Shopifyで多言語対応ECを作るには?|翻訳アプリの選び方と設定手順まとめ

Shopifyで多言語対応ECを作るには?|翻訳アプリの選び方と設定手順まとめ

この記事でわかること

  • Shopifyの多言語対応の仕組みとプラン別の対応言語数
  • 管理画面での多言語設定をする手順
  • おすすめ翻訳アプリ6選の比較と選び方
  • 多言語対応と合わせて必要な通貨・決済・多言語SEOの対応

インバウンド観光客の増加や円安を背景に、日本製品への海外需要が高まっています。越境ECや外国人向け国内販売を検討する事業者にとって、ECサイトの多言語対応はもはや必須の施策です。
Shopifyは標準機能で多言語・多通貨に対応しており、翻訳アプリを組み合わせることで比較的少ない工数でサイトを多言語化できます。本記事では、Shopifyの多言語対応の仕組みから管理画面での設定手順、おすすめの翻訳アプリ比較まで、まとめて解説します。

なぜ今、Shopifyの多言語対応が重要なのか

経産省の調査によると、越境ECの市場規模は2023年に870兆円超に拡大すると予測されており、日本製品への世界的な注目は年々高まっています。インバウンド観光客がSNSを通じて日本食や文具、化粧品などを母国で拡散するケースも増え、国内向けECサイトに海外からアクセスが来ることも珍しくありません。

こうした背景から、ECサイトの多言語対応は越境EC専業の事業者だけでなく、国内向けに販売する事業者にとっても対応を検討すべき課題になっています。顧客が母国語で商品情報を確認できる環境を整えることで、コンバージョン率の向上につながります。

Shopifyの多言語対応の仕組み

ShopifyはECプラットフォームとして、もともとグローバルで利用されることを想定して設計されています。そのため多言語対応は後から追加する機能ではなく、標準機能として組み込まれています。

プラン別の対応言語数

Shopify Liteを除くすべてのプランで、1つのストアから最大20言語での販売が可能です。ベーシックプランでも20言語に対応できるため、多くの事業者にとって言語数の上限は実質的な制約になりません。
エンタープライズ向けのShopify Plusプランでは、同一ブランドのECサイトを最大10サイトまで作成でき、国別にドメインやコンテンツを分けた戦略的な運用が可能になります。Shopify Plusプランについて、詳しくは下記の記事をご覧ください。

Shopify Marketsとの連携

Shopifyの管理画面にはマーケットという機能があり、国や地域ごとに言語・通貨・配送ポリシー・価格を個別に設定できます
たとえば北米向けと欧州向けで異なる価格帯を設定したり、地域ごとに異なる言語を割り当てたりすることができます。多言語対応と合わせてMarketsを活用することで、より高度なローカライゼーションが実現します。マーケットごとのテーマカスタマイズはAdvanced以上のプランが必要です。

現在、日本では一部機能に制限あり

関税の自動計算や現地決済手段の自動追加などを可能にするManaged Marketsは、現時点で日本マーチャントには非対応です。
言語・カタログ・配送の出し分けといった基本的な機能は問題なく利用できますが、現地通貨での決済を含む本格的な越境EC展開には、別途サードパーティの決済ゲートウェイとの組み合わせが必要になる点を念頭に置いておきましょう。

多言語SEOへの対応(hreflangタグ)

Shopifyは多言語化を設定すると、言語ごとに専用のURLを自動生成します(例:example.com/fr、example.com/de)。また、hreflangタグをサイトマップと各ページに自動で挿入するため、Googleが各言語版ページを正しく認識できます。多言語SEOを本格的に行いたい場合は、言語ごとに独立したページを作成してコンテンツも翻訳することが効果的です。

Shopifyで多言語対応する手順(4ステップ)

Shopifyストアを多言語対応にするには以下の手順で実装できます。

ステップ1:テーマが多言語に対応しているか確認する

Shopifyではテーマがサイトのデザインテンプレートになっています。すべての無料テーマ(Dawnなど)は多言語対応済みですが、有料・サードパーティ製のテーマは対応していない場合があります。

