ネットショップ(ECサイト)の拡充は、小売に限らず、BtoB、メーカー、サービス業など幅広い業種において、事業の持続的な成長と売上確保のために重要なものとなっています。WebサイトやSNS、オンライン動画といったものが日常の情報ソースを占めるようになったことから、ネットショップの自社運用は、企業が直接顧客とつながり、長期的な関係を築く手段としても欠かせません。
新たにネットショップを開設したい、あるいは既存のものから現在の状況にマッチしたサービスへ乗り換えたい時、どのようなサービスを選ぶことが正解か気になるところでしょう。
本記事では、ネットショップ運用のタイプと、代表的なサービスを比較しながら解説します。自社のニーズに即したサービスの選び方やネットショップ開設にかかるその他のコストについても紹介しますので、ぜひネットショップ開設の際の参考にしてください。
ネットショップを開設するにはどうすればいいか?
ネットショップを開設するには、「モール型ネットショップ」と「自社構築型ネットショップ」に大別できます。モール型は自社でネットサイトを持たずに間借りするタイプ、それ意外が自社サイト構築型です。それぞれ順番に説明していきます。
モール型ネットショップ
モール型ネットショップとは、楽天市場やAmazonのような多数のテナントをとりまとめているネット上のショッピングモールへ出店して運営する方法です。
モール型ネットショップのメリットは、すでに消費者からの一定の信頼を得ているモールのサイト内で商品を販売することで、決済システムが整っていたり、モール内検索やキャンペーンなどから、知名度の低い事業者でも一定の集客が期待できることです。またサイトの制作もモールの仕様に則って制作するためゼロからプログラム構築をするということはありません。
一方で、他社から仕入れた商品や類似品が多い商品は、安く出品しているものが検索で比較されるため差別化しづらくなります。ほかにも、運用コストが高い、継続的な集客のためにモール内広告も必要になるなどのデメリットもあります。よく聞かれる問題点としては、モール型ショップだけでは画一的なデザインのため自社のブランドイメージが伝えづらい、また、顧客の情報をモール側が所有してしまうため、顧客データを元にした施策や1to1マーケティングが難しいといった難点もあります。
モール型ネットショップについて詳しくは、以下もご参照ください。
自社の独自サイト型でネットショップを構築
自社でネットショップを独自に構築するのがこのタイプです。ゼロから構築する方法もありますし、ネットショップ向けのプラットフォームも利用できます。
大別すると、「ASPカートを利用する」「クラウドECを利用する」「パッケージ型ソフトで構築する」「オープンソースで構築する」「スクラッチ開発する」といったものになります。
1日で始められる手軽なものから、カスタマイズ性が高く手間もかかる構築方法まで様々ありますので、それぞれの特長や、構築の仕方について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
どのサービスを選ぶかにもよりますが、独自サイトはデザインや機能の自由度が高いため、自社のブランドの世界観を大切にしたネットショップを開設できる場合が多いでしょう。また、モール型では課題となる顧客データも、自社で取得・管理できるので、パーソナライズなマーケティング施策などによって、優良顧客の育成が行いやすくなります。
ネットショップ開設にShopifyがおすすめの理由
自社ブランドのイメージを大切しながらECを成長させるならば、独自サイト型でネットショップを構築するのがおすすめです。その中でも、多くのEC担当者や経営者がクラウドECのShopifyを選んでいます。その理由は大きく、拡張性と成長のしやすさ、そして世界レベルのセキュリティにあります。
カスタマイズ性が高く、成長後もリプレース不要でずっと使い続けられる
ネットショップにはどんな機能が必要でしょうか? 自社サイトを起ち上げるなら、競合サイト分析をして、自社では欠けている機能がないかを確認したり、また、顧客にとって利便性の高いカートや決済機能を用意したいと考えるでしょう。ですが、どの機能がサービスに入っているのか、あるいは追加料金が必要なのかなど、個別に仕様を考えていくのはとても手間のかかる作業です。
そして、事業の成長途中で「機能のキャパシティが足りなくなった」「新しい施策をしたいのに開発が必要」といった局面が訪れることがあります。また、消費行動のトレンドは日々変化するため、計画していた機能が翌年には時代遅れになってしまうということも無いとは言えません。
しかし、Shopifyは、カスタマイズ性が高く機能拡張のオプションも容易なため、ネットショップ開発におけるリスクを最小限に抑えられ、またスピーディーなネットショップ開設を可能にします。
フロントエンドデザインの高い自由度
