Shopifyとecbeingを11の視点で比較! 費用や機能、運用面で有利なのはどちら?

ECビジネスが軌道に乗り、さらに規模の大きいビジネスに対応したプラットフォームへ乗り換えを検討している際に、拡張性が高く世界的に最も人気のShopifyと、国産サービスとして歴史が長くシェアも大きいecbeingを比較している担当者もいるのではないかと思います。
そこで、本記事では、さまざまな点でShopifyとecbeingの機能やサービスについて調査しました。

比較表:Shopifyとecbeingの機能と特徴

まず、Shopifyとecbeingの機能、特徴を比較してみましょう。

サービス名 Shopify ecbeing
運営会社 Shopify Japan株式会社 株式会社ecbeing
概要 世界175か国で利用されるカナダ発のECプラットフォーム。アメリカにおけるEC市場シェアNo.1。日本での利用も増加している。 ec-shop発売(1999年)から成長したECプラットフォーム。開発部門600名、マーケティング部門250名の体制でサイトの構築、拡張、分析まで請け負う。別の運用サービスにメルカートがある。
利用形態 ASP パッケージ
初期費用 無料 ecWorks:50万円〜
プラン スターター:750円 ecbeing ミドルプラン:未公開
ベーシック:3,650円(*1) ecbeing エンタープライズプラン:要見積
スタンダード:10,100円(*1) ecWorks スタートアッププラン:12.5万円〜
プレミアム:44,000円(*1) ecbeingBtoB ミドルプラン:未公開
Plus:2,300米ドル〜(*2) ecbeingBtoB エンタープライズプラン:要見積
機能拡張 13,000種以上のShopifyアプリによる追加が可能 各種のオプションサービスを展開
機能拡張 Instagram、Facebook連携(標準搭載)、Instragramショップ連携(アプリ) Instagram活用「visimo」(*3)
レビュー 商品ページへのレビュー掲載(アプリ) レビュー最適化ツール「ReviCo」(*3)
データ分析 ストア分析、AI顧客分析ShopifySidekick(どちらも標準搭載) オムニチャネル分析「Sechstant」
機能拡張 OMO連携POS(Shopify POS Pro)やCRMツール連携 EC連携アプリ「OMOアプリ+」
コンテンツ制作 各種ページ制作機能(標準搭載) 国産CMS「SiteMiraiZ」
チャットボット チャットボット機能(標準搭載)、生成AIチャット(アプリ) Chatbot「AIデジタルスタッフ」
購入予約 予約機能(アプリ) 予約管理システム「RESOMO」
最短契約期間 1か月〜(Plusは1年、または3年) 未公開
サポート体制 チャットサポート(Plusは24時間電話サポート有) 24時間365日監視サービス

*1=年払い契約の場合のひと月あたりの料金
*2=3年契約の場合のひと月あたりの料金
*3=ecbeingに限らず、Shopifyでも利用可能

Shopifyの特徴

Shopifyは、ASP型でありながら拡張性の高いECサイト構築サービスです。専門知識なしにECサイトが立ち上げられる直観的な使い勝手のECプラットフォームとして2000年にカナダで誕生しました。世界175以上の国と地域へサービスを拡大するとともに機能や性能を拡大し、大手企業にも導入されるECプラットフォームとなっています。
13,000種以上のアプリによって、EC構築や新機能の追加をスピーディに実現し、さまざまな外部サービスとも柔軟にAPI連携できます。年間流通総額は35兆3850億円(2023年、2359億ドルに対し、2024年3月末のドル円レート約150円で換算)です。
機能やプランについて、詳しくは下記の記事をご覧ください。

ecbeingの特徴

ecbeingは、BtoC、BtoBともに利用されているECサイト構築プラットフォームです。1999年にec-shopというECサイト構築パッケージとしてスタートした国産サービスです。プラットフォームでの年間流通総額が9,912億円になり、国内大手となります。パッケージ型のECカートを、企業ごとにカスタマイズから運用、分析などまでフルサポートで提供していることが特徴で、社内に技術面でのリソースない場合でもすべて任せられます。
*4=ecbeing 2022年間流通総額が9,912億円に

