Shopifyで越境EC(海外販売)はどう行う?設定方法・成功事例も紹介

Shopifyで海外に向けて商品展開を行う「越境EC」は、販路の拡大を目指す事業者にとってメリットの大きい施策です。越境ECは言語や通貨、配送といった点で多くの課題がありますが、こうした課題を解決するためには、Shopifyの活用が効果的です。

そもそもShopifyはカナダで創業されてから、サービスを展開する地域を拡大し、175ヵ国で利用されるようになりました。そのため、多くの地域に対応したサービスを展開しているShopifyには、国をまたいだEC事業に役立つ機能がそろっています。
本記事では、Shopifyで越境ECを行うメリットや注意点、Shopifyを越境ECに対応させるための方法について解説。併せて、越境ECを成功させるためのコツや成功事例を紹介しますので、ぜひ販路拡大にお役立てください。

ShopifyでのECサイト構築手順を解説。こちらも併せてご覧ください。

Shopifyで越境ECを行うメリット

Shopifyで越境ECを行うメリット

数多くのECサイト構築サービスの中でも、下記に挙げるような理由から、Shopifyは特に越境ECに適しているサービスだといえます。越境ECをShopifyで行うメリットがどこにあるのか、一つひとつ見ていきましょう。

越境ECで失敗しないためのコツを解説。こちらも併せてご覧ください。

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1. 多言語・多通貨に対応可能

Shopifyは、130以上の通貨と50以上の言語に対応しています。現地の「通貨」と「言語」は、越境ECを行う上で高いハードルになりがちです。しかし、Shopifyならその両方をクリアできます。

例えば、日本からでも海外のECサイトにアクセスすることは可能です。しかし、実際に利用したことがある方はそれほど多くないのではないでしょうか。これは、「何が書いてあるかわからない」「店舗や商品の情報が信頼できるかどうか判断できない」「金額がいくらなのかよくわからない」といった問題が大きいからだと考えられます。

Shopifyでは、ECサイトを訪れたユーザーのブラウザ設定に応じて商品説明などを自動で翻訳することも可能です。いちいち国を選択しなくても言語が切り替わるため、直感的に「読めない」と判断されて離脱されてしまうリスクがありません。
ただし、通貨の表示切り替えについては手動で選択する必要があります。

これらの機能は、Shopifyの公式アプリを利用することで簡単に追加できます。自分でプログラムを組む必要はありません。誰でも簡単に、現地の言語と通貨に対応したECサイトを構築可能です。

2. 決済方法が豊富

Shopifyでは、100種類以上の多彩な決済方法を利用できます。
越境ECでは、サービスを展開する国によって、メジャーな決済方法が異なることに注意しなければなりません。また、通常はクレジットカード決済を利用していても、「初めて利用する海外のECサイトでカード情報を入力するのは抵抗がある」と考えるユーザーもいるでしょう。

Shopifyなら、世界最大規模のオンライン決済サービスである「PayPal™」や、「Apple Pay(※)」「Google Pay™」といったカード情報の入力が不要なサービスも活用できる「Shopify ペイメント」など、安心して決済できる方法がそろっています。クレジットカードを利用しない後払いなど、若年層に適したサービスもあるため、越境ECを展開する国やターゲット層に合わせた選択が可能です。
※Apple Payは、Apple Inc.の商標です。

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3. 配送などに関する手続きが簡単

Shopifyは、海外向けの配送料の設定・計算、国ごとの関税や税金の計算、インボイスの作成といった、越境ECならではの煩雑な業務にも簡単に対応できます。海外向けの商品発送を行う際に必要な作業はすべてShopify上から対応できるため、手間がかかりません。

例えば、アメリカでは州ごとに税金が変わりますが、Shopifyならそれぞれの送り先に応じた税金を自動計算して表示・徴収できます。インボイスや送り状の発行もできるため、配送業務の効率化と正確性の向上につながります。