Shopifyには、トレンド感のある豊富なデザインテーマがあり、無料で使えるものも揃っています。また、liquidというShopify専用のカスタマイズ言語を使えばオリジナルデザインにカスタマイズすることもできるため、ブランドの世界観を表現できるデザインが可能です。

機能の拡張性
世界中の開発者が提供する16,000種類以上のShopifyアプリ(拡張機能)を活用することで、CRM、在庫管理、オンライン接客など、ネットショップに必要な多種多様な機能を自由に追加できます。通常ならゼロからシステム開発が必要な機能も、Shopifyアプリなら開発・保守が要らず月額や従量課金のみで利用できるため、コストを抑えてスピーディに取り入れられます。
人気のあるShopifyアプリについて、詳しくは下記の記事をご覧ください。
セキュリティは世界の金融機関レベルの堅牢性
個人情報のやりとりと決済が発生するネットショップの運用においては、セキュリティ対策は最重要事項です。特に近年、ランサムウェアなど外部からのサイバー攻撃が多様化しており、自社でインフラやセキュリティの維持管理を行うことは、大きな負担となります。実際に、大手ネットショップがランサムウェアに感染して長期出荷停止されるなど、重大な社会問題も起きています。
Shopifyであれば、ショップデータをクラウド側で管理でき、社内管理の負担はありません。また、どのプランで契約しても、ネットショップに以下の強固なセキュリティ環境を提供しています。
サーバー負荷対策
Shopifyは、グローバルに分散されたインフラストラクチャを有しており、トラフィックの変動に合わせて自動的にスケーリングされます。ブラックフライデーなどのシーズンセールや限定商品の発売タイミングなど、瞬間的なアクセス集中にも耐えられるサーバーインフラを提供しているため、ショップの決済が止まるなどのトラブルを避けられます。そのため、機会損失の心配をすることなく、安心して大規模なプロモーションを実行できます。
強固なセキュリティ
世界の金融機関で使用されているPCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard)に完全に準拠しており、クレジットカード情報などの機密データを安全に処理することができます。
さらに、Shopifyは最新の暗号化技術(SSL証明書を含む)を標準で提供しており、顧客のデータとショップ間の通信を保護しています。 個別にセキュリティ対策を行う必要がなく、常に最高水準のデータ保護が保証されます。
24時間365日の監視・保守
セキュリティアップデートやインフラのメンテナンスはすべてShopify側で行われるため、EC担当者はセキュリティの心配をすることなく、商品の企画やマーケティングといった本業に集中できます。万が一の障害発生時にも、専門チームが迅速に対応し、ダウンタイムを最小限に抑える体制が整っています。 また、常に最新の脅威に対応するためのシステム更新が自動で行われるため、手動でのパッチ適用作業なども不要です。
これにより、社内リソースでセキュリティ対策ができない場合も、高水準で安全性の高いネットショップ運営が可能となります。セキュリティに関する詳細な対策については、こちらの記事をご参照ください。
一度開業すれば、ずっと成長し続けられる安心のプラットフォーム体系
スモールスタートしたネットショップが成長すれば、サーバーインフラの強化や機能の拡充などのために、システム全体をリプレースすることはあります。ただし、リプレースには莫大な時間とコストがかかり、その間にはビジネスの成長が滞りがちになるでしょう。
Shopifyは、小規模なスタートアップから年商数十億規模のエンタープライズまで、事業規模に応じて最適なプランが用意されているため、事業が拡大してもプラットフォームを乗り換える必要がなく、ずっと使い続けられる基盤が確立されています。
| プラン名 | 月額料金(年払い時、目安) | 主な対象 | 主な特徴とメリット |
|---|---|---|---|
| ベーシック | 4,000円 | これからネットショップを始める個人・小規模事業者 | ECに必要な基本機能が揃い、ブログ機能も利用可能。スタッフアカウントは2名まで。 |
| スタンダード | 11,000円 | 事業を成長させたい中小企業 | より詳細な売上レポート機能、割引された決済手数料。スタッフアカウントは5名まで。 |
| プレミアム | 59,000円 | 大規模な事業展開や高度なレポートが必要な企業 | 最も低い決済手数料、高度なレポートビルダー、自動化された配送料計算。スタッフアカウントは15名まで。 |
| Shopify Plus | 2,300 USD〜 | エンタープライズレベルの大規模ビジネス | 最高の処理能力とカスタマイズ性。チェックアウトの機能拡張、最大10のショップ作成、専用APIアクセス。 |
Shopfiyのプランについて、詳しくは下記の記事をご覧ください。
ネットショップを運用するためのコストとは?