Shopifyとecbeingのプランと価格を比較

Shopifyのプランとecbeingのプランは、大きなところで対象ユーザーの分け方が異なります。

Shopifyのプランは、3段階+Shopify Plus

本格的なECを運用できるShopifyのプランは、「ベーシック」「スタンダード」プレミアム」という3つのプランと、Shopify Plusという上位の大企業向けプランに分けられます。
「ベーシック」「スタンダード」「プレミアム」の3つのプランで利用できる機能が大幅に違うということはなく、もっとも安い「ベーシック」プランでも十分なECサイト運用を行うことができます。商品登録数が極端に絞られるということもありません。越境ECの機能、プログラミングの利用、クーポン、シークレットセールなども利用可能です。
Shopify
3つのプラン間での大きな違いは利用できるアカウント数です。ECビジネスの規模が大きくなってくると、売上が伸びる分、業務の量も増えるため、複数人の担当者で作業を分担する必要がでてきます。ベーシックプランでは1アカウントが発行され、スタンダードプランは5アカウント、プレミアムプランでは15アカウントが利用できます。また、クレジットカードの決済手数料も上位プランのほうが低く抑えられます。

一方、Shopify Plusでは、Shopifyでは利用できない機能が提供されています。例えば、同一ブランドで10サイトまでの運用や、連携できるAPIの種類、チェックアウト画面のカスタマイズ、ログイン後の画面のパーソナライズなどコンバージョンに直結する機能の充実があります。他にも、より高性能なサーバー環境や専属の担当者によりサポートなど、Shopify Plusはさまざまな面でリミットレスなサービスが提供されます。
Shopify Plusプランや事例について、詳しくは下記の記事をご覧ください。

ecbeingのプランは、エントリー+2段階

ecbeingのサービスは、大きく分けてBtoC向けのプランとBtoB向けがあります。それぞれが3段階に分かれています。

BtoC向けのプランが「ecbeing」です。「ミドルプラン」と「エンタープライズプラン」があります。また、ecbeingと同じシステムをカスタマイズなしでスモールスタート向けに提供するエントリー向けサービス「メルカート(エートゥジェイ運営)があります。
基幹システム・ERPやWMS連携機能は、「ミドルプラン」以上になります。そのため、メルカートは単体でECカートを運用する場合にしか適用できないサービスです。「エンタープライズ」はフルカスタムが可能で、継続的な開発、マーケティング支援まで提供します。
ecbeing
BtoB向けのプランでのエントリー向けプランは「ecWorks」です。プラン中でもっとも安価で、特徴としても「安価でスピーディーにサイトが構築できる」ものです。上位プランの「ecbeing BtoB」は、「ミドルプラン」と「エンタープライズプラン」に分かれます。基幹システム・ERPやWMS連携機能は、「ミドルプラン」以上になります。
また、BtoC同様、「エンタープライズプラン」はフルカスタムが可能で、継続的な開発、マーケティング支援まで提供します。

Shopifyとecbeingの価格を比較

Shopifyの利用価格は公開されていますが、ecbeingのプラン料金は、一部を除いて公開されていませんので可能な範囲で比較してみます。

初期費用を比較

Shopifyは初期費用が無料です。SaaS型のクラウドプラットフォームのため導入費用が設定されていないのです。ベーシックプラン、ベーシックプラン、プレミアムプランに対しては、1か月の無料体験が可能です。

ecbeingはパッケージソフトのため、初期費用がかかるサービスです。パッケージソフトは一般に、インストール先サーバーの構築、ソフトウェアのインストールと設定などの物理的な構築作業が伴うためです。
なお、公式サイトでは「初期費用1,000万円以下でもカスタマイズ範囲を限定することで、基幹システム連携を含めた導入が可能」となっていることから、基本的には、導入初期コストに1,000万円程度以上を考えておくのがよいでしょう。公式ブログも参考になりますが、上位プランは2,000万円以上が目安と想定できます。

Shopifyは初期費用が不要なことから、ecbeingのほうがかなり初期費用が高いということになります。

月額費用を比較

Shopifyの月額費用は、定額性で、プランごとに料金が異なります。料金は以下の通りです(年払い月額)。

  • ベーシックプラン:3,650円
  • スタンダードプラン:10,100円
  • プレミアムプラン:44,000円
  • Shopify Plus:2,300ドル~