Shopifyの配送方法について詳しくはこちらをご覧ください。

4. アプリによる高い拡張性

Shopifyでは、越境ECの展開に便利な機能を、Shopifyの機能を拡張するアプリを使って簡単に導入することが可能です。ここまでにご紹介したShopifyの機能のいくつかは、アプリによって利用できるものです。Shopifyには約8,000種類の公式アプリが用意されていて、業務の効率化や顧客サービスの充実、販路の拡大などに活用できます。

ただし、アプリは闇雲に導入すればいいわけではありません。利用に応じて料金がかかるものもあるほか、導入し過ぎるとサイトの動きが遅くなるおそれもあります。越境ECを行うにあたって解決したい課題や導入したいサービスに合わせて、適切なアプリを選択しましょう。
アプリの数は膨大なので、もし必要なアプリ選びに迷う場合は、Shopifyと越境ECに精通したプロの外部業者に相談するというのも、ひとつの有効な手段です。

5. 豊富なデザインテンプレート

Shopifyには、豊富なデザインテンプレートがあるため、デザイン性の高いECサイトを作るのに、プログラミングやデザインの知識はいりません。Shopifyで選択できるデザインテンプレート(Shopifyでは「テーマ」と呼びます)は、有料と無料合わせて150種類(2023年8月現在)も用意されています。Shopifyのテーマストアで希望のデザインテーマを選択して「Try theme」を選択するだけで、簡単にデザイン性に優れたECサイトを構築することが可能です。

ECサイトを訪れたユーザーは、まず、トップページのデザインを目にします。ブランドイメージや顧客の好みにマッチしたデザインを選択すれば、興味を持ってもらえる可能性が高まるでしょう。国・地域によって好まれるデザインの傾向などもあるため、直感的に魅力を感じてもらいやすそうなテーマや、目を引きやすい動きのあるテーマなどを選択することで、他国のユーザーにもアピールしやすくなります。

6. 充実したマーケティング機能

Shopifyでは、越境ECで成功するために必要な、商品・ブランド・ストアの知名度向上のためのマーケティング機能も充実しています。FacebookやInstagramなどのSNSと連携した商品販売ができ、Facebook広告やGoogle広告と連携して自動で広告を作成することも可能です。
ECモールとは異なりみずから集客をする必要はありますが、そのためのツールやサービスは非常に充実しているといえるでしょう。

さらに、ストア分析機能を活用すれば、広告の効果測定や販売チャネルごとの売上の分析、メールの開封率の確認なども可能です。自社の経営状況を可視化するサービスを有効に活用して、最適な販売戦略を実行できます。
なお、Shopifyには顧客宛てのメールマガジン発行やクーポン発行、シークレットセールといった機能も備わっています。これらのサービスも、顧客との関係構築に便利です。

7. CDNによる安定した通信

ShopifyではCDN(コンテンツデリバリーネットワーク)を導入しているため、アクセス元の国の違いによるタイムラグがありません。
CDNは、インターネット上の大容量コンテンツをスムーズにやりとりするためのネットワークです。ShopifyのECサイトであれば、どこの国からアクセスしたとしても、同じように快適にECサイトを閲覧できます。

越境ECでストアの表示が遅いと、その間にユーザーが離脱してしまう可能性が高まります。安定した回線は、越境ECに必須だといえるでしょう。

8. 販売チャネルの追加も容易

Shopifyでは、InstagramやFacebook、X(旧Twitter)といったSNSや、ECモールとの連携も容易で、簡単に販売チャネルを増やすことができます。

越境ECでは、まず、海外のユーザーとの接点を持つ必要があります。そのために重要なのが、販売チャネルの充実です。
Shopifyでは、Instagramの画像に商品をタグ付けして直接購入できるようにすることが可能で、FacebookやX(旧Twitter)に商品購入リンクを張ることもできます。このようなSNSを活用した商品展開は、越境ECで大きな力を持ちます。

さらに、ShopifyのECサイトをECモールと連携させることも可能です。AmazonやeBayといった大手ECモールと自社のECサイトの両方で商品展開をすれば、ECサイトに訪問しないような顧客にも商品をアピールできるでしょう。