ネットショップを運用するには、どのような料金がかかるでしょうか。諸経費についてその理由と内容を事前に理解しておくことで、サービスごとの料金を比較検討しやすくなります。実際の手数料の名称はサービスによって異なる場合がありますが、以下では一般的な名称でネットショップの運用費について、解説します。
構築費用
ネットショップのサイト(ECサイト)そのものを作り、ネット上に公開するまでの費用です。お店を開くようなものです。
社内で構築
APSカートやクラウドECなどで、Web制作の知識がある社員やSEが内製することもありえます。この場合はコストは人件費だけとなります。ただし、ネットショップ制作の経験やセキュリティ知識のないスタッフだけで内製するのは難しいでしょう。
専門業者に依頼して構築
APSカートやクラウドECなどのサービスを選んだ上で、制作会社などの専門家に依頼してサイトを構築してもらうことができます。費用はまちまちですが、プラットフォームごとに相場はあると言えます。これと決めたネットショップ運営サービスがパートナー企業を推奨している場合は、その中から外注先企業を選ぶことで、精通したノウハウを生かした提案を受けられます。
Shopifyなら、Shopifyパートナーという構築スキルを認定する制度があり、パートナーのランクによって対応できる規模がある程度わかります。詳しくは下記の記事をご覧ください。
フルスクラッチで開発
SE会社やWeb制作会社などに、サイト開発をゼロから依頼することもできます。もしくは、社内にシステム開発部を有している企業なら内製化できるケースもあるでしょう。フルオーダーで設計できるため、自由度は高くなりますが、予算面ではもっとも高額になりやすい構築方法です。
初期費用
初期費用は、サービスの利用を開始する際にかかる費用です。単純に◯万円と決められた費用がかかる場合もあれば、選んだプランに応じて「月額費用×◯ヵ月分」という計算をするサービスもあるので、事前に確認しておきましょう。なお、初期費用がかからないサービスもあります。
月額費用
月額費用は、毎月の売上にかかわらず必ず発生する費用です。いくつかのプランが用意されていて利用できる機能や画像などの容量が異なるサービスや、利用する機能に応じて月額費用が加算されるサービスなどがあります。
サービスによっては、月額費用が無料の場合もあります。月額費用がかからないサービスでは、次の項目で解説する販売手数料がサービス提供者側の主な収益になるので、売上がなければコストもかかりません。スタートアップの企業や、試験的にネットショップを開設したい企業などに適しているでしょう。反面、売上があったときの販売手数料は高めに設定されているケースも多いといえます。費用負担に関する十分なシミュレーションが必要です。
販売手数料
販売手数料は、主にモール型のサービスや、月額費用が無料のASP型サービスで発生する手数料です。商品の売上に応じて、一定割合の手数料が徴収されます。小規模スタートの際は月額費用がなく安上がりですが、販売数が伸びると、月額費用がかかるサービス以上より負担になっているケースがあるので、手数料の%だけでなく月額がどの程度になっていくかチェックしておく必要があります。
モール型では、通常の販売手数料のほかに、顧客に付与するポイントの原資とするための手数料やシステム利用料といった名目で売上に応じた料金が発生するケースもあります。それぞれのサービスの料金内訳を確認し、実質的な負担割合が何%になるのかを確認しましょう。
決済手数料
決済手数料は、顧客が利用した決済方法に応じて発生する手数料です。一律で割合が決まっているサービスもありますが、決済方法によって異なる割合が設定されているサービスのほうが多いといえます。
決済手数料は、大きな負担になる可能性もあります。自社のターゲット層が主にどのような決済方法を利用するのかをあらかじめ調査した上で、費用をシミュレーションしてください。例えば、10代の顧客が多い場合、クレジットカードを作れない年齢の顧客も多いため、コンビニ払いなどの比重が高くなるでしょう。このようなケースでクレジットカード払いの利率で決済手数料をシミュレーションすると、実情と齟齬が出てしまいます。
