消費者ニーズは多様化し、2025年以降もEC市場はますます競争が激化すると考えていいでしょう。ECサイトは今まで以上にトレンドを押さえた機能を搭載することが重要です。
本記事ではこれからのECサイト運営に必要な機能をピックアップして紹介します。ぜひ、最適なECプラットフォーム選びの参考にしてください。
ECサイトに必要な機能
ECサイトに必要な機能は常に増え続けているように感じますが、全てを搭載すれば良いということでもありません。自社に本当に必要なものを見定め、現状に最適なものを取捨選択することも大切です。ここでは、多様化する消費者ニーズに合わせ、ECサイトをスムーズに運営するために必須な機能を紹介しましょう。
強固なセキュリティ|顧客の情報を守り信頼を勝ち取る
セキュリティは重要だと意識しているものの、機能としては最初に浮かばないかもしれません。しかし、ECサイトで扱う顧客情報や決済データを守るためには、最新のセキュリティ対策に準拠することは必須です。
SSL/TLS暗号化、PCI DSS(支払カード産業データセキュリティ規格)レベル1準拠、国際的セキュリティ基準ともいえるSOCを取得、ファイアウォールの導入はもちろん、多要素認証(MFA)や不正取引検知システムを追加する必要があるでしょう。
とはいえ、自社でセキュリティを常にアップデートし続けるには大きなコストが発生します。そういった場合、セキュリティに強いECプラットフォームを選択するのも手段のひとつです。セキュリティ対策でおすすめなのはPCI DSSレベル1準拠の認証を受けており、最新のセキュリティ要件を満たし続けている「Shopify」です。詳しくは下記の記事でも解説しているので併せてご覧ください。
商品検索・ソート機能|顧客体験の最適化
顧客が求める商品を素早く見つけられる検索機能は、ECサイトに欠かせません。そこで、これからのECサイトには、AIを活用し、検索キーワードサジェスト機能や関連キーワード提案機能を搭載し、顧客の要望に対して先回りできるよう検索機能を向上させることも必要です。
また、顧客がサイト内で迷わず目的の商品にたどり着けるように、カテゴリーや価格、評価順など多彩なソート機能を提供することも検討してください。
先ほど紹介したShopifyでは、基本機能に商品検索やソート機能がありますが、さらに機能を充実させたい場合にもShopifyアプリを活用して手軽にカスタマイズすることができます。
例えば、Shopifyの構築・運用サポートを行う「BiNDec」が提供している「BiNDec|コレクション表示順制御」というShopifyアプリでは、在庫数や売上順に対応するなど、任意の条件での並び替えを可能にします。
BiNDecのShopifyアプリについて、詳しくはこちらのページをご覧ください。
レコメンド機能|AI活用でパーソナライズされた提案を
購入履歴や閲覧履歴を基に、顧客に他の商品をおすすめするレコメンド機能は、まさにAI時代に活用していきたい機能です。多くのECサイトやECモールでも搭載され、すでに一般化している機能です。ECサイト運営には必須と言えるでしょう。
顧客の購買傾向に合わせた商品提案のほか、購入履歴に基づいた関連商品をレコメンドすることで顧客の購買意欲を引き出し、クロスセルを狙うのも効果的です。
ポイント機能やクーポン発行|キャンペーンや集客のフックにも
ポイントプログラムやクーポン発行機能も、ECサイト運営に必要な要素です。今後もEC市場の競争が激しくなる可能性を考えると、ポイントやクーポンは、顧客との関係性を深め、リピーターを獲得するために必須の機能でしょう。
購入時だけではなく、ECサイトのオープン記念日など特別なイベントにクーポンを提供し、SNSで告知することで集客施策を実施できます。
また、顧客の誕生日に使用期限を設けたポイントやクーポン付きのお祝いメールを配信するのも効果的でしょう。長期間にわたって購入がない休眠顧客に対して、特別クーポンを発行するのも再エンゲージメントを促す良い施策となります。
より細かくパーソナライズされた内容を設定したり、休眠期間に合わせてさまざまなパターンのメールを用意するなど、高度な自動配信を行いたい際にはMA(マーケティングオートメーション)ツールの導入も視野に入れましょう。
ECサイトでのポイントプログラムについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
FAQページの拡充とチャット機能|問い合わせ対応コストを削減
初めて訪問したECサイトの場合、利用者はさまざまな疑問を持つこともあります。その対策として、利用者の目線に立った「よくある質問」や「FAQページ」を用意することが大切です。質問を分かりやすくカテゴリー分けしたり、検索機能を搭載したりしても良いでしょう。
しかし、それでも全てを網羅することは難しいですし、疑問解決までの道のりが長いと離脱されてしまうケースもあります。そこで、利用者が簡単に回答を得ることができるよう、チャットボット機能を導入するのもおすすめです。適切なシナリオを構築できれば、有人のカスタマーサポートに辿り着く前に利用者の問題を解決することができ、作業の効率化も実現できます。
チャットボットについて詳しく知りたい場合は、こちらの記事も併せてご覧ください。
使いやすいチェックアウト|購入ボタンまで最短距離を実現してCV向上
せっかく商品をカートに入れたとしても、その後の購入ボタンまで到達する顧客は3割以下という調査結果があります(※)。その原因はいくつかありますが、会員登録を求められ手間がかかると感じた、チェックアウトのプロセスが長すぎる、購入後の返品・交換ポリシーが不明瞭であった、など、チェックアウト(決済)画面の工夫で改善できるものも多くあります。カゴ落ちを防ぎ、ECサイトのCVを上げるためには、チェックアウト画面の最適化が重要です。
※米調査会社 Bamard Institueより
ゲスト購入を可能にしたり、配送先の住所を郵便番号から自動入力する機能や、商品ページに戻らずとも個数やカラーを変更できる機能などを導入し、スピード感を持って、離脱されにくいチェックアウト画面を提供することで、CV率を向上させることができるでしょう。

引用:Shopify Checkout is the best-converting in the world. Here’s why.
*=McKinsey&Company、Bain&Company、Boston Consulting Groupの3社
例えば、先ほど紹介したShopifyでは他の競合ECプラットフォームよりも、CV率が最大36%、平均15%上回っているという結果(※)が出ています。その理由に大きく寄与しているのが、ワンページチェックアウトです。
1ページでチェックアウトをすべて完了する「ワンページチェックアウト」は、カート内容の確認から支払い詳細、配送住所・請求住所、その他の配送オプションまで1ページで確認できます。購入ボタンを押すまでの顧客のストレスを軽減することで、離脱率を低下させているのです。詳しくは、下記の記事をご覧ください。
豊富な決済手段|ターゲットに合わせた選択肢を提示し離脱を防ぐ
決済手段を増やすことも、CV率を高める重要な施策のひとつです。クレジットカードやQR決済だけではなく、Z世代をはじめとした若年層向けにはPaidyなどの後払い決済の需要が高い場合もありますし、高齢層はコンビニ決済や代引きを好む割合が高くなります。また、越境ECの場合にはPayPalやAlipayなど、地域特有の決済手段への対応も進めていく必要があります。
ターゲット別の決済方法について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
顧客分析機能|AI活用で効率化
ECサイトには、顧客データを活用して施策を最適化するための分析機能も必要です。購買履歴やECサイトの滞在時間、CV率などのデータを可視化するだけでなく、最近ではAIや機械学習を活用した購入予測の分析機能も進化しています。
顧客の購買行動を先読みすることで、在庫管理を効率化させるだけでなく、よりパーソナライズされた提案により顧客ロイヤルティを向上させることも可能です。
AIを使った顧客分析の方法は、こちらの記事で詳しく解説しています。
ECプラットフォーム選びで失敗しないためのポイント
ECサイトの運営を成功させるには、ビジネスモデルや成長計画に合ったECプラットフォームを選ぶことが重要です。もし、選んだECプラットフォームが自社の運営に適していない場合、リプレースするためには莫大なコストや手間が必要になるケースもあります。ここでは、選定時に注意すべき重要なポイントを解説しましょう。