複数チャネルで販売する商品は、Shopifyの管理画面から一括管理できます。在庫や顧客の情報もまとめて管理できるため、手間をかけずに効率の良い管理が可能です。

Shopifyで越境ECを行う際の注意点

Shopifyの越境ECには、上記のような多くのメリットがありますが、デメリットがないわけではありません。Shopifyで越境ECを行う際は、下記の2点に注意しておく必要があります。

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自身で集客をする必要がある

Shopifyは、あくまでも自社ECサイトの構築サービスなので、自力で集客しなければなりません。サイトを開設して商品を登録するだけでは、なかなか販売に結び付かないでしょう。プラットフォーム自体に集客力があるわけではないので、注意が必要です。

そもそもEC事業を始める場合、大別してASPカートシステムを利用した自社ECサイトの構築と、楽天市場やAmazonなどに代表されるECモールへの出店という2つの方法があります。どちらにもメリットとデメリットがありますが、集客という点では、ECモールへの出店のほうがメリットを得やすいといえます。
大手ECモールに出店して商品を登録すると、モールを訪れた顧客が検索から商品を目にする可能性があります。それほど知名度が高くないブランドやECサイトでも、価格や商品が競合のショップよりも優れていれば、一定の売上につなげられるでしょう。一方、ShopifyのようなASPカートシステムを利用した自社ECサイトでは、まず自社ブランド自体の知名度を上げて、ECサイトに訪問してもらわなければなりません。

元々一定のファンを獲得しているブランドや、SNSで多くのフォロワーをかかえているブランドなどは、ShopifyでのECサイト立ち上げを積極的にアピールして、訪問者を増やしていくことが可能です。一方、それほど知名度の高くないブランドや新たに立ち上げたばかりのブランドは、自社に合った集客方法を積極的に実践する必要があります。
その点では、Shopifyには、SNSやウェブ広告などとの連携といった、集客やマーケティングに役立つ機能がそろっています。これらの機能を宣伝に役立てていけば、ブランドの認知度を向上させていくことも可能です。

英語力が求められる場合がある

Shopifyは、カナダの企業が運営するサービスであるため、場合によっては英語力が求められます。
公式サイトやアプリを利用する中で、日本語に対応していないサービスを目にすることもあるでしょう。2021年に日本支社が設立されたことで、日本語に対応しているページやサービスも増えていますが、残念ながら、すべてのサービスやサポートを日本語ですみやかに受けることはできません。

Shopifyのアプリは海外のサードパーティーが制作しているものもあるため、そのようなアプリを活用する場合にも英語力は必要です。とはいえ、Shopifyアプリの中には、日本の企業が作成したものもあります。このようなアプリは当然日本語にも対応しており、問い合わせも日本語で可能です。越境EC向けの日本語対応アプリもあるので、一度チェックしてみることをおすすめします。

また、越境ECでは、海外のユーザーからの問い合わせ対応といった業務が発生する可能性もあります。社内に英語対応できるスタッフが不足している場合は、ある程度の英語力を持った担当者の採用を検討しなければならないかもしれません。

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ShopifyのECサイトを越境ECに対応させる手順

Shopifyで構築したECサイトは、管理画面から簡単に越境ECの設定ができます。越境ECを展開する国・地域の設定は、パソコンでは下記のような手順で行います。

  1. Shopifyの管理画面にログインする
  2. 「設定」画面を開き「マーケット」を選択する
  3. 「マーケットを追加」をクリック
  4. 「マーケット名」に任意の販売地域の名称を記入して、「国/地域を追加」をクリック
  5. 越境ECを展開したい国・地域を選択し、「保存する」ボタンをクリック

これで、新たにECを展開する国・地域をマーケットに追加できました。続けて、新たに事業展開する国・地域でのECサイトについて、ドメイン・言語・税金・配送・決済方法などの設定を行う画面に自動遷移します。
追加したマーケットの詳細設定画面
当該の地域で、どのようなECサイト展開を行うのかを考えながら、一つひとつ設定していきましょう。商品の価格を、日本国内の価格よりも一定割合高額に設定するといった調整も可能です。