ターゲットごとにおすすめの決済方法について、詳しくは下記の記事をごらんください。
振込手数料
ネットショップから売上を振り込んでもらう際に、サービスによっては手数料がかかることもあります。また、少額の振り込みを依頼した場合に、別途事務手数料が発生することもあるため、出金システムをしっかり確認しておかなければなりません。
ネットショップ開設にかかるその他のコストとは?
上記ではネットショップそのものを運用するコストについて紹介しました。その他にもネットショップ運営をするならば考慮しておくべき関連のコストがあります。
マーケティング費用
ネットショップを開設したら、そこに見込み客が集まるように、さまざまな方法で集客と販売促進を行っていく必要があります。まず集客ではネット広告を使うのが一般的です。ネット広告では数十万円程度の少額予算からでも結果が出せるのが魅力です。ほかにもSNSやニュースリリース、メルマガなどを通じて、ショップの告知活動を行っていきます。
一度ネットショップに訪問したり、会員登録したユーザーに対しては、MA(Marketing Automation)や、CRM(顧客管理システム)を使って、パーソナライズした商品のレコメンドや、プロモーション活動を行っていきます。ネットのメリットを生かして、自動化プログラムを使うことで、高度なパーソナライズやステップを踏んだプロモーションが行えます。
物流コスト
ネットショップを運営するにあたっては、商品の保管やピッキング、梱包、配送などにかかる物流コストが必須です。物流関連の設備や人材を、自前で管理・運用する方法もありますが、例えば社内に倉庫もあり、発送担当者が存在する出荷元メーカーなどでない限り、物流倉庫にまとめて外注することがおすすめです。スピード面や人件費、365日対応なども含めた面で比較すると内製より、外注するほうがコスト的にも有利になる可能性が高いです。
具体的な料金は業者やサービス内容によって大きく異なりますが、一例として、おおよそ下記の金額がかかります。
| 項目 | 費用相場 |
|---|---|
| 基本料金(固定費) | 3万~5万円 |
| 保管料 | 3,000~1万円/坪 |
| 入庫料 | 10~100円/個 |
| ピッキング料 | 10~30円/個 |
| 検品料 | 10~30円/個 |
| 梱包料 | 100~500円/梱包 |
| 配送料 | 500~1,500円/個 |
物流倉庫を手配する場合は、オンラインサービスと連携ができるものを選ぶことが必須です。発注ミスや配送ミスを軽減し、効率的な物流を実現します。サービスについて詳しくは以下もご参照ください。
小〜大規模サイトのネットショップサービスおすすめランキング
企業向けのネットショップサービスを開設する際によく選ばれているサービスの売上ランキング(年間の流通総額で比較)と、特長をまとめました。個別のプラン紹介は表の下に続きます。プラットフォーム選定に、ぜひ参考にしてください。
表:ネットショップ運営サービス売上ランキング
| 名称 | 年間流通総額(GMV) | サービスの特徴 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| Shopify | 43兆8,412億円 | 世界175か国とグローバルで評価されるプラットフォーム。「アプリストア」を提供し、8000以上の機能を追加可能。実店舗との連携ができるPOSサービスも提供しOMOにも対応。 | アプリの数が多いため、自社にあったサービス選びには知見が必要となる。サイトのカスタマイズは知見を備えるパートナーとの協業が前提 |
| STORES | 3,800億円以上(*1) | 初期費用、月額費用共に0円、各種の業種向けにテンプレートがすべて無料 | HTML・CSSを使ったカスタマイズはできないためデザインの制約はある |
