Shopifyで定期購入(サブスクリプション)を始めるには?おすすめアプリと成功のための経営指標

Shopifyで定期購入(サブスクリプション)を始めるには?おすすめアプリと成功のための経営指標

専門知識がなくてもECストアの構築ができるShopifyでは、定期購入(サブスクリプション)での商品販売も可能です。
本記事では、定期購入導入のメリットや、Shopifyで定期購入を行う2つの方法のほか、定期購入の導入に便利なおすすめのShopifyアプリ4選を紹介します。併せて、定期購入で成功するためのコツも解説します。

Shopifyでの定期購入の導入を検討している事業者や、すでに定期購入を導入しているECサイトを運営中でShopifyへの乗り換えを検討している事業者、Shopifyで定期購入を導入済みだがおすすめのアプリが知りたいという事業者の方は、ぜひ参考にしてください。

定期購入(サブスクリプション)の販売方式ついて

定期購入(サブスクリプション)の販売方式ついて

ECサイトの定期購入とは、一定期間ごとに同じ商品を継続購入するサービスのことで、サブスクリプションともいわれています。
サブスクリプションという言葉は、一般的に「月額料金などを支払うことで商品やサービスが使い放題になる制度」というイメージを持たれていることが多く、月額制の音楽配信サービスや動画配信サービスなどは代表的なサブスクリプションサービスだといえるでしょう。

しかし、サブスクリプション(subscription)という英単語には、元々「(新聞などの)定期購読」という意味があります。そこから意味が拡大され、一定期間ごとに同じ商品が届く定期購入も、サブスクリプションと呼ばれているのです。

<定期購入の具体例>

  • 毎月ストアスタッフおすすめの化粧品や雑貨の詰め合わせが届くお楽しみボックスのサブスクリプション
  • 顧客が選択した頻度ごとに、化粧品やサプリなどを届けるサービス

定期購入は、一度契約が締結されたら、自動で定期的に商品の配送と料金の請求が行われます。そのため、ECストアに導入するためには、定期購入に対応できるカートシステムが必要です。

定期購入(サブスクリプション)のメリット

定期購入(サブスクリプション)は、商品を販売する事業者側にも顧客側にも、下記のようなメリットがあります。事業が軌道にのれば安定的な運営ができる販売方法として、近年注目を集めています。

事業者側のメリット

事業者側は、定期購入を導入することで下記2点のメリットを得られます。需要が変化する一般的な小売と比較して、事業を安定的かつスムーズに運営しやすくなる点が特徴です。

収益が安定しやすい

定期購入は、解約されるまでは毎月定期的な売上を得られる販売形態です。そのため、安定的な収益を上げやすくなり、将来の収益予測も立てやすいため、資金繰りも容易になります。

在庫管理がしやすい

継続的に商品の発送を行う定期購入は、在庫管理面でもメリットがあります。将来の出荷数の予測が立てやすいため、在庫過多や欠品といったトラブルを避けやすくなるでしょう。必要以上に大きな倉庫を借りる必要もありません。商品が古くなって劣化するといった問題も、起こりにくくなります。

顧客側のメリット

定期購入は、顧客にも下記のようなメリットがあります。定期購入を導入する際には、これらのメリットを顧客に積極的に訴求していくのがおすすめです。

通常よりも価格が安くなる場合が多い

定期購入では多くの場合、単発購入したときよりも支払金額の合計が安くなるように料金設定されています。割引率は事業者によってさまざまですが、本体の値引きや送料無料といった特典が用意されていることが多いでしょう。

いちいち注文をしなくていい

化粧品や日用品、サプリといった使用頻度が高く日常的に使い続ける商品は、定期購入制度がない場合は定期的に買い足す必要があります。これを手間だと感じる人は少なくありません。
持っているストックがなくなるタイミングで自動的に次の商品が届く定期購入は、注文の手間を省けて買い忘れる心配もなくなるという点で、顧客のメリットも大きいといえます。

Shopifyで定期購入(サブスクリプション)を導入する方法

Shopifyで構築したECストアに定期購入(サブスクリプション)を導入するには、「API」か「アプリ」を使った方法があります。事業者ごとに適した方法を選択してください。