海外ドメインの設定について詳しくは、下記の記事をご参照ください。


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配送については、この画面ではなく「設定」の「配送と配達」メニューから、該当の地域向けの配送料設定を行う必要があります(上記画面の「配送」をクリックしても、最終的に「配送と配達」の設定メニュー画面に遷移します)。先に、配送料の設定を行ってください。
配送料の設定には、「配送と配達」メニューを選択し、「配送」メニュー内の「基本の配送料」のすぐ下をクリックします。
配送と配達画面
配送エリアや送料を設定できる画面が表示されるので、その画面を下にスクロールすると、追加したエリアが設定済みの配送エリアに含まれない旨を知らせるメッセージが表示されます。
配送エリア・送料設定画面
「エリアを作成」をクリックして、エリア名を入力し、新しく越境ECを展開する国・地域を選択して「完了」をクリックしましょう。
新しい配送エリアの作成画面
その後、下記の画面が表示されますから、新しく追加された地域の「送料を追加する」から送料を設定してください。
配送エリア・送料設定画面
送料を設定したら上記の画面に戻るので、右上の「保存する」をクリックして更新すれば、設定は完了です。

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越境ECを成功させるためのコツ

越境ECを成功させるためには、下記9点を念頭に置いてECサイトの構築を行いましょう。展開する国・地域特有の事情があるなど、通常の国内向けECとは大きく異なる点が多いので、入念な準備が必要です。

1. ECサイトを多言語・多通貨に対応させる

英語や米ドルだけでなく、展開予定の国の母国語や現地通貨に対応したECサイトを作ることで、顧客の購買意欲を高め、早期の離脱やカゴ落ちを防ぎやすくなります。
Shopifyでは、ECサイトの多言語化や多通貨対応が可能ですが、管理画面の「マーケット」から国を追加するだけでは、多言語対応したECサイトは作れません。翻訳や通貨変換が可能なアプリを活用する必要があります。
自動翻訳アプリや、自動で現地通貨に変換できるアプリなどが多数あるため、アプリストアで探してみましょう。中でも特に、「langify」と「BEST Currency Converter」はおすすめです。

langifyは、ECサイトを自動でも手動でも翻訳できるアプリです。翻訳前と後の状態をわかりやすく比較しながら翻訳できるため、記載箇所のミスなどを防げます。ECサイトの言語切り替えも、顧客がメニューボタンからワンクリックで簡単に実行できます。

BEST Currency Converterは、円で設定された商品価格を現地の通貨に自動変換できるアプリです。対応したい通貨を選択するだけで簡単に設定が完了し、現地通貨での決済が可能になります。

2. 顧客ニーズを把握する

越境ECで展開する商品企画や販売戦略を検討する上で、顧客ニーズの把握は必須です。国内の顧客とは異なるニーズや価値観を持っている可能性も高いため、ECサイトを展開予定の国のニーズを調査しましょう。

海外からの旅行者を対象にアンケートを行ったり、SNS上でアンケートに回答してもらったりするのがおすすめです。また、該当の地域のコミュニティなどに協力を要請する、該当の地域のインフルエンサーやユーザーの発信をSNSでチェックする、といった方法も考えられます。

→自社の顧客ニーズを正しく把握するためのCRM施策を徹底解説

3. 販売する国に合わせた決済方法を準備する

PayPal™やクレジットカード決済は多くの地域で利用されているサービスですが、地域によっては銀行振込や代引き、地域特有の決済方法を利用するユーザーが多い場合もあり、メジャーなクレジットカードのブランドも地域により異なります。それぞれの地域の特色を踏まえて、決済方法を検討してください。

とはいえ、すべての決済方法を網羅したECサイトを作るのは困難ですし、ユーザーも決済方法の選択だけで疲弊してしまいかねません。越境ECを展開予定の地域のニーズに合った決済方法を用意しましょう。
Shopifyでは、100種類以上のさまざまな決済方法に対応しているため、この点は容易に対応できます。