| makeshop | 3,428億円(*2) | 月額制で販売手数料が無料のため、グロスでのコストパフォーマンスに優れる。企業で使用することを想定したエンタープライズプランがある | HTML・CSSによる高度編集が可能。ノーコード編集機能は無い。商品点数や容量、ログイン数などはプランによって異なり、それぞれ制限がある |
| futureshop | 2,052億円(*3) | ノーコード編集(commerce creator)もHTML・CSS編集も可能。月額制で売上手数料無料。サポート対応や外部機能連携が充実している。パートナー制作会社の紹介もある | 商品数上限によってプラン価格が細かく刻まれている。 依頼する制作会社によってクオリティに差が出るため、機能を熟知しているかや好みのデザインかを事前に検討する |
| カラーミーショップ | 1,955億円(推計/*4) | フリープランと月額プランがあり、手軽に始められる。デザインテンプレートが多い(有料と無料がある)。専任のECアドバイザーを依頼することもできる | ディスク容量、 登録画像枚数、編集可能ページ数に制限あり。決済手数料はかかるものの、売上に応じて%が下がるプランもあるので規模により検討 |
| BASE | 1,542億円(*5) | 初期費用、月額費用共に無料で個人ユーザーも多い。 開店ネットショップ数が210万店を超え。HTML/CSS/JavaScript編集可能。インスタグラムでの販売や予約販売アプリなどスマホ展開が豊富 | 無料とはいえ、販売ごとの決済手数料、サービス利用料、振込料などのかかるコストを計算しておく必要あり。ノーコード編集は無し |
| ebisumart | 1,497億円(*6) | サイト設計の自由度が高く、拡張性にも優れ、企業での導入に選ばれることも多い。基幹システム連携などもAPIにより可能 | 初期構築コストが300万円以上 |
| ショップサーブ | 1,000億(*7) | D2Cに特化し、セキュリティにも強く、企業向けのサービスとして定評があるネットショップ構築プラットフォーム。マーケティング代行やコンサルティングの依頼も可能。制作パートナーの紹介あり | 顧客数に応じてプランが変更となる。初期費用は無料で決済手数料がかかる。機能追加に関して追加費用が月額で発生する |
| ecforce | 790億円(*8) | D2Cに特化し、ランディングページの設計やサブスク(定期購入)の運営などに強みあり | 費用体系が未公開。サイトの改変や機能拡張にコストがかかる |
*1=2023年の公式noteからの数値。STORESの関連サービスを含む
*2=2025年4月 makeshop公表データより
*3=コマースOneホールディングス決算説明資料
*4=2023年 決算発表資料のEC部門流通額からsuzuri、minne分を差し引いたもの
*5=ただし、2024年に買収されたD2C向けシステム「Eストアーショップサーブ」売上分を含むと5,000億円レベルにまで増加するとされる。出典は2024年12月期第4四半期 決算説明会資料
*6=2024年 ebisumart公表データより
*7=2024年12月よりBASE傘下へ。 資料は2021年3月期の情報
*8=2021年 ecforce公表データより
Shopify
Shopifyは、世界175ヵ国で利用されているクラウド型のネットショップサービスです。EC先進国であるアメリカで約3割が利用するプラットフォームで、流通額は世界最大級といってよいでしょう。D2Cプラットフォームの代名詞とも言われます。日本向けにも2017年にサービス開始し、BiNDecをはじめとした導入・運営を依頼できるパートナー企業も多数存在します。

通常のプランは3種類、それ以外のプランが2種類あり、それぞれ下記の手数料がかかります。
| 月額費用(*9) | クレジットカード決済手数料 | |
| ベーシック | 4,850円(3,650円) | 3.55~3.9% |
| グロウ | 13,500円(10,100円) | 3.4~3.85% |
| アドバンスド | 58,500円(44,000円) | 3.25~3.8% |
| スターター | 750円 | 5% |