Shopify Plusの料金体系は、月額が2,500ドルからとなっており、契約期間は1年もしくは3年単位です。3年契約の場合、月額が2,300ドルとなります。月額の売上が80万ドルを超える場合は、売上×0.25%の利用料が別途必要になり、標準料金より上がってきます。
Shopify Plusの料金シミュレーションについては下記の記事をご覧ください。

ecbeingの月額費用は、非公開となっています。参考までメルカートの料金は、以下のようになります。

  • メルカート 定期プラン:59,000円
  • メルカート おすすめプラン:99,000円
  • メルカート 顧客理解プラン:199,000円

ecbeingはメルカートの上位プランとなるため、最低でも20万円以上と予想されます。比較的よく検討対象となるebisumartで30万円からとなるので、同等かそれ以上と予想されます。

その他の費用

ECサイトのランニングコストは基本の利用料だけではありません。初期費用・月額費用のほかにも考慮しておくべき料金に関して比較してみます。

Shopifyはアプリの利用やパートナーへの依頼内容によって変動

Shopifyでは、EC構築が無料でできますが、デザイン(テーマ)は有料の場合があります。さらにカスタマイズする場合は、ShopifyでのEC構築を受託している事業者(Shopifyパートナー)などへの依頼で別途費用が発生すると考えておきましょう。
また、考慮しておきたい長期の追加費用は、Shopifyアプリの月額料金です。追加して機能拡充ができるShopifyアプリですが、利用回数や顧客数によって金額が変わるものなどもあるため、自社の規模に合わせて見積もっておかないとランニングコストに響いてきます。
サイト構築やメンテナンス、マーケティングなどをShopifyパートナーに依頼する場合は別途費用がかかります。
Shopifyでの構築や運用を支援するパートナーのについて、詳しくは下記の記事をご覧ください。

ecbeingはオプションの追加費用が月額利用料金に含まれている

ecbeingは、月額費用内に「運用サービス費用」「オプション費用」「クラウド利用費用」「ライセンス費用」「CDN費用」のような、変動要素の高い費用が含まれているため、その他の費用もすべて月額料金にまとめられるイメージです。そのため、その他の費用は考えなくてよいでしょう。
ただし、「ミドルプラン」を契約した場合は、マーケティング支援や継続的な改修(エンハンス)がサービスに含まれません。上位プランに移行するなどの検討が必要になり、その費用が加算されると言えます。

その他の費用を比較すると、Shopifyのほうが、細々とアプリの課金料金がかかったり、パートナーの契約を考えるなど個別に検討する事項があると言えます。ecbeingは、すべて1社内での開発になっているため、外注やパートナー制度もなく、月額がケースバイケースで変動するというイメージです。

Shopifyとecbeingの基本機能を比較

ECカートとしての機能について、比較してみましょう。

Shopifyの機能と特徴

Shopifyは、クラウドで提供され、ユーザーがWebブラウザで操作するUIになっています。ECの構築、登録、販売管理、顧客管理など、モダンなインターフェースの管理画面で行うため、簡単にECサイトが作れる・運用できることで定評があります。
もちろん開発者をまきこんで、プログラム開発や外部APIなどで大規模サイトや基幹システム連携も可能です。グローバルなプラットフォームのため、海外製のSaaSなどと連携するAPIは充実しています。ベーシックプランでもプレミアムプランでも機能差が基本的になく、登録商品数の制限などもないため、低価格のプランでも上位の機能が使えることも特徴です。

Shopifyのストアフロント

Shopifyでは、「テーマ」というテンプレートからデザインを選んでECサイトを構築します。テーマは100種類以上が用意されており、有名Webデザイナーによるものや、有料テーマも存在します。
テーマは定期的に機能アップデートされています。CMSとして最大規模を持つWordPressのテーマファイルのような位置づけです。デザインのカスタマイズには独自言語LiquidというRubyがベースになっている言語を使用します。また、ヘッドレスコマースは、Shopify Plusで実現できます。
豊富なテーマから自社のブランドイメージに合うデザインを選べる

