ソーシャルコマースの基本|成功事例や連携におすすめのECシステムを紹介

ソーシャルコマースの基本|成功事例や連携におすすめのECシステムを紹介

ソーシャルコマースは、ECサイト運営者にとってチャレンジすべき手法のひとつです。特に、Z世代と言われる若者をターゲットとした商品を取り扱うのであれば、絶対に欠かせない存在と言えるでしょう。
ここでは、ソーシャルコマースを実施したいと考えているECサイト運営者向けに、ソーシャルコマースの種類やメリット・デメリットなどを紹介します。成功事例なども併せて解説しますので、ぜひ参考にしてください。

ソーシャルコマースとは?

ソーシャルコマースとは、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(以下SNS)のアカウントを用いて商品の販売を行う手法です。これまで、SNSの利用は、商品の価値を潜在的顧客層に知らせる宣伝ツールとして活用してきました。ですが、SNSの機能拡張により、自社のECサイトがなくてもオンラインで商品を販売できるようになったのです。

ソーシャルコマースの市場規模は今後拡大するか?

これからソーシャルコマースの参入を検討する場合、気になるのは市場規模でしょう。経済産業省の「令和5年度電子商取引に関する市場調査の結果」によると、令和5年の日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は、24.8兆円となっており、EC市場は順調に市場規模が拡大しています。

経済産業省 電子商取引に関する市場調査の結果

BtoC-EC市場規模の経年推移(単位:億円)令和5年度電子商取引に関する市場調査の結果より

そして、世界175カ国で個人から企業まで幅広く利用されているECプラットフォームのShopifyは、ライブコマースやショート動画コンテンツの利用が増えていることも起因し、TikTok、Instagram、FacebookなどのSNSプラットフォームとECの連携がさらに強まり、ソーシャルコマース市場は2033年までに13兆ドルに達すると予測されていると、fmiの調査(※1)を元に発表(※2)しています。
※1:fmi most recent global social commerce statisticsによる
※2:Shopify 世界のeコマース統計: 2025年にストアを導くトレンドより

今後もオンライン上での商品購入は方法は多様化し、消費者との接点から購買までのスピードも加速していく中で、いかにシームレスな購買体験を提供できるかがECマーチャントには求められるでしょう。

ソーシャルコマースとEコマースの違いとは?

ソーシャルコマースとEコマース(EC)に対するSNSの違いは使い方です。ソーシャルコマースは、SNSで宣伝から販売をすべて行います
一方、EコマースではSNSはあくまで情報提供や宣伝の場として利用であり、販売の主体はECサイトです。Eコマースについての詳しい解説は下記の記事をご覧ください。

ソーシャルコマースの主な種類

ソーシャルコマースといっても、さまざまなタイプや施策があります。SNSのみで完結するものもあれば、中には基盤としてECサイトを持つ方が展開しやすいものもあります。主なソーシャルコマース種類について紹介しますので、どのタイプが自社に適しているかの参考にしてください。

◼︎ソーシャルコマースの主な種類と概要

ソーシャルコマースの種類 概要
SNS型(ソーシャルメディア型) SNSを利用して商品の売買を行う
CtoC型(C2C型) 個人間で商品の売買を行う
ユーザー参加型 クラウドファンディング利用して行う
ユーザーキュレーション型 個人が作成した商品リストを共有して行う
グループ購入型(共同購入型) 個人ではなくグループを対象として行う
レコメンド型 ユーザーのレビューを参考にして購買を促進させる
OtoO型(O2O型) オンライン上で行う施策から実店舗誘導する

SNS型(ソーシャルメディア型)

SNS型は、SNSを利用して商品の売買を行うソーシャルコマースです。例えば、Instagramのショップ機能などがその代表例となります。一番スタンダードなソーシャルコマースと言えるでしょう。
Instagramでの商品販売について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

CtoC型(C2C型)

CtoC型は「Consumer to Consumer」の略で、SNSを利用し個人間で商品の売買を行うソーシャルコマースです。例えば、メルカリやラクマ、Yahoo!オークションなどがその代表例です。

