STORESとShopify連携のメリットとは?顧客データの一元管理で顧客体験を向上

STORESとShopify連携のメリットとは?顧客データの一元管理で顧客体験を向上

STORESと聞くとASPカート型のECプラットフォームを思い浮かべる方も少なくないと思いますが、Shopifyなどで構築したECサイトと実店舗を横断した会員プログラムやデータ管理がスムーズに行える「STORES ブランドアプリ」というサービスがあるのをご存知でしょうか。

今回は、STORES ブランドアプリの特徴やShopifyと連携するメリット、導入手順、注意点などを詳しく解説します。

STORESはECサイト運営施策の強い味方

STORES
STORESは、ECサイト、POSレジ、決済、請求書決済、予約、モバイルオーダー、ブランドアプリ開発を展開するSTORES 株式会社が運営するサービスの総称です。その筆頭であるASP型のECプラットフォーム「STORES ネットショップ」は、専門知識がなくても簡単にECサイトを構築でき、豊富デザインテンプレートによるカスタマイズと、数分で使い始められる操作性の高さが魅力で、個人や小規模事業者に人気のサービスです。

STORES ネットショップの料金には、月額無料プランが用意されており、初期コストを抑えながら始められるのもポイントです。売上に比例して費用が発生するプラン設計になっていますので、ビジネス規模も小さくEC運用に慣れないうちはSTORESではじめ、軌道に乗ってきたら本格的にビジネスを成長できるShopifyなどにリプレースするケースも多いでしょう。

ASPカートについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

STORES ブランドアプリの特徴

ここからは、この記事の本題であるSTORES ブランドアプリがどういったサービスなのかを紹介します。
STORES ブランドアプリは、ECサイトや実店舗を持つ企業が、ブランド独自のスマホアプリを顧客に提供するためのサービスであり、下記が主要な機能です。

  • アプリ開発
  • 会員プログラム構築
  • 顧客管理
  • マーケティングオートメーション
  • データ分析

それぞれの特徴を説明していきましょう。

アプリ開発|OMO施策の実現する

一般的なブランドのモバイルアプリでみられる、店舗情報や会員カードなどの基本機能の提供はもちろんですが、STORES ブランドアプリの最大の特徴はPOSシステムやECサイトと連携し、顧客情報を「1つのID」で管理できる点です。これにより、実店舗とECサイトの購入履歴などのデータを統合し、スムーズな顧客体験を提供することができます。

そして、顧客情報の統合だけではなく、ECサイト自体をブランドアプリ内に組み込むことが可能です。商品情報や特集ページの自動同期もできるので、更新の手間も削減できます。連携はSTORES ネットショップやShopifyなどのECプラットフォームで対応可能です。
実店舗側では、スマレジなどのPOSシステムと連携し、購入データの取得や効率的な運営を叶えてくれるので、STORES ブランドアプリを導入することでオンラインとオフラインの垣根を超えた顧客サービス、すなわちOMOが実現します。

OMOについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

会員プログラム構築|ロイヤルカスタマーを育成する

STORES ブランドアプリを使えば、実店舗とECサイト共通のブランド独自の会員プログラムを簡単に構築できます。ブランドアプリ上でポイントカードを提供し、ポイント付与やランクの設定が行えます。顧客は、貯めたポイントを利用して商品を購入することも可能です。

ポイントの還元率や有効期限は自由に設定できるほか、指定期間内のポイント獲得数や来店回数に応じて、顧客を特別なランクに昇格させるランクアップ制度も導入できます。これにより、リピーターを増やし、ロイヤルカスタマー育成の施策を強化することが可能です。

さらに、ポイントではなく、スタンプカードを発行することもできます。スタンプ数に応じたクーポン発行などのカスタマイズも行えるなど、さまざまなニーズに応じた柔軟な会員プログラムが実現します。

ロイヤルカスタマーについて、詳しくは下記の記事をご覧ください。

顧客管理(CRM)|実店舗とECサイトの情報を一元化

STORES ブランドアプリには、顧客管理が行えるCRM機能があります。顧客ごとの属性情報や来店状況、購入商品、購入金額、保有ポイント数などを一目で確認できるため、効果的な顧客対応施策の立案が可能です。もちろん、実店舗とECサイトの会員データの連携で、オンラインとオフラインの顧客情報も一元管理できます。顧客の購買傾向を把握することで、よりパーソナライズされた情報や提案を提供できるようになります。

顧客一覧機能では、会員IDや名前、利用店舗の履歴などを条件に検索できるため、必要な情報をすぐに見つけられるのも便利な点です。

CRMについて、こちらの記事も併せてご覧ください。

マーケティングオートメーション|一人ひとりに最適な購入体験を

STORES ブランドアプリはマーケティングオートメーション機能も持っているので、効率的かつ効果的な顧客アプローチも叶います。顧客の属性情報や利用状況、さらには天候などの条件に応じて、自動で通知やクーポンを配信できるため、手間を省きながら高い効果を期待できます。必要に応じて、都度配信も可能です。