Shopifyのカート機能

Shopifyのカート機能は、ベーシックプランからプレミアムプランまで共通デザインです。Shopifyは1ページチェックアウトへ移行しました。以前は主流だった「カート確認」→「住所入力」…と続く決済工程を1ページにまとめたことでコンバージョンレートがアップするため、高機能なカートが低価格プランから使えるのがメリットと言えます。

ただし、チェックアウトページのカスタマイズができるのはShopify Plusのみです。Shopify Plusでは決済画面のデザイン、ページのレイアウト構成、追加要素、サンクスページのカスタマイズなどができるようになっているため、Shopify Plusへ移行する理由のひとつとなっています。詳しくは下記の記事をご覧ください。

ecbeingの機能と特徴

ecbeingは、提供段階からカスタマイズして機能が提供されるため、自社に必要な機能が必ず搭載されます。そのレベル的にいえば、大量のECサイトを束ねる大規模なECモールの構築まで対応できるほどです。

また、サイトの構築は個別となるので、ユーザーが直接操作してサイトを構築・設定するということはできません。ecbeingにはサイト開発者が600人以上、運用支援部隊250名以上が在籍しており、社内開発されていることは、大きな特徴です。いわば、定額プランを利用しながら、受託制作会社にサイト開発をお願いしているようなイメージです。
BtoBのような通常の仕様で対応しづらい商材の場合にも個別対応してもらえる安心感があります。
なお、パッケージタイプに分類されますが、サイトのバージョンアップは、クラウドで自動アップデートされるようになっています。

ecbeingのストアフロント

ECサイトのデザインは個別に対応するイメージです。すべてがecbeingから提案されるため、事業者側に社内にリソースが一切ない場合も安心です。
一方で、カスタマイズの余地はなく、部分的に社内の開発やデザイン制作に知見があるメンバーで改変するということは困難になります。フロントの改修も、すべてecbeingに個別に依頼となります。

メリットしては、ページごとに商品の並び順を細かく制御したり、検索パターンを登録といった、運用者にとって痒いところに手が届く機能が多いとのクチコミも見られます。

ecbeingのカート機能

ecbeingのカート機能は、サイトごとにデザインを変えているようです。基本的には、4ステップ(カート確認→注文方法の指定→注文内容の確認→注文完了)で遷移します。カートのボタンデザインや、ボタンの位置などもバリエーションがあります。たくさんの事例が公開されているので、イメージの事前確認はしやすいでしょう。
ecbeingの導入事例

Shopifyとecbeingの決済機能を比較

ECプラットフォームの要ともいえる決済機能について、Shopifyとecbeingの利便性を比較してみます。

Shopifyの決済機能

Shopifyは、基本機能としてShopify ペイメントという決済機能で大手クレジットカードブランドでの決済が可能です。そのほかにも、Apple Pay、Google Pay、Amazon Pay、Shop Pay、PayPalが標準で用意されており、SBペイメントやKOMOJUなどの外部の決済代行サービスによって決済機能を大幅に拡充することもできます。
Shopifyペイメントは取引手数料無料で、クレジットカードの決済手数料がプランによって2.90%〜3.55%で変動します。(海外発行のAmerican Expressは、3.75%〜3.90%)。また、対面販売を行う場合、Shopify POS連携が利用できます。

  • POS Lite:スターター向け、月額750円(決済手数料5%〜)
  • POS Pro:小売店1店舗ごとに、月額13,500円(決済手数料3.55%〜)

Shopifyペイメントについて、詳しくは下記の記事をご覧ください。

ecbeingの決済機能

ecbeingの決済代行機能について詳しい公開情報はありません。クレジットカード決済だけでなく、PayPay払い、Amazon Pay、NP後払いなども対応しており、多様な決済が可能です。なお、決済手数料は公開されていません。ecbeingBtoBでは、GMO掛け払い(後払い)の連携が公表されています。
ecbeingでもPOS連携を利用できます。「poscm plus」「東芝テック」「スマレジ」などに実績があります。