Shopifyで定期購入(サブスクリプション)を導入する方法

APIを使う

Shopifyには、定期購入に関するAPIがいくつか公開されています。これらのAPIを利用することで、定期購入を導入することが可能です。
定期購入に関するAPIには、多様な販売方法に対応できる「Selling Plan API」や、契約管理を行う「Subscription Contract API」、定期購入の契約をした顧客が自動で決済を行える「Customer Payment Method API」といったツールがあります。

しかし、このようなサブスクリプションAPIを利用したECサイトの構築には、非常に専門的な知識が求められます。システムに精通したスタッフがいるか、専門業者に依頼する場合以外は、アプリを使う方法がおすすめです。

アプリを使う

Shopifyのアプリストアでは、ECストアの機能を拡張できるアプリが多数公開されています。定期購入を導入できるアプリも複数あるため、自社が利用したい機能を備えたアプリを探しましょう。
一般的な定期購入制度の導入であれば、アプリの利用で十分対応可能です。専門知識を持ったスタッフがいなくても、無理なく定期購入サービスを始められます。

ただし、Shopifyアプリを利用する場合は、どのアプリを使うのかを慎重に検討してください。アプリにはいろいろな種類があり、それぞれ料金や機能が異なります。
一度アプリを使って定期購入を導入した後でほかのアプリに乗り換えようとすると、仕様が変わることで想定外の手間がかかる可能性があるため、最初から自社に合ったアプリを選ぶことが大切です。

Shopifyで定期購入(サブスクリプション)を導入できるアプリ4選

Shopify アプリストアの多種多様なアプリの中には、定期購入(サブスクリプション)を手軽に導入できるものが数多くあります。それらの中から、おすすめのアプリ4選をご紹介します。

その他のおすすめShopifyアプリについては下記の記事をご覧ください。

定期購買|サブスク×単品リピート通販

定期購買|サブスク×単品リピート通販」は、日本の企業である株式会社ハックルベリーが提供するアプリです。日本語に対応しているため、英語がベースのアプリを使うのに不安がある担当者でも安心して使えるでしょう。

初期設定は最短5分で完了という手軽さも魅力です。Shopify アプリストアからアプリをインストールしたら、定期購入期間・最低購入回数・割引率といった定期購入に必要な情報を入力して定期購入のプランを作成してください。最後に、商品ページで作成した定期購入プランをオプションとして追加すれば完了です。
定期購買には、下記のような機能があります。

主な機能

  • 初回割引機能:初回のみ一定の割引を適用させる
  • 会員ランク機能:購入金額などに応じて会員をランク分けできる
  • マイページ機能:マイページから顧客が自分で商品プランの変更・解約・再開ができる
  • レポート機能:契約者数や月額売上、解約率などの状況をグラフで可視化できる
  • BuyLink機能:LP(ランディングページ)などに購入ボタンを設置して、ワンクリックで定期購入プランの申込みページに移動できる
  • 手厚いサポート:Shopifyのサポート経験が豊富なECサイト運営のプロから、ノウハウの提供や不明点の解消といったサポートを受けられる

頻繁に新機能のリリース・アップデートが行われており、今後もアップデートが予定されています。なお、定期購買を利用する際には、下記の料金プランのいずれかを選択してください。

プラン名
料金 利用できる機能
スタンダード
49ドル/月+取引手数料1% 無制限の顧客および商品登録、解約時とスキップ時のメール送付、CSVエクスポートなどの基本的な機能
エンタープライズ
299ドル/月+取引手数料1% マイページのフルカスタマイズ、API連携、メールの送信元ドメイン設定など、提供されているすべての機能


Shopify ペイメントのテストモードでは、無料でスタンダードプランの機能を利用できます。

Bold Subscription

Bold Subscription」は、カナダの企業による定期購入導入のためのアプリです。サブスクリプションに関する多彩な機能を持っており、単純に定期購入サービスだけでなく、出荷の一時停止やスキップといった顧客に便利なサービスも利用できます。

