Shopifyで不正注文が来たら?すぐできる対処法と再発防止策を解説

Shopifyで不正注文が来たら?すぐできる対処法と再発防止策を解説

この記事でわかること

  • 不正注文を疑ったら即キャンセルせず、発送保留・本人確認を最優先に
  • 手口はカード不正利用・チャージバック詐欺・アカウント乗っ取りの3つが主流
  • 防止策はShopifyの検知機能・3Dセキュア・対応フローの整備が基本

ECサイトを運営していると、避けては通れないのが不正注文のリスクです。この記事では、Shopifyで不正注文が疑われたときの応急処置から、クレジットカード不正利用・チャージバック詐欺・アカウント乗っ取りなど主要な手口の解説、チェックポイントや対応フローの整備まで、EC事業者が今すぐ実践できる具体的な対策を網羅的に解説します。

不正注文が疑われるときのShopifyでできる応急処置

注文画面に警告マークが表示され、「不正かもしれない」と感じて検索している方も多いはずです。まず重要なのは、慌てて処理を進めるのではなく冷静に状況を確認することです。ここでは、EC事業者が最初に取るべき応急対応を整理します。

インジケーターのチェックや本人確認を実施

不正が疑われる注文が発生した場合、最優先すべきは発送を止めること内容の精査です。まずはフルフィルメントを保留にし、注文画面の警告内容や決済状況を確認したうえで、購入者への本人確認を行います。なお、商品の発送前か発送後かによって対応が異なるため、それぞれ分けて対応することが重要です。

商品発送前の対応

  • フルフィルメントを速やかに保留にする
  • 注文画面で警告の内容を確認する
  • 決済状況を確認する
  • 購入者にメールや電話で注文内容を確認する

商品発送済みの場合の対応

発送後であっても、対応の基本は変わりません。カード会社や決済代行会社に連絡を入れて、対応方針を確認しましょう。
注文内容の確認および購入者への直接確認を行ったうえで、被害拡大を防ぐために速やかに関係各所と連携します。

疑わしいだけで即キャンセル扱いにしない

Shopifyの不正解析では、注文ごとにリスクが「低・中・高」の3段階で評価されます。「中」や「高」と判定された場合でも、即座にキャンセルするのではなく、まずはステータスを「保留」や「調査中」に設定し、前述の確認プロセスを実施します。

不正検知はアルゴリズムによる判定であるため、正常な注文が誤って検知されるケース(誤検知)も一定数存在します。確認を行わずにキャンセルしてしまうと、正規の顧客に不信感を与えるだけでなく、機会損失にもつながります。さらに、一方的なキャンセルが続くと、カード会社や決済代行会社からの信用低下を招くリスクもあります。こうした事態を防ぐためにも、不正注文への対応フローを事前に定め、慎重かつ一貫した対応を行うことが重要です。

ECサイトを襲う不正注文。そのワケは?

ECサイトで不正注文が多発する最大の理由は、支払い情報さえあれば非対面で購入が成立するという構造にあります。実店舗のような対面確認が不要なため、第三者によるクレジットカード情報の悪用が起こりやすい環境にあるのです。

実際、2026年3月に公表された「クレジットカード・セキュリティガイドライン(6.1版)」によれば、2025年のクレジットカード不正利用被害額は約510.5 億円にのぼり、そのうちの約9割がEC加盟店において、いずれかの場所で窃取されたカード情報等を、当該カードの会員本人になりすまして商品等を購入するという不正利用による被害が占めているとされています。売上拡大と引き換えに、リスクも増幅する、EC特有の構造的課題と言えるでしょう。
「クレジットカード不正利用被害の発生状況」 日本クレジット協会
出典:「キャッシュレス セキュリティレポート2025」(Cacco、リンク)

