ShopifyでECサイトを運営していると、問い合わせ対応に追われて本来の業務が後回しになることはないでしょうか。そんな時はAIチャットボットを導入すれば、よくある質問への回答や注文状況の案内を自動化し、顧客対応の負担を大幅に減らすことができます。
この記事では、Shopifyで使えるAIチャット機能の基本から、日本のEC運営者に人気のおすすめアプリまでわかりやすく解説します。
ShopifyにAIチャットボットを導入するメリット
ECサイトへの問い合わせは、注文・配送・返品など内容が似たものが多く、対応の大部分はパターン化できます。
AIチャットボットがこういった問い合せに対応できれば、パターン化された業務を自動化し、スタッフがより重要な業務に集中できる環境を作るための強力な手段です。ここでは、導入によって得られる主なメリットを3つ紹介します。
顧客対応を24時間自動化できる
ECサイトの顧客は、必ずしも営業時間内に問い合わせるとは限りません。夜間や休日に届いた質問への返答が翌営業日になると、その間に顧客が購入をやめてしまうケースもあります。AIチャットボットであれば24時間365日、タイムラグなしに問い合わせへ対応できるため、機会損失を防ぐことができます。
特に、初めてサイトを訪れた新規顧客は不安を感じやすく、疑問にすぐ答えてもらえる体制があるだけで、購入への後押しになります。対応スピードは顧客満足度に直結するため、自動化による即時対応は、ECサイトへの信頼感を高めるうえでも大きな効果があります。
対応工数を削減してコストを下げられる
問い合わせ対応を手動で行う場合、件数が増えるほど人件費や時間のコストがかさんでいきます。
AIチャットボットを導入すると、配送日数や返品方法など毎回同じ回答をするような質問を自動化できるため、人が対応すべき問い合わせ件数を大幅に絞り込むことができます。
結果として、少ない人員でも質の高いカスタマーサポートを維持しやすくなり、浮いたリソースをマーケティングや商品開発などの業務に充てることができます。
離脱防止・コンバージョン改善につながる
ECサイトでは、商品ページを見ているにもかかわらずサイズや素材、配送日程への疑問が解消されずに離脱してしまう顧客が少なくありません。
ECサイトの画面上にいつでもAIチャットボットがあれば、疑問が生まれたその瞬間に回答できるため、離脱のきっかけを減らすことができます。
また、顧客の閲覧履歴やカートの中身をもとに、関連商品を提案する使い方もできます。こうした購入プロセスへの自然な介入が、コンバージョン率の向上に直接つながるケースも多く報告されています。
ShopifyのAIチャットボットでできること
AIチャットボットと聞くと、単純な質問に答えるだけのツールをイメージする方もいるかもしれません。
しかし実際には、問い合わせ対応から商品提案、有人対応への引き継ぎまで幅広い場面で活用できます。ここでは、Shopifyのチャットボットで実現できる主な機能を4つ紹介します。
よくある質問への自動回答
ECサイトに届く問い合わせの多くは、配送にかかる日数・送料・返品や交換の条件・支払い方法など、内容が似通ったものが占めています。AIチャットボットはこれらのよくある質問をあらかじめ学習し、顧客の質問に対して即座に的確な回答を返すことができます。
人が同じ内容の返答を繰り返す手間がなくなるだけでなく、顧客側も営業時間を気にせず疑問を解消できるため、双方にとってメリットのある仕組みです。
商品の状況の案内やキャンセル処理
注文後に顧客から寄せられる問い合わせの中でも、特に多いのが「注文は届いていますか」「今どこにありますか」といった配送状況の確認です。
AIチャットボットと注文管理システムが連携されていれば、注文状況をリアルタイムに参照して回答します。
また、チャットボットアプリによっては、顧客から注文キャンセルや返品のリクエストがあった場合、その可否の判断から手続き完了まで対応することができます。
注文が多い時期や繁忙期ほど同種の問い合わせが集中しやすいため、自動化の効果が最も出やすい領域のひとつといえます。
商品レコメンド・提案
AIチャットボットは、問い合わせへの回答だけでなく、顧客の購買体験をより豊かにする接客ツールとしても活用できます。顧客が閲覧している商品やカートに入れた商品をもとに、関連商品や合わせ買いにおすすめの商品をチャット上で提案することができます。
たとえば、ある商品を見ている顧客に対して「こちらと一緒によく購入されています」といった形で自然に訴求することで、客単価の向上につなげることができます。
人による接客では対応しきれない場面でも、AIチャットボットであればすべての顧客に対して同じ質の提案を自動で届けることができます。