Shopifyとecbeingのカスタマイズ方法を比較

ECプラットフォームに標準で搭載されている機能では不十分な場合、カスタマイズが必要になります。Shopifyとecbeingのカスタマイズ方法を比較します。

Shopifyのカスタマイズの方法

Shopifyのカスタマイズは、アプリを使って機能を拡充するか、コードを編集したりプログラムを開発するかの2つの方向に分けられます。よく使われるのが、導入までの期間が短くコストも抑えられるアプリです。
Shopifyは開発方法が公開されているため、世界中にアプリの開発者が存在します。Shopify公認の開発者は、ShopifyエキスパートやShopify Plusパートナーと呼ばれます。開発者はパートナー企業としてShopifyサイトの構築や運用を請け負っており、要望内容によって独自開発も行います。

もう一方で、Shopifyはアプリ開発者としてアプリを提供している事業者がいます。13,000以上のアプリがShopifyアプリストアで公開されており、ECサイトの管理者はブラウザからアプリを追加できるようになっています。アプリを追加するだけで、低価格でECサイトの機能改善ができるのも魅力です。
Shopifyアプリストア

ecbeingのカスタマイズの方法

開発言語は.NETということですが、一般に詳細は開示されていません。カスタマイズはecbeingで行うイメージです。なお、サイトの継続開発は、上位プランのecbeingエンタープライズの契約が必要です。
UIや標準パッケージに含まれる機能は、そのまま使うのとカスタマイズするのでは費用が変わってきます。サイト事例や資料を確認して、使い勝手や機能が望むものかを確認しておく必要があるでしょう。

Shopifyとecbeingのマーケティング機能を比較

ECサイトの売上成長のためには、データを分析し施策を打ってPDCAを回すWebマーケティングは欠かせません。Shopifyとecbeingのマーケティング機能を比較します。

Shopifyのマーケティング機能

Shopifyには、SEO対策、商品情報のSNS連携、広告出稿、メールマーケティング、ディスカウントなどの機能が含まれ、すぐに使用できます。操作しやすい管理画面から、担当者がすぐにキャンペーンを走らせることができるため、スピーディーな施策の実施が可能になるのがメリットです。生成AIを使った機能にも力を入れています。

ほかにも、アプリや連携できる外部サービスを使って、マーケティングオートメーションやアフィリエイト、レビュー収集、接客ボットなどの機能拡充をしているサイト事例は多く、社内に開発者がいない場合もShopifyパートナーに相談しながら機能追加をすることができます。
ECマーケティングの具体的な施策については下記の記事をご覧ください。

ecbeingのマーケティング機能

ecbeingでは運用支援(マーケティング)を行う担当者が250人以上在籍しており、施策の提案・実施・評価まで行います。ecbeingの操作や開発者との橋渡しも任せられるのが大きな特徴です。
提供されるマーケティング機能としては、コンサルティング、集客(SEO、広告)、サイト改善(サイト、コンテンツ、キャンペーン制作、A/Bテスト、Web接客ツール、分析、CRM顧客管理(メルマガ制作・配信、LINE@導入、メールマーケティング、Web接客)などがあります。

オプションサービスとして代表的なものに、SNS投稿を活用したり商品動画を作成できる「visumo」、レビュー最適化ツール「ReviCo」があります。これらは別サービスとして独立しているため、ShopifyのECサイトでも利用できます。
SNS上のUGCやスタッフ投稿をECサイトに活用できるvisumo
両者を比較すると、Shopifyは、EC担当チームが自らマーケティング施策を走らせていくのに向いており、ecbeingでは、マーケティング施策の提案から政策、実施までを担当者に任せていきたいときに向いていることがわかります。

Shopifyとecbeingの顧客管理機能を比較

マーケティングのベースとなる顧客の購買データを管理・活用できる機能について、Shopifyとecbeingを比較します。

Shopifyの顧客管理機能

Shopifyの顧客管理機能は、顧客情報を一元管理しつつ、タグ付けでセグメントしたり、マーケティングオートメーションに活用する機能が用意されています。
また、アプリを利用してRFM分析を行ったり、多様なポイント・会員プログラム導入でロイヤルティを高めたり、LTVの向上に貢献する顧客体験の提供が可能です。
Dotdigital|Shopifyの顧客データと連携できるMAツール

ecbeingの顧客管理機能

ecbeingでは、顧客情報を顧客カルテと読んでおり、顧客の詳細情報をまとめた画面を提供しています。属性や購買履歴やRFM分析から顧客のセグメンテーションも行えます。また、オプションの「Sechstant CRM」を使ってメール配信、アプリ配信、LINE配信などを実施できます。