定期購入の設定も簡単で、ストア全体や特定のコレクションに対する定期購入オプションの追加をまとめて行うことも可能です。定期購入を多く利用するECストアであっても、設定にかかる手間と時間を大幅に削減できるでしょう。カスタマイズも可能で、自社の状況に合わせて使いたい事業者に適しています。

Bold Subscriptionには、下記のような機能があります。

主な機能

  • 顧客注文管理:顧客からの注文状況の管理や分析ができる
  • 督促管理:顧客への自動督促機能で、顧客の脱落や未払いを防ぐ
  • Shopify内でのアプリ移行サポート:別のShopifyアプリでサブスクリプションを提供していた場合、タイムラグなくスムーズに移行できるよう移行サポートを利用できる

Bold Subscriptionの料金プランは、下記の1種類のみです。

プラン名
料金 利用できる機能
CORE
49.99ドル/月+取引手数料1% 顧客の注文管理や督促管理、フルカスタマイズなど


Bold Subscriptionでは、60日間の無料体験期間を利用できます。長い期間で機能や使いやすさを確認できるため、アプリの選定に活用しましょう。

Nocode Subscription

定期購入を簡単に導入できるアプリが、「Nocode Subscription」です。日本の企業である株式会社ミクスローグが提供するアプリで、日本語と英語に対応しています。

わかりやすくシンプルな操作性が特徴で、直感的に定期購読の設定や管理が行えます。Nocode Subscriptionを利用する際は、Shopify アプリストアからアプリをインストールしたら、注文サイクルの設定を追加し、「有効にする」ボタンをクリックしてください。これだけで、定期購入形式での商品販売を開始できます。
また、Shopifyのアップデートに随時準拠するようにアプリのアップデートが行われるため、安心して使い続けられます。

Nocode Subscriptionの利用料金は、完全月額固定制です。月額料金に加えて手数料がかかるアプリが多い中で、固定費用だけで利用できる点は大きなメリットになるでしょう。無料プランでも実際の販売まで対応できるため、コストをなるべくかけたくない事業者にもおすすめです。

主な機能

  • 定期購入:週・月・年ごとの配送サイクルの選択や、最大購入回数・最小購入回数の設定、商品・バリエーションごとのサブスクリプション設定などができる
  • 初回購入時や継続回数に応じた割引:初回や一定回数利用時の割引といったサービスを設定できる
  • ライセンスキー管理:ダウンロード販売などの無形商材の販売にも対応できる

Nocode Subscriptionを利用する際は、下記の料金プランのいずれかを選択してください。

プラン名
料金 利用できる機能
スターター
無料(取引手数料なし) 利用できる契約件数は10件までだが、すべての機能を利用可能(自動で有料プランにアップグレードされることもない)
ベーシック
49ドル/月(取引手数料なし) 契約件数の制限なしにすべての機能を利用可能

Mikawaya Subscription

Mikawaya Subscription」は、株式会社フロアスタンダードが提供するアプリで、日本語にのみ対応しています。定期購入の総合支援を行ってきた、知識豊富なスタッフによる提案とサポートを受けられるため、初めて定期購入を導入する事業者にも適しています。また、ほかのサブスクリプションアプリから移行する場合にサポートを受けることも可能です。

顧客にとって便利な機能も豊富に搭載されているため、顧客満足度の向上を目指す事業主にも適しているでしょう。また、解約理由のアンケート調査・集計・分析の機能も搭載されており、経営改善にも役立ちます。

主な機能

  • 定期購入設定:日・週・月ごとの定期購入設定を行えるほか、顧客自身が望むタイミングでの手動注文や配送日時指定もできる
  • 2段階の割引設定:初回の割引と、2回目以降の割引を2段階で設定できる
  • Buyボタン機能:定期購入申込み画面にリンクするボタンを作成・設置できる
  • 分析機能:定期便の継続率などに関するレポートを出力できる
  • マイページ機能:顧客自身が定期購入している商品の変更・解約や、購入間隔・配送先の変更ができる

Mikawaya Subscriptionの料金プランは、下記の2種類があります。

プラン名
料金 利用できる機能
ライトプラン
12ドル/月+販売手数料3% 基本的な定期購入システムの利用が可能(サブスクリプションの注文数、グループ設定数は無制限)
エンタープライズ
49ドル/月+販売手数料1% 基本的な定期購入システムに加えて、充実した売上分析機能やサポート機能も利用できる