条件設定による自動配信では、年齢や性別、誕生日といった基本情報だけでなく、最終来店日や購入回数、購買商品、会員ランクなどのデータを活用して、ピンポイントでプッシュ通知を送れます。これにより、顧客の興味に合ったメッセージを配信でき、反応率の大幅向上が狙えます。
さらに、配信結果の分析機能を通じて、プッシュ通知の開封率やクーポン利用率、来店率などをリアルタイムで把握可能。個別の開封状況も確認できるため、施策の改善に役立ちます。また、アンケート機能には、回答特典をセットすることも可能です。スタンプやクーポンを提供し、高い回答率を実現させます。

一人ひとりに最適な購入体験を提供するOne to Oneマーケティングについて詳しく解説した記事もありますので、併せてご覧ください。

データ分析|データドリブンな施策提案を可能に

STORES ブランドアプリのデータ分析機能を使えば、顧客や店舗の状況をさまざまな角度から把握しEC運営の改善に役立てることができます。

来店回数ごとの人数割合や曜日・時間帯別の来店数、さらには顧客ごとの来店周期を確認でき、混雑のピーク時間やリピーターの傾向を把握できるほか、店舗別分析では、各店舗の会員数や来店数を時系列で可視化。どの店舗が活発に利用されているのか、一目で確認できるため、店舗ごとの課題や強みを見つけることができます

さらに、費用対効果の測定機能では、プッシュ通知をきっかけにした来店数や、その結果得られる売上を月ごとに把握可能。マーケティング施策の成功度を具体的な数字で評価できるため、運営の改善に役立ちます。

他にも、STORES ブランドアプリには下記の機能が揃っているので、ビジネスの成長に合わせたマーケティング施策を叶えることができます。

  • クーポン発行
  • プッシュ通知によるお知らせ配信
  • 店舗検索
  • ホーム画面へのバナー設置などのデザインカスタマイズ
  • 顧客による利用・取得・購買履歴の確認
  • アプリ誘導、来店促進に繋げるゲーム機能
  • 分析データのCSV出力
  • 新規・リピーター比率の抽出

STORES ブランドアプリはShopifyと連携できる

ここまででも説明してきたように、STORES ブランドアプリはECサイトと連携することが可能です。特にShopifyで構築されたECサイトとの親和性が高く、会員ランクやポイント制度の導入、購入履歴の一元管理、パーソナライズされたマーケティングに対応した多機能なモバイルアプリ構築ができ、ECサイトと実店舗の垣根を超えたブランド独自の体験を実現させることができます

Shopifyとは世界170か国以上で利用されているECプラットフォーム

Shopify
Shopifyについて改めておさらいをしておきましょう。Shopifyは世界各国で利用されているカナダ発のECプラットフォームです。最大の特徴は高い拡張性で、13,000を超えるShopifyアプリからビジネスの成長段階に合わせて欲しい機能をカスタマイズできるため、規模感や業界問わず幅広い法人ECサイトに利用されています。
また、堅牢なセキュリティやサーバーの耐久性も評価されており、フラッシュセールなどのアクセスが集中するイベントにも強いECサイトを構築できるほか、Shopifyは50以上の言語と130を超える通貨に対応しているため、越境ECやを展開する企業にも人気です。

料金プランは個人事業主向けのBasicプランからよりエンタープライズ企業向けのShopify Plusプランまで4つに分かれているので、成長に応じてプランを変更するのも良いでしょう。
Shopify Plusについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

STORES ブランドアプリとShopifyを連携するメリット

STORES ブランドアプリの仕組み|STORESコーポレートサイトニュース『STORES ブランドアプリ、「Shopify」との連携開始』より引用
STORES ブランドアプリとShopifyを連携する3つのメリットについて紹介します。

Shopifyが持つ顧客データがアプリでも使用可能

Shopifyで構築したECサイトですでにアカウントを持っている顧客は、そのアカウント情報をSTORES ブランドアプリでもそのまま使用できるため、改めて登録する手間なく簡単にログインすることが可能です。
STORES ブランドアプリを使うことで、購入履歴やポイント管理だけでなく、在庫管理やデータ分析も効率的に行えるため、マーケティング施策や顧客のフォローアップがしやすくなるメリットがあります。

Shopify POSとの連携で実店舗のデータも一元管理

STPRESとShopify POSとの連携イメージ

STORESコーポレートサイトニュース|『STORES ロイヤリティ&ブランドアプリが、 Shopify POSと連携開始。店舗とネットショップの顧客データを統合』より引用