| Shopify Plus | 2,300ドル~ | 2.9~3.75% |
*9=カッコ内は年払い時
ベーシック・グロウ・アドバンスドは、それぞれ決済手数料が異なるほか、利用できる機能が変わります。とはいえ、ベーシックでも商品登録数は無制限、24時間体制のサポート、分析機能など、一般的なECサイトで必要とされる機能は網羅されているといえるでしょう。
低価格のプランから上位プランへの変更も容易で、最初はコストを抑えて運営し、将来的には大きな成長を目指したいという事業者にも適しています。
また、通常のプランのほかに、SNSに特化したスターターと、エンタープライズ向けの充実した機能を利用できるShopify Plusもあります。
Shopifyについて、詳しくは下記のページをご覧ください。
STORES
STORESは、月額無料型と月額型の両方を提供するASP型ネットショップサービスです。フリープランなら、月額費用無料でネットショップを開設できます。

| 月額費用 | クレジットカード決済手数料 | |
| フリープラン | 無料 | 5% |
| スタンダードプラン | 3,300円(*10) | 3.6% |
| 年間決済3,000万円以上 | 要見積 | 2.9% |
*10=12か月契約
クレジットカード決済手数料のみというシンプルな料金体系のため、複雑な料金体系には抵抗があるという事業者でも安心です。ただし、独自ドメインの利用やアイテム動画の埋め込み、代引き決済といった機能はスタンダードプランでしか使えません。事業規模と利用したいサービスに応じて選びましょう。
makeshop
makeshopのプランも2種類です。手数料だけでなく、ログインアカウント数や画像サーバーの容量、メールテンプレート数といった機能の違いもあるほか、カスタマーサポートや運営サポートの充実度も異なるため、選ぶ際は機能面をよく確認してください。

| 初期費用 | 月額費用 | クレジットカード決済手数料 | |
| プレミアムプラン | 11,000円 | 13,750円 | 3.19%+1,100円/月 |
| makeshopエンタープライズ | 11万円 | 5万5,000円~ | 3.14% |
makeshopは、本記事で紹介するASP型ネットショップサービスの中でも比較的高額なコストがかかるサービスです。特に多くの機能を兼ね備えたmakeshopエンタープライズは、初期費用も月額費用も高額ですから、採算が取れるか十分検討する必要があるでしょう。
なお、makeshopエンタープライズでも商品は5万点までしか登録できませんが、さらに多くの商品を利用できる上位プランも用意されています。詳細は個別にお問い合わせください。
futureshop
futureshopは、2種類に大別されるプランの基本料金に、オプション機能料金と決済機能料金を合わせた手数料がかかるASP型ネットショップサービスです。なお、futureshopのプランは、登録可能な商品数に応じで細かく分かれているので、詳しくはfutureshopのWebサイトをご確認ください。

| 初期費用 | 月額費用 | クレジットカード決済手数料 | |
| futureshop | 22,000円~ | 26,400円~ | 3.2~3.5%+3円/件 |
| futureshop omni-channel | 827,200円 | 176,000円(*11) | 3.2~3.5%+3円/件 |
*11=別途実店舗費用がかかります。
futureshop omni-channelでは、実店舗の追加や会員登録機能などが利用できるプラットフォームサービスで、料金的にはかなり高額になります。futureshopプランでは別料金のポイント機能やクーポン発行機能、入荷お知らせメール機能などが標準搭載されています。会員ステージ機能や店舗受け取り、実店舗在庫表示といった機能も、オプション料金を払えば利用可能です。
カラーミーショップ
カラーミーショップの料金プランは、下記の4種類です。BASEやSTORESと同様、無料プランも用意されています。

