ECサイトのプライバシーポリシーを明記するとともに、信頼度が高くリスクの低いメジャーな決済システムの導入といった対策を取る必要があるでしょう。
SNSの利用者の拡大
総務省による「令和4年通信利用動向調査 ポイント」によれば、全体の80%が何らかのSNSを利用しています。すでに、SNSは日常になくてはならない通信・情報収集手段になっているといっても過言ではありません。
インターネットを介して行うSNSは、EC市場の拡大にも影響を与えています。SNSが広く浸透したことから、SNSを活用したマーケティングを行う事業者は増加し、SNSの運営会社も広告出稿や商品販売ページへのリンク機能といったECとの連携機能を充実させています。
自社商品を利用するターゲット層が多く利用しているSNSを調査し、集中的にプロモーションを行うことができれば、ECサイトの売上アップにつながるでしょう。また、あえてターゲット層から外れている利用者が多いSNSでプロモーションを行い、認知度の向上を図るという戦略も考えられます。EC事業者によるSNSの活用が進めば、EC市場のさらなる拡大につながると考えられます。
低いEC化率に見られる市場の伸びしろ
世界のEC市場に比べて日本のEC化率は低いため、今後も、世界平均に近づくようにEC化率が伸びていく可能性は十分にあると考えられます。今後、まだEC化していない企業がECで成功していくには、EC化率を下げている原因を理解することが重要です。
日本のEC化率が低い要因はひとつではありませんが、一因として考えられるのが、企業側の過剰カスタマイズです。ユーザーに寄り添った設計を目指すあまり、多くの機能を付加しようとするとそれだけ費用や開発期間がかかり、EC化実現までのハードルが上がってしまいます。
フルスクラッチ(ECサイトシステムの新規開発)やECパッケージ(ECサイト運営用にパッケージ化されたシステム)のカスタマイズには、自社にマッチしたECサイトを作りやすいというメリットがある反面、コストや手間、時間がかかるという難点があります。最初から完璧なECサイトを作ろうとするよりも、サイト開設までの手間が少ない優れたプラットフォームを選んで必要な機能を備えたサイトを手早く作り、状況に応じて機能を拡張していったほうが、無理なくECサイトを開設できるでしょう。
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少子化による成長率の鈍化
現状、日本のEC市場は成長を続けていますが、同時に少子化が進んでいることも事実であり、EC市場にも影響が出てくる可能性があります。
いずれ日本市場全体の成長率が鈍化し、EC市場もレッドオーシャン化し始めると、EC事業の運営が現在よりも難しくなっていくのは間違いありません。事業を成長させ続けていくためには、商材や顧客に合ったWebマーケティングの重要性が高まっていくと考えられます。
外部業者も活用して、成長するEC市場の中で自社の事業を成長させよう
EC市場は拡大を続けていますが、分野によってはすでに競争が発生しており、新規参入さえすれば一定の売上が獲得できるような状態は終わりつつあります。発展を続けるEC市場の中で、事業を継続的に成長させていくためには、より深くEC事業を理解し、商材を最も魅力的に見せるための販売戦略や効果的にターゲット層に届けるための施策を実施し続けなければなりません。
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