ECサイトにおける不正注文や詐欺の種類

ECにおける不正注文は一様ではなく、複数の手口が存在します。これらは単独で発生することもあれば、複数の手口が組み合わさることで被害が拡大するケースも少なくありません。また、データ流出や不正アクセスの高度化により、従来の目視チェックだけでは防ぎきれない状況が生まれています。ここでは、代表的な不正注文の類型を整理します。

1. クレジットカード不正利用

第三者が不正に入手したクレジットカード情報を用いて商品を購入する、最も一般的な不正注文です。カード番号・有効期限・セキュリティコードなどの情報があれば取引が成立するケースも多く、不正利用のハードルは必ずしも高くありません。EC事業者にとっては、商品発送後に不正が発覚すると損失回収が困難であり、被害が直接的なコストにつながります。

2. チャージバック詐欺(本人不正利用)

購入者本人が、正規の取引を行った後に「身に覚えがない取引」あるいは「商品が届かなかった」などとして、カード会社に異議申し立てを行う不正です。本来チャージバックは、自分のクレジットカード番号を使って不正に取引が行われた場合に、被害者であるカードの持ち主に対して返金する救済措置ですが、外部からの攻撃ではなくカードの名義人が起点となるため検知が難しいのが特徴です。
カード会社が名義人の異議申し立てを受理してチャージバックを行った場合、加盟店(EC事業者)への支払いは取り消されます。また、不正に商品を入手した利用者から商品が返品される可能性は極めて低いため、売上と商品の両方を失うことになります。さらに、チャージバック手数料やブランド毀損といった二次的な損失を被るリスクもあります。

チャージバック詐欺のイメージ図
クレジットカード名義人本人が正常に取引を行った後で、商品を購入した覚えがないなど虚偽の申告をしてカード会社に返金を求める詐欺行為です。一方で、第三者が他人のカード番号を不正に利用して取引を行い、実際のカードの名義人が異議を申し立てる場合は、詐欺には当たりません(後者は本来のチャージバックです)。
いずれの場合も、クレジットカード会社は加盟店(この場合はEC事業者)に対して支払い停止、支払い済みの場合は返金請求を行うのが一般的です。

3. アカウント乗っ取り(不正ログイン)

不正ログインによって既存ユーザーのアカウントを乗っ取り、登録済みの支払い情報やポイントを使って商品を購入する手口です。パスワードの使い回しやフィッシング攻撃が主な侵入経路となります。正規ユーザーの行動に見えるため検知が難しく、顧客体験の毀損にも直結します。被害は金銭面だけでなく、顧客信頼の低下という形でも現れます

4. 転売目的の注文

人気商品や限定商品を大量に購入し、二次市場で高値転売することを目的とした注文です。一見すると正規の購入に見えますが、ボットや複数アカウントを用いた不正な買い占めが行われるケースもあります。これにより本来の顧客に商品が行き渡らず、ブランド価値や顧客満足度の低下を招くほか、在庫・販売戦略にも大きな影響を及ぼします。

不正注文を防ぐために Shopifyでとるべき対策

不正注文は、未然に防ぐ仕組みづくりも重要です。ECサイトでは、日々の運用の中にセキュリティ対策を組み込むことで、被害の発生確率を下げることができます。Shopifyには標準機能や拡張機能として複数の防御策が用意されており、これらを適切に組み合わせることで、より堅牢な運用体制を構築することが可能です。ここでは、EC事業者が押さえておくべき代表的な対策を紹介します。

Shopifyの不正検知・解析ツールを活用する

Shopifyには、不正リスクを自動判定する機能が備わっており、注文ごとに「低・中・高」のリスク評価や注意点が表示されます。IPアドレスや過去の取引データなどをもとに分析されるため、人的判断の補助として非常に有効です。
日々の受注処理においてこの指標を確認する運用を定着させることで、見落としを防ぎ、不正注文の早期発見につながります。