管理画面のオンラインストア→テーマ→テーマを編集する→フッター設定に言語セレクターを有効にするという項目があれば対応しています。
言語セレクターが標準搭載されていない場合は、Shopify公式の無料アプリGeolocationを導入することで、顧客が言語を切り替えられるセレクターをサイトに追加できます。
フッターの言語セレクター

ステップ2:管理画面から言語を追加する

テーマの準備ができたら、以下の手順で言語を追加します。

  1. 1. 管理画面左下の設定を選択
  2. 2. 言語を選択
  3. 3. 右上の言語を追加するをクリック
  4. 4. ドロップダウンから追加したい言語を選択し追加
  5. 5. 内容を確認して公開するをクリック

複数の言語を追加する場合は、同じ手順を繰り返します。
管理画面の言語追加機能

ステップ3:翻訳アプリをインストールする

言語を追加しただけでは、ストア内のテキスト(商品説明・ページ本文など)は翻訳されません。翻訳アプリを導入することで、商品説明・メタタイトル・各種ページのテキストを多言語化できます。
まずは公式無料アプリのShopify Translate & Adaptを試し、より高度な翻訳品質や通貨対応が必要になったタイミングでサードパーティアプリへの移行を検討するのが効率的です。

ステップ4:言語セレクターの動作を確認する

翻訳アプリの設定が完了したら、実際にストアの言語セレクターを切り替えて、各ページが正しく翻訳されているかを確認します。特にチェックアウト画面・メール通知・商品名・配送ポリシーなど、購買に直結するページの翻訳精度を重点的に確認しましょう。

おすすめShopify翻訳アプリ6選と選び方

Shopifyアプリストアには多数の翻訳アプリが揃っています。料金・対応言語数・通貨対応・SEO機能などを比較して、自社のニーズに合ったものを選びましょう。

Shopify Translate & Adapt(公式・無料)

Shopifyが提供する公式の翻訳アプリです。150以上の言語に対応し、自動翻訳と手動翻訳の両方が使えます
無料プランだと自動翻訳は2言語まで対応でき、まず多言語対応を試してみたい事業者に最適です。
手動翻訳用のエディタも用意されており、プレビューを見ながら翻訳内容を修正できます。

WOVN.io

日本企業・教育機関を中心に300社以上の導入実績を持つ翻訳アプリです。英語・中国語・韓国語・フランス語・スペイン語など12言語に対応しており、無料プランから利用できます。
画像内のテキストを対訳形式で管理・表示できる点が特徴です。
なお、SafariブラウザでのサポートはChrome・Edgeよりも制限があるため、顧客への案内が必要な場合があります。

Transcy

153言語の翻訳に加え、166通貨の換算表示機能も備えたオールインワンアプリです。製品イメージ内の文言や他のアプリ内の要素も翻訳できます。1言語・1通貨のみであれば無料プランで利用可能です。
有料プランでは翻訳結果の編集や専門家によるチェックも利用できます。

Langify

シンプルな操作性と手厚いサポートで高評価を得ている翻訳アプリです。有料プランのみ(7日間の無料トライアルあり)ですが、月額$17.50の1プランのみとわかりやすい料金体系です。
人間の担当者による翻訳(言語数無制限)が可能で、顧客の言語に合わせて翻訳ページへ自動リダイレクトする機能も搭載しています。ただし、翻訳内容は管理画面から手動で設定する必要があります。

Weglot

世界5万社以上に採用されている多言語化アプリです。複雑な設定なしに100以上の言語に対応でき、専門翻訳家をチームに招待して管理ツール上で協働翻訳できる機能を備えています。
自動翻訳と人力翻訳を組み合わせることでSEOに配慮した高品質な多言語化が実現できます。