Shopify paymentの詳細はこちらの記事をご覧ください。

4. 適切な配送業者を選ぶ

越境ECを行うのであれば、長期間の配送による商品の破損や不着を防ぐために、海外発送に知見のある信頼できる配送業者を選ばなければなりません。

日本の越境ECサイトでは、日本郵便やクーリエを使って配送を行うケースが多く見られます。日本郵便は日本のサービスなので、なじみが深く信頼できると感じる方も多いでしょう。配送可能な地域も120ヵ国以上と幅広く対応できます。一方のクーリエは、DHL・FedEx・UPSなどが提供している、スピーディーな配送が魅力のサービスですが、配送料金は高めです。

なお、Shopifyでは「Ship&co 国内外の送り状発行システム」というアプリを使えば、海外への配送であっても、DHL・FedEx・UPSといった配送業者に対応した送り状やインボイスを簡単に発行できます。追跡番号の自動同期機能もついているので、商品発送後のフォローもアプリ上から可能です。日本企業が作ったアプリなので、日本語にも対応しています。海外配送の効率化に活用してください。

5. 関税について明記する

関税は輸入品に対してかかる税金で、越境ECでは原則として購入者が負担する税金なので、顧客向けに「受け取りの際に関税の支払いが発生する可能性がある」という説明を明記しておく必要があるでしょう。

多額の関税が発生した場合、受け取り拒否といったトラブルが発生するおそれもあります。関税率は商品によって異なり、HSコードという分類に応じて国・地域が定めています。越境ECを展開する地域での、取り扱い商品の関税率を確認して表示しておくと親切です。

6. EUで販売する場合はVATに注意する

EU向けの越境ECを行う場合は、関税に加えて「VAT(付加価値税)」にも注意しなければいけません。VATは消費税と似た税金で、すべてのEU加盟国に導入されています。ただし、税率は国によって異なります。

以前は22ユーロ以下の商品はVATが免除されていましたが、現在ではすべての商品が対象となっています。VATを納税するのは原則として事業者側ですが、購入者にはVATの負担を求めることになるため、関税と合わせて注意書きをしておきましょう。

7. 配送にかかる送料・リードタイムを把握する

越境ECでは、送料・関税などの費用や、到着までの期間が想定以上にかさむ可能性があります。事前に、実際にどのくらいかかるのかを調査した上で、顧客向けの案内を行うようにするとECサイトの信頼感が増します。

Shopifyで顧客から受け取れるのは管理画面で設定した送料となるため、実際にそれ以上の送料がかかった場合、想定した利益を上げられません。越境ECでは、商品の価格以外の費用について十分に検討しなければならないのです。加えて、顧客は商品の価格だけでなく、送料などの費用も含めた全体的な負担額によって購入するか否かを決めるため、顧客にとっても商品価格以外の費用に関する情報は重要となります。

また、リードタイムをあらかじめ案内しておかないと「なかなか到着しない」といったクレームが発生する可能性もあります。事前に正しい情報を集め、明記しておくことが大切です。

8. 販売国特有の支払時期などの動向を確認する

購入手続きから決済までの平均的な期間は国・地域によって異なるため、注意が必要です。日本では、購入手続きの一連の流れの中で決済を済ませるのが一般的ですが、海外では、後払いが一般的で購入手続きの後しばらく決済が行われないような場合もあります。

商品発送は決済完了後に行うことになるので、在庫の管理方法には注意しなければなりません。購入完了時点で在庫を補充すると、キャンセルによる在庫過多が起こるリスクがあります。展開する国・地域ごとの傾向を踏まえた在庫管理を行いましょう。

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9. 販売する国の法律を確認する

日本で問題なく販売できる商品でも、国によっては販売に許可が必要だったり、そもそも販売できなかったりする可能性がある点も、意識しておかなければならないポイントです。越境ECを展開する国ごとに法律を確認して、自社の取り扱い商材に問題がないかどうか確認しておくことをおすすめします。