ただし、ShopifyのFraud Analysisは注文が作成された後に動作するものであり、チェックアウト前に不審な購入者をリアルタイムでブロックするツールではありません。また、特定の国やIPアドレスからのアクセスをストアフロントレベルでブロックするネイティブ機能はShopifyには存在しません。
チェックアウト前の水際対策が必要な場合は、IPブロックやVPN検知に対応したサードパーティアプリの導入検討がおすすめです。

3Dセキュア2.0やセキュリティコードを用いて本人確認を厳格化する

クレジットカード決済においては、本人認証の強化が不正利用防止の基本です。3Dセキュア2.0を導入することで、カード発行会社による追加認証が行われ、不正利用のリスクを大幅に低減できます。また、セキュリティコード(CVV)の入力を必須にすることも有効です。決済時のハードルはやや上がるものの、安全性とのバランスを踏まえた設計が重要です。

KOMOJU


決済時の本人認証や世界標準のセキュリティを装備した決済代行サービスを利用することも、不正リスク低減に有効です。KOMOJUは、さまざまな決済方法に対応しているだけでなく、高水準のセキュリティを備えています。さらに、KOMOJUでは安心・安全な決済システムを提供するため、他の決済代行会社では追加オプションとして提供されることが多い世界基準の不正検知システムを、無償で標準装備しています。

KOMOJUとBiNDecの対談記事も公開中。ぜひ併せてご覧ください。

不正が疑われる注文に対応するフローを自動化する

不正リスクのある注文に対して、担当者ごとの判断に委ねるのではなく、あらかじめ対応フローを整備しておくことが重要です。Shopifyが無料で提供するオートメーション機能である「Shopify Flow」を活用すれば、不正リスクが高い注文を検知した場合に自動で通知したり、注文をキャンセル・保留にしたりといった処理を自動化できます。

Shopify Flowについて詳しくはこちらの記事もご覧ください

Shopifyアプリや外部のセキュリティサービスを導入する

拡張性が高いShopifyを使用しているなら、専用アプリや外部サービスの導入も検討すべきです。たとえば、不正注文検知に特化したアプリや、IP・デバイス情報をもとにリスク判定を行うサービスなどを活用することで、より高度な対策を講じることが可能になります。
自社の商材やターゲットに応じて最適なツールを選定し、多層的なセキュリティ体制を構築することが、被害の最小化につながります。

O‑PLUX 不正注文検知


「O-PLUX 不正注文検知」は、かっこ株式会社が開発、提供を行うShopifyアプリです。
その元となるO-PLUXは、ECサイト上で発生する不正ログインや不正注文をリアルタイムに検知して、個人情報の漏えいやクレジットカードの不正利用などの被害防止および審査業務を自動化するクラウドサービスで、2012年に国内初となるECの不正検知サービス開始以来、その高い審査精度で数多くの導入実績を上げています。

Beacon 不正注文防御システム


「Beacon 不正注文防御システム」は、ECサイトにおける悪質な不正注文や転売、チャージバックを自動かつ正確に検知・阻止するために設計された不正注文防止システムです。強力なリスクデータを用いた解析機能や注文の保留や取り消しなどの自動化、柔軟なカスタマイズ性を備えています。

不正チャージバックの補償サービスを利用する

どれだけ対策を講じても、不正注文を完全に防ぐことは困難です。Shopifyには「Shopify Protect」という公式のチャージバック保護機能があります。Shop Payを利用した取引を対象に、不正利用や身に覚えのない請求を理由とするチャージバックから無料で保護します。チャージバックが発生した場合、争議金額と手数料はShopifyが補填します。

ただし、現時点では米国のShopify Payments利用ストアが対象であり、日本国内のストアでは利用できない場合があります。そのため、国内事業者はサードパーティの補償サービスや保険の活用を検討がおすすめです。万が一に備えてチャージバック補償サービスや保険に加入しておくことも重要なリスクマネジメントの一つです。
一定の条件下で被害額が補填されるため、財務的なダメージを軽減できます。予防と補償の両面から備えることで、安定したEC運営が実現できます。

