Shopifyは世界中で利用される信頼性の高いECプラットフォームですが、どんなサービスでも障害リスクが完全にゼロになることはありません。この記事では、Shopifyで障害が起こる原因と、具体的な対策をまとめました。
Shopifyのサーバー耐久性と障害発生の確率
Shopifyはもともと高い耐障害性を持つインフラ設計を採用しており、世界規模のトラフィックを処理できるよう設計されています。
実際に、1年間で最も注文が集中するブラックフライデー・サイバーマンデーには、世界中で同時に膨大な注文が集中しますが、Shopifyはこの期間に数千万件以上の注文処理を安定してこなした実績があります。
障害が発生するケースはゼロではありませんが、数分以内に復旧する軽微なものがほとんどです。長時間にわたってECサイト全体が完全に停止するような大規模障害は、頻繁に起こるものではありません。
Shopifyの障害リスクは、過度に恐れるものではなく、適切な事前対策を講じることで十分にカバーできる範囲といえます。
Shopifyのサーバー性能について、詳しくは下記の記事をご覧ください。
ECサイトに障害が起きると何が起こるのか
障害が発生すると、ECサイトのページが表示されなくなったり、決済が完了できない状態になったりします。障害が起きている間は商品が購入できず、売上がそのまま失われることになります。
また、購入途中でエラーが出た顧客は不信感を抱き、二度と戻ってこない可能性もあります。障害は単なるシステムトラブルではなく、売上・顧客体験・ブランドへの信頼すべてに影響するリスクと捉えておく必要があります。
Shopifyで起こり得る障害の種類と原因
Shopifyで発生する可能性のある障害は、大きく以下の3つに分類できます。
1. ページ表示不可
ECサイトのトップページや商品ページにアクセスできなくなる障害です。主な原因としては、Shopifyのサーバー過負荷やネットワーク障害が挙げられます。また、テーマのコード破損や誤った設定変更、利用しているサードパーティアプリの不具合によって、特定のページだけが表示されなくなるケースもあります。
2. 決済機能の停止
商品ページは表示されるものの、カートや決済の処理が完了できなくなる障害です。購入意欲の高い顧客を取りこぼすため、売上への直接的なダメージが最も大きいタイプといえます。
原因としては、Shopify Paymentsや外部決済サービス側のシステム障害が多く、Shopify本体に問題がなくても発生する点に注意が必要です。
3. 管理画面へのログイン不可
ECサイトの表示には問題がないものの、管理画面にアクセスできなくなる障害です。注文管理や在庫更新作業ができなくなるため、EC運用業務ができないリスクがあります。原因の多くはShopifyの認証システムやAPIサーバーの障害で、外部連携ツールやアプリが正常に動作しなくなることもあります。
障害の影響範囲はShopify全体に及ぶ場合もあれば、特定の機能や地域に限定される場合もあります。そのため、障害が起きた際はまず自分のECサイトだけの問題なのか、Shopify全体の問題なのかを切り分けることが重要です。
障害が起きやすいタイミング
Shopifyのインフラは高い耐久性を持っていますが、サードパーティのアプリや連携した外部サービスがフラッシュセールのアクセス集中に耐えられず障害の原因になることはあり得ます。
また、テーマのアップデートやアプリの新規導入直後は、設定の不具合によってページ表示や決済に問題が生じるケースもあります。
こうしたタイミングには、事前の確認や対策を集中して行うことがおすすめです。
Shopfiyの障害発生をいち早く知る方法
障害が発生した際、気づくのが遅れるほど売上の損失は拡大します。メールや電話で顧客からクレームとなる前に、障害をいち早く検知できる仕組みをあらかじめ整えておくことが、被害を最小限に抑える第一歩です。
Shopify Statusページで現状をキャッチアップ
Shopifyは障害情報をリアルタイムで確認できるShopify Statusを公開しています。
このページでは、決済・管理画面・ECサイトの表示など、機能ごとの稼働状況を確認することができます。
障害が発生している場合は該当機能のステータスが変わり、影響範囲や復旧見込みについての情報も随時更新されます。自分のECサイトで不具合が起きた際は、まずこのページを確認することで、Shopify全体の問題なのか、自分のECサイト固有の問題なのかを確認することができます。

障害通知をメールやSlackで受け取る
Shopify Statusページは、メールやSlackで更新通知を自動受信する設定ができます。
ページ内の「Subscribe to Updates」から登録することで、障害の発生・復旧情報をリアルタイムで受け取ることができます。
自分からページを確認しに行かなくても通知が届くため、障害への気づきが大幅に早まります。EC業務の担当者だけでなく、制作・運用を依頼しているShopifyパートナーがいる場合は、関係者全員が通知を受け取れる状態にしておくことをおすすめします。
サードパーティの監視ツールを活用する
Shopify Statusページで確認できるのはShopify全体の稼働状況ですが、自分のECサイトが正常に表示されているかどうかは、別途監視ツールを使って確認することをおすすめします。
UptimeRobotやStatuscakeといった外部の監視ツールを使うと、指定したURLに定期的にアクセスし、表示できない状態になった際に自動で通知を送ることができます。