| 初期費用 | 月額費用 | クレジットカード決済手数料 | |
| フリープラン | 無料 | 無料 | 6.6%+33円/件 |
| レギュラー | 3,300円 | 4,950円 | 3.4%~ |
| ラージ | 3,300円 | 9,595円 | 3.19%~ |
| プレミアム | 22,000円 | 39,400円 | 2.99%~ |
カラーミーショップは、以前よりもクレジット手数料が低く抑えられました。また、プレミアムプランは2025年2月より6か月で5%、または12か月で10%の長期割が提供されています。プランの違いはディスク容量で、レギュラーは5GB、ラージは100GBです。また、ラージ以上のプランであれば、Amazon連携や卸販売といった機能も無料で利用できます。
最も上位のプランであるプレミアムでは、決済手数料が抑えられるのと合わせて、ECアドバイザーサービスも提供されます。
BASE
BASEの料金プランは下記の2種類です。2つのプランの違いは金額のみで、機能はどちらを選んでも変わりません。またクレジットカード決済手数料は、Amazon PayとPaypalはさらに費用が加算されます。
BASE
| 月額費用 | サービス利用料 | クレジットカード決済手数料 | |
| スタンダードプラン | 無料 | 3% | 3.6%+40円〜 |
| グロースプラン | 5,980円 | 無料 | 2.9%〜 |
月商17万円未満の事業者はスタンダードプラン、月商17万円以上の事業者はグロースプランを選ぶとコストを抑えた運営をしやすいでしょう。
ebisumart
ebisumart(エビスマート)には3つのプランがあります。

| 料金体系 | 初期構築費用 | 月額費用 | |
| 従量課金プラン | サイトのアクセス数によって費用が変動 | 300万円〜 | 別途問い合わせ |
| 固定料金プラン | 月額費用が固定されている一般的なプラン | 300万円〜 | 別途問い合わせ |
| レベニューシェアプラン | 売上高に対して一定料率で月額費用が決定 | 1,000万円〜 | 売上高の2.5%〜 |
従量課金プランは閑散期にコストを抑えられるという売上に即した月額必要になるプランと言えます。最低料金は、月額20万円くらいから運用可能で、カスタマイズひよって初期構築費用は異なります。別途カスタマイズ不要なスタートアップ向けプラットフォーム「EBISUMART Lite」も登場しています。
ショップサーブ
ショップサーブでは、顧客レコード数に応じた3つのプランがあります。このプランに、利用したい機能に応じた追加料金を支払う料金形態です。例えば「定期購入」が初期費用・月額利用料共に5,500円などといったかたちで提供されます。

| 顧客レコード数 | 初期費用 | 月額費用 | クレジットカード決済手数料 | |
| プラン4 S | 5万まで | 33,000円 | 27,500円 | 3.5%~ |
| プラン4 G | 50万まで | 33,000円 | 71,500円 | 3.5%~ |
| プラン4 P | 100万まで(追加可能) | 33,000円 | 159,500円 | 3.5%~ |
使い方によって費用が大きく異なるため、個別に見積もりを依頼するのがおすすめです。
ecforce
D2Cの支援も行うecforceでは、定期購買やフォーム一体型のLP構築と運用などが強みです。料金体系は、初期費用 + 月額費用 + オプションから成りますが、金額は公開されておらず、サイトから資料ダウンロード申請をするか、問い合わせが必要です。

自社に合ったネットショップサービスの選び方
ネットショップの開設にあたっては、数多くのサービスの中から自社に合ったものを選ばなければいけません。一度開設したネットショップをほかのサービスにリプレースすることも可能ですが、コストと手間の無駄になりますし、URLが変わることで消費者離れが起こるおそれもあるでしょう。最初から適したサービスを選択できるよう、下記のポイントを意識して検討してください。