不正注文の確認ポイントと対応のルール化

不正注文や詐欺行為には、ある種の共通パターンが存在します。これらの兆候を見逃さずに検知するためには、咄嗟の判断に頼るのではなく、あらかじめチェックポイントや対応ルールを明文化しておくことが重要です。誰が対応しても同じ基準で判断できる状態をつくることで、不正の見逃しや対応のばらつきを防ぎ、運用の精度を高めることができます。

怪しい注文のチェックポイント

不正注文を見極めるためには、いくつかの基本的な確認項目を押さえておく必要があります。下記に確認すべきポイントを記すので、参考にしてください。

請求先と配送先の住所の比較

請求先と配送先の住所が大きく異なる場合、特に国をまたいでいたり、転送サービスや倉庫が使われているケースは注意が必要です。また、Googleマップなどで配送先住所が存在するか確認するのも有効です。ただし、ギフト注文など正当な理由もあるため、他のチェック項目とあわせて総合的に判断することが重要です。

電話番号やメールアドレス

入力された電話番号やメールアドレスが実在するか、不自然な形式でないかを確認します。使い捨てメールアドレスや無効な電話番号が使われている場合は、不正のリスクが高まります。必要に応じて連絡を試み、応答の有無や内容を確認することで、注文の信頼性を見極める手がかりになります。

クレジットカード名義人と注文者氏名の照合

クレジットカードの名義人と注文者の氏名が一致しているかは重要な確認ポイントです。不一致の場合は、第三者による不正利用の可能性があります。ただし、家族カードや法人カードの利用など正当なケースもあるため、他の情報と照らし合わせながら慎重に判断する必要があります。

IPアドレスによる所在確認

注文時のIPアドレスから、おおよその所在地を確認することができます。配送先や請求先の住所と大きく乖離している場合や、不正利用が多い地域からのアクセスである場合は注意が必要です。VPNやプロキシの利用によって偽装されることもあるため、あくまで補助的な判断材料として活用します。

過去の注文履歴

履歴の有無や内容を踏まえた判断が、不正の早期発見につながります。過去に問題のない取引が継続している顧客であればリスクは低いと考えられますが、従来の購入とは異なるパターンでの注文である場合、まずは顧客に確認の連絡を入れることが重要です。一方、初回注文で高額商品を複数購入している場合などは、注意が必要です。

ブラックリストを作成する

過去に不正注文が確認された顧客情報(メールアドレス、電話番号、住所、IPアドレスなど)は、社内でブラックリストとして管理することが有効です。
これにより、同一または類似の情報を用いた再犯を未然に防ぐことができます。また、リストは定期的に更新し、チーム内で共有することが重要です。運用ルールとあわせて整備することで、継続的な防御力の向上につながります。

不正注文への対応フローを決めておく

警告マークが付いた注文や不正が疑われる注文に対しては、事前に定めたフローに沿って対応することが重要です。たとえば、追加情報の確認依頼・本人確認が取れるまで発送保留・キャンセル判断など、段階的な対応をルール化します。
さらに、エスカレーションの基準や対応履歴の記録方法も明確にしておくことで、対応の質とスピードアップを両立できます。組織として一貫した対応を行うことが、不正被害の抑止につながります。

Shopifyで実現する安全なEC運営はBiNDecへご相談ください

注文数や売上が拡大するほど、不正注文のリスク管理は複雑化し、目視や個別対応だけでは限界が生じます。Shopifyのように、不正検知や解析機能を備えたプラットフォームを活用することで、効率的にリスクを抑えながら、優良顧客への対応にリソースを向けることが可能になります。

一方で、不正の手口は日々巧妙化しており、セキュリティ対策は継続的な見直しと運用が不可欠です。売上拡大と安全性の両立を実現するためには、構築から運用までを見据えた専門的な支援が重要となります。Shopify Platinumパートナーである株式会社ウェブライフでは、Shopifyを活用したEC構築サービス「BiNDec」を提供しています。ぜひお気軽にご相談ください。

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