Shopifyは、2006年にカナダで誕生したECサイトの構築サービスです。専門知識がなくても、Shopifyを使えば簡単に独自のECサイトを構築・運営できるため人気が高まり、日本でもShopifyを活用したECサイトが急増しています。
豊富なアプリで機能拡張が可能なほか、越境ECや外部サービスとのAPI連携にも対応し、セキュリティ性能が高いこともメリットと言われています。その一方で、日本語を含めたサポート力の弱さや、有料のアプリが多いことなどもデメリットと言われています。
そうしたメリット・デメリットの「実のところ」を実際の評判から紐解き、どのようなECショップと相性がいいのか、どのようにすれば上手く活用できるのか分析していきます。
Shopifyの機能や利用料金については下記の記事をご覧ください。
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世界的に広がるShopifyの人気度を数値でチェック
急速にEC業界を席巻しつつあるShopify。日本でもじわじわと人気が出ており、ECを考える人なら気になる存在といえるでしょう。しかし、人気があるといっても、その実態はどうなのでしょうか。世界と日本、それぞれの人気度について数字で見てみましょう。
世界トップクラスのマルチチャネルコマースプラットフォーム
人気は「世界でトップクラス」といってもなかなか想像できないところ。2024年4月時点でのbuiltwithの調査結果では、全世界で公開されているウェブサイトの上位100万件のうち、ECサイトの約25%がShopifyによるものでダントツの1位です。2022年6月には20%で、WooCommerceに次いで2位だったのが、2年足らずのうちに1位を奪還しており、その勢いが伺えます。特にEC先進国であるアメリカでは30%でシェアNo.1という調査結果が出ています。
また、ECシステムを提供するだけにとどまらず、2018年にLAに初の実店舗を開店し、2021年にはSOHO地区に起業家を対象としたコミュニティスペースを開設。商品の展示や販売ができるスペースや、起業家同士が交流できるコーヒーショップ、商品の撮影やプロモーション用の写真撮影に利用できるスタジオなどが併設されています。
まさに事業者の成長を促進するためのものであり、Shopifyのマルチチャネルコマースプラットフォームの理念が感じられます。
日本でも急成長!30000店以上のECサイトが公開
日本でも2017年に上陸して以来、着々とシェアを獲得し2024年5月の調査で16%のシェアを獲得しており、その数は33,975店と急増しています。前年比でも156%と急成長しています。この勢いはまだまだ続くと思われ、ユーザーの多さが魅力になっていることは、間違いないようです。
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評判・口コミから見えた、Shopifyの12のメリット
Shopifyを利用中、もしくはかつて利用していた人たちからの評価を統合すると、レビューサイトでは平均3.6〜4.2点といったところ。若干古いものもあるので、2022年以降の評判・口コミを見渡すと、誰もがそれぞれメリットとデメリットを上げています。そして、要望としてあげていたり、解決策を講じたりしています。
これらの様々な評判を整理してみると、メリット12点、デメリット4点に集約されました。それでは、それぞれについてどのような人がどのように評価しているか見てみましょう。
1.リーズナブルなコストでスモールスタートが可能
多くの利用者が口を揃えて初期費用の安さに魅力を感じたといいます。基本的なECサイトの機能が揃った「ベーシック」プランでも年払いで1ヵ月あたり25ドルと低コスト。活用方法も様々で、気軽にスタートできるのは大きな魅力といえるでしょう。
なお、利用開始から14日間は無料試用ができるので、とりあえず触ってみるのがおすすめです。
2.シンプルな操作性で初心者からでも始められる
ShopifyによるECサイト構築および運営は、専門的なプログラミングの知識がなくても可能です。業界を問わず、担当者自ら手を動かして作成することも可能です。
細かいカスタマイズにおいては、CSSやHTMLなどの知識が必要とされていますが、基本的なデザイン修正ならノーコードで十分可能です。運営開始後も詳細な売上分析機能が使えるので、初心者でも安心してサイト運営ができます。
3.機能豊富なアプリの充実でほしい機能を追加・拡張
Shopifyは専用のShopifyアプリによって簡単に機能拡張ができるため自由度が高いことも評価されています。
Shopifyアプリは、売上分析やSNSやメールでのマーケティング、Google広告連携、予約注文、リターゲティング、サブスクリプションなど10,000種類以上にも上り、細やかなカスタマイズも可能です。新しい施策のためにゼロからシステムを開発する必要がなく、手間とコストを抑えることができます。
様々な運用課題を解決してくれる、おすすめのShopifyアプリは下記の記事をご覧ください。
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4.越境ECへの対応力で海外への進出も比較的容易
Shopifyは175カ国で利用されていることもあって、世界の言語や通貨、関税、国内外の発送料の設定などに対応しており、越境ECにもスムーズに対応が可能です。開始直後は意識しないメリットかも知れませんが、売上が成長するにつれて海外展開が視野に入ってきた時には大きな魅力になります。