商材やブランドにマッチするサービスを選ぶ
ネットショップの開設では、取り扱う商材やブランドイメージに合わせてサービスを選択してください。
例えば、自社の世界観や個性を重視したい場合は、デザインテンプレートが豊富、カスタマイズしやすいと言われるサービスがおすすめです。事例なども見て、自社に合ったデザインテンプレートがありそうか検討することも必要です。テンプレートのままでは足りない場合の開発がどうなるか、制作パートナーが探しやすいかも調べてみましょう。
集客対策・リピーター対策ができるかで選ぶ
ネットショップのサービス選びでは、ターゲット層に合ったプロモーションが打てるかどうかも検討材料になります。
例えば、顧客が頻繁に利用しているSNSと連携がとれるかどうかや、メールマガジン配信ができるかどうか、一度購入してくれた顧客に対してどのようなアプローチができるのか、といった点は検討のポイントになるでしょう。
ターゲット層がよく利用するサービスや、顧客に提供したいサービスが利用できるかどうかも確認することをおすすめします。
構築や運用にかかる費用で選ぶ
単純に、ネットショップにかけられるコストでサービスを選ぶのもひとつの方法です。機能面などから候補に挙がったネットショップについて、実際にかかる費用をシミュレーションしてみるのは重要です。
ただし、欲しい機能を追加しようとすると別料金がかかったり、月額は無料でも規模が大きくなると手数料が高額になってしまう可能性があるなどは、そのままサイトを成長させることができなくなり、リプレースが必要になってしまうため、注意しなければなりません。
運用のしやすさで選ぶ
ネットショップサービスは、自社の担当者の誰もがスムーズに操作できる使いやすいものを選びましょう。
操作感が多くの担当者とマッチせず、特定の担当者以外操作できないようでは、業務の属人化が起こりやすくなります。多くの担当者が運用に慣れるために時間がかかってしまった場合は、無駄な人件費もかかっていることになります。専門知識がなくても、直感的に操作できる使いやすいサービスを選ばなければなりません。利用者によって権限に制限をかけられるサービスなら、より安心です。
また、運用のしやすさという観点では、将来的な事業規模の拡大を見据えることも重要になります。事業規模が拡大した時点で、機能が不十分になってきたからという理由でネットショップサービスの乗り換えをしなければならなくなると、新しいサービスへの習熟が必要になってしまいます。最初のサービス選びの時点で、プラン変更で大規模な事業展開にも耐えられるサービスを選んでおくと、そのような心配は不要です。
開設の早さ・容易さで選ぶ
ネットショップを開設する場合、実際に販売をスタートできるまでに一定の時間がかかることもあります。商機を逃さないために、できるだけ早く開設できるサービスを選ぶというのもひとつの判断基準です。
ECクラウドと呼ばれるクラウド型のサービスは、テンプレートと、既存の機能を組み合わせるようにしてネットショップを構築するので、比較的スピーディーに構築できます。ただし、操作が難しいと、ネットショップ開設後のページの作成や、商品の登録、決済の設定などに手間取って運用効率が悪くなることが懸念されます。開設までの期間が短く、かつ開設後もスムーズに運用できるネットショップを選ぶことが大切です。
Shopifyでネットショップを作るならBiNDecへ
Shopifyは、月額費用のリーズナブルさ、ネットショップ開設までの期間やスムーズな操作、サイト成長後の事業展開にも耐えられるスケーラビリティを備えたネットショップのプラットフォームです。
Shopifyでは、世界各国でShopifyサイト構築をサポートするパートナーを公認する制度持っており、BiNDecを提供するWEBLIFEは、Shopifyのパートナーの中でも最上位のShopify Platinumパートナーに認定されています。豊富な導入実績とハイレベルな技術力・知識量で、最適なネットショップの運用戦略をご提案します。ネットショップの開設をご検討の際は、ぜひご相談ください。