Hextom: Translate & Currency

130以上の言語・180以上の通貨に対応する翻訳アプリです。ChatGPTやGoogle AIによるAI翻訳に加え、手動編集やCSVによる一括インポートにも対応しています。
メタタイトル・メタディスクリプション・画像の代替テキストなども翻訳でき、多言語SEO対策に強みを持ちます。200以上のサードパーティアプリとの連携もスムーズです。

多言語対応と合わせて行うべき設定

サイトの多言語化だけでは、越境ECや外国人向け販売の準備は完了しません。以下の対応も合わせて行いましょう。

多通貨・決済方法の最適化

顧客が自国の通貨で価格を確認できることは、購買意欲に直結します。Shopifyは標準で130以上の通貨に対応しており、Shopify Marketsの通貨設定かTranscyやHextomなどの通貨対応アプリを使うことで、アクセス元の国に応じた通貨で価格を自動表示できます。

決済方法についても、ShopifyはPayPal・Apple Pay・Google Pay・Amazon Payなど100種類以上の国際的な決済システムをサポートしています。展開する国のニーズに合わせて適切な決済手段を追加することで、購入完了率の向上につながります。

海外発送の設定

海外への発送では、送り状の作成・通関手続き・現地配送業者との連携が必要になります。Shopifyには海外発送向けの送り状作成アプリや、DHLやFedExなどの国際配送業者と連携するアプリが揃っています。関税は通常買い手の負担となるため、ストアのポリシーページにその旨を明記しておくことでトラブルを防ぐことができます。

また、国によって輸入規制や禁制品のルールが異なるため、販売先の国ごとに輸出入に関する法規制を事前に確認しておくことも重要です。ジェトロ(日本貿易振興機構)が公開している地域別の分析レポートも、こうした情報収集に役立てることができます。

多言語SEOの強化

Shopifyは言語ごとにURLを自動生成し、hreflangタグをサイトマップに自動挿入します。基本的な多言語SEO対応はShopifyの標準機能でカバーされますが、本格的に各言語での集客を狙う場合は、言語ごとに独立したページを作成してコンテンツも翻訳・最適化することが効果的です。
各地域に向けに独立したECサイトを構築しているKINTOの事例については下記の記事をご覧ください。


Shopifyで多言語対応のECを構築する際の注意点

Shopifyアプリを使えば比較的スムーズに多言語対応を進められますが、いくつか事前に把握しておくべき注意点があります。導入後に想定外の手間やトラブルが発生しないよう、以下の点を踏まえた上で準備を進めましょう。

日本語サポートが弱いアプリが多い

Shopifyは海外発のプラットフォームのため、翻訳アプリを含む多くのサードパーティアプリが英語のみの対応となっています。管理画面の操作や設定に英語対応が必要な場面が出てくることを想定しておきましょう。日本語サポートを提供しているアプリを選ぶことで、運用負担を軽減できます。

翻訳後の文章は品質管理が必要

AI自動翻訳は利便性が高い一方で、専門用語や微妙なニュアンスが正しく伝わらない場合があります。商品説明・購入ポリシー・チェックアウト周りのテキストは、ネイティブチェックや人力翻訳を活用して品質を担保することを推奨します。
特にブランドの世界観や商品の魅力を伝えるコピーは、直訳では意図が伝わらないケースも少なくありません。翻訳の優先度を決めて、重要なページから順に品質を高めていくアプローチが現実的です。

多言語対応をはじめるなら、Shopifyパートナーの支援がおすすめ

Shopifyの多言語対応は、管理画面での言語設定と翻訳アプリの組み合わせで比較的スムーズに実現できます。まずはShopify公式の無料アプリTranslate & Adaptで試し、通貨対応やより高度な翻訳品質が必要になれば有料の翻訳アプリへの移行を検討するのが現実的なステップです。

多言語対応はあくまで第一歩です。Shopify Marketsを活用した通貨・決済の最適化、海外配送の整備、そして多言語SEO対策まで組み合わせることで、越境ECとしての競争力が大きく高まります。
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