自社の業種・商材に適した機能を整理する
ECプラットフォーム選びで一番大切なことは、自社の業種や扱う商材に適した機能を明確にすることです。例えば下記のように、自社のECサイトに必要な機能やニーズをリストアップし、対応可能なECプラットフォームを絞り込みましょう。
- ファッション系:UGCの活用、ライブコマースとの繋ぎ込みやSNS連携
- 贈答品などの食品を扱うECサイト:のしなどのギフトラッピング機能
- スキンケアなど基礎化粧品を扱うECサイト:LTVを向上させる施策として定期購入の機能
こちらの資料では、失敗しないECリプレースの進め方をチェックシート付きでわかりやすく解説しています。無料でDLできますので、どのような機能が必要でどのECプラットフォームが最適かお悩みの際にはぜひご覧ください。
将来のビジネスプランと拡張性を意識する
拡張性を意識することも、ECプラットフォーム選びに必要です。ECサイトの運営を始めたばかりの段階では、少ない機能で十分かもしれません。ですが、顧客の増加や海外市場への拡大など、ECサイトが成長していく段階で、商品登録数やサーバー容量、機能が不足する可能性もあります。そこで、将来の成長を見据えた拡張性の高いECプラットフォーム選びが重要です。
最初から高機能なECプラットフォームを選んでしまうと、コスト面が見合わずECサイトの運営が苦しくなったり、事業の方向性の変更に合わせるのが難しくなってしまうケースもあります。
トラフィックや商品の増加に応じてプランをアップグレードできる柔軟性や、機能の削減・追加が簡単に可能であれば、常に最適なコストで運営ができ、事業の成長に合わせて新たなニーズに対応できます。
万が一別のECプラットフォームに移行する必要が生じた場合でもデータ移行が簡単に行えるかどうかも確認しておきましょう。
人気のECプラットフォームをランキングで紹介した記事もありますので、参考にしてください。
Shopifyなら最新のECサイトに必要な機能を網羅
ここまでにも名前が上がっているECプラットフォームのShopifyは、今の時代のECサイト運営に求められる機能を網羅しているだけでなく、高い拡張性と利便性を提供するECプラットフォームです。ここでは、Shopifyに搭載されている、最新のECサイトに必要な機能を解説します。
下記のページでは、なぜShopifyが国内外の企業に選ばれているのか、シェアやメリット、競合システムとの比較における評価など数字を元に紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。
アプリで機能を拡張できる柔軟性と豊富な選択肢
Shopifyの大きな魅力のひとつが拡張性の高さです。Shopifyアプリストアには13,000以上のアプリが揃っています。これにより、EC事業者は必要な機能を一から開発する手間を省き、効率的に、かつコストを抑えて欲しい機能が追加できます。
そして、下記の4つのプランが用意されています。現状のECサイト事業の規模に応じて、自社に最適なプランを選択・変更できるため、成長に併せて最適なコストでの運営が可能です。
月払い | 年払い ※ひと月あたりの料金 |
おすすめの対象者 | |
---|---|---|---|
Basic | ¥4,850 | ¥3,650 | ・個人事業主 ・Shopifyを試してみたい |
Shopify | ¥13,500 | ¥10,100 | ・中規模のECサイト事業者 ・3~5人分のスタッフアカウントが必要 |
Advanced | ¥58,500 | ¥44,000 | ・大規模なECサイト事業者 ・6~15人分のスタッフアカウントが必要 ・関税や輸入税の計算機能を使いたい |
Plus (1年または3年契約) |
$2,500〜 (1年契約) $2,300〜 (3年契約) |
・より大規模で複雑なビジネスを展開しているECサイト事業者 ・複数のECサイトを開設したい ・充実したPOS機能を求めている ・無制限のスタッフアカウントが必要 |
Shopifyのプランについて、詳しくは下記の記事もご参照ください。