ユーザー参加型

ユーザー参加型は、不特定多数の消費者から資金を集めるクラウドファンディングを利用したソーシャルコマースです。ユーザーは顧客としてだけでなく、投資としての側面を持ちます。例えば、Kickstarter、Makuake、キャンプファイヤーなどがその代表例です。

ユーザーキュレーション型

ユーザーキュレーション型は、個人が作成した商品リストを共有するソーシャルコマースの施策です。作成したコンテンツの質が購入に左右されるので、インフルエンサーなど指名度がある人物を起用して行うケースもあります。WEARや楽天のROOMなどがその例です。

グループ購入型(共同購入型)

グループ購入型は、個人ではなくグループを対象としてソーシャルコマースで、一定数のユーザーが同じ商品を購入することで割引される仕組みです。購入者の人数によって割引率がアップする場合もあるため、顧客間での宣伝効果も期待できます。例えば、グルーポンなどがその代表例です。

レコメンド型

レコメンド型は、他の消費者の声を参考にして商品を購入を促すソーシャルコマースの施策です。レビューや口コミで商品への信頼感を生み出し、購買行動に結びつきやすくさせるのが特徴です。また、閲覧履歴や購入履歴などを基に最適な商品を自動提案するような仕組みも該当します。
代表例は@cosmeやAmazon、楽天市場の口コミ評価やレビュー、レコメンド機能などです。

OtoO型(O2O型)

OtoO型は「Online to Offline」の略で、X(旧Twitter)やInstagramの広告、LINEやブランド公式サイトで発行したクーポンなどを利用し、SNSに限らずオンライン上での発信に興味を持った消費者を実店舗へ誘導する施策です。SNSだけで完結はしていませんが、ソーシャルコマースとしてもカウントされています。

SNS以外にも、ECサイトがやるべき施策をまとめた資料をご用意しました。無料でダウンロードできますので、ぜひご覧ください。

ソーシャルコマースのメリット

SNSのイメージ写真

ソーシャルコマースの導入には特定の層を狙った集客や、導入障壁の低さなどのメリットがあります。下記で解説していきましょう。

若年層の集客が狙える

総務省の令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書(※3)によると、平日のSNS利用率は、50代で38.1%、60代は20%に満たないのに対し、10代は58.2%、30代は57.3%、40代で44.1%、20代に至っては70.7%と、若年層の多くはSNSと頻繁に接触しており、情報収集ツールとして利用しています。そのため、ミレニアル世代向けや、特に10代~20代半ばのZ世代向けの商品を扱うのであれば、ソーシャルコマースをベースにビジネスを展開するのも良いでしょう。
※3:総務省「令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」の公表より抜粋

手軽に導入・施策展開することができる

InstagramなどのSNSでは、各種ECプラットフォームと連携できるショッピング機能が充実しており、SNSのコンテンツから自社ECサイトの商品ページやチェックアウトページへ自然と誘導できます。
各種SNSの特徴に合わせて、フォロワーキャンペーンやタイムセールといった柔軟なプロモーションを展開したり、ユーザーの反応やエンゲージメントを分析して、施策の効果検証・改善することも可能です。

自社ECを構築するプラットフォームは各種SNSとの連携機能が豊富に揃っているShopifyがおすすめです。下記の資料で、90日で構築する具体的なプランも無料で公開していますので、ぜひ併せてご覧ください。

ソーシャルコマースのデメリット

ソーシャルコマースにはECサイトとは異なるデメリットも存在します。ここでは、主なソーシャルコマースのデメリットをご紹介しましょう。

更新作業にかける時間が増える

ソーシャルコマースは、更新作業にかける時間が増えるデメリットがあります。SNSという情報発信の場を主戦場にする以上、常に消費者の目にとまる投稿を行い、情報を更新していく必要があります。

アルゴリズムの影響を受ける

ソーシャルコマースは各種SNSのサービスをベースに展開するため、急なサービス内容の変更など、自社のコントロールできない部分で影響を受ける可能性があります。SNSのプラットフォーム上で運営していることを忘れないようにしましょう。
例えば、Instagramのリールにはガイドラインが存在しており、解像度が低い動画などは露出が少なくなる傾向があります。各種SNSの動向をチェックし、ガイドラインに沿った投稿を行えるようにしましょう。