STORES ブランドアプリとShopify POSを連携することで、実店舗とECサイトの顧客データを一つにまとめて管理できます。
現在、Shopifyが直接連携できるPOSの種類は限られていますが、STORES ブランドアプリが橋渡し役となることで、連携できるPOSの幅が広がり、実店舗とECサイトのデータ連携がスムーズになります。
これにより、店舗とオンラインの垣根を越えた顧客体験を実現するために、POSを乗り換えたり、追加のツールを導入したりする必要がなくなります。

STORES ブランドアプリとShopifyを連携する際の注意点

STORES ブランドアプリとShopifyを連携するメリットは多数ありますが、導入する際にはいくつか注意すべき点もあります。これらの注意点を理解し、スムーズに連携を進められるように準備しましょう。

STORES ブランドアプリとShopifyの知識が必要

STORES ブランドアプリとShopifyで構築したECサイトを連携する場合、両方のプラットフォームの知識が必要になります。同期不良などの連携関連エラーが起こると、在庫管理や顧客対応などにミスが発生しかねません。
両プラットフォームの知識がある担当スタッフを配置したいところですが、自社で用意できない場合は、BiNDecなど、ShopifyとSTORES ブランドアプリの導入実績がある企業にサポートを依頼する方法もあります。

費用や効率を最適化するための機能の見直し

既にShopifyでECサイトを構築している場合、STORES ブランドアプリを導入すると、既存のShopifyアプリと機能が重複するケースがあります。
重複しているアプリに、STORES ブランドアプリでは代替できない機能があれば、成果を検証したり、運用を変えることはできるかなど、全体の見直しを行うことで、料金や運用のコストをスリム化できるでしょう。連携の際は、運用コストを正しく認識し、無駄なコストが発生しないように注意してください。

運用オペレーションの変更や社内レクチャーが必要

STORES ブランドアプリとShopifyを連携すると、従来の業務フローが変わります。特に在庫管理や顧客データの扱い方、ポイント付与のタイミングなど、実店舗とECサイトを横断する運用ルールの統一が必要です。
また、レジスタッフやカスタマーサポート担当者など、関わるスタッフ全員に新しいシステムの使い方を理解してもらうための研修時間も確保しましょう。混乱を避けるためにも、マニュアル作成や定期的な情報共有の場を設けることをおすすめします。

STORES ブランドアプリとShopifyを連携するには?

では、STORES ブランドアプリとShopifyで構築されたECサイトを連携する流れについて説明します。
なお、STORES ブランドアプリには「スタンダードプラン」と「エンタープライズプラン」の2つのプランがありますが、Shopifyと連携するには、「エンタープライズプラン」を導入する必要があります。

パートナーに相談するのがスムーズ

すでにECサイトを運営しているのか、そのECサイトはShopifyで構築されているのか、ブランドアプリはあるのか、はたまたともにこれから構築していくのかなど、現状で工程は変わるものの、その辺りの整理も含めSTORES ブランドアプリとShopify共に詳しい構築事業者へ相談するのが一番です。

STORES ブランドアプリの構築では、まず機能の企画やデザインを決定します。次に、アプリ制作と設定を行い、最後にiOS・Android向けのアプリ申請を行います。
その後、STORES ブランドアプリと連携するためのShopifyアプリをダウンロードし、STORES ブランドアプリと、ECサイト、実店舗のPOSが問題なく連動して稼働するようにチューニングを行い、テスト・検証をする必要があります。

Shopifyアプリストアでダウンロードする会員プログラム・ポイント・POSレジ連携・モバイルアプリ

自社に該当するエンジニアがいれば問題ないですが、STORESと提携・協業しているShopifyの構築事業者に相談することで、ブランドアプリ連携を見据えたスムーズなECサイト構築が可能になります。

ShopifyにはEC構築や運用を支援するパートナー企業の認定制度があり、パートナーはいくつかのランクに分かれていますので、下記の記事も参考に相談先を検討してみてください。

STORES ブランドアプリを導入して顧客満足度を向上させよう

STORES ブランドアプリとShopifyで構築されたECサイトを連携することで、OMOやパーソナライズされたマーケティング、ロイヤルカスタマーの育成とさまざまな施策を展開することが可能になります。

その実現には、柔軟に相談できる構築パートナーが必要です。Shopifyの構築、運用を行っているBiNDecは高い信頼と実績が認められ、日本国内では数社のみが選ばれているShopify Premier Partnerに認定されています。
STORESとも提携し、STORES ブランドアプリの導入をサポートしています。ブランドアプリの導入やShopifyでのECサイト構築にお悩みであれば、お気軽にご相談ください。

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POINT

  • STORES ブランドアプリはECサイトと実店舗の顧客データを一元管理し、OMOを実現する
  • 実店舗とECの共通会員プログラムを構築でき、ポイントやランク設定でロイヤルカスタマーを育成できる
  • ShopifyとSTORES ブランドアプリの連携で、顧客データの統合や実店舗POSとの連携も可能になる