無料プランでも基本的な監視機能を利用できるため、導入のハードルは高くありません。Shopify Statusの通知と組み合わせることで、Shopify全体の障害と自分のECサイト固有の問題の両方を漏れなく検知できる体制を整えることができます。
障害が起きても売上を守るための事前準備
どんなECプラットフォームでも障害は完全には防ぐことができません。しかし、事前に準備をしておくことで、万が一障害が起きたときの被害を大きく抑えることができます。ここでは、今日からすぐに取り組める具体的な対策を紹介します。
テーマや注文・商品データをバックアップしておく
障害や予期せぬトラブルに備えて、注文や商品データは定期的にエクスポートしてバックアップを取っておくことをおすすめします。Shopifyの管理画面からCSV形式でデータをエクスポートする機能が用意されており、注文履歴・顧客情報・商品情報などをダウンロードして手元に保存することができます。
また、Shopify専用のバックアップアプリを活用すると、自動で定期バックアップを取る仕組みを手間なく整えることができます。デザインを変更する前はテーマのバックアップをとっておくこともおすすめです。
決済手段を複数用意しておく
利用している決済サービス側で障害が発生した場合、他の決済手段がなければ購入が完全にできない状態になってしまいます。
対策として、外部の決済サービスなど複数の決済手段をあらかじめ設定しておくことをおすすめします。顧客の側からも、支払い方法の選択肢が増えることで利便性が上がるため、障害対策としてだけでなくCVR改善の観点からも有効です。
障害時の対応フローをあらかじめ決めておく
障害が発生したとき、対応手順が決まっていないと確認や連絡に時間がかかり、その間にも損失が拡大してしまいます。障害発生時に誰が何をするかを事前にマニュアル化しておくことで、慌てずに初動対応を取ることができます。
対応フローには、Shopify Statusの確認・社内への報告・顧客への告知・Shopifyサポートへの問い合わせなど、やるべきことを順番に整理しておくとよいでしょう。顧客への告知においては、メールリストやSNSアカウントなど、ECサイト外の顧客接点をあらかじめ整備しておくことが有効です。障害発生時に迅速に顧客へ連絡できる体制があるだけで、不信感の拡大やクレームの増加を防ぐことができます。
Shopifyパートナーがいれば障害の事前回避も可能
障害やトラブルが発生した際、Shopifyの専門知識を持つパートナーがいると対応がスムーズになります。自分では原因の特定が難しいケースでも、パートナーがトラブルの原因調査から解決まで一貫してサポートしてくれるため、復旧までの時間を大幅に短縮できます。
また、障害対応だけでなく、アプリを導入する際のセキュリティや信頼性の検証もパートナーに依頼することがおすすめです。サードパーティアプリの不具合が障害の原因になるケースもあるため、導入前に専門家の目を通しておくことは障害の事前回避にもなります。
Shopifyパートナーは、日常的な運用品質を高めるパートナーとしての役割も担ってくれます。詳しくは下記の資料をご覧ください。
Shopifyの公式サポートで障害対応をスムーズに解決
自分のECサイト固有の問題と判断した場合や、障害が長引く場合はShopifyサポートへ問い合わせましょう。
Shopifyの管理画面右下のヘルプアイコンから、チャット・メール・コールバックの3つの方法でサポートに連絡することができ、日本語でのサポートにも対応しています。
また、Shopifyのエンタープライズ向けプランであるShopify Plusプランには専任のアカウントマネージャーがつきます。アクセス集中が見込まれるタイミングを事前に相談すれば、エンジニアを待機してもらうこともできるので、障害のリスクを大幅に抑えられます。
Shopfiy Plusプランについて、詳しくは下記の記事をご覧ください。
障害リスクと対策コストで考えるShopifyのメリット
通常のECサイトの障害リスク対策には、サーバーの冗長化や独自システムの構築など、膨大なインフラコストと運用負荷が発生します。
自社でサーバーを増強・管理する場合、初期費用だけでなく継続的な保守コストも必要となり、売上があっても利益がなかなか上がらないといった悪循環になりかねません。
その点Shopifyは、高い安定性を持つインフラを利用できる点が大きなメリットです。自社でインフラを持たずに、世界水準の安定性を低コストで享受できるのがShopifyを選ぶ合理的な理由の一つといえます。
リスクへの対策は、インフラへの投資ではなくアプリの選定とEC設計の工夫で十分にカバーできます。
セキュリティ性や信頼性の高いアプリを選び、障害リスクを正しく理解したうえで適切な設計をすれば、ShopifyはコストパフォーマンスとリスクのバランスにおいてEC事業者にとって合理的な選択肢になります。
Shopifyパートナーに依頼して障害に強いECを構築しよう
Shopifyの障害リスクは、正しく理解して事前に備えることで十分にカバーできます。この記事で紹介してきた対策の中でも、アプリの選定やEC設計については、専門知識を持つShopifyパートナーに依頼することでより確実なリスク回避が可能になります。
自分では気づきにくい設計上の脆弱性や、障害の原因になりやすいアプリの組み合わせなども、パートナーの視点から事前に洗い出すことができます。
BiNDecでは、ShopifyでのEC構築から運用まで一貫して支援しており、障害に強いEC設計やアプリ選定、ローンチ後の保守まで手厚く対応しています。Shopifyの導入を検討している方も、すでに運用中で障害対策を見直したい方も、まずはお気軽にご相談ください。