有人対応へのスムーズな引き継ぎ
AIチャットボットはあらゆる問い合わせに対応できるわけではなく、複雑なクレームや個別事情が絡む相談は、人が対応したほうが適切なケースもあります。
そのような場面で重要になるのが、AIから有人対応へとスムーズに切り替えられる仕組みです。
多くのチャットボットアプリでは、AIが解決できないと判断した際に自動でスタッフへ引き継ぐ設定が可能です。顧客は同じチャット画面のまま、シームレスに担当者とやり取りを続けられます。
Shopify純正のAIチャット機能「Shopify Inbox」とは
Shopifyには、追加費用なしで使える純正のチャットツールとしてShopify Inboxが用意されています。外部アプリを導入する前に、まず純正ツールでどこまでできるかを把握しておきましょう。
Shopify Inboxの基本機能
Shopify Inboxは、Shopifyが公式に提供する無料のチャットツールです。ECサイト上にチャットウィジェットを設置することで、訪問中の顧客とリアルタイムでやり取りができます。
管理画面と連携しているため、チャット中に顧客の閲覧履歴やカートの中身、過去の注文情報をその場で確認しながら対応できるのが大きな特徴です。Shopify Inboxの主な機能を以下の表にまとめました。
| チャット・メッセージ管理 | ・デスクトップ(inbox.shopify.com)・iOS・Androidアプリから対応可能 ・会話をスタッフにアサインして対応を分担できる ・会話のOpen/Closed管理、キーワード・顧客名・メールでの検索が可能 ・複数ストアのInboxを切り替えて管理できる |
|---|---|
| AI・自動化機能 | ・ストア情報をもとに、Shopify Magicが返信候補の自動提案 ・インスタント回答:よくある質問を設定し、顧客が質問をクリックすると即時表示 ・クイック返信:定型文をショートカットキーワードで呼び出して素早く送信 ・auto-reply(自動返信):配送状況などよくある問い合わせへの自動応答を設定 ・機械学習による会話トピックの自動ラベリング |
| 通知 | ・新着メッセージをデスクトップ通知・モバイルプッシュ通知で受信 |
返信する文章をAIがアシスト
Shopify Inboxには、Shopify Magicによる返信提案機能が組み込まれています。顧客からメッセージが届くと、ECサイトの商品情報やポリシーなどをもとに返信候補が自動生成され、担当者はそれを確認・編集してから送信できます。
また、よくある問い合わせに対してはauto-reply(自動返信)を設定することで、夜間や休日など、スタッフが不在時間帯にも即時対応できる体制を整えることができます。

より高度な対応をしたい場合は外部のチャットボットアプリへ
Shopify Inboxは無料で使えるうえ、Shopifyの管理画面とシームレスに連携しているため、チャット対応をこれから始めたい小規模ECサイトにとって最初の一歩として最適なツールです。
一方で、カスタマイズの自由度は高くなく、チャットボットのシナリオを細かく設計したり、LINEなど国内で普及しているチャネルと連携したりといった用途には対応していません。
問い合わせ件数が増えてきた段階や、より高度な自動化を求める場合は、外部のチャットボットアプリへの移行を検討しましょう。
ShopifyのAIチャットボットおすすめアプリ4選
Shopifyは、高度なカスタマイズや機能性を備えた外部のAIチャットボットアプリと連携できます。対応チャネルや自動化の精度、料金体系はアプリによって大きく異なるため、自社の運営規模や目的に合ったものを選ぶことが重要です。ここでは、特に人気の高い4つのアプリを紹介します。
チャネルトーク
チャネルトークは、韓国発のチャットサービスで、日本国内のECサイトでも導入実績が多いアプリです。
チャット・電話・メールを一元管理できるほか、LINEとの連携に対応しており、日本の消費者が使い慣れたチャネルでサポートを提供できる点が大きな強みです。
AI機能が特に優れており、顧客情報を元にした商品提案やよくある質問への自動応答、返品処理、対応できない場合のスタッフへの引き継ぎもスムーズに行えます。
日本語サポートも充実しており、導入後の運用サポートも受けやすい環境が整っています。国内でのLINE活用を重視するECサイトや、日本語での手厚いサポートを求める運営者におすすめです。
チャネルトークの機能や事例について、詳しくは下記の記事をご覧ください。
Zendesk
Zendeskは、世界中の企業で導入されている大規模向けのカスタマーサポートプラットフォームです。