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ソーシャルコマースで成功している事例

では実際にソーシャルコマースで成功したケースには、どのような企業があるのでしょう。ここでは、ソーシャルコマースで成功している事例をご紹介します。

ミキハウス

ミキハウスのライブコマース紹介ページ

アパレルブランド ミキハウスのライブコマースコンテンツ


子供服のブランドで有名なミキハウスでは、ソーシャルコマースのひとつ「ライブコマース」を利用して、売上を拡大させています。ライブコマースとは、リアルタイムに動画を配しながら販売を行うスタイルで、紹介している商品についてその場で質問をしたりすることも可能です。ライブコマースは、実際の商品について画像だけでわからない疑問点も解消しやすいことから、アパレル等で人気のソーシャルコマースとなっています。

ミキハウスでは、ライブコマースを積極的に取り入れるため、ECサイト内に独立したページを用意しています。また、ページ内ではライブコマースを閲覧できるだけでなく、ライブショッピングのスケジュールやアーカイブの配信、操作方法の説明などのコンテンツを用意し、配信していない時に訪れたユーザーに対しても、フォローアップしているのが特徴です。

グリーンパン

グリーンパンのクラウドファンディングページ

「フッ素樹脂コーティング」を用いないクックウェアを販売するグリーンパン


ベルギーで生まれた調理器具ブランドである「グリーンパン」は、クラウドファンディングを利用して、こびりつきにくい加工をした「エシカルフライパン」のプロジェクトを実施し、目標金額 300,000円に対して、2,240,600円もの応援購入を得ました。
商品発売前に、200万円台の売上をあらかじめ確保できたのは、ユーザー参加型のソーシャルコマースならではの実現ともいえるでしょう。

Shopifyがソーシャルコマースにおすすめ理由

shopify公式サイトのキャプチャ画像

前述の通り、中には決済機能を持たないSNSプラットフォームもあり、現状、Instagramがその例です。そこでおすすめのECプラットフォームがShopifyであると紹介しました。成功事例で紹介した2つのECサイトも、Shopifyで構築されています。バックグラウンドのECサイトがあればより多くの施策を展開することができるでしょう。

Shopifyを利用すれば、Facebook、Instagram、TikTok、Pinterestといった、利用者の多い人気のSNSプラットフォームと簡単に連携できます。Instagramであれば、Instagramショッピングで販売している商品と、Shopifyで構築したECサイトの在庫を自動で共有して同期できます。また、Shopifyアプリを使うとフィードの投稿をECサイト側に簡単に埋め込むこともできるのでコンテンツの二次利用も可能です。

また、TikTokであれば購入ボタン付きのTikTok動画広告をShopifyの管理画面から、簡単に作成・出稿できます。なお、他にもプロフィールページにTikTok Shopを連携することも可能ですが、このサービスはまだ日本では開始していません。

こちらの記事ではShopifyの管理画面も用いてInstagramとの連携手順やおすすめのShopifyアプリについても詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

ソーシャルコマースを活用して売上げを向上させよう

ご紹介したように、ソーシャルコマースを活用すれば、若年層の獲得や、ファンマーケティングの実施など売上向上を含めた様々なメリットがあります。ただし、これまでもお伝えしたように、基盤となるECサイトを必要とするSNSプラットフォームもあります。自社でコントロールできるECサイトがあることは強みや運営上での安定にもつながるでしょう。

なお、ソーシャルコマースも展開しながら、ECサイトの運営を検討中でしたら、Shopify PlusパートナーのBiNDecへご相談ください。ECサイトの構築だけではなく、各種SNSとの連携や売上向上のためのマーケティング施策まで支援させていただきます。気軽にお問合せください。
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POINT

  • ソーシャルコマースは「SNS型」や「ユーザー参加型」、「CtoC型」など種類がある
  • ソーシャルコマースのメリットは「若年層の集客」や「導入の手軽さ」「ユーザーのファン化」などがある
  • ソーシャルコマースは自社でコントロールできない部分があるため自社ECサイトの基盤があると安心

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