また、商材だけでなく、越境ECの運営自体や商品発送に関するルールなどが設けられている可能性もあります。さまざまなケースを想定して、法律を確認してください。

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越境ECの煩雑な対応事項を代行してくれる業者もある

越境ECでは、上記のようにさまざまな事項を検討しなければなりませんが、その煩雑な業務は、外部業者の力を借りることで効率化できます。
Shopifyには、越境ECを行うためのアプリやサービスがそろっていますが、アプリを連携させて自社のECサイトを越境ECに最適化するには、一定の知識と言語力が必要です。問題なく対応できるか不安な事業者は、越境EC対応を代行してくれる業者の利用を検討しましょう。

Global-e」は、Shopifyで構築されたECサイトを越境ECに対応できる状態にカスタマイズしてくれるサービスです。ECサイトの翻訳や現地通貨での金額表示や決済はもちろん、現地のメジャーな決済方法の新規導入や不正な注文へのアラートといった越境ECならではの課題解決にもつながります。
「越境ECに挑戦してみたいけれど不安がある」という事業者や、「自分で操作してみたがわからない部分があってつまずいてしまった」という事業者には、このようなサービスの利用がおすすめです。
Global-e

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BiNDecが支援した越境ECサイトの成功事例

BiNDec(バインド・イーシー)は、ShopifyのECサイト構築をトータルサポートするWEBLIFEのサービスで、国内向けECはもちろん、越境ECに対応した実績もあります。下記の2事例は、BiNDecが支援した越境ECサイトの成功事例です。

HUMANMADE

HUMANMADEは、NIGO®がデザインする“過去と未来の融合(The Future Is In The Past)”をコンセプトにしたライフスタイルブランドで、海外のファンに向けて、ShopifyのアプリであるWOVN.io 連携」による自動翻訳機能と、Global-eによる多通貨決済を導入しました。

そのほか、マイページからの商品キャンセル操作や、アカウント単位での購入数量制限、特定顧客への先行販売といったさまざまな機能で、顧客のニーズに寄り添うECサイトづくりを行っています。
HUMAN MADE|“The Future Is In The Past”をコンセプトにしたアパレルブランド

KINTO

KINTOは、ヨーロッパ・北米・アジア・中東といった多くの地域への商品展開を行う、オリジナルの食器やインテリア雑貨などを手掛けるブランドです。現在では、日本向けのECサイトのほか、カナダ、ヨーロッパ、タイなど、それぞれの国にローカライズしたECサイトを構築しています。

KINTOが利用しているShopify Plusというプランでは、同一ブランドで10サイトまでのECサイト運営が可能なため、ひとつのウェブサイトを単純に翻訳するのではなく、国・地域ごとに最適なECサイトを設けているのです。顧客は、自国に合わせて作られたECサイトでショッピングを楽しめます。
KINTO|海外にも拠点を持つ食器やホームグッズのライフスタイルブランド

アプリなどを活用して、Shopifyで越境ECを成功させよう

Shopifyアプリを活用すれば、プログラミングの知識がなくても海外向けのECサイトを構築できます。とはいえ、越境ECには国内向けECサイトとは異なる課題が数多くあるのも事実です。現地の流行や法律、ターゲット層の考え方などについては、十分に調査しなければなりません。

自社で越境ECの課題に対応できるか不安があるという事業者や、数多くのアプリの中から自社に適したものを選定できるかわからないという事業者は、ShopifyでのECサイト構築・運用支援サービスであるBiNDecを提供しているWEBLIFEまでご相談ください。Shopifyや越境ECに精通した担当者が、それぞれの企業のブランドイメージや商品、ターゲットに合わせたサポートを行います。
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POINT

  • Shopifyは、多言語・多通貨への対応機能や決済手段の豊富さ、アプリによる機能拡張性などから、越境ECに向いている
  • Shopifyでの越境ECは、集客や英語力が必要になる点で注意が必要
  • 越境ECは顧客ニーズや配送、税金など検討事項が多いが、外部業者の力を借りることで効率化するという方法もある

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