チャット・メール・電話・SNSなど複数の問い合わせチャネルを一元管理できるほか、AIによる自動応答と詳細なレポート機能を組み合わせることで、サポート品質を数値で管理・改善できる環境が整っています。
Shopifyとの連携も可能で、顧客の注文情報をサポート画面上で確認しながら対応できます。
多ブランドの運営や、大人数のサポートチームで分業して対応するような規模のECサイトに特に向いており、ある程度問い合わせ件数が多く、サポート体制を本格的に整えたい運営者向けのツールといえます。
Tidio
Tidioは、中小規模のECサイトを中心に世界で広く使われているチャットボットアプリです。
直感的な管理画面と豊富なテンプレートにより、専門的な知識がなくてもチャットボットのシナリオを短時間で設定できる手軽さが人気の理由のひとつです。
AI機能としてはLyroと呼ばれる会話AIが搭載されており、FAQドキュメントを読み込ませるだけで自動回答の精度を高められます。
無料プランでも基本的なチャット機能とチャットボットが利用できるため、まずコストをかけずにチャットボットを試してみたい運営者にとって導入しやすい選択肢です。
Gorgias
GorgiasはEC事業者に特化して設計されたカスタマーサポートツールで、Shopifyとの連携の深さが際立っています。
顧客がチャットでメッセージを送ると、その顧客の注文履歴・配送状況・返品状況がサポート画面の横にリアルタイムで表示されるため、担当者は別画面を開くことなくスムーズに対応できます。
AIによる自動応答機能も備えており、よくある問い合わせへの返答を自動化しながら、複雑な対応は有人にエスカレーションする設定も可能です。チャット・メール・SNSのメッセージを一画面で管理できるため、複数チャネルからの問い合わせをまとめて効率化したいEC運営者に向いています。
AIチャットボットアプリの選び方
AIチャットボットアプリを導入する際、自社の状況と照らし合わせて選ぶべきポイントを整理しておくことが失敗しないコツです。ここでは、選定時に特に重要な3つの観点を解説します。
ECサイトの規模・問い合わせ件数で選ぶ
月間の問い合わせ件数が少ない小規模ECサイトであれば、基本的なチャット機能と簡単な自動応答ができるシンプルなアプリで十分対応できるケースがほとんどです。
一方、問い合わせ件数が多く、複数のスタッフで対応を分担しているような規模になると、チームでの対応管理やレポート機能が充実した、より高機能なアプリが力を発揮します。
まずは現状の月間問い合わせ件数と、将来的な事業規模の見通しを踏まえたうえでツールを選ぶことで、短期間での乗り換えコストを避けることができます。
日本語対応・サポート体制で選ぶ
海外製のチャットボットアプリの中には、管理画面や設定項目が英語のみで提供されているものもあります。日本語環境での運営を前提とする場合、管理画面の日本語対応や、日本語でのカスタマーサポートが整っているかどうかは重要な確認ポイントです。
また、AIが自動生成する返答文の日本語精度にもアプリによって差があるため、導入前に無料トライアルなどで実際の動作を確認しておくことをおすすめします。サポート窓口が日本時間に対応しているかどうかも、導入後にトラブルが起きた際の解決スピードに直結します。
料金・無料プランの有無で選ぶ
チャットボットアプリの料金体系は、月額固定制のものや、問い合わせ件数・対応人数に応じた従量課金制のものなど、アプリによってさまざまです。
初期段階でコストを抑えたい場合は、無料プランや無料トライアルが用意されているアプリから試してみるのが現実的な進め方です。
ただし、無料プランは利用できる機能や対応件数に上限が設けられていることが多いため、事業が成長した際に必要な機能が有料プランでいくらになるかも、あわせて確認しておくことが大切です。
導入時のコストだけでなく、運用規模が拡大した際の料金シミュレーションまで見越したうえで比較するようにしましょう。
ShopifyのAIチャットボットの選定から導入までBiNDecがサポート
ShopifyのAIチャットボットは、顧客対応の自動化やコンバージョン改善など、EC運営のさまざまな課題を解決できる手段です。しかし、AIチャットボットは導入して終わりではなく、運用しながら改善を重ねることで初めてECサイトの成長につながります。
自動応答の精度を高めたり、顧客との会話データをもとに商品提案のシナリオを磨いたりと、活用の幅は運営の工夫次第で大きく広がります。BiNDecのEC構築・運用支援では、AIチャットボットの導入から蓄積された顧客対応データをEC戦略に活かす方法
まで、一緒に考えながら継続的にサポートします。
AIチャットボットを活用した売上アップやリピーター育成につなげていきたいEC事業者の方は、ぜひBiNDecにご相談ください。