なお、Mikawaya Subscriptionも、Shopify ペイメントのテストモードで、無料で機能を利用できます。まずは、テストモードで使いやすさを確認してください。

Shopifyで定期購入(サブスクリプション)を成功させるためのコツ

Shopifyで定期購入(サブスクリプション)を成功させるには、分析とそれにもとづいた戦略が必要です。ここでは、定期購入を軌道にのせるために実践したいポイントを5つご紹介します。

Shopifyで定期購入(サブスクリプション)を成功させるためのコツ

経営指標を定点観測する

定期購入の経営状況を分析するために注目しなければならないのが、下記の4つの経営指標です。これらの数値を定点観測することで、正しく経営状況を把握し、改善策を立案できるようになります。

定期購入の経営状況を分析するための指標

  • LTV(顧客生涯価値):1人の顧客から期待できる利益の総額(特定の期間ごとの数値ではない、顧客が自社と関わってから現在に至るまでの利益の合計)
  • ARR(年間定額収益):1年間で得られる定額収益の総額
  • NRR(売上継続率):顧客が定期購入サービスに支払う金額の増減を表す指標(定期購入商品のアップグレードがあれば増え、ダウングレード・解約があると減り、変わらなければ100%となる)
  • CAC(顧客獲得コスト):顧客1人を獲得するために必要なコスト

上記の指標の中で、前回確認したときよりも悪化している数値があった場合、原因究明を行って対応策を実施すれば改善が見込めます。

ユニットエコノミクスで3以上を目指す

ユニットエコノミクスとは、顧客1人あたりの採算性を示す数値です。LTV÷CACで求められます。健全な経営の目安となる数値は3以上とされているため、3以上の数値を実現・維持するために必要な施策を実行しなければなりません。

チャーンレート・リテンションレートをチェックする

チャーンレートは解約率、リテンションレートは新規顧客の定着率のことです。チャーンレートが高くなっていたり、リテンションレートが下がっていたりすると、それだけ顧客離れが進んでいることになります。
新規顧客が多くても継続につながらなければ定期購入の成功とはいえません。継続利用につなげるために、解約理由の調査・改善や、継続するメリットの提供といった工夫をしましょう。

アップセル・クロスセルを狙う

上位プランや別のサービスなど、アップセルやクロスセルを狙える商材を用意するのは、定期購入の収益向上に有効な手法です。顧客のニーズに応じて適切に商品を案内することで、売上アップを狙えます。
ただし、アプローチがしつこい、不要な広告が多く出るといったクレームにつながるおそれもありますので、広告の頻度・手段・内容などに注意してください。

外部のサービスを活用する

定期購入が思ったほど利益を上げられない場合、LP(ランディングページ)制作支援サービスといった外部サービスを活用することで改善を見込める可能性があります。
例えば「サブスクPlus」というサービスでは、Shopifyで利用できるフォーム一体型のLP制作を支援してもらうことが可能です。このようなサービスを活用することで、カゴ落ちを防ぎ、顧客獲得につながりやすいLPを制作できるでしょう。コストはかかりますが、収益改善を目指すためにプロの手を借りるのは有効な手段です。

アプリを活用して、Shopifyで定期購入(サブスクリプション)を導入しよう

Shopifyで定期購入(サブスクリプション)を始めるなら、アプリを活用することをおすすめします。アプリ選びに迷ったり、アプリの機能の活用方法に迷ったりするときは、ShopifyでのECサイト構築を支援するパートナー企業に相談してみてはいかがでしょうか。

BiNDecは、サブスクリプションアプリの導入支援にとどまらず、解約を防ぐためのキャンペーン施策の提案など、定期購入を成功させるための総合的なプランニングとサポートも行っている、ShopifyのECサイト構築・運用支援サービスです。
定期購入の導入をご検討中の事業者や、定期購入で思ったように収益が上がらず悩んでいる事業者の方は、ぜひBiNDecを運営するWEBLIFEまでご相談ください。実績豊富な担当者が、商材に合った定期購入の導入・運営をお手伝いします。
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