どちらも顧客管理機能はしっかりとしたものが用意されていると言えます。ecbeingの顧客カルテのほうがShopifyの顧客管理画面よりかなり重厚な管理画面で様々な情報が保存できるようになっていると言っていいでしょう。一方で、 Shopifyのメールマーケティングなどはすぐ無料でに始められてますが、Sechstant CDPを使う場合はオプションサービスになるので料金や開始時期などを事前に調べる必要があります。

Shopifyとecbeingのサイト分析機能を比較

ECサイトのパフォーマンスや売上状況を分析できる機能もShopifyとecbeingに備わっています。それぞれの機能性の違いを紹介します。

Shopifyのサイト分析機能

Shopifyの分析の基本機能は、Shopify内で提供されている「ストア分析」のダッシュボードで提供されている売上をはじめとした分析データを利用します。データをEC担当者自ら日々チェックすることで、細かい変動に気づいて対策をしたり、施策を打つのに役立ちます。

これとあわせてGoogle AnalyticsでサイトのWeb計測をするのが一般的です。公式アプリを使って連携ができますが、Google Analytics の目標設定や分析などについて詳しく相談したい場合は、マーケティング支援をしてくれるShopifyパートナーに依頼するのが確実です。
Shopifyのストア分析機能について、詳しくは下記の記事をご覧ください。

ecbeingのサイト分析機能

ecbeingは、社内のマーケターによる運用支援が提供されるため、サイトの分析やマーケティング支援が充実しています。定期的なログ分析(アクセス解析)から課題発見につながる提案が得られます。
顧客・商品分析にはオプションのオムニチャネル分析ツールSechstant CDPというデータ活用プラットフォームがあります。顧客管理、アクセスデータや販売データ集計、分析、施策支援の機能が提供され、Google Analytics連携が含まれます。
Sechstant

サイト分析機能については両者とも充実していますが、ecbeingのSechstant CDPは統合ツールになっているため、高機能なものになっています。実店舗チャンネルとの統合分析、アプローチにも対応します。
Shopifyのストア分析は、Webマーケティングツールの一部として入りやすいでしょう。SNS広告の出稿などを自分で行っている場合は、成果をリアルタイムで確認しながらマーケティング施策の方向性を決定できます。さらに高機能な分析をしたい場合は、BI、MA、CRMなどの外部サービスと連携することもできます。

Shopifyとecbeingの越境EC機能を比較

世界中どこからでもお店にアクセスしてもらえるのがECサイトの大きなメリットです。年々需要が高まりつつある越境ECについて、Shopifyとecbeingの機能を比較します。
越境ECについて、詳しくは下記の記事をご覧ください。

Shopifyの越境EC

Shopifyは、50以上の言語、130を超える通貨に対応するプラットフォームのため、越境ECの機能が基本機能として提供されています。ベーシックプランでも追加料金なしで越境ECが始められます。Shopify Plusの場合は10サイトまで運用できるため、国別にカスタマイズしたECサイトを運用する企業も多くあります。

KINTO Europa

KINTO Europa|BiNDecを導入し、欧州各言語に対応したヨーロッパ向けのKINTOのECサイト。この他にもアメリカ、カナダ、韓国、タイバージョンのECを独立して展開している

ecbeingの越境EC

ecbeingでは、ミドルプランでも越境ECは実現可能例に入っているため、カスタマイズで対応が可能です。ただし、現在公開されている事例をみるとあまり多くの利用企業はないようです。グローバル事例で掲載されていた「メーカーシャツ鎌倉」は、現在Shopifyでグローバルサイトを運用しているようです。
越境ECについては、Shopifyに多くのアドバンテージがあると言えるでしょう。

ShopifyとecbeingのBtoB機能を比較

BtoBのECサイトは一般的にはクローズドで運用されているため、普段なかなか見慣れないケースも多いですが、卸売のデジタル化も需要として伸び続けています。BtoB特有の複雑な価格設定や販売ルールについてShopifyとecbeingではどのような機能がよういされているのかを比較します。