世界175カ国で利用されているからこそのグローバル対応機能
越境ECを成功させるには、多言語対応や柔軟な決済手段、スムーズな配送、効果的なマーケティングが不可欠です。Shopifyはこれらの要素を総合的にサポートし、スムーズな越境ECの展開を可能にするECプラットフォームとして高い評価を受けています。
Shopifyアプリをダウンロードするだけで、多言語への自動翻訳や、現地通貨への自動レート変換も可能です。また、100種類以上の決済手段に対応しているため、展開する国ごとに最適な支払い方法を選択できるのも大きな強みです。
さらに、国際配送を効率化する機能も備わっており、送料や税金の自動計算、多言語対応の通知メール、送り状発行に対応したアプリなどを活用すれば、スムーズな物流管理が可能になります。
マーケティング面でも、InstagramやGoogleなどの広告を簡単に作成できるほか、Amazonなどの海外ECモールと連携し、一元管理できる仕組みが整っています。加えて、Shopifyのテンプレートは、世界175カ国で利用されていることから、海外市場にも馴染みやすいデザインのものが多く、魅力的なECサイトを簡単に構築できます。
越境ECに必要な機能や準備について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
セキュリティの強み

Shopifyは、セキュリティ面でも業界最高水準を誇ります。PCI DSSレベル1準拠の認証を受けており、ネットワーク環境の安全性の維持や、クレジットカード決済時のカード所有者データを保護し安全に処理するなどのほか、ホワイトハッカーによる24時間体制の監視システムで、不正アクセスやデータ漏洩を防ぎ、顧客情報を徹底的に守っています。
このような強固なセキュリティ体制を自社で用意しようと思うと莫大な費用が継続的にかかりますが、Shopifyでは全てのプランに標準で付与されます。
Shopifyのセキュリティ対策について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
Shopifyの導入事例
前項では、Shopifyが昨今のECサイトを構築するためのECプラットフォームとして十分な機能を持っていることをお伝えしました。ここからは、実際のShopify導入の成功事例を紹介しましょう。
ミキハウス
ミキハウスは、ベビー服や子供服を扱うアパレルブランドです。これまでのキャンペーン時など商戦機のアクセス増加によるサーバーダウンなどの課題を解決するためにリプレースを検討。世界中の拠点でサーバー負荷を分散し、安定した運用が実現することと、越境ECをはじめ拡張性の高いマルチコマースプラットフォームであることを決め手にShopifyを導入しました。
詳しくは、Shopify導入からOMOの成功シナリオまで深く掘り下げたこちらのインタビュー記事をご覧ください。
john masters organics
アメリカ発のオーガニックコスメブランドであるjohn masters organicsは、Shopifyを利用することで、実店舗と変わらないクオリティのサービスをオンラインでも実現しました。チャットを活用したサポートや、顧客レビュー機能を搭載し、UI/UXを考慮した購入体験を常に進化させています。
グリーンパン
グリーンパンは、ベルギーで誕生したフッ素樹脂を利用しない安心素材のフライパンをはじめとしたキッチン用品ブランドです。Shopifyでの効率的なECサイト構築により、多くのマーケティング施策を開始。UGCを活用したSNS戦略が成功し、Shopify導入後1年で577%の成長率を達成しました。
必要な機能を活用し、最適な状態で運営しよう
ECサイトは構築して終わりではなく、顧客のニーズに合った最適な状態で運営することが大切です。そのためには様々な機能が必要であるため、Shopifyのように拡張性や柔軟性に優れたECプラットフォームを選ぶことが大切になります。
初めてのECサイト立ち上げやリプレースに不安がある場合は、Shopify認定のPremierパートナーであり、370以上の様々な業種・業態のECサイト構築を支援してきたBiNDecにお気軽にご相談ください。これまでに培った実績と知見で、ECをトータルサポートをします。