Shopifyの越境EC機能について、詳しくは下記の記事をご覧ください。
5.セキュリティ性が高く、トラブルリスクの低いEC運用が実現
隠れた魅力として「分かる人」にはセキュリティ性の高さが大きく評価されています。クレジットカード業界における世界基準に対応しているのはもちろん、ログインの二段階認証や管理画面のアクセス権の制限、ログイン履歴の確認など、運用面でのセキュリティを厳しく管理しています。
また、プラットフォームのセキュリティ上の欠陥やバグを24時間対応で発見・対応しています。スモールビジネスではおざなりになりがちですが、フラッシュセールなどで負荷が集中するサーバーの耐久性も非常に高いため、大手企業やBtoBの商材などにも活用されています。
Shopifyのセキュリティ対策について、詳しくは下記の記事をご覧ください。
6.デザイン性の高さで魅力あるサイトを作成可能
前述のシンプルな操作性でも触れましたが、テーマ(デザインテンプレート)が豊富で簡単にサイトがつくれるだけなく、そのテーマ自体が洗練され、デザイン性が高いことも人気のようです。なお、無料のテーマだけでなく、さらに凝ったデザインの有料テンプレートも用意されています。
ブランドの世界観に合わせたカスタマイズできるのはもちろん、テーマをそのまま使用してもトレンド感のあるサイトをつくることができます。また、ノーコードでもデザインの調整ができるという点でも支持を集めています。
Shopifyのおすすめテーマについて、詳しくは下記の記事をご覧ください。
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7.オムニチャネルへの対応力でリアル店舗との連携が容易
Shopifyでは、ECサイトだけでなく、実店舗での販売にも対応しており、オムニチャネルに役立つ機能が搭載されています。たとえば、すべてのプランで利用できるShopify POSでは、実店舗と在庫データを連携したり、実店舗を訪れた顧客に向けてECからリマインドしたりできます。
また、月額89ドルまたはShopify Plusへの加入で利用できる、Shopify POSの機能をより高機能にした「Shopify POS Pro」なら、オンラインストアで購入した商品の実店舗受け取りといった多くの機能を利用できます。実店舗を運営しているなら、ShopifyによるECサイトとの連携を構想してみてはいかがでしょうか。
Shopify POSについて、詳しくは下記の記事をご覧ください。
8.API対応で効率化を図り、様々なシステムと連携可能
基幹システムやメッセージアプリ、マーケティングツールなどの外部システムとECサイトのデータを連携できるAPIの充実は大きなメリットとして受け取られています。サイトが大きく成長するに従い、単独のシステムから様々なシステムと連携することが想定されるのは明らか。その可能性を鑑みて、API対応の充実を考慮するケースが多いようです。
9.スマートフォンからの操作性で簡単操作で運用も楽に
スマホファーストが当たり前になると、閲覧時も更新時も「スマートフォンから」を意識する必要があります。特に意識することもなくスマートフォン対応になるのは安心。また、細やかな対応が必要とされるサイト運営で、毎回デスクのPCに向かって作業するのはなかなか大変ですが、Shopifyモバイルアプリを使えば注文、配送、在庫、決済の管理ができるため、運用の負荷を軽減することができます。
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10.柔軟なスケールアップで規模に合わせプラン変更などが簡単
Shopifyはスケールアップが期待されるサイトには欠かせない高い拡張性を保持しています。簡易的なECシステムでスモールスタートして、売上が拡大してきたら他に乗り換えるよりも、始めからShopifyで構築しておけば、プラン変更によって規模に合ったEC環境へ簡単に移行できます。
11.SNSとの連携性でマーケティングに大きく寄与
Shopifyは様々なSNSと連携できるようになっており、そこからのシームレスな集客効果が期待できます。投稿や広告によるプロモーションのほか、たとえばFacebookページに商品を表示させたり、Instagram上で商品を販売したりできます。
ShopifyのInstagramの連携手順について、詳しくは下記の記事をご覧ください。
12.スムーズな入金サイクルで運営的に助かる
意外なメリットとしては、入金サイクルが短いことをあげる声も見られました。事業を行っていると、資金繰りは大きな懸案事項となります。入金サイクルは毎週金曜日か、毎月任意の日付の2パターンから選択できます。
時間軸はUTC(協定世界時)が基準となるため、詳しくは、下記の記事をご覧ください。
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悪い評判や口コミは?Shopifyのデメリットと解決策
Shopify利用者から挙げられた多くのメリットを紹介してきましたが、中にはビジネスモデルに合わなかった、想定外のコストがかかったという口コミもあります。どんなことが原因となっているか、解決策も併せて紹介します。
コストが嵩む可能性がある
基本的に低価格で導入ができるShopifyですが、有料アプリをどんどん追加するといつの間にか予算オーバーという可能性があります。事業の拡大時期には必要性に応じてアプリを選んだり、効果的に活用したり、一定の知識・調査が必要になるかもしれません。
活用のための知識が必要になることも