ShopifyのBtoB機能

ShopifyはB2Bに限定したプラットフォームではありませんが、卸販売や企業間取引、会員性サイト、代理店販売、カタログサイトなどに活用されています。
Shopify Plus限定でBtoB向けのアプリが多く用意されており、卸販売向けの「Wholesale Club」や企業間取引プラットフォーム構築のBtoB 「Handsfree」などが有名です。

専用ツールでないので活用例については分野に詳しいShopify パートナーに相談するのが安心ですが、導入・維持費を低く抑えてBtoBをDXできる点が魅力的と言えるでしょう。
ShopifyのBtoBサイトの事例は下記の記事をご覧ください。

ecbeingのBtoB機能

ecbeingは、ecbeing BtoBのミドルプラン、エンタープライズプラン、そしてエントリー向けにecWorks スタートアッププランが提供されており、BtoB事業の立ち上げができます。BtoBでは商材が一般のBtoC商材と大きく異なるので、製品検索や顧客別の対応など、カスタマイズに対応できることが評価ポイントです。
ecbeing BtoB
ecbeingは幅広い業種で多くのBtoB事業の実績があり、複雑な事業を反映する際にも提案を受けることができるでしょう。Shopifyはランニングコストは低く抑えられますが、BtoBの利用は少なくないものの、まだ一般的になっていないので、BtoB分野が得意なShopify Plusパートナーと伴走しながらの構築が安心でしょう。

ShopifyとecbeingのOMO機能を比較

OMOとは、Online Merges Offlineの略で、さまざまな販売チャネルを統合した購買体験を提供するサービスやマーケティング戦略全般を指します。
OMOの概要について、詳しくは下記の記事をご覧ください。

ShopifyのOMO機能

Shopifyは、Shopify POS Proの提供やWBSを活用した在庫の統合などを可能にします。EC起源のブランドがポップアップストアを展開するなどの支援だけでなく、店舗のシステム、会員制度との統合管理も可能です。
日本でよく利用されているPOSの「スマレジ」などと連携したり、会員アプリで店舗とECを連携するアプリ「Omni Hub」などもはります。

ecbeingのOMO機能

ecbeingのEC連携標準アプリ(オプション)に「OMOアプリ+」があり、店舗とECの顧客情報を一見管理して、マーケティングを実践することができます。スマホの会員向けアプリを展開しており、店頭でアプリをダウンロードし会員登録するなどのカスタマージャーニーが用意されています。運用コストは未公開です。

OMOを実現するには、既存の社内基幹システムとの連携が欠かせません。Shopifyでもecbeingでも開発者の技術的な支援を受けるとともに、社内のリソースや実現可能性を理解して確認しておく必要があるでしょう。

Shopifyとecbeingのサーバーを比較

Shopifyのサーバーとセキュリティ

Shopifyのサーバーは、AWSなどをはじめ世界中に分散したクラウドサーバーを利用しています。システムのアップデートは自動で、新機能もバージョンアップも自動的に行われます。
受注時のスピードも速く、Shopify Plusになるとグローバル基準で1分間に4万件の受注が可能な仕様になっています。Shopifyのサーバー稼働率は99.98%となっており、遅延やサーバーダウンのトラブルを最小限に抑えることができるため、多くのEC事業者がShopifyへのリプレースの決め手としてサーバーの耐久性を挙げています。
セキュリティ面では、国際規格ISO27001の認証を取得しており、金融機関と同等の高水準なセキュリティを確保しています。

昨今はECサイトでのカード犯罪が深刻化していますが、ShopifyはPCI DSS レベル1に準拠し、24時間365日体制での不正防御システムやカードの不正決済を防ぐアプリの普及にも力を入れています。怪しい動きのカードは警告して決済保留にする機能も搭載されています。
さらに詳しい機能性については、下記の記事をご覧ください。

ecbeingのサーバーとセキュリティ

ecbeingでは、自社でデータセンター事業も有しており、運用サーバーのホスティングやハウジングの手配も行っています。パッケージソフトで心配になるのは、メンテナンス性やシステムアップデート、セキュリティ対策ですが、ecbeingはプラン内に含まれます。24時間365日監視サービスが含まれるため、サーバーの異常な動きにも対応してもらえます。

ecbeingのデータセンターは、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認証基準の認証を取得しJIS Q 27001:2014の認証基準を取得しています。また、セキュリティサービス会社のLAC社と包括契約しています。第三者機関によるセキュリティ診断も定期的に受け、情報運用は安心な体制が整っていると言えます。サーバーのスピードについては公開されていませんでした。

両者を比較すると、取得しているセキュリティ認証は同レベルでどちらも高度なセキュリティが保証されています。ecbeingはセキュリティまわりもすべて任せられるというイメージです。Shopifyはセキュリティ担当者はいない一方で、不正防止のシステムの開発に積極的な点、Shopifyを監視しているホワイトハッカーが世界中にいるのも特徴です。

大規模なECサイトのリプレースならShopifyがおすすめ

さまざまな面で比較を行ってきましたが、これからのShopifyをおすすめできる理由をいくつか紹介します。以下のような点にメリットがあります。

大規模事業者でも安心して契約できるプラットフォーム

Shopifyはecbeingに比べると低コストで大規模なサイトが運用可能なプラットフォームです。簡単にECサイトが作れるということで、比較的小規模向けのイメージも強いですが、実際には1分に1万件を売り上げるような大規模なサイトも運用でき、世界的に人気のチケット販売や、人気ブランドのフラッシュセールなどにも安心して使えます。

自社のサーバーホスティング運用よりもコストを削減

大規模事業者の場合は、独自開発サイトを運用しているケースも多いですが、リニューアルや機能追加の必要があってShopifyに乗り換えた結果、ECサイトは運用しやすくなり、ランニングコストが大幅に下がったという例が少なくありません。オンプレミスからクラウドに乗り換えた結果、管理の手間が減って、スピードも機能もアップするということもあります。

スピーディに拡張性の高いサイト運用が可能

Shopifyは、誰でも簡単に自分でECサイトが運用できることを目指して開発されてきたプラットフォームです。そのため、運用も機能も事業者のEC担当者が行うことが前提です。仕様確定や設計などに長い時間を費やしたり、個別の機能開発のためにサイト立ち上げまでに時間がかかるのは困るという悩みを持っている場合は、Shopifyがおすすめです。

必ずしも現在使っているECプラットフォームと同じ機能が1対1では存在しないかもしれませんが、Shopifyは多くの新機能を次々と提供し続けているため、サイトが老朽化、機能が陳腐化するリスクがありません。

チェックアウト(注文確定)のCV率

Shopifyのインターフェースは、コンバージョンに直結する顧客体験を提供しています。スマホへの対応はもちろん、ユーザーにとっての使い勝手の良さが考慮され、特に1ページチェックアウトがスタートしてから、CV率(購買率)が向上したという報告もあります。(*4)売上に直結するカート部分のスムーズさは、高く評価されています。

ただしShopifyをおすすめする大前提として、「自分たちでなるべくECサイトや改善を手がけていきたい」「スピード感のある運用をしたい」「キャンペーンやマーケティングも自分たちでなるべくやりたい」と考える事業者に限ります。Shopifyには、運用担当者はプランに含まれていないからです。
*4=Stellar Eats Increases Conversions by 3.5% Switching to Shopify’s One-Page Checkout

スムーズなリプレースのためにはプロにも頼むことを考えてみよう

リスクや初期コストは小さく新しい機能のECプラットフォームへ移行したい中小の事業者や、システムリプレースやランニングコストに課題を持っている大規模EC事業者では、Shopifyでの運用を検討する場合が増えています。
Shopifyは社内にWeb担当者やIT担当者がいれば、外部協力なしでも立ち上げが可能ですが、新しいECプラットフォームに最適なアプリ導入や、サイトの移行など、さまざまな面で不安はあるかもしれません。

その場合はShopify公認のパートナーにリプレース相談をすることをおすすめします。
BiNDecは、日本で数少ないShopify Plus パートナーのShopifyサイト構築・運用サポートサービスです。幅広い業界でのEC構築実績を持つBiNDecにご相談いただければ、最適なカスタマイズの提案をいたします。
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