ベーシックな活用から徐々に慣れてきて、いろんな機能を使おうとするとその豊富さに戸惑うこともあるようです。やりたいことが増えるとその分知識が必要になる範囲も広がります。拡張性が高いゆえではありますが、時期によっては構築や運用を支援してくれるパートナーの手を借りたり、勉強したりする必要があるでしょう。
Shopifyの機能を熟知したパートナー企業について、詳しくは下記の記事をご覧ください。
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日本語によるサポート体制が弱い
Shopifyのサポートについては若干評価が下がります。とりわけ日本語対応がネックになっているようです。
2017年に日本に上陸し、日本公式サイトには日本語での解説が掲載されており、管理画面も基本的には日本語表記です。そのため通常の使用では特別英語力が求められることはありません。
ただし、何か詳しい情報を確認しようとすると、カナダ発のサービスということもあり、英語の解説しか見つからないことがあります。Google翻訳などのサービスを利用する方法もありますが、しっかりと内容を読み解くには、ある程度の英語力が求められます。
使いたいアプリがあっても、英語にしか対応しておらず戸惑うケースも多いようです。グローバルに展開するShopifyゆえの不満ですが、今後日本でのローカライズが進み、ユーザー同士の情報交換が活発化すれば一定改善してくると思われます。
その間は、日本のサポートチームに直接問い合わせるか、Shopifyのサイト制作支援を行っている事業者などのサポートを受けるのが賢明でしょう。エンタープライズプランのShopify Plusでは専任の担当者が就くため、機能に関するサポートや運用のアドバイスを直接受けることができます。
Shopify Plusプランの機能について、詳しくは下記の記事をご覧ください。
日本の商習慣にあってない部分がある
グローバルに展開し、各国各地域でローカライズされているとは言え、独特な商習慣の多い日本ではまだ対応力に課題もあるようです。ただし、国内でも様々なアプリディベロッパーが日本の商習慣に合わせたEC環境を実現するShopifyアプリを開発・提供しています。アプリの選び方や導入は、パートナーの力を借りるとよいでしょう。
国内の需要に合わせるために具体的にどんな課題やアプリによる解決策があるのかは下記の記事もご覧ください。
Shopifyの料金プラン
Shopifyのプランには、「ベーシック」「スタンダード」「プレミアム」の3つの通常プランに加えて、SNSとの連携でショッピング機能を提供する「スターター」プラン、取引量が多く、専任担当者の手厚いサポートが受けられる「Shopify Plus」があります。必要とする機能やECサイトの規模に応じて、最適なプランを選択しましょう。なお、いずれも初期費用は無料。月払いと年払いがあり、年払いでは利用料金が25%安くなります。
プランの詳細や選び方について、詳しくは下記の記事をご覧ください。
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Shopifyと他サービスとの比較
手軽にECサイトを作れるサービスとして、Shopifyの他にも「BASE」や「STORES」が急成長しています。いずれも初期費用は0円で。小さく始めて大きく育てるのに適していますが、それぞれ使える機能やかかる費用などが異なります。
BASEもSTORESも簡単にECサイトを構築できますが、サイトが充実するほど必要となる機能が不足したり、カスタマイズができなかったりする可能性もあります。将来的に規模の拡大を考えているのであれば、Shopifyを選ぶのが賢明と言えるでしょう。3つのサービスにおいて最もスモールなプランでコストや機能を比較してみます。
Shopify ベーシックプラン |
BASE スタンダードプラン |
STORES フリープラン |
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初期費用 | 無料 | 無料 | 無料 |
月額費用 | 25ドル〜 | 0円 | 0円 |
販売手数料 | 0〜2%(*1) | 3%(*2) | 無し |
決済手数料 | 3.55〜3.9% | 3.6%+40円 | 5% |
デザインテンプレート | 1000種以上 | 80種以上 | 48種類 |
ShopifyとBASEのさらに詳しい機能や料金の比較については下記の記事をご覧ください。
Shopifyのメリットを最大化するならパートナーの支援がおすすめ
今回は、Shopifyのメリット・デメリットについて、実際の評判を踏まえながら紹介してきました。特に専門知識がいらず、スピーディかつ低コストで立ち上げられる点においては、変化の激しい時代にあって優れたポイントといえるでしょう。また、サイトの成長に合わせてプランを変更したり、必要な機能を追加できることなども大きなメリットと言えます。
しかしながら、サイトが成長するにつれて機能を追加したり、より複雑なことを行おうとすると、日本語対応やサポートの弱さなどデメリットも見えてきます。そうした時には、導入・構築の段階から将来の拡大まで、伴走できるパートナーを持っていることが理想的です。
ぜひ、Shopify Plusパートナーに認定された確かな専門知識と豊かな経験を持つBiNDecにご相談ください。ブランドイメージに合ったクオリティの高いECサイトの構築からアプリ選定・導入などまで、専任のコンサルティングチームがご相談